【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

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国内無双編

文化祭(会合)

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 「はっははは! 
 いやぁ中々悪くない案ですなぁ、橘くん!」

 「はい、この案でしたら世界にも瞬く間に宣伝が上手く行くでしょう」

 はぁ。疲れた。
 俺は疲れたよ。みんな。

 頬杖つく俺は、反抗期の子供みたいだ。
 自覚症状すら感じる。

 「橘くんは倶楽部会員レベルはいくつだ?」

 「1.5ですね」

 「私は2.5だ」

 「ははは。
 さすがに諸星さんには勝てませんよ。

 貢献度が違いすぎます」

 ちなみに今話しているのは、デウバン倶楽部の会員レベルの事だ。

 言い方はアレかもしれないが、俺は専用アプリで会員になった連中にタスクを渡す。

 例えば、

 ──東京都郊外にある土地を譲ってくれる
 [経験値50]

 ──クラブの貸し切り、VVIP専用部屋
 [経験値10]

 こんな具合だ。

 これによって得られる経験値を貯めていって、一定になるとレベルアップボタンがあるので、それを押すとレベルが上がる。

 簡単だろ?
 ただ。これだけでは終わらない。
 
 経験値を上げずにプールしておく事もできる。

 というのも、まずステージという概念が存在している。

 全員ステージ0から。

 ステージ0ではポイントで交換出来る物に制限が掛けられている。

 レベルを上げると1に上がるが、1では0よりも多くのものが交換可能になる。

 そうやってドンドン金持ちや権力者から様々な我儘放題やる事で、俺に依存させるという手法だ。

 想像してみろ。
 レベルを上げたいよな?

 もしステージ0で体力が若返るものであれば?
 そこに残る奴もいるよな?
 
 だが気付けばもっと欲しくなって、もっと貢献しよう!にいつの間にか変わり、気付けば立派な俺の人形として完成する。

 そこの嬉しそうに喋る橘くんは1.5。
 要は1のままプールしてるが2には届かないってところだ。

 この人には芸能界での仁義を代わりに取り仕切ってもらった。

 それで一瞬でここまで。
 意外とハマっているようで、現在は毎日熱心にデイリークエストに励んでいるようだ。

 分かるだろ?
 だから俺から金が減らんのだ。

 諸星の外商、白波の特捜。
 全部タスクのおかげだ。

 俺やっぱ天才じゃね?

 だよな? 
 ⋯⋯だよな?(圧)

 「伊崎くん!
 さっきから拗ねてないで会話に混ざったらどうかね」

 「うぇーんごめんなさい」

 「はははは。
 会長、彼は天才と言ってもまだ少年ではありませんか。

 並足揃った事をさせておくのも大事なことです」

 「神童は言うことが違うな!」

 「ははっ。それ程でも」

 「褒めとらんわ!」
 
 「それで、こんなに日本の権力者が雁首揃えて秘密結社みたいにどうしたんです?」

 そう。現在この部屋は厳重に防音対策など大量のSPが付いていて、俺でも笑ってしまうくらいの待遇だ。

 こんなところで話している内容がタスクの話だとは⋯⋯世の陰謀論者が泣いてしまうぞ。

 「これは伊崎くんにも関係していることでもあるんだ」
 
 「え?」

 ほう?それは気になるな。

 「華国。
 今、奴らから圧力を受けている官僚が数人既におる」

 「諸星さん、本当です?」

 「橘、あぁ。
 大マジだ。私も聞いたときは耳を疑ったさ。
 だが恐らく事後だろう」

 「諸星さん、握られてるのは?」

 「小僧。
 残念ながら、水関連が少々、あとは未成年。
 その辺りだろう。

 結果、華国有利の法案を通さないといけなくなったんだと」

 ざわつく。
 まぁそれもそうだろうな。

 「どうするんです?」

 「って、伊崎くん」

 「ん──」

 「女遊びで華国の女としてた情報も当たり前のように入ってきてたが!?」

 ⋯⋯えっ!?うっそー!?
 全員日本人じゃないの!?

 日本語のレベル高かったけど!?

 「え!!」

 「まぁそれはいいとして。
 喋ってらんだろうな?」

 「俺喋るような人間に見えます?」

 「見える」

 その言葉の次には見えると満場一致の追尾攻撃が俺の心臓にぶっ刺さる。

 「へーい」

 「拗ねるな。とりあえず分かればいい。  
 既に我々の計画は火を点けだしているわけなのだから、今後何かあっても喋るのは御法度だ」
 
 全員無言の頷き。

 「さて、今年はやる事がいっぱいだが、どこを優先的に回していく⋯⋯」







 「あぁ⋯⋯疲れたぁ」

 「お疲れだ、大将」
 
 「オッサンたち、本気出し過ぎだろ」

 "プロジェクトアマテラス"

 俺がなんとなくで始めた計画だったが、俺よりもあのオッサンたちの魂に火をつけてしまったようだ。

 既に行くところまで行っている。

 おそらく来年には大々的に色々世界へと飛び出す事になるだろう。

 技術、人材、場所。
 既に大御所クラスと俺の財によって全て叶え、たった1年半で恐らく未来の3倍以上の進みを得てしまった。

 過去を変えてしまったということは未来も変わってしまう事に他ならない。

 どうなるかは見物だが、現状の俺ならば問題はない。

 ただ、核だけは怪しい所だ。

 あれはしっかりとした構造を知らないから調べておく必要がある。

 「はぁ。もう夕方じゃねぇかよ」

 「だな」

 窓の外はもう夕暮れに近い。
 どんだけお喋りなんだよおっさんども。

 今日の主役は俺らなのに。
 
 挨拶だけで3時間。
 会合で4時間。

 まぁ文化祭と言っても形式的なものなのだろうからもちろんある程度覚悟はしているが、やはり⋯⋯な。

 「普通の高校だったらこうはならなかったのかな?」

 「ん? 普通の高校ならもっと大将は面倒だと退学してたかもしれないぞ」

 「ふっ、そうか。
 なら、これが一番良い着地点なのかもな」


 ーー運命論は知っているか?


 あの時言った言葉を思い出す。
 運命は誰にもわからないが、誰かには分かっている。

 「ん」

 「どうした?」

 外にあるアイドルやら歌手やらが使っていたステージ。

 そこにやたら人が集まっている。

 「あれは?」

 銀が懐にあるパンフレットを取り出して確認している。

 「自慢大会だと」

 「はぇ?」

 「例えばダンスが上手いとか、歌が上手いとか、そういう何かに自信があるような奴が出る催し物らしい」

  へぇ。
 アルケミにスカウト出来る奴もいるかもしれないのか。

 「あ、花南ちゃんも出るの?」

 「さすがにバレるのは怖いんじゃないか?」

 「そりゃそうか」

 「もう残っているのは踊りだけだ。
 見ていくのも悪くないと思うが」

 ⋯⋯それもそうか。

 「行こうか。
 銀も退屈だったろう」

 「いや」

 なんと取り出したのはメモ帳。

 覗いてみると、全文を書いているわけではないが、要約を書いていたり、単語を書いていたりしている。

 「どうした?」

 「最近、俺も何かできないかと思って、勉強を始めたんだ」

 「おぉ、進歩じゃん」

 「石田ばかり負担が大きいのは俺としても忍びない」

 「もちろん良い取り組みだが、まぁ全員が同じことをできるわけじゃねぇし。

 銀には銀のできる事を。
 ただやっていくだけさ。 
 みんなが得意な事でみんなを守っていくぞ」
 
 不良っぽく銀の胸に軽くポンと拳を叩く。

 「あぁ。少し頑張ってみるさ!」

 「じゃ、行くか」

 夕暮れの日差しを二人で浴びながら廊下を抜け、外の自慢大会とやらへと向かった。
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