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世界征服編
背中
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──ある時代。
亜人は差別される対象だった。
今でも忘れない。
あの焼けた音を忘れることはない。
この目で見たあの景色を。
燃え盛る火の海に放り込まれ、磔にされて歓声が上がる時代。
亜人の中でも特に獣人が差別の中でトップクラスだった。
まぁ、理由などわかりやすい。
亜人は、辿れば人間と魔族のハーフである事からルーツを辿らねばならない。
異世界ならではの血統だ。
人間だけならまだしも、魔族の血は種族毎に性格を色濃く残すことで有名だった。
特に、その中でも獣人は特に──好戦的で外部との交流を避ける傾向にあった。
今冷静に俯瞰すれば俺と気が合ったのはこういう所なのかもしれない。
身内、愛した者達には無限の愛情と優を。
そんな彼らは、人間の都合によって差別され、魔女狩りの如く滅んだ。
そんな歴史があった。
俺が住んでいた近くにいた残党と出会ったのはいつだったかなんて覚えていない。
ただ、彼らとの交流は俺の異世界での判断材料のベースになったかもしれない、というのはかなりある。
"他救強尊我生円尊"
他人を救えるのは強者であり、自分たちは自分たちの生活の為に円の中で生きている。
今でも覚えている言葉だ。
だが、この話はこれが面白いわけではない。
面白いのは。
"そんな彼らは人間より強かった"
──ここにある。
人間の魔法理論は、空にあるマナを媒介として使用し、杖や剣、様々なものに活かしていく、というものだ。
これをクオリアル。
そう呼ぶ。
しかし彼ら亜人はまた違う理論?考え方だな。
それがある。
武器に関してはおそらく一緒ではあるが、明確に違うことがある。
彼らはこちらで言うところの神道や文字の形からして日本や中国っぽいところがある。
まぁまとめればアジアっぽいところだが。
"自分はマナ、マナは自分"
哲学的だろ?
マナは自分であり、自分もこの漂うマナである。
──だから、
呼吸、思念、言葉、行動、感情。
それら全てに意味があると彼らは思っているのだ。
その体系的考え方に、魔力を身体に纏わせて戦う。
⋯⋯それを可能にした一族でもある。
杖や剣ではなく、その身で戦うことを是としていた。
そしてその基礎能力は、人間とは一線を画す程だった。
結果、異常な身体能力はこの行動理念のお陰だったのだが、身体性能は人間の約10倍から20倍と呼ばれており、知能も高いことで有名だった。
そんな彼らだったが。
結局、精神性のせいで好戦的なのだが人間の狡猾さに勝てなかったのだ。
遠くからミサイルを一方的に撃たれたようなものだった。
そうして無力化してから徹底的な差別と家畜的扱いが始まったのだ。
当時。俺は様々なやり方で解決したのだが、結局上手く行かなかった。
結局のところ、後の世代がこちらで言うところの優生思想に走って差別に先陣を切ってしまう事からだった。
止めど止めど。
えい、あの時はこれが悪かっただの、この時はこうだったからだの。
結局──種族そのものではなく、一度あった事実を言い訳にどんな種族でも起こり得る事である。
⋯⋯俺はそう思った。
日本人だってきっと、そうなっていた未来もあっただろう。
「お礼、か」
「ねぇねぇソウ?」
足元でちょこんとしていたノヴァはくいっと俺の袖を引っ張る。
「ん?」
垂れ流し続けるソレを指差したノヴァ。
それは、純粋なキラキラした瞳で。
俺の話の続きを語るように。
「この子もお星様になるかな?」
純粋って素晴らしい。
概念がない。
煙草を吸う俺の感情は最高に興奮している。
「オルフ」
「ん?どうしたの!?」
彼の表情は何とも思っていない。
むしろ良い事をしたと思っている、本気で。
「敵とはなんだ?」
「⋯⋯ん?」
んーと、下を向き悩んでいる。
だが、すぐに答える。
「白人!」
「何故?」
「なぜ⋯⋯?」
困っているのが分かる。
首を傾げているのを見れば本気なのが伝わる。
「だってアイツら──俺達を見ると黒人!って暴力とか振るってくるし!」
オルフの言葉に他の子供たちも乗ってくる。
「そうだよ!ソウはなんでそんな事言うの?
私達のことが嫌いなの?」
「違う」
「ならどうして?敵は敵だよ?」
「本当に──敵か?」
子供に問うには早いだろう。
しかし、今から問わなければ彼らは世間の通りな人間になってしまう。
「んー⋯⋯」
「暴力はいけない。
それが悪い事はみんなが分かってる。
だが、それを理由にやって良いことと悪いことの線を超えてはいいのか?」
「でもどうすればいいの?」
「良い疑問だ。
それを喧嘩している大人たちが悩んでいるんだ」
聞いていたオルフは難しそうに言う。
「大人でも解決できないのに僕達が解決できるの?」
「でもそうしていかないとこれからお前らみたいなのがもっと生まれる。
今みたいに敵だと決めつけて殺していると、大人たちがお前らを悪いやつと決めつけて一斉に囲んできてしまうかもしれない」
「⋯⋯でもそしたらノヴァたちはどうしたらいいの?」
「それを、こうして全く関係のない俺が悩んでいる」
そう。結局、どうにもならなかった。
ただ、俺は許せなかった。
⋯⋯試されているようで。
どうにもならないことをどうにかしてみろ。
そう言われているようで。
「これは礼として受け取る。
俺はコレを嬉しいとも思うしな」
「そうなの?」
「あぁ。
だがちょっとだけ、悲しい気持ちもあるがな」
手招きでオルフを呼びつけ、手を握る。
「は、恥ずかしいよ」
「年頃だな」
掌を見ると、彼も油まみれで、大量の切り傷と擦り傷、そして癒えない痕がこれでもかというほど付いている。
「ノヴァも!」
三人で手を繋ぐと、周りの子どもたちも集まってくる。
「忘れるな。
人間、皆価値は一緒だ」
「「「うん」」」
「ただそこに、見慣れない物や行動、言葉。
それらが入ってくると喧嘩が起こる。
俺はお前らに悪い事だと言うつもりは毛頭ない。
何故なら、お前らは悪くない。
これらを解決しようとしていない大人たちが悪いんだ。
みんなが現実から目を背け、自分のことになってから初めて騒ぎ立てる。
お前ら黒人のことを放置してな。
だからお前たちが変わる必要はないし、変わったら変わったで白人の子供たちはもっと襲うようになる」
「「「うん」」」
「だが──」
なんでこんな時に、あの王族バカを思い出すんだか。
『ケルビン!』
そんな脳裏に過るのは、アイツがまだ貧民だった頃の姿。
俺には唯一の友がいた。
そんな男は大陸の覇者。
元々貧民の少年だったが、あまりに大きく、濃い覇道を持った少年は──とてつもない衝動と人望、そのカリスマ性に国が発足した前代未聞という言葉がお似合いの男だった。
『なぁそこの星!』
貧民街の少年とは思えない声がけだった。
振り返るとそこには、ボロボロで、今にも死にそうな少年がいた。
だが。
その瞳には死にそうな少年の肉体とは正反対の燃えるような活力が宿っているのを見て、鳥肌を覚えたのを今思い出す。
『星よ、俺は最強になる予定なのだが、最強になるに相応しい⋯⋯俺に合う戦い方を教えてくれ!』
何を言ってるのかよく分からない。
なんで俺が教えないといけないんだ。
そう脳裏に過ぎったのだが、あまりに貧民にしては覇気と力強い眼光があった。
『なんで教えてなきゃいけねぇんだよ』
『王になった暁には、我が覇道を見せる』
後に知ったのだが、当時アイツは7歳だという。
こんな7歳を、見たことも聞いたこともなかった。
結局、溜息を吐いたのだが、好奇心で教えた。
そんで結論、本当に化物になって国ができ、歴史に残る。
英雄の中の英雄。
歴史に残る名言が多すぎて、英雄王と言われた男。
"ライツサーライト・ラギア・ライハルト"
ラギアという名前は後にクーデターが起きてガリシアという名前に変わるのだが。
ヤツの言葉は今でも覚えてる事が多い。
"なぜ王が先頭を走るのか。
それは、人間は一番強い者に従うからだ。
私は一番強い。
王という称号は守られる為ではなく、一番強いという称号だ。
先頭を走り、先頭で全てを味わう。
それが王であり、羨望の眼差しを一心に受ける存在である。
故──強者こそが先陣を切り、民を導く者こそが王である"
"民に価値の差などない。
あるのはどれだけ民を想い、そこに信念があるのかのみ"
"高貴に成れ。
雲は気分で雨を降らし、氷を降らし、晴らす。
我が人生に見える物全てに意味があるのだ民よ。
雲はまるで、人間そのものではないか?
感情に身を任せ、あるものをないと言い、ないものをあると嘘を吐く。
戦争の口火は感情的になった人間の一言で始まる。
だがしかし、我が覇道を示す導である星は揺るがない。
雲に隠れ、本当に私達を照らしているのか?
見ていてくださっているのか?
誰もその姿、本質を見る事はできない。
だが、雲がそこにあろうとなかろうと、星はいつもそこにある。
どんな時も、星は私達を見ているのだ。
雲が無ければ星は我らを照らし、我らに神秘をくれる。
閃きを貰い、希望を貰い、明日への活力へと成る。
そう、私達を支えているのだ!
幼少よりずっと──我が覇道は星なのである"
「気高くあれ」
「「「気高く?」」」
「辛い時も、星はそこにある。
星は何時でも見ている」
「本当に、僕達を見ていてくれるのかな?」
「あぁ。
だが星は──見ているだけだ。
俺達人間を救う為にいるわけではない。
だから、選ぶんだ。
その心に、感情に、自分が敵と決めた子供が本当に敵だったのか。
考えるんだ。
ただ攻撃されたからではなく、本当に必要だったかを考える必要がある。
ただなんとなく殺すのではなく、自分の気持ちで殺すんだ。
お礼で捧げるような真似はするものではない。
自分心で決めて人を殺すんだ。
⋯⋯いいか?」
「⋯⋯⋯⋯うん!」
オルフ達なりに真剣に考え、意志の宿った瞳で大きく縦に頷き、返事をする。
目線を合わせて、俺はその顔をまっすぐ見据えて、小刻みに頷いて握り締める。
「近々面白いことをやりにくる。
それまで待っていろ」
立ち上がり俺は、今日も同じようにこの場を去る。
亜人は差別される対象だった。
今でも忘れない。
あの焼けた音を忘れることはない。
この目で見たあの景色を。
燃え盛る火の海に放り込まれ、磔にされて歓声が上がる時代。
亜人の中でも特に獣人が差別の中でトップクラスだった。
まぁ、理由などわかりやすい。
亜人は、辿れば人間と魔族のハーフである事からルーツを辿らねばならない。
異世界ならではの血統だ。
人間だけならまだしも、魔族の血は種族毎に性格を色濃く残すことで有名だった。
特に、その中でも獣人は特に──好戦的で外部との交流を避ける傾向にあった。
今冷静に俯瞰すれば俺と気が合ったのはこういう所なのかもしれない。
身内、愛した者達には無限の愛情と優を。
そんな彼らは、人間の都合によって差別され、魔女狩りの如く滅んだ。
そんな歴史があった。
俺が住んでいた近くにいた残党と出会ったのはいつだったかなんて覚えていない。
ただ、彼らとの交流は俺の異世界での判断材料のベースになったかもしれない、というのはかなりある。
"他救強尊我生円尊"
他人を救えるのは強者であり、自分たちは自分たちの生活の為に円の中で生きている。
今でも覚えている言葉だ。
だが、この話はこれが面白いわけではない。
面白いのは。
"そんな彼らは人間より強かった"
──ここにある。
人間の魔法理論は、空にあるマナを媒介として使用し、杖や剣、様々なものに活かしていく、というものだ。
これをクオリアル。
そう呼ぶ。
しかし彼ら亜人はまた違う理論?考え方だな。
それがある。
武器に関してはおそらく一緒ではあるが、明確に違うことがある。
彼らはこちらで言うところの神道や文字の形からして日本や中国っぽいところがある。
まぁまとめればアジアっぽいところだが。
"自分はマナ、マナは自分"
哲学的だろ?
マナは自分であり、自分もこの漂うマナである。
──だから、
呼吸、思念、言葉、行動、感情。
それら全てに意味があると彼らは思っているのだ。
その体系的考え方に、魔力を身体に纏わせて戦う。
⋯⋯それを可能にした一族でもある。
杖や剣ではなく、その身で戦うことを是としていた。
そしてその基礎能力は、人間とは一線を画す程だった。
結果、異常な身体能力はこの行動理念のお陰だったのだが、身体性能は人間の約10倍から20倍と呼ばれており、知能も高いことで有名だった。
そんな彼らだったが。
結局、精神性のせいで好戦的なのだが人間の狡猾さに勝てなかったのだ。
遠くからミサイルを一方的に撃たれたようなものだった。
そうして無力化してから徹底的な差別と家畜的扱いが始まったのだ。
当時。俺は様々なやり方で解決したのだが、結局上手く行かなかった。
結局のところ、後の世代がこちらで言うところの優生思想に走って差別に先陣を切ってしまう事からだった。
止めど止めど。
えい、あの時はこれが悪かっただの、この時はこうだったからだの。
結局──種族そのものではなく、一度あった事実を言い訳にどんな種族でも起こり得る事である。
⋯⋯俺はそう思った。
日本人だってきっと、そうなっていた未来もあっただろう。
「お礼、か」
「ねぇねぇソウ?」
足元でちょこんとしていたノヴァはくいっと俺の袖を引っ張る。
「ん?」
垂れ流し続けるソレを指差したノヴァ。
それは、純粋なキラキラした瞳で。
俺の話の続きを語るように。
「この子もお星様になるかな?」
純粋って素晴らしい。
概念がない。
煙草を吸う俺の感情は最高に興奮している。
「オルフ」
「ん?どうしたの!?」
彼の表情は何とも思っていない。
むしろ良い事をしたと思っている、本気で。
「敵とはなんだ?」
「⋯⋯ん?」
んーと、下を向き悩んでいる。
だが、すぐに答える。
「白人!」
「何故?」
「なぜ⋯⋯?」
困っているのが分かる。
首を傾げているのを見れば本気なのが伝わる。
「だってアイツら──俺達を見ると黒人!って暴力とか振るってくるし!」
オルフの言葉に他の子供たちも乗ってくる。
「そうだよ!ソウはなんでそんな事言うの?
私達のことが嫌いなの?」
「違う」
「ならどうして?敵は敵だよ?」
「本当に──敵か?」
子供に問うには早いだろう。
しかし、今から問わなければ彼らは世間の通りな人間になってしまう。
「んー⋯⋯」
「暴力はいけない。
それが悪い事はみんなが分かってる。
だが、それを理由にやって良いことと悪いことの線を超えてはいいのか?」
「でもどうすればいいの?」
「良い疑問だ。
それを喧嘩している大人たちが悩んでいるんだ」
聞いていたオルフは難しそうに言う。
「大人でも解決できないのに僕達が解決できるの?」
「でもそうしていかないとこれからお前らみたいなのがもっと生まれる。
今みたいに敵だと決めつけて殺していると、大人たちがお前らを悪いやつと決めつけて一斉に囲んできてしまうかもしれない」
「⋯⋯でもそしたらノヴァたちはどうしたらいいの?」
「それを、こうして全く関係のない俺が悩んでいる」
そう。結局、どうにもならなかった。
ただ、俺は許せなかった。
⋯⋯試されているようで。
どうにもならないことをどうにかしてみろ。
そう言われているようで。
「これは礼として受け取る。
俺はコレを嬉しいとも思うしな」
「そうなの?」
「あぁ。
だがちょっとだけ、悲しい気持ちもあるがな」
手招きでオルフを呼びつけ、手を握る。
「は、恥ずかしいよ」
「年頃だな」
掌を見ると、彼も油まみれで、大量の切り傷と擦り傷、そして癒えない痕がこれでもかというほど付いている。
「ノヴァも!」
三人で手を繋ぐと、周りの子どもたちも集まってくる。
「忘れるな。
人間、皆価値は一緒だ」
「「「うん」」」
「ただそこに、見慣れない物や行動、言葉。
それらが入ってくると喧嘩が起こる。
俺はお前らに悪い事だと言うつもりは毛頭ない。
何故なら、お前らは悪くない。
これらを解決しようとしていない大人たちが悪いんだ。
みんなが現実から目を背け、自分のことになってから初めて騒ぎ立てる。
お前ら黒人のことを放置してな。
だからお前たちが変わる必要はないし、変わったら変わったで白人の子供たちはもっと襲うようになる」
「「「うん」」」
「だが──」
なんでこんな時に、あの王族バカを思い出すんだか。
『ケルビン!』
そんな脳裏に過るのは、アイツがまだ貧民だった頃の姿。
俺には唯一の友がいた。
そんな男は大陸の覇者。
元々貧民の少年だったが、あまりに大きく、濃い覇道を持った少年は──とてつもない衝動と人望、そのカリスマ性に国が発足した前代未聞という言葉がお似合いの男だった。
『なぁそこの星!』
貧民街の少年とは思えない声がけだった。
振り返るとそこには、ボロボロで、今にも死にそうな少年がいた。
だが。
その瞳には死にそうな少年の肉体とは正反対の燃えるような活力が宿っているのを見て、鳥肌を覚えたのを今思い出す。
『星よ、俺は最強になる予定なのだが、最強になるに相応しい⋯⋯俺に合う戦い方を教えてくれ!』
何を言ってるのかよく分からない。
なんで俺が教えないといけないんだ。
そう脳裏に過ぎったのだが、あまりに貧民にしては覇気と力強い眼光があった。
『なんで教えてなきゃいけねぇんだよ』
『王になった暁には、我が覇道を見せる』
後に知ったのだが、当時アイツは7歳だという。
こんな7歳を、見たことも聞いたこともなかった。
結局、溜息を吐いたのだが、好奇心で教えた。
そんで結論、本当に化物になって国ができ、歴史に残る。
英雄の中の英雄。
歴史に残る名言が多すぎて、英雄王と言われた男。
"ライツサーライト・ラギア・ライハルト"
ラギアという名前は後にクーデターが起きてガリシアという名前に変わるのだが。
ヤツの言葉は今でも覚えてる事が多い。
"なぜ王が先頭を走るのか。
それは、人間は一番強い者に従うからだ。
私は一番強い。
王という称号は守られる為ではなく、一番強いという称号だ。
先頭を走り、先頭で全てを味わう。
それが王であり、羨望の眼差しを一心に受ける存在である。
故──強者こそが先陣を切り、民を導く者こそが王である"
"民に価値の差などない。
あるのはどれだけ民を想い、そこに信念があるのかのみ"
"高貴に成れ。
雲は気分で雨を降らし、氷を降らし、晴らす。
我が人生に見える物全てに意味があるのだ民よ。
雲はまるで、人間そのものではないか?
感情に身を任せ、あるものをないと言い、ないものをあると嘘を吐く。
戦争の口火は感情的になった人間の一言で始まる。
だがしかし、我が覇道を示す導である星は揺るがない。
雲に隠れ、本当に私達を照らしているのか?
見ていてくださっているのか?
誰もその姿、本質を見る事はできない。
だが、雲がそこにあろうとなかろうと、星はいつもそこにある。
どんな時も、星は私達を見ているのだ。
雲が無ければ星は我らを照らし、我らに神秘をくれる。
閃きを貰い、希望を貰い、明日への活力へと成る。
そう、私達を支えているのだ!
幼少よりずっと──我が覇道は星なのである"
「気高くあれ」
「「「気高く?」」」
「辛い時も、星はそこにある。
星は何時でも見ている」
「本当に、僕達を見ていてくれるのかな?」
「あぁ。
だが星は──見ているだけだ。
俺達人間を救う為にいるわけではない。
だから、選ぶんだ。
その心に、感情に、自分が敵と決めた子供が本当に敵だったのか。
考えるんだ。
ただ攻撃されたからではなく、本当に必要だったかを考える必要がある。
ただなんとなく殺すのではなく、自分の気持ちで殺すんだ。
お礼で捧げるような真似はするものではない。
自分心で決めて人を殺すんだ。
⋯⋯いいか?」
「⋯⋯⋯⋯うん!」
オルフ達なりに真剣に考え、意志の宿った瞳で大きく縦に頷き、返事をする。
目線を合わせて、俺はその顔をまっすぐ見据えて、小刻みに頷いて握り締める。
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