【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

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世界征服編

大悪魔

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 「お、お──」

  一発の銃声。
 虚しく響くこの場所は、いつもならば少年たちやギャングたちがうるさく暴れまわっている場所である。

 しかし。
 今日に限っては違う。

 ガチャン──ッ!

 光沢感溢れる黒い銃身。
 一人の男はマジマジと見つめながらスライドを引くと、薬莢が宙を舞う。

 「クソッ!!
 なっ、なんなんだ!あいつ!!」

 カランカランと、響く。
 今日に限っては──この悪い意味で活気溢れる場所には薬物中毒者がいない。

 一人の中年男が走り続ける。
 そしてそれを追う男。

 カツカツと音を鳴らし、ゆっくり。
 だが確実に仕留めようと距離を詰めている。

 「か、顔を見せろ!!!」

 「⋯⋯⋯⋯」

 男の方は変装していて覆面で顔が見えない。
 だが、明らかに軍人が着ているような服装だった。

 「て、テメェ!」

 そして警察も何故か、今日は巡回が手薄だ。
 
 「何故だ!」

 中年男は腰が抜けてその場に崩れ、逃げようと必死だ。

 「ハッ⋯⋯ヒッ!」

 距離はもうない。
 中年男に見えるのは、男の後ろに見える積み重なった死体の山である。

 そう。
 この男一人で⋯⋯一丁の拳銃であの数百の人間を葬ったのだ。

 ──わざわざ死体を積み上げて。

 「ど、どうかしてる!!」

 その言葉に男は覆面を脱ぐ。

 「⋯⋯あ、アジア」

 「いやぁ、現代兵器も悪くないな」

 そう発した直後。
 カチャッと銃口は中年男の額近くに伸び、重苦しい銃声と共に無残に倒れたのだった。








 「ふぅ」

 覆面を外し、俺は空を見上げる。
 
 「いやぁ素晴らしい日だ」

 手に持つ拳銃を見つめる。

 こりゃ魔法なんて面倒な真似なんぞしないわな。

 こんな簡単に人を殺せて、更には威圧になる道具があるのなら、武芸なんぞ学ばんだろうさ。

 振り返ると俺が殺した数百人の死体。

 いやぁーひと仕事した。
 こんなみんなが通れる道で変なのしか彷徨いていないのだから、殺してしまってもいいだろう。

 カツカツ言うこのブーツもいい。
 ミリタリーブーツだそうだ。

 硬いし特殊素材なもんだから最高だな。
 
 「結界展開ウルブロス

 身体がゾワッとするような重低音と共に、このツキロウのメインストリートを覆う。

 「聖なる光をミクシラテンデ
 浄化の風プロメクシア

 汚えこの街はつまらん。
 この通りは、今日から俺の学校だ。

 全域ではないが、この通りに見える建物、道路、あった様々な物が浄化の風によって除去される。

 幸いデイビッドたちの場所とは離れているからあまり関係はない。

 ここが本来のメインストリートなのだから問題はない。

 「さて──本番」

 爪先を少し地面にタンタンと鳴らし、俺はこの場から転移する。





 

 「おっと」

 「んー!!!!んーー!!!!」

 転移ミスったのかと思ったぜ。

 「おい、静かにしろ」

 目の前にいる身ぐるみ剥がされた男に銃口を突きつけると、すぐに静かになった。

 なんだよ、出来るじゃねぇの。

 「お前がここの一角のギャングのリーダーだって?」

 「ふんふん!!!」

 口を塞いでいるから必死に息を吹いて頷いている。

 「月にどれくらいだ?金は」

 「※※※※※※※!!」

 「なんだって?聞こえねぇ」

 と口を喋れるようにしてやると。

 「⋯⋯ァッイテェ。
 に、2万ドル!!」

 はい、ダウト。
 カチャリと。
 
 「っ!!ご、五万!!」

 ダウト。

 「十万!!!」

 「おい、嘘つくんじゃねぇよ。
 俺は何度も訊ねるのがキライなんだ
 そこにいるお前の女みたいになりたいのか?」

 何があったのかは言わないでおこう。
 まぁ、素晴らしいな⋯⋯とだけ。

 ゆっくりその奥にいるコイツの女の末路を見たギャングのリーダーは、もう既に戦意は喪失している。

 空威張りってヤツだな所謂。

 「20!!」

 「へぇ、結構儲かってるんだな?」

 「ほ、他はもっとです!!」

 「そうなんだ。
 ちなみにだけど、他のギャングのリーダーもお前と同じような状態なんだけどさ」

 ウロチョロしながら弾倉を入れ直してスライドを引く。

 「俺、なんて言ったっけ?」

 満面笑みで下からコイツの顎目掛けて銃口を突きつける。

 「あ、あの通りは近付かない!!」

 「そうなんだよ。──そう!
 なのに⋯⋯なんだ」

 コイツの前を円を書くように歩き回って、俺は突然銃口を向ける。

 「俺、約束守らない人間に興味が沸かないんだ。

 遅刻する人間は総じて舐めているのと一緒だ。

 それが相手が仕事場の上司だったとしても同じ行動は取らないだろう?

 つまり言い訳だ」

 ズガンッ!!

 「おぉ、ピクついてる」

 結構威力あるんだなぁ。
 返り血のついた頬を拭ってその場を後にし、俺はまた転移をし続ける。

 








 「初めまして、ガキ共」

 あれから数日。
 俺の目には、メインストリートのど真ん中。

 そこに大量の椅子に座る白人と黒人の子供を集めた。

 「お前は誰やねんって感じだろう」
 
 座っている子どもたちは訳がわからないといった様子で、俺を睨みつけている。

 ⋯⋯主に白人だが。

 「さて、それでは──青年からみんなへ、青空ディベートを始めます。

 耳かっぽじって聞けや、クソガキども」
 
 一週間後。
 俺は嗤いながらこの教壇に立ってディベートをする事にした。
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