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世界征服編
ベガス
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それから俺は、異常なほど信仰対象にされてしまった。
あの日から対応が変だ。
なんとも気まずい。
⋯⋯気まず過ぎる。
天上天下俺が独尊なのは間違いないんだが。
良くされすぎると人間バグる。
とりあえずエリックは即俺の指示通り動きだした。
色々問題点はあるものの、俺の結論は小さい実験ながら導き出せた。
送電はまだ先にはなるが、そう遠い話ではない。
ただ、彼らからしても、俺からしても、タワーの方は歴史的には──"""非常にまずい"""。
そう。
言い方を変えれば、誇張なしで戦争が起きてもおかしくない代物だ。
既存トップ連中の専売特許を奪いかねない。
今までのサバなんかとは訳が違う。
石油王という単語があったように。
EVが出なくとも、無限に近い電力を補えるということが分かれば、話は変わるだろう?
それで永久に自分のものにできるし、この間。
『これ、兵器に⋯⋯』
そういう言葉が聞こえた。
彼らは科学者だから仕方ない部分でもあるが、そういう為に言ったわけではない。
攻撃手段に変えてはならん。
それでは意味がない。
それは俺が絶対に許さない。
緊急用としてある分にはいいが。
⋯⋯精神性が違う海の向こうは何をしでかすかわからん。
即座に誓約書を書かせた。
どうやら俺はこの世界の物理法則だの物質だのに疎い。
勉強もほとんどしていないしな。
だが。
とりあえず、様々な話し合いが高速で行われた。
俺的にはいつでも飯なんて用意できるし、資産になるものを作れる。
だから頭が働かない。
なんでもいいから。
だが現実そうではない。
なのでアホみたいに質問した結果分かりやすいように解説するとこうだ。
・今までの課題だった食料問題が解説する。
これは言われれば確かにという話だが、植物工場を作る事で天候や自然のタイミングなどを考えなくても24時間365日稼働が可能になるということ。
快適な環境だからストレスもない。
電気が無限だから。
・続いて水不足の解決。
これもあーという感じだ。
大量の電力を関係なしに考えれば、設備があれば例え砂漠でも真水が生み出せるようになる。
・光熱費という概念が消える。
まぁこれは俺がそうさせるつもりがないんだが、ガス代だの電気代が消える。
豊かになるが、それは俺だけでいい。
だから、やるとしても今までの電力会社を潰して俺ら一強になるという考えだ。
⋯⋯資産は天文学的数字になるだろうな。
・産業コスト、または人工石油を作れる。
これも予想はしていたが、俺が思ってるよりもまずい。
どうやら人工的な石油が作成可能になるらしい。
今までは不可能だと思われていた事だったらしいが、これで解決するんだって。
石油が出来るとペットボトルとかも作れるらしい。
それに、オリジナルよりクリーンな作り方だから有害物質もほぼ出ないらしい。
⋯⋯と、まぁ事態はかなり重かったが、俺は基本的にやることがないので、3ヶ月も経てば世は夏。
真夏である。
だが、ここは北海道かと疑うほど肌寒い。
「石田ー、ココア」
「はい、今持ってきます」
あー暇だぁ。
この生活も慣れてきたなぁ。
「どうぞ」
「ナイス」
染みるー。
どんなに俺に知識があったところで、そんな簡単に事は進まん。
石田と銀と俺は現在、毎日8時間ぐっすり眠れて調子が良い。
ていうか寝れて喜ぶって社畜かよってな。
「伊崎さん、バイクパーツの構成ってこれでいいんです?」
「どれどれ⋯⋯あぁ。
だが、力に振ったほうが結構抗争イベントで有利に働く」
石田も余暇時間が増えた。
積極的に俺達とゲームをする。ここぞとばかりに。
まぁ、コイツも本来ミーハーのブランド好きマンだったからなぁ。
そう思うとかなり人生の路線変更をさせてしまった気持ちは俺でも少し感じる所はある。
楽をさせてやりたいは本音だ。
だから、基本は朝のみ一緒にいるだけなのだが、割と本人が構ってほしいのかラウンジにずっと居る。
「あれだな、折角海の向こうに来たってのに、俺達の日常は変わらんな」
「え?今更ですか?」
「いやほら、もっとイベントとかあるとか思うじゃん?」
「まぁ大将の言いたい事はわかる」
『兄者、力を合わせて行くぜ!』
「だろ?
でも、当たり前だよな?
冷静に考えれば、家から出ないのにイベントなんて起こるわけねぇよな?
超絶美人なおなごが転がり込むとか、襲撃されたりとか、権力者が現れて謎の人脈とか」
「伊崎さん、なんの話してるんですか?」
『刹那、背中は任せろ』
『ふんっ、言うようになったな』
『兄者、付いていきます!』
「メタ的な話だ。
宝くじ当たったら良いなぁと言うが、買ってもないのに当たるわけ無いだろうという」
「「確かに」」
「というか俺達よりも、二人の部下たちの方が暇すぎて死にそうだな」
外にいるプールで遊ぶ奴らは娯楽があまりないので疲れてきている。
俺は元々家から出ないし、二人も普段遊ばないから飽きが来ない。
ある意味無敵な三人だ。
「どっか行きます?
エリックも声出さないくらいご執心ですし」
「そうだな。
俺としても、年内には好転させられるくらいにはしていきたい」
「年内ですか?」
「あぁ」
「それは中々難しいのでは?
前代未聞のやり方で」
「だからこそだ。
生産は少なくとも確実に行ける。
ロケットはまた別だが、検証に検証を重ねる日々を彼らは送っている。
すぐに結果は出る」
まぁ後は、どれくらいこの世界の素材が間に合うか、だがな。
「ご両親に贈り物はしました?」
「勿論。もういくつも送った」
服とか、お土産とかな。
「鈴と大地は?元気そうか?」
「問題ない。
プール、本、勉強⋯⋯飽きが来ないらしい」
「まぁそうか。
それなら安心だ」
「改めて、感謝する」
「改まってどうする。
ガキ共はガキらしく大人になってから分かれば良いものだ」
普通のガキではないからな。
ブランド物を着て、高級素材をふんだんに使った飯を口にして、周りには極道。
それに環境も一流だし、勉学を教える英語教師も専属で付けているし。
⋯⋯今後が楽しみだ。
「俺達は問題はないので困っていませんが、実際問題どうしよう」
「賭けでも?」
あぁ、行くか。
「じゃあ折角だからベガスでも行くか?飛行機でそんなに離れてないし」
「ベガス?」
「ラス──ベガスだ。
色々あるぞ?東京とは別格らしい」
エリックが以前そう言ってた。
「そうなのか。ならいいかもしれん。
大将は答えが早い」
「ラスべガス⋯⋯!俺行きたいっす!」
一番乗り気だったのはまさかの石田。
まさかでもないか。
久しぶりにクソガキみてぇな顔で呟くのを見た気がする。
「じゃあ行くか」
急いだほうが良さそうだ。
エリックたちにバレても面倒だ。
「なら、声を掛けてきます」
「俺もだ」
「おう。じゃあ俺は待ってるわ」
この間は負けてやったから、ラスベガスでいくら稼ごうかな?
頭おかしいくらい稼ごう。
ドヤ顔で。
俺はみんなが羨む魔法使いでもあるんだ。
やっと活かせる場面が来たな。
金なんて困ってねぇのに、まぁあぶく銭でなんかおもろい事するか。
*
「す、すみません!!何でもするから!!!!」
一人の懇願する叫び声が無情にも地下室らしき灰色の壁に覆われた部屋で響く。
ガタイの良い二人に腕を抑えつけられながら。
「⋯⋯⋯⋯」
男の視線の先には、オールバックの美系の男。
口元のナイフ傷が目立つ。
獰猛な雰囲気。
錆びたパイプ椅子に座り、目の前で腐りかけのリンゴの皮を剥いている。
「ボス、どうします?」
「⋯⋯⋯⋯」
反応はない。
だが、一齧り。
「ホワイトファングは勢力圏現在4位だ。
ジャッジ。お前に何を求めているか分かるか?」
咀嚼しながら威圧的に見下ろしている。
暗闇の部屋で微かに差し込む光に映る両眼はまさに豹そのものだ。
「え、えぇ⋯⋯ぁ⋯⋯」
答えられない男を見て、りんごを完食すると。
「俺達は悪党だ。
──そうだな?」
あまりの威圧感に声は出せないが、懸命に首を縦に振る男。
しゃがむとその男は少し首を傾げる。
「組織の秩序を忘れたか?
俺達は悪党だ。
この俺が定めたたった一つのルールは?」
「かぁ⋯⋯かっ、か稼いだ金は派手なものに使わない。
最低限のファッションに留めること」
上擦った声で言い終えると、男は立ち上がり次の瞬間。
一発の発砲音の余韻と気持ちの良いスライドを引く音が聞こえる。
「んん⋯⋯」
男は銃口から登る煙を見て笑う。
「違うな。
俺が作ったルールはただ一つ」
"悪党は悪党らしく身の丈にあった生活をしろ"
「俺が定めたのはそれだけだ。
誰が遊ぶ為にフラワーの利益をくすねていいなんて言ったんだ⋯⋯言葉が分からないらしい」
オールバックと口元のナイフ傷。
そして美麗麗しい顔に198cmの大柄。
筋肉隆々。
そして、勢力圏4位にも関わらず、あり得ないほどの人望を兼ね備えたギャング・ホワイトファング⋯⋯ボス。
「処理は手短にな」
タンクトップの上にピシッとしたスーツを羽織る。
「「はい、ボス」」
「そんで?仕事があるんだったな?」
「はい。裏ルートからの依頼です」
「どれどれ」
1枚の写真付きの紙を煙草を吸いながら読む。
「アジア人か。よっぽど嫌われてるんだな」
「いつも通りでいいんですか?」
「当たり前だ。
俺達は俺達らしくいつも通り、平常心だ」
"成り上がりの伝説"
──シルヴァ・フロスト
あの日から対応が変だ。
なんとも気まずい。
⋯⋯気まず過ぎる。
天上天下俺が独尊なのは間違いないんだが。
良くされすぎると人間バグる。
とりあえずエリックは即俺の指示通り動きだした。
色々問題点はあるものの、俺の結論は小さい実験ながら導き出せた。
送電はまだ先にはなるが、そう遠い話ではない。
ただ、彼らからしても、俺からしても、タワーの方は歴史的には──"""非常にまずい"""。
そう。
言い方を変えれば、誇張なしで戦争が起きてもおかしくない代物だ。
既存トップ連中の専売特許を奪いかねない。
今までのサバなんかとは訳が違う。
石油王という単語があったように。
EVが出なくとも、無限に近い電力を補えるということが分かれば、話は変わるだろう?
それで永久に自分のものにできるし、この間。
『これ、兵器に⋯⋯』
そういう言葉が聞こえた。
彼らは科学者だから仕方ない部分でもあるが、そういう為に言ったわけではない。
攻撃手段に変えてはならん。
それでは意味がない。
それは俺が絶対に許さない。
緊急用としてある分にはいいが。
⋯⋯精神性が違う海の向こうは何をしでかすかわからん。
即座に誓約書を書かせた。
どうやら俺はこの世界の物理法則だの物質だのに疎い。
勉強もほとんどしていないしな。
だが。
とりあえず、様々な話し合いが高速で行われた。
俺的にはいつでも飯なんて用意できるし、資産になるものを作れる。
だから頭が働かない。
なんでもいいから。
だが現実そうではない。
なのでアホみたいに質問した結果分かりやすいように解説するとこうだ。
・今までの課題だった食料問題が解説する。
これは言われれば確かにという話だが、植物工場を作る事で天候や自然のタイミングなどを考えなくても24時間365日稼働が可能になるということ。
快適な環境だからストレスもない。
電気が無限だから。
・続いて水不足の解決。
これもあーという感じだ。
大量の電力を関係なしに考えれば、設備があれば例え砂漠でも真水が生み出せるようになる。
・光熱費という概念が消える。
まぁこれは俺がそうさせるつもりがないんだが、ガス代だの電気代が消える。
豊かになるが、それは俺だけでいい。
だから、やるとしても今までの電力会社を潰して俺ら一強になるという考えだ。
⋯⋯資産は天文学的数字になるだろうな。
・産業コスト、または人工石油を作れる。
これも予想はしていたが、俺が思ってるよりもまずい。
どうやら人工的な石油が作成可能になるらしい。
今までは不可能だと思われていた事だったらしいが、これで解決するんだって。
石油が出来るとペットボトルとかも作れるらしい。
それに、オリジナルよりクリーンな作り方だから有害物質もほぼ出ないらしい。
⋯⋯と、まぁ事態はかなり重かったが、俺は基本的にやることがないので、3ヶ月も経てば世は夏。
真夏である。
だが、ここは北海道かと疑うほど肌寒い。
「石田ー、ココア」
「はい、今持ってきます」
あー暇だぁ。
この生活も慣れてきたなぁ。
「どうぞ」
「ナイス」
染みるー。
どんなに俺に知識があったところで、そんな簡単に事は進まん。
石田と銀と俺は現在、毎日8時間ぐっすり眠れて調子が良い。
ていうか寝れて喜ぶって社畜かよってな。
「伊崎さん、バイクパーツの構成ってこれでいいんです?」
「どれどれ⋯⋯あぁ。
だが、力に振ったほうが結構抗争イベントで有利に働く」
石田も余暇時間が増えた。
積極的に俺達とゲームをする。ここぞとばかりに。
まぁ、コイツも本来ミーハーのブランド好きマンだったからなぁ。
そう思うとかなり人生の路線変更をさせてしまった気持ちは俺でも少し感じる所はある。
楽をさせてやりたいは本音だ。
だから、基本は朝のみ一緒にいるだけなのだが、割と本人が構ってほしいのかラウンジにずっと居る。
「あれだな、折角海の向こうに来たってのに、俺達の日常は変わらんな」
「え?今更ですか?」
「いやほら、もっとイベントとかあるとか思うじゃん?」
「まぁ大将の言いたい事はわかる」
『兄者、力を合わせて行くぜ!』
「だろ?
でも、当たり前だよな?
冷静に考えれば、家から出ないのにイベントなんて起こるわけねぇよな?
超絶美人なおなごが転がり込むとか、襲撃されたりとか、権力者が現れて謎の人脈とか」
「伊崎さん、なんの話してるんですか?」
『刹那、背中は任せろ』
『ふんっ、言うようになったな』
『兄者、付いていきます!』
「メタ的な話だ。
宝くじ当たったら良いなぁと言うが、買ってもないのに当たるわけ無いだろうという」
「「確かに」」
「というか俺達よりも、二人の部下たちの方が暇すぎて死にそうだな」
外にいるプールで遊ぶ奴らは娯楽があまりないので疲れてきている。
俺は元々家から出ないし、二人も普段遊ばないから飽きが来ない。
ある意味無敵な三人だ。
「どっか行きます?
エリックも声出さないくらいご執心ですし」
「そうだな。
俺としても、年内には好転させられるくらいにはしていきたい」
「年内ですか?」
「あぁ」
「それは中々難しいのでは?
前代未聞のやり方で」
「だからこそだ。
生産は少なくとも確実に行ける。
ロケットはまた別だが、検証に検証を重ねる日々を彼らは送っている。
すぐに結果は出る」
まぁ後は、どれくらいこの世界の素材が間に合うか、だがな。
「ご両親に贈り物はしました?」
「勿論。もういくつも送った」
服とか、お土産とかな。
「鈴と大地は?元気そうか?」
「問題ない。
プール、本、勉強⋯⋯飽きが来ないらしい」
「まぁそうか。
それなら安心だ」
「改めて、感謝する」
「改まってどうする。
ガキ共はガキらしく大人になってから分かれば良いものだ」
普通のガキではないからな。
ブランド物を着て、高級素材をふんだんに使った飯を口にして、周りには極道。
それに環境も一流だし、勉学を教える英語教師も専属で付けているし。
⋯⋯今後が楽しみだ。
「俺達は問題はないので困っていませんが、実際問題どうしよう」
「賭けでも?」
あぁ、行くか。
「じゃあ折角だからベガスでも行くか?飛行機でそんなに離れてないし」
「ベガス?」
「ラス──ベガスだ。
色々あるぞ?東京とは別格らしい」
エリックが以前そう言ってた。
「そうなのか。ならいいかもしれん。
大将は答えが早い」
「ラスべガス⋯⋯!俺行きたいっす!」
一番乗り気だったのはまさかの石田。
まさかでもないか。
久しぶりにクソガキみてぇな顔で呟くのを見た気がする。
「じゃあ行くか」
急いだほうが良さそうだ。
エリックたちにバレても面倒だ。
「なら、声を掛けてきます」
「俺もだ」
「おう。じゃあ俺は待ってるわ」
この間は負けてやったから、ラスベガスでいくら稼ごうかな?
頭おかしいくらい稼ごう。
ドヤ顔で。
俺はみんなが羨む魔法使いでもあるんだ。
やっと活かせる場面が来たな。
金なんて困ってねぇのに、まぁあぶく銭でなんかおもろい事するか。
*
「す、すみません!!何でもするから!!!!」
一人の懇願する叫び声が無情にも地下室らしき灰色の壁に覆われた部屋で響く。
ガタイの良い二人に腕を抑えつけられながら。
「⋯⋯⋯⋯」
男の視線の先には、オールバックの美系の男。
口元のナイフ傷が目立つ。
獰猛な雰囲気。
錆びたパイプ椅子に座り、目の前で腐りかけのリンゴの皮を剥いている。
「ボス、どうします?」
「⋯⋯⋯⋯」
反応はない。
だが、一齧り。
「ホワイトファングは勢力圏現在4位だ。
ジャッジ。お前に何を求めているか分かるか?」
咀嚼しながら威圧的に見下ろしている。
暗闇の部屋で微かに差し込む光に映る両眼はまさに豹そのものだ。
「え、えぇ⋯⋯ぁ⋯⋯」
答えられない男を見て、りんごを完食すると。
「俺達は悪党だ。
──そうだな?」
あまりの威圧感に声は出せないが、懸命に首を縦に振る男。
しゃがむとその男は少し首を傾げる。
「組織の秩序を忘れたか?
俺達は悪党だ。
この俺が定めたたった一つのルールは?」
「かぁ⋯⋯かっ、か稼いだ金は派手なものに使わない。
最低限のファッションに留めること」
上擦った声で言い終えると、男は立ち上がり次の瞬間。
一発の発砲音の余韻と気持ちの良いスライドを引く音が聞こえる。
「んん⋯⋯」
男は銃口から登る煙を見て笑う。
「違うな。
俺が作ったルールはただ一つ」
"悪党は悪党らしく身の丈にあった生活をしろ"
「俺が定めたのはそれだけだ。
誰が遊ぶ為にフラワーの利益をくすねていいなんて言ったんだ⋯⋯言葉が分からないらしい」
オールバックと口元のナイフ傷。
そして美麗麗しい顔に198cmの大柄。
筋肉隆々。
そして、勢力圏4位にも関わらず、あり得ないほどの人望を兼ね備えたギャング・ホワイトファング⋯⋯ボス。
「処理は手短にな」
タンクトップの上にピシッとしたスーツを羽織る。
「「はい、ボス」」
「そんで?仕事があるんだったな?」
「はい。裏ルートからの依頼です」
「どれどれ」
1枚の写真付きの紙を煙草を吸いながら読む。
「アジア人か。よっぽど嫌われてるんだな」
「いつも通りでいいんですか?」
「当たり前だ。
俺達は俺達らしくいつも通り、平常心だ」
"成り上がりの伝説"
──シルヴァ・フロスト
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