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世界征服編
謎は深まるばかり
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「⋯⋯と、言うわけだ」
なるほどわからん。
すでに小一時間父からとんでもない話を受けて⋯⋯まぁそれをザッとまとめると。
・俺達が想像しているような都市伝説的な物だったり、あり得ないと思うような存在は実は本当は存在しているが、アレイスターによって無かった事にされている。
⋯⋯一言で要約するとこうだ。
少し噛み砕くだくと、俺は魔力や魔法の概念があるからそこまで何も思わないが、一般人からすれば俺も大概だろう。
しかし、例えば悪魔。
神様、世にはないと言われる力。
超常、異能、それらは本当は実在していて、俺達本来の肉体であれば使えるという話だ。
では何故?
そこでアレイスターだ。
覇旬という俺の本当の父親話を元に聞くと、アレイスターという概念を持った存在は未来、過去に存在、跳ぶことが出来るらしく、現在から過去に少しずつ力を持つ存在を自分たちサイドに取り込んできたんだと。
そして、自分たちしか魔法や霊力といった抽象的概念と神秘学でしか聞かないような事を独占し、過去に行って行って⋯⋯現在の世界のように力をなくし、自分たちが喰いまくるという状態になってる。
──というのが、この世界の流れであるということらしいな。
特にアレイスター教は教え的にもアジアへの攻撃が酷いことで何か理由があるのではないか?と言われてるらしいが、そこは分からないんだってな。
まぁサッとこんなもんだ。
比喩でも何でもなく、現在の犬のように品種改良的に弱くされているというわけだ。
「つまり、本当の父親はもう亡くなってる?」
「亡くなるというのは若干違うが、もう黙る必要ないな」
と言って、父はメモ用紙につらつらと何かを書き出す。
周りにも秦派とかいう奴らが覗き込んでいるのだが邪魔すぎる。
「あの日⋯⋯まぁ、この世界から消えた日。
と言えばいいか。
要約だが覇旬はあの日、アレイスターを追い詰めた。
だが奴は全開ではなかったらしく、結局覇旬は負ける事になる。
血筋である祖である神功皇后の時、そして黎天の時、今回の覇旬。
この三段階によって、どうやらかなり顕現に負荷が掛かっていたようだ。
力が弱まり、あと少しのところで、覇旬の体力も消えかけた。
その時だ。
俺が合流したのは」
この1時間程ざっと聞いたが、そもそも俺の親がマジの藤原系列の由緒正しき家柄とか未だに信じられんのやが。
⋯⋯逆によく俺知らなかったな。
「なんとか覇旬を回収できたのだが、アレイスターも完全に倒せた訳ではない。
だが覇旬を失うわけには行かない。
だから諦めた。
奴は最後までキレていたが、背に腹はかえられんと──だが」
父はゆっくりと溜息をついて、言葉に詰まっている。
「自分の命が長くない事をそこで悟ったらしい。
どうやら霊力の消耗と身体の損傷が能力で戻せないくらいまでに至ったということに気付き、奴は俺と静音⋯⋯二人に提案をした。
"俺様とアイツの子供を頼んでいいか?"
⋯⋯ってな」
「それでどうしたの?」
「奴には何か策があったようでな。
跳ぶとか何とか言ってたんだが、アイツらしく意味不明な事ばかり言って、俺に押しつけやがったんだよ。
だが、奴の代償は──俺と静音。
そして、この世界の記憶の抹消という代償を目の前で使用し、この世界から消失したんだ。
ただ、子供が生まれたのはその前日でな。
名前を決めてなかったんだと。
本来あり得ない事だが、アイツだと言えばアイツらしい訳だが。
それで──」
父は俺を真っ直ぐ見つめ。
「本来、湊翔。
覇旬は決めていなかったらしいのだが、玄華の方は決めていた。
⋯⋯本来、お前がなるはずだった"本名"だ」
胸の鼓動がここまで速くなるなんてな。
ただ、名前を聞くだけなのに。
「神功覇玄。
一応色々意味はあるらしいが、とりあえずこういう名前だ」
⋯⋯やべぇ、本当のママンセンスすげぇな。
でもまぁ、親二人から取ってるから違和感はないけど。
「それでだな。
覇旬が知らなかったのもあったのだが、俺に言ったんだ。
今ここで名前を決めろって」
「⋯⋯⋯⋯」
「それで決めたのが──湊翔、お前の名前だ。
昔から静音と話していたんだ。
男の子が産まれたら、湊翔って名前にしようって」
「それを、奴に伝えたんだ。
そしたら湊翔ねと言って、「アレイスターは任せろ。もし駄目なら、子供にやらせる」とだけ言って、やつはこの世界から存在を消した。
恐らく顔は覚えてないはずだが名前くらいは覚えてるはずだが⋯⋯まぁこれがあの日あった事についてだ」
「待て。
ならお前たちはなんで身分を隠した」
「懐遠。
これは俺達に施した契約だ。
ヤツの能力を使用する際に俺達も代償を払う必要があったからだ」
「それが、因果がなんちゃらって言うことか」
「あぁ。
アレイスターから身を隠す為に必要なことだった。
湊翔も、偽装するのに必要な手間だ。
おかげ家からも勘当だ。
笑えるだろ」
全然笑えん。
つまりアレか?
俺を隠す為、顔が割れている父と母が隠れる為に──あんな極貧生活を。
「悪くない生活だった。
まさか湊翔が⋯⋯こんなに大きくなってくれると思っても見なかったからな。
それに、忘星眼を自力で開眼させるなんて思わなかったがな!」
胸が痛い。
どうしよう。
「どうした?湊翔」
「いや、じゃあ。
俺が──」
「言わないの。そーちゃん」
察した母が真顔で俺の言葉を遮る。
「私達夫婦が選んだことなのよ?
そーちゃんは何も気にする必要はないから」
「⋯⋯⋯⋯そっか」
「でもよ?
全貌は分かったのはいいが、アレイスターの情報源はどっから来たんだ?」
「ん?
あぁ、湊翔の恩人から貰った手紙に書いてあったんだ」
⋯⋯ん?
「どうやら知り合いに覇旬がいたらしくてな。
朧げだったんだろうな。
アイツ、支離滅裂な事ばかり書いてあったが、俺達を忘れてるだけで、アレイスターを忘れてはいなかったようでな?
今年、さっさと華国へ行けばどうにかなる⋯⋯なんて言ってな。
アレイスターの力の具合を詳細に記した手紙だったよ。
来年の夏。
それまでに戦力を整え、逆に敵の戦力を削ぐ必要がある。
これだけでもわかっていれば、どうにかなるだろう」
来年の夏か。
あまり時間がないな。
「おいおい、そんな短時間でどうにかなるのか?」
「今は封印した力も解けてる。
懐かしいよ。霊力が戻った自分を見るのは」
確かに。
父の身体は以前とはまるで別人だ。
血液とは別の⋯⋯魔力と似た通り道。
「今日本には霊脈があるが、これらは神道によって護られているにすぎん。
八百万の神々たちが必死になって守ってる。
覇旬の残したモノは本当に計り知れない」
「というと?吉伸」
「華国の青龍や玄武。
日本の龍神や神話的な存在は覇旬の力で産まれた存在だ。
アイツらがいるから俺達両国はまだ反抗できているに過ぎない。
神功皇后の時代、まだそこまでなかったはずだが、今はそういった存在が守護している状態だ」
「ということは夏までに父さんはどうするつもり?」
「本当ならルートが違うはずだったが、因果が戻った以上、少し昔らしく戦う訓練でもしないとな」
ニカッと笑い、父は拳を握って離す。
「覇旬が繋いだこの時間──"今度は"どうにかする」
ーー今度は助ける!
「湊翔?」
「父さん、俺も戦うよ。
でも、今はせっかくだし華国を楽しもうよ。
そこのヘラヘラした案内係もいるんだし」
少し鼻で笑った父は小刻みに頷いて俺の肩に手を置く。
「息子に気を遣われるとはな」
「そういう訳じゃないよ。
一応来年の夏までまだ時間はある。
今必死になっても疲れるだけだし」
「じゃあ折角だ──吉伸、俺達が華国を案内してやるよ。
久方ぶりに」
「あぁ。頼むよ」
二人は仲良さそうに肩を叩き合っているのを眺める。
だがそんな中、俺の頭には手紙の話が過ぎっていた。
ーーお前がここに来たのは、俺のせいだ。
そして別れ際。
ーーもう俺は"俺の人生を飾れた"
ーー子供はいつまでも子供だ
ーーじゃあな、"""湊翔"""。
ーー黄金の雫というのか。
俺の眼でも使えばいいんじゃないか?
どうせ普通の人間が真似できるものでもないが
その言葉を思い出した時──俺は静かに、一人で瞳を大きく見開いた。
まさか⋯⋯な?
なるほどわからん。
すでに小一時間父からとんでもない話を受けて⋯⋯まぁそれをザッとまとめると。
・俺達が想像しているような都市伝説的な物だったり、あり得ないと思うような存在は実は本当は存在しているが、アレイスターによって無かった事にされている。
⋯⋯一言で要約するとこうだ。
少し噛み砕くだくと、俺は魔力や魔法の概念があるからそこまで何も思わないが、一般人からすれば俺も大概だろう。
しかし、例えば悪魔。
神様、世にはないと言われる力。
超常、異能、それらは本当は実在していて、俺達本来の肉体であれば使えるという話だ。
では何故?
そこでアレイスターだ。
覇旬という俺の本当の父親話を元に聞くと、アレイスターという概念を持った存在は未来、過去に存在、跳ぶことが出来るらしく、現在から過去に少しずつ力を持つ存在を自分たちサイドに取り込んできたんだと。
そして、自分たちしか魔法や霊力といった抽象的概念と神秘学でしか聞かないような事を独占し、過去に行って行って⋯⋯現在の世界のように力をなくし、自分たちが喰いまくるという状態になってる。
──というのが、この世界の流れであるということらしいな。
特にアレイスター教は教え的にもアジアへの攻撃が酷いことで何か理由があるのではないか?と言われてるらしいが、そこは分からないんだってな。
まぁサッとこんなもんだ。
比喩でも何でもなく、現在の犬のように品種改良的に弱くされているというわけだ。
「つまり、本当の父親はもう亡くなってる?」
「亡くなるというのは若干違うが、もう黙る必要ないな」
と言って、父はメモ用紙につらつらと何かを書き出す。
周りにも秦派とかいう奴らが覗き込んでいるのだが邪魔すぎる。
「あの日⋯⋯まぁ、この世界から消えた日。
と言えばいいか。
要約だが覇旬はあの日、アレイスターを追い詰めた。
だが奴は全開ではなかったらしく、結局覇旬は負ける事になる。
血筋である祖である神功皇后の時、そして黎天の時、今回の覇旬。
この三段階によって、どうやらかなり顕現に負荷が掛かっていたようだ。
力が弱まり、あと少しのところで、覇旬の体力も消えかけた。
その時だ。
俺が合流したのは」
この1時間程ざっと聞いたが、そもそも俺の親がマジの藤原系列の由緒正しき家柄とか未だに信じられんのやが。
⋯⋯逆によく俺知らなかったな。
「なんとか覇旬を回収できたのだが、アレイスターも完全に倒せた訳ではない。
だが覇旬を失うわけには行かない。
だから諦めた。
奴は最後までキレていたが、背に腹はかえられんと──だが」
父はゆっくりと溜息をついて、言葉に詰まっている。
「自分の命が長くない事をそこで悟ったらしい。
どうやら霊力の消耗と身体の損傷が能力で戻せないくらいまでに至ったということに気付き、奴は俺と静音⋯⋯二人に提案をした。
"俺様とアイツの子供を頼んでいいか?"
⋯⋯ってな」
「それでどうしたの?」
「奴には何か策があったようでな。
跳ぶとか何とか言ってたんだが、アイツらしく意味不明な事ばかり言って、俺に押しつけやがったんだよ。
だが、奴の代償は──俺と静音。
そして、この世界の記憶の抹消という代償を目の前で使用し、この世界から消失したんだ。
ただ、子供が生まれたのはその前日でな。
名前を決めてなかったんだと。
本来あり得ない事だが、アイツだと言えばアイツらしい訳だが。
それで──」
父は俺を真っ直ぐ見つめ。
「本来、湊翔。
覇旬は決めていなかったらしいのだが、玄華の方は決めていた。
⋯⋯本来、お前がなるはずだった"本名"だ」
胸の鼓動がここまで速くなるなんてな。
ただ、名前を聞くだけなのに。
「神功覇玄。
一応色々意味はあるらしいが、とりあえずこういう名前だ」
⋯⋯やべぇ、本当のママンセンスすげぇな。
でもまぁ、親二人から取ってるから違和感はないけど。
「それでだな。
覇旬が知らなかったのもあったのだが、俺に言ったんだ。
今ここで名前を決めろって」
「⋯⋯⋯⋯」
「それで決めたのが──湊翔、お前の名前だ。
昔から静音と話していたんだ。
男の子が産まれたら、湊翔って名前にしようって」
「それを、奴に伝えたんだ。
そしたら湊翔ねと言って、「アレイスターは任せろ。もし駄目なら、子供にやらせる」とだけ言って、やつはこの世界から存在を消した。
恐らく顔は覚えてないはずだが名前くらいは覚えてるはずだが⋯⋯まぁこれがあの日あった事についてだ」
「待て。
ならお前たちはなんで身分を隠した」
「懐遠。
これは俺達に施した契約だ。
ヤツの能力を使用する際に俺達も代償を払う必要があったからだ」
「それが、因果がなんちゃらって言うことか」
「あぁ。
アレイスターから身を隠す為に必要なことだった。
湊翔も、偽装するのに必要な手間だ。
おかげ家からも勘当だ。
笑えるだろ」
全然笑えん。
つまりアレか?
俺を隠す為、顔が割れている父と母が隠れる為に──あんな極貧生活を。
「悪くない生活だった。
まさか湊翔が⋯⋯こんなに大きくなってくれると思っても見なかったからな。
それに、忘星眼を自力で開眼させるなんて思わなかったがな!」
胸が痛い。
どうしよう。
「どうした?湊翔」
「いや、じゃあ。
俺が──」
「言わないの。そーちゃん」
察した母が真顔で俺の言葉を遮る。
「私達夫婦が選んだことなのよ?
そーちゃんは何も気にする必要はないから」
「⋯⋯⋯⋯そっか」
「でもよ?
全貌は分かったのはいいが、アレイスターの情報源はどっから来たんだ?」
「ん?
あぁ、湊翔の恩人から貰った手紙に書いてあったんだ」
⋯⋯ん?
「どうやら知り合いに覇旬がいたらしくてな。
朧げだったんだろうな。
アイツ、支離滅裂な事ばかり書いてあったが、俺達を忘れてるだけで、アレイスターを忘れてはいなかったようでな?
今年、さっさと華国へ行けばどうにかなる⋯⋯なんて言ってな。
アレイスターの力の具合を詳細に記した手紙だったよ。
来年の夏。
それまでに戦力を整え、逆に敵の戦力を削ぐ必要がある。
これだけでもわかっていれば、どうにかなるだろう」
来年の夏か。
あまり時間がないな。
「おいおい、そんな短時間でどうにかなるのか?」
「今は封印した力も解けてる。
懐かしいよ。霊力が戻った自分を見るのは」
確かに。
父の身体は以前とはまるで別人だ。
血液とは別の⋯⋯魔力と似た通り道。
「今日本には霊脈があるが、これらは神道によって護られているにすぎん。
八百万の神々たちが必死になって守ってる。
覇旬の残したモノは本当に計り知れない」
「というと?吉伸」
「華国の青龍や玄武。
日本の龍神や神話的な存在は覇旬の力で産まれた存在だ。
アイツらがいるから俺達両国はまだ反抗できているに過ぎない。
神功皇后の時代、まだそこまでなかったはずだが、今はそういった存在が守護している状態だ」
「ということは夏までに父さんはどうするつもり?」
「本当ならルートが違うはずだったが、因果が戻った以上、少し昔らしく戦う訓練でもしないとな」
ニカッと笑い、父は拳を握って離す。
「覇旬が繋いだこの時間──"今度は"どうにかする」
ーー今度は助ける!
「湊翔?」
「父さん、俺も戦うよ。
でも、今はせっかくだし華国を楽しもうよ。
そこのヘラヘラした案内係もいるんだし」
少し鼻で笑った父は小刻みに頷いて俺の肩に手を置く。
「息子に気を遣われるとはな」
「そういう訳じゃないよ。
一応来年の夏までまだ時間はある。
今必死になっても疲れるだけだし」
「じゃあ折角だ──吉伸、俺達が華国を案内してやるよ。
久方ぶりに」
「あぁ。頼むよ」
二人は仲良さそうに肩を叩き合っているのを眺める。
だがそんな中、俺の頭には手紙の話が過ぎっていた。
ーーお前がここに来たのは、俺のせいだ。
そして別れ際。
ーーもう俺は"俺の人生を飾れた"
ーー子供はいつまでも子供だ
ーーじゃあな、"""湊翔"""。
ーー黄金の雫というのか。
俺の眼でも使えばいいんじゃないか?
どうせ普通の人間が真似できるものでもないが
その言葉を思い出した時──俺は静かに、一人で瞳を大きく見開いた。
まさか⋯⋯な?
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