【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

文字の大きさ
127 / 247
国内無双編

文化祭(前編)

しおりを挟む
 時が経つのはあっという以下(ry──

 「んー!」

 「おはよぉ」

 今日は文化祭だ。
 そして。

 今日という日は俺にとっては地獄みたいな日だということでもある。

 顔を洗って飯を食いにリビングへ。

 「花南ちゃん起きてたのか。
 おっはー」

 「あっ、おはようございます!」

 花南ちゃんも大変だろうが、まぁうちに早く適応してくれたのは良かった。

 「防音対策はバッチリだと思うが、メインの方は?」

 「マイリス⋯⋯あっ、マイリストっていうのがあるんですけど」

 「ほうほう」

 「それが6000くらいで」

 え?めちゃくちゃ凄いのでは?
 確かこの時代って1万もあったらかなりやばいやばい言われるようなレベルだったと記憶しているが。

 「かなり凄いじゃん?
 飯はそれで食えてるのか?」

 箸の手が止まる。
 それはそうか。

 俺の知ってる未来ではやっと認知しだしたのは後半も後半。

 逆に言うとそれから数年で芸能人が使うほどのサービスになったと言えば凄さが分かる。

 「将来はプロというか、こういうので食べていけたらなーっていうのは曖昧なんですけどあって⋯⋯」

 おぉ。良い所にダイヤの原石おるやん。

 「困ったら言ってな?」

 「え?」

 よしは俺が金持ちであることと個人投資やファンド運営によるもので金を集めていると思っている。

 花南ちゃんも似たようなレベルだ。

 ましてや俺がそんなに力を持っていることもあまり知っていない。

 なんなら、この周りにいる男たちがガチの極道だってこともあまり分かってない。

 「ん?俺の会社」

 「会社⋯⋯ですか?」

 「多分知ってると思うよ?」

 「あ⋯⋯!石田さん?」

 そうか。そっちは知ってるのか。
 だからアイツやたら話し掛けられているなぁって思ったわ。

 「あー、アイツは俺の代わりに運営してるだけ」

 「はっ?」

 数秒息していない。
 顔の前で手を振る。

 「おーい、生きてるかー?」
 
 「はっ!なんでも!」

 「おぉ、戻って来たか。
 な? アルケミ。

 俺の会社ならいつでも枠あるから言えよ?」

 「い、伊崎さんが⋯⋯アルケミの実質的な?」

 「おん」

 今にも死にそうって顔だ。

 「まぁでも予測はできるだろう?
 石田が俺に従ってる段階で」

 「た、たしかに⋯⋯」
 
 「あれ?伊崎さん花南さんをいじめてませんよね?」

 「んなわけ無いだろ?今日なんて虐める元気も残らねぇんだから」

 「聞いてもいいんですか?」

 よしも花南ちゃんもだが、俺達の会話に緊張感があるようで。

 あまり詮索というか聞こうとしてこないのだ。

 「もちろん。運営してるでしょ?」
 
 「は、はい」

 「俺とよしのいるところって金持ちとか権力持ってる奴らばっかじゃん?」

 無言で頷く花南ちゃん。

 「まぁ俺が絵を描いたって知ってる人間がいっぱいいるって事」

 何かを察したようだ。
 一気に老け込んでいる。

 「あー⋯⋯だから」

 「ん?なんか俺が思ってるものとは別の感じがするが」

 「私も在校生じゃないですか?」

 あぁ、確かに。

 「伊崎先輩かっこいいー!ってよく聞いていたので、納得しました」

 「その話だと別にイケメンではないけど権力があるっていう風に聞こえるんだが」

 遠くの方でブフって聞こえるなぁ?

 おい、てめぇ笑ってんじゃねぇぞ、石田。
 唾をフライパンに入れたら死刑な。

 「いっ!いえ!そんな事は⋯⋯!」

 「まぁまぁパッとしねぇから別に良いけどね」

 この顔も"だいぶ馴染んできた"しな。

 外見が良いと目立つし変な事に巻き込まれやすかったからな。

 「なんか⋯⋯ごめんなさい」

 「そんな落ち込むな。別に大丈夫だよ」

 「よ、良かった⋯⋯!」

 俺外ではどんな奴だと思われてんだよ。

 「ま、そんな訳だから。
 マジで遠慮せずに言いたかったらいいな」

 「あっ!是非!」

 「ざっきー!」

 「起きてきたな、ハイテンションお化け」

 キッチリ制服に着替えてうちの奴らに挨拶しながらやってくるよし。

 「珍しくねぇ!?」

 「今日は死ぬ気しか起こらねぇ事を容易に予想出来る」

 俺の反応を察したのか、秒速で俺の肩に手をおいてポンポン。

 「頑張れよ!」

 「あぁ。憂鬱だ」

 みんなにとってはイベント日だからアレなのだろうが、俺にとっては厄日だ。

 後こんなイベントがもう一年あると思うとマジでやってられん。

 微かな記憶で社会人の時、毎日遠くの方で青春している学生を見て学生生活って楽しそうに見えたのだが、意外と当事者になるとそうでもないのか?

 それとも、俺が楽しめていないかの二択か。
 どうだったかな。
 
 「大将、車の準備⋯⋯大丈夫か?」

 「あぁ」

 「伊崎さーん!!行ってらっしゃい!!!!」

 「コラァ石田!!
 てめぇ帰ったら俺とスパーリング10Rなァ!!!」

 俺の顔を見た石田がキッチンから乗り出してウッキウキで見送りやがって。

 ボッコボコだからな!てめぇ!!





 そうしていよいよ文化祭だ。
 うちの学校は関係者のみの開催だ。

 到着するなり早速違う。

 「ざっきー!あれ!」

 某有名アイドルグループだ。
 歌って踊ってくれている。

 既に知っていての事か、観客も相当いる。
 
 「関係者って言ってたけど、結構いるな」

 「まぁ金持ち連中だからそういうところは言葉だけじゃねぇの?」

 なんの為のルールなんだか。

 歩いていくと有名俳優とか金持ちしか使わないようなブランドの外商に近いモノが度々点在している。

 俺も数点購入した。
 花南ちゃんが好きそうな小物とか、母親が好きそうなものとか。
 
 飲み物とかお酒とかもあったりして、なんなら生徒までもが隠れながらではあるが、飲んでいる。

 ルールとは一体。

 「伊崎!遅いぞ!」

 よしと別れて、俺はクラスの屋台へと到着。

 「木下止めろよ。
 俺なんて徹夜で焼きそばの練習したんだぞ」

 「知らん!それは俺達もそうだ!」

 鉄板の前で準備万端なクラスメイトたちの姿。

 かなり気合が入ってる。

 「素材は安く抑えたんだろうな?」
  
 「いや?しっかり国産の良いものを知り合い田端同士が紹介してくれて、肉もしっかり!」

 「予算は?」

 「かなりギリギリだ!
 売れると思ってかなり仕入れたぜ!」

 何がサムズアップだよ。
 どうやったらギリギリの予算になんだよアホが。

 「どうした?木下」

 と、ガシッと肩に感触が。
 
 悪寒だ。めちゃくちゃ嫌な予感がする。
 振り返ることができない。

 こっから先は地獄のような気がして。

 「あははは⋯⋯まさかまだ来たばかり⋯⋯」

 そこにいるのは。

 「やぁ伊崎くん!!久しぶりだな!!」

 「諸星会長」

 「さぁ!木下くんだったね?伊崎君を借りるよ?」

 勿論、猛獣の眼光から逃げられることも出来ずに。

 「ははっ、どうぞどうぞ!
 伊崎、俺達の方は任せろ!」

 クソッ。俺はなんで⋯⋯!

 「焼きそばの練習した意味ねぇじゃん!」

 「なーに。将来その経験が活きるかもしれないだろう?

 まぁ、私が生きている限りは絶対にそんなことをさせないがな!ガッハハハハハ!!」

 頼もしいんだかクソなんだか!

 「大人な話があるからな、ゆくぞ伊崎くん!
 この国の未来が待ってる!!」

 あー終わった。
 メンタルブレイクまでもう少しだ。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~

虎柄トラ
ファンタジー
 下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。  意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。  女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。  敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。  剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。  一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。  快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

処理中です...