え!僕が英雄?

よっしぃ

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ワワラドナ王国国立魔道学院

フィンセント・パスカル・レイナウト・トンケンス

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フィンセント・パスカル・レイナウト・トンケンス

ワワラドナ王国の現国王の長男、つまり王太子の息子で3男。現在13歳。

ヘルトより1歳年上。

そして、話してみると、不思議な人だった。

どうやら最初に絡んできた王子が長男で、この人は3男。
次男もいるみたい。この学院に。

後を継がないお気楽なのかな?随分砕けた雰囲気で、知識も豊富。頭の回転も速いのか、話慣れているのか、話していて飽きないんだ。


「フィン、聞きたい事があるんだけれど?」

いつの間にかフィンって呼んでほしいと言われ、フィンって呼んでる。

「何だいヘルト、僕が答えられる事ならいいんだけど。」

「えっとね、どうして僕の名前知ってたのかなって。」

「ああ、そのことかい?あおね、今の学園長、あの人ね、叔母さんなんだ。母親の姓を名乗ってるから、分からないと思うけれど。で、その叔母から、前もって今日、君が来るかもって聞いててね。どんな外見の人とかも聞いてたから、ヘルトを見かけた途端、あ、この人だって思ったんだ。」

「じゃあ、フィンのお兄様も前もって僕が来ること知ってたの?」

「知ってるも何も、王族みんなの前で言ってたからね。知らないはずはないんだが。」

じゃあ何で絡んできたのかなあ?

「そこのフェンちゃん、美味しいかい?」

「うん!おいしいよ!このお菓子、甘くっていいにおいするし。」

フェンはおいしそうにお菓子をもらって食べてる。君、さっき食堂で食べたばっかりだよね?

「多分、そこのフェンちゃんだろうね。どう考えてもここに普通はいない存在だろうし、見る人が見れば、その強さはわかるからね。」

「そうなんですか?」

「そうなんだよ。ヘルトは、鑑定とか、看破とか、そういったスキルは知ってるかい?」

「物を見て、何かわかるんだよね?」

「うん、その通りなんだけど、ある程度使いこめば、魔物や人、生き物も見てどんなつよ跡か、どんな名前とかもわかるんだよ?無論性別もね。」

何か意味ありげに僕を見る。

「まあ、ヘルトが何か隠したいって言うなら、僕もそれに乗っかってもいいけれど。」

僕はフィンをじっと見る。

気軽にフィンって言ってるけど、フェンと間違えそう。

「僕、人付き合いが苦手なんだ。だからね、色々面倒な事にならない様にしてるんだ。」

「あまり答えになってないようだけど、あまり突っ込まないようにしておくよ。」

そこまで話したら、ドアがノックされた。

「はいっていいよ。」


さっきの人が現れた。

「外は凄い騒ぎですが、どうされますか?」

「どんな感じかい?ヘルト卿を追い回してるの?それとも見つけて保護したいのかな?」

「そうですね、ヘルト卿、是非お戻りください。きっと何か勘違いしておられるのでしょうが、ヘルト卿が破壊した魔道具、ギルドに沢山あるので、問題ないのですよ。この学院にもまだあと10台ほど置いておりますし。あ、それと、値段も金貨1枚もしないので、あんなドラゴンのドロップアイテム置いていかれると、学院としても困ってしまうのですよ。フロリーナ学院長も気になさっておりましたよ。」


あれ?そうだったの?怖くなって逃げだしちゃったんだけど。

「じゃあやはり勘違いなんだね。ヘルト、僕が付いてってあげるから、一緒に叔母の所へ行こうか?」

「・・・・うん・・・」


こうして僕はフェンに付き添われ、フロリーナさんの所に戻る事になったんだ。
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