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国内無双編
閑話:超えていくボーダーライン
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──「理沙、お前は男に捧げる為に産まれたんだ」
私は生まれてから、そう言われて生きてきた。
*
母親は超一流のモデル。
ウクライナ系のハーフだという。
父親も日本と中国だか、韓国系だと言う。
物心つく前から、この家の人間はまるで創られたような。
そう。それはまるで異物のような感覚すら本能的に感じていた。
姉妹が5人いる。
でもなぜか、私が5歳になる頃には全て居なくなっていた。
今思えば、全員どこかの王室だとか偉い人の所へと送られたに違いない。
「お前がもっと※※を躾けないから!」
「貴方が下手くそだから!!」
私の前で喧嘩をするのは当たり前。
毎日、毎時間やっているような気持ちさえ感じる。
幼い私は、どうにか仲良くなってもらいたくて、色々二人の役に立つために頑張った。
部屋のお掃除。
パパの言うことを聞いたり。
ママの言う習い事を習って評価されるために頑張ったり。
でも、二人が仲良くなることはなかった。
私はいつも一人だった。
どっちかが居ても、言われるのは。
ーー理沙、勉強したのか?
ーー理沙、今日は男に気に入られる為の
そんなに大事なの?
男に気に入られる事が、そんなに?
人生で初めて言い返したのはその時が初めてだった。
だが、その時のパパの顔は今でも忘れない。
世界の終わりのような真っ青な顔。
その時だった。
「何を言ってる!!!!!!」
子供である私の身体を蹴り上げ、蹲る私の顔を何度も殴ってくる。
「ぱ⋯⋯パパ⋯⋯ごうぇんなさい」
腫れ上がった私の顔を見て正気に戻ったのか。
満足気に見下ろし、私の部屋から去っていく。
「ぅ⋯⋯ぅぅ」
狭い部屋。
無機質で、あるのは優勝トロフィーと、仮面を張り付けた家族写真。
ただ色味もないベッドの上で私は、自分の鼻血を触りながら角で体育座りをするしかない。
両手をみて、私はその家族写真を見つめる。
何をしているんだろう?
胸の音が止まらない。
体が震える。
生命維持が拒みそうな。
何がいいんだろう。
みんなこうなのか?
時間が経つ度、私の思考は無くなっていく。
*
「わぁぁ」
当然、学校には行かせてくれないので、家で通信教育を受けながら、使用人の一人がサマースクールという家族物のドラマを見せてくれた。
『誕生日おめでとー!』
私にはどれも初めての物ばかりだった。
家族はみんなでご飯食べるのか。
誰かの誕生日に物をあげるんだ。
楽しくご飯って食べれるんだ。
だから11歳の私は、計画した。
両親の結婚記念日。
「じゃーん!」
お金は持っていなかったけど、手作りのマフラーと手袋を作った。
ケーキも使用人の人と一緒に作って、どんな感じで進行していくのかも書いて。
笑顔の私を見て両親も喜んでくれた。
いつもの顔が嘘みたいに。
「じゃあ⋯⋯」
だが。私が計画した進行表の項目で、二人の好きなところを言ってもらおうとした時だ。
「あなたに良い所」
「おいおい、いっぱいあるだろう?」
そんな小さい事からだった。
口喧嘩が始まったのだ。
それまで楽しく話していた事をそっちのけで。
「理沙が折角用意してくれたのに何やってるの!!」
「元はといえばお前が始めてたんだろう!」
私が作った料理が下に落ちる。
でも二人はそっちのけ。
私があげたプレゼントも床に落ちて組み合った衝撃で踏んづけた。
壁に押し付けたせいで今日の進行表が破れて落ちた。
「あなたがっっっ!!!」
私がサプライズケーキ持ってきたところで、机は最悪の状態だった。
テーブルが動き、私の持っていたケーキもその場で落ちてしまった。
「「あ」」
「あ、アハハハ」
家族って⋯⋯なんだろう?
「だ、大丈夫!あはっ⋯⋯」
ーー誕生日おめでとー!
なんで上手くいかないの?
苦しい。どうすれば。
どうすれば⋯⋯?
*
「理沙?」
「うん」
「元気ないな、何かあったのか?」
わからない。
あの日から、私の感情がピクリとも動かなくなった。
ご飯も美味くないし、時間が何時とかも気にならなくなった。
「理沙が急に真面目になるなんてな」
「ただ、可愛げがなくなっちゃったわね」
家族は幻想だ。
だから、もうどうでも良くなってしまった。
しばらく可愛げが無くなったと言われたので、努力した。
「パパおはよっ!!」
「おー、理沙元気出るようになったな!」
「うん!」
笑う。何も思わなくなったけれど。
「そろそろ理沙も良い年頃だ」
と、私は性教育の実践を行わされた。
14歳だ。
こういう所から、私の生まれた意味を理屈的に理解しだした。
ナニカが──私の中から割れた音がする。
私の中から、私を消してくれと叫ぶようになった。
「≪<》『[<⊃[<『》》》!!!!!」
誰も居ないのを感じると、シャワーを浴びなから叫ぶようになった。
誰も私を見てくれない。
誰も、誰も。
「***+""*っっっっ!!!ぁあぁ!!!!」
綺麗なタイルを叩く。
でも、肌を傷つけてはいけない。
私は全てを縛られている。
だから死ぬ勇気なんてない。
だから、誰か私を殺してほしい。
生きてるのが辛い。
みんなが普通に生きれてる事が羨ましい。
1日に何人もの男を見ないといけなくて。
どいつもこいつも気持ち悪い顔をして。
「しねぇぇぇぇ!!!!」
頭がおかしくなった。
完全に私の中で誰かがいる気がした。
「ううっ⋯⋯!!っはー!はぁー!!《→≪→≪<《<《」
精神が耐えられなかった。
*
誰かが外国語で喋っている。
「娘に、10億も?」
私には分かる。
10億と聞いて笑っている父親の姿が。
「陛下がそのように仰っています。
視えている世界にこの娘が必要だと」
「へっ、陛下はどのような事が?」
「ははっ。知らない方がいい事もあります」
「で、ですよね!申し訳ありません!」
「えぇ。これから毎年援助致しますから、極上に育ててくださいね」
私は、家畜だ。
檻の中にいる家畜に過ぎない。
「理沙、そろそろ良い年頃だ。
自由にしなさい」
「え?」
「どうした?
時間が来るまで、自由にして構わない。
最期の時までな」
返事すらしなかった。
私は、普通を知りたい。
普通を──。
「おはようございますー!」
「理沙ちゃん元気で良いね!」
「ありがとうございます!」
労働をして、同僚がいる。
会社勤めの生活。
私が望んだのは、たったそれだけ。
「私が稼いだお金だ!」
口座に入る忖度のない新入社員の給料。
当然──
「んん~!!」
スイーツ巡り。
食べ放題。
洋服。
そして、運動。
やりたい事をやった。
「人事異動⋯⋯ですか?」
「優秀過ぎて手がなぁ」
やりたくない事ではあるが、落とせるかどうかで給料が変わる。
やりたい事をやるためには、何かを捨てなくてはならない。
私の人生にはピッタリな言葉だ。
あと数年なのか、一年なのか。
好きに過ごそう。
*
「よろしくっ!」
対象者、伊崎湊翔(15)。
滅茶苦茶扱いやすい。
何故こんな子を落とす必要があるのかは理解しているが、私達が何もしなくても情報を落としそう。
「うへっ⋯⋯まじで柔らかい」
「そー? 男の子って好きだよねぇ」
「母性大事よー」
幻想だ。
母性なんてない。
男が勝手に勘違いしてるだけだ。
家族なんてない。
「理沙ちゃん見てよ!」
あ、私が欲しいって言ってた⋯⋯
「理沙ちゃん、運動施設を作りました!」
⋯⋯⋯⋯。
「理沙ちゃん!見てぇ!」
「お兄ちゃんが変なことしてるー!」
パンツ一枚で意味の分からないおもちゃを回しながら真壁さんの兄妹と遊んでいる。
それを見て、無意識に苛ついた。
幻想だ。家族なんてない。
いつかは終わるものだ。
関係ない。
「理沙ちゃん」
そこには、子供達と、その場にいるみんなからの。
「誕生日、おめでとう!!!」
息が。
「どうした?理沙ちゃん?」
「大将が泣かせたぞ!」
「誰か捕まえろー!!」
「逃げろー!!」
苦しい。
なんで年下の子供に私は変な事を思っているのだろう。
苦しいよぉ。
「理沙ちゃん、大丈夫?」
ある夜。
行為中に私を気遣う彼に、聞いた。
「無理やりでいいよ。私なんて関係ないから」
そう。変態で、下品な目線を向けて、金の亡者で、クズでいてほしい。
「やだよ。折角の行為で男女一緒じゃないと」
やめて欲しい。
毎日、毎日。
過ごしていく度に、私がおかしくなっていく。
いつか終わりが来るから。
「20億?30億?いいですよ」
もう。終わりかと思っていた。
私は目の前で何も喋れない中、彼はいつもの見たことない表情で私の父を殴りつける。
「てめぇの道具じゃねぇんだよ!!!!!」
あぁ。苦しい。
ここ一年、胸が苦しい。
恋をしそうで。
本気で人を好きになりそうで。
変態で。
誰かを想えるけど不器用で。
度量も器量もあって。
人間味があって。
自由で。
たまに言いたい事ばかり言うけど。
私が欲しいものを全て持ってる人。
「っつー。折れちったっ⋯⋯どうした!?」
大号泣してしまった。
私の男が、私の為に体を張ってくれたのだ。
簡単な事ではない。
誰にだって出来ることではないのだ。
「大好きっ!」
「理沙ちゃんが笑ってくれるんなら良かったって」
駄目だ。
時間が経つ度に、あなたが私の中で広がっていく。
想像してた人生とは違うけど。
私はこの人以上の男を超える人を見たことがない。
だから、きっとあなたのそばに居続けると思う。
ボーダーラインを超える人が現れるまで。
私はあなたに男を見る。
私は生まれてから、そう言われて生きてきた。
*
母親は超一流のモデル。
ウクライナ系のハーフだという。
父親も日本と中国だか、韓国系だと言う。
物心つく前から、この家の人間はまるで創られたような。
そう。それはまるで異物のような感覚すら本能的に感じていた。
姉妹が5人いる。
でもなぜか、私が5歳になる頃には全て居なくなっていた。
今思えば、全員どこかの王室だとか偉い人の所へと送られたに違いない。
「お前がもっと※※を躾けないから!」
「貴方が下手くそだから!!」
私の前で喧嘩をするのは当たり前。
毎日、毎時間やっているような気持ちさえ感じる。
幼い私は、どうにか仲良くなってもらいたくて、色々二人の役に立つために頑張った。
部屋のお掃除。
パパの言うことを聞いたり。
ママの言う習い事を習って評価されるために頑張ったり。
でも、二人が仲良くなることはなかった。
私はいつも一人だった。
どっちかが居ても、言われるのは。
ーー理沙、勉強したのか?
ーー理沙、今日は男に気に入られる為の
そんなに大事なの?
男に気に入られる事が、そんなに?
人生で初めて言い返したのはその時が初めてだった。
だが、その時のパパの顔は今でも忘れない。
世界の終わりのような真っ青な顔。
その時だった。
「何を言ってる!!!!!!」
子供である私の身体を蹴り上げ、蹲る私の顔を何度も殴ってくる。
「ぱ⋯⋯パパ⋯⋯ごうぇんなさい」
腫れ上がった私の顔を見て正気に戻ったのか。
満足気に見下ろし、私の部屋から去っていく。
「ぅ⋯⋯ぅぅ」
狭い部屋。
無機質で、あるのは優勝トロフィーと、仮面を張り付けた家族写真。
ただ色味もないベッドの上で私は、自分の鼻血を触りながら角で体育座りをするしかない。
両手をみて、私はその家族写真を見つめる。
何をしているんだろう?
胸の音が止まらない。
体が震える。
生命維持が拒みそうな。
何がいいんだろう。
みんなこうなのか?
時間が経つ度、私の思考は無くなっていく。
*
「わぁぁ」
当然、学校には行かせてくれないので、家で通信教育を受けながら、使用人の一人がサマースクールという家族物のドラマを見せてくれた。
『誕生日おめでとー!』
私にはどれも初めての物ばかりだった。
家族はみんなでご飯食べるのか。
誰かの誕生日に物をあげるんだ。
楽しくご飯って食べれるんだ。
だから11歳の私は、計画した。
両親の結婚記念日。
「じゃーん!」
お金は持っていなかったけど、手作りのマフラーと手袋を作った。
ケーキも使用人の人と一緒に作って、どんな感じで進行していくのかも書いて。
笑顔の私を見て両親も喜んでくれた。
いつもの顔が嘘みたいに。
「じゃあ⋯⋯」
だが。私が計画した進行表の項目で、二人の好きなところを言ってもらおうとした時だ。
「あなたに良い所」
「おいおい、いっぱいあるだろう?」
そんな小さい事からだった。
口喧嘩が始まったのだ。
それまで楽しく話していた事をそっちのけで。
「理沙が折角用意してくれたのに何やってるの!!」
「元はといえばお前が始めてたんだろう!」
私が作った料理が下に落ちる。
でも二人はそっちのけ。
私があげたプレゼントも床に落ちて組み合った衝撃で踏んづけた。
壁に押し付けたせいで今日の進行表が破れて落ちた。
「あなたがっっっ!!!」
私がサプライズケーキ持ってきたところで、机は最悪の状態だった。
テーブルが動き、私の持っていたケーキもその場で落ちてしまった。
「「あ」」
「あ、アハハハ」
家族って⋯⋯なんだろう?
「だ、大丈夫!あはっ⋯⋯」
ーー誕生日おめでとー!
なんで上手くいかないの?
苦しい。どうすれば。
どうすれば⋯⋯?
*
「理沙?」
「うん」
「元気ないな、何かあったのか?」
わからない。
あの日から、私の感情がピクリとも動かなくなった。
ご飯も美味くないし、時間が何時とかも気にならなくなった。
「理沙が急に真面目になるなんてな」
「ただ、可愛げがなくなっちゃったわね」
家族は幻想だ。
だから、もうどうでも良くなってしまった。
しばらく可愛げが無くなったと言われたので、努力した。
「パパおはよっ!!」
「おー、理沙元気出るようになったな!」
「うん!」
笑う。何も思わなくなったけれど。
「そろそろ理沙も良い年頃だ」
と、私は性教育の実践を行わされた。
14歳だ。
こういう所から、私の生まれた意味を理屈的に理解しだした。
ナニカが──私の中から割れた音がする。
私の中から、私を消してくれと叫ぶようになった。
「≪<》『[<⊃[<『》》》!!!!!」
誰も居ないのを感じると、シャワーを浴びなから叫ぶようになった。
誰も私を見てくれない。
誰も、誰も。
「***+""*っっっっ!!!ぁあぁ!!!!」
綺麗なタイルを叩く。
でも、肌を傷つけてはいけない。
私は全てを縛られている。
だから死ぬ勇気なんてない。
だから、誰か私を殺してほしい。
生きてるのが辛い。
みんなが普通に生きれてる事が羨ましい。
1日に何人もの男を見ないといけなくて。
どいつもこいつも気持ち悪い顔をして。
「しねぇぇぇぇ!!!!」
頭がおかしくなった。
完全に私の中で誰かがいる気がした。
「ううっ⋯⋯!!っはー!はぁー!!《→≪→≪<《<《」
精神が耐えられなかった。
*
誰かが外国語で喋っている。
「娘に、10億も?」
私には分かる。
10億と聞いて笑っている父親の姿が。
「陛下がそのように仰っています。
視えている世界にこの娘が必要だと」
「へっ、陛下はどのような事が?」
「ははっ。知らない方がいい事もあります」
「で、ですよね!申し訳ありません!」
「えぇ。これから毎年援助致しますから、極上に育ててくださいね」
私は、家畜だ。
檻の中にいる家畜に過ぎない。
「理沙、そろそろ良い年頃だ。
自由にしなさい」
「え?」
「どうした?
時間が来るまで、自由にして構わない。
最期の時までな」
返事すらしなかった。
私は、普通を知りたい。
普通を──。
「おはようございますー!」
「理沙ちゃん元気で良いね!」
「ありがとうございます!」
労働をして、同僚がいる。
会社勤めの生活。
私が望んだのは、たったそれだけ。
「私が稼いだお金だ!」
口座に入る忖度のない新入社員の給料。
当然──
「んん~!!」
スイーツ巡り。
食べ放題。
洋服。
そして、運動。
やりたい事をやった。
「人事異動⋯⋯ですか?」
「優秀過ぎて手がなぁ」
やりたくない事ではあるが、落とせるかどうかで給料が変わる。
やりたい事をやるためには、何かを捨てなくてはならない。
私の人生にはピッタリな言葉だ。
あと数年なのか、一年なのか。
好きに過ごそう。
*
「よろしくっ!」
対象者、伊崎湊翔(15)。
滅茶苦茶扱いやすい。
何故こんな子を落とす必要があるのかは理解しているが、私達が何もしなくても情報を落としそう。
「うへっ⋯⋯まじで柔らかい」
「そー? 男の子って好きだよねぇ」
「母性大事よー」
幻想だ。
母性なんてない。
男が勝手に勘違いしてるだけだ。
家族なんてない。
「理沙ちゃん見てよ!」
あ、私が欲しいって言ってた⋯⋯
「理沙ちゃん、運動施設を作りました!」
⋯⋯⋯⋯。
「理沙ちゃん!見てぇ!」
「お兄ちゃんが変なことしてるー!」
パンツ一枚で意味の分からないおもちゃを回しながら真壁さんの兄妹と遊んでいる。
それを見て、無意識に苛ついた。
幻想だ。家族なんてない。
いつかは終わるものだ。
関係ない。
「理沙ちゃん」
そこには、子供達と、その場にいるみんなからの。
「誕生日、おめでとう!!!」
息が。
「どうした?理沙ちゃん?」
「大将が泣かせたぞ!」
「誰か捕まえろー!!」
「逃げろー!!」
苦しい。
なんで年下の子供に私は変な事を思っているのだろう。
苦しいよぉ。
「理沙ちゃん、大丈夫?」
ある夜。
行為中に私を気遣う彼に、聞いた。
「無理やりでいいよ。私なんて関係ないから」
そう。変態で、下品な目線を向けて、金の亡者で、クズでいてほしい。
「やだよ。折角の行為で男女一緒じゃないと」
やめて欲しい。
毎日、毎日。
過ごしていく度に、私がおかしくなっていく。
いつか終わりが来るから。
「20億?30億?いいですよ」
もう。終わりかと思っていた。
私は目の前で何も喋れない中、彼はいつもの見たことない表情で私の父を殴りつける。
「てめぇの道具じゃねぇんだよ!!!!!」
あぁ。苦しい。
ここ一年、胸が苦しい。
恋をしそうで。
本気で人を好きになりそうで。
変態で。
誰かを想えるけど不器用で。
度量も器量もあって。
人間味があって。
自由で。
たまに言いたい事ばかり言うけど。
私が欲しいものを全て持ってる人。
「っつー。折れちったっ⋯⋯どうした!?」
大号泣してしまった。
私の男が、私の為に体を張ってくれたのだ。
簡単な事ではない。
誰にだって出来ることではないのだ。
「大好きっ!」
「理沙ちゃんが笑ってくれるんなら良かったって」
駄目だ。
時間が経つ度に、あなたが私の中で広がっていく。
想像してた人生とは違うけど。
私はこの人以上の男を超える人を見たことがない。
だから、きっとあなたのそばに居続けると思う。
ボーダーラインを超える人が現れるまで。
私はあなたに男を見る。
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