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世界征服編
円卓
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そこは暗黒に包まれた空間。
コツ。
だが。
──コツ。
硬い足音が5つ。
その直後。
パチン、と。
光が中央にスポットライトのごとく光り輝く。
照らされた円卓。
一つ一つが玉座のように縦に長く、異質なモヤが蠢く椅子が六脚分。
そこに座る5人は肩がけの白いローブを羽織る者達。
「ロイド・ウェルナンデス。
報告をあげよ」
オールバックに整えられている中年程の見た目である男の一言。
「ハッ。
先程、騎士であるオルガン・ダグマディオス隊長の神聖力の消滅を確認。
部下が現場に急行した所、既に戦闘は終わっていた模様です」
「魔力の残滓は?」
「そちらも調査済みです。
明らかに魔導師と思われる人物の残滓を確認しました」
「他に特記事項は」
「二つ」
「申せ」
「一つ。
相手の魔力残滓から、凄腕の魔導師である可能性が必至との事。
2つめは、残滓から確認した結果、我々の知らない技術体系から派生した魔法を使用した可能性がほぼ確実であるという事。
一つ目に関しては濃度調査により、我々の世界である魔力換算にすると約100倍程の濃度を確認した事によることが決め手に。
2つめの方は魔力残滓から該当する八属性魔法の外を確認したことによるものです」
「ご苦労ロイド・ウェルナンデス」
「とんでもありません」
一礼するロイド。
「質問がある」
手を上げたのはロイドの二つ隣に座る白い肌と肩に付くくらいの銀髪が特徴の男。
「オーウェンス隊長。
なんでございましょう」
「八属性に該当しない、か?
調査隊の見解は?」
「はい。
我々としては、様々な検証を行いましたが、我々では感知が出来ないモノとして判別しております。
ただし、この魔力残滓から確認するに、破壊属性と再生属性の両方が同居しているよう、と」
「カッ!
なんだって?
破壊と再生が同居してるだァ?
妄想も大概にしてほしいがな」
机に足を乗っけるオーウェンスが苛立ちを隠せずに一度踵で机を叩く。
「舐めてんじゃねぇぞ?
騎士の中でもアイツはまだ新人だが、天才の部類だったはずだぜ?アイツは」
「あらやめてよオーズ。
それはアンタが可愛がってただけの事でしょう?」
艷が乗った色気たっぷりの声の主に、オーウェンスは横目で睨む。
「オイ。舐めてんじゃねぇぞ?」
「仲間同士で何を言ってるのかしらねぇ?
あの子は」
「あの子だァ?
この年増──」
その時、落雷の如き速さで桜の雷撃が一直線に向かう。
到達直前。
うねりを効かせて辿り着くが、オーウェンスの顔面手前⋯⋯漆黒の手袋を付けた拳で防ぐ。
「今のは──序列戦をやるっつー事でイイなァ?」
防ぐ手を退けると、そこには黄金に輝く歪んだオーウェンスの眼光。
「4番が何言ってるの?ガキ」
「そこまでだ、双方気を沈めろ」
腕を組む中年男の覇気。
両者睨むとすぐに前傾体勢を解かれ、背を預ける。
「チッ、ガイルキム様に言われちゃどうしようもねぇ」
オーウェンスは息をついて落ち着かせ、その場で目を閉じた。
「メリダ、お前もだぞ。
我々は栄誉ある騎士。
軽々しくその力を使うものではない」
「失礼しました。
ガイルキム隊長」
「我々は同胞なのだ。
争いなどもってのほか。
それより、新人とはいえ、騎士の一人を殺られるなどとは予想だにしていなかった」
「それはそうですが、相手は凄腕の魔導師⋯⋯そもそも、何故魔導師が存在しているのかということですが」
「ロイド・ウェルナンデス。
何か情報はあるのか?」
「今の所は」
「ならば仕方がない。
どうにかして情報を集めるとしよう。
だがひとまず、予定を変更するべきか多数決をとろう」
「それはプロヴァンハイドの決行を早めるということですか?」
「メリダ・ローズガー。
我々としては、陛下をエデンの園から顕現してもらうべく動いているのだぞ。
陛下からは被害は最小限にと伝達があったであろう?
しかし話は急を要するかもしれんということだ」
「つまり⋯⋯」
メリダは俯きながら、歯痒い面持ちで呟く。
「信者を使うという事ですか?」
「そういう事だ」
「だとしたらよォ、人口の6割は死滅するぜ?
俺達が管理してきた功績が一瞬でお陀仏だ。
⋯⋯そこはどうするよ?ガイルキム隊長殿」
肩をすくめながら訊ねるオーウェンス。
「だから今こうして多数決をとろうとしているのではないか」
溜息混じりに言い放つガイルキムにオーウェンスの顔はポカンとしている。
「おぉ、確かに」
「アンタ黙ってなさいよ」
「うるせぇよ年増」
「多数決をとる」
一喝。空気は一瞬で変わる。
⋯⋯静寂。
全員の目線は、ガイルキムに向かう。
「プロヴァンハイド決行に賛成の者は」
ロイド、オーウェンス、ガイルキム。
「えぇ?私だけ反対?」
左右をキョロキョロしながらメリダは縮こまって足を組み直している。
「オルガンがこの場にいたら、多分反対してただろうよ」
「信者の被害は最小限って話じゃない?」
「だがよ、その魔導師⋯⋯多分ヤバイんだろう?
ロイド、テメェの判断はどうだよ?」
「はい。
個人的には最重要の警戒が必要になること思われます。
私も検査の結果を確認いたしましたが、事実であることはハッキリしております。
威力もとてつもなく、我々の神聖力での六律法程だと推測されています」
「六律法!?
そんなの、化物中の化物じゃない」
「えぇ。
なので、自分としてはプロヴァンハイドを決行し、陛下の顕現を急ぐ他ないかと」
「まぁどの道?
その為の信者だろ?
あのアジアのゴミ虫の⋯⋯なんだっけ?」
メリダへ目配せするオーウェンス。
「日本よ」
「そうそう。日本。
あそこの国だけは信者が全く出来やしなかった。
おかげでしこたまキレられたしなァ?」
「オーウェンス。
今はそんな事どうでもいい。
とにかく、その魔導師がどれほどなのかも確認したいのだが、難しそうか?」
「はい。
残滓も、かなり高度なセキュリティレベルを保持していて、残滓から確認できるものでやっとの事抽出できたのがこの二つなモノですから」
ふむ、と。
ガイルキムは深い溜息をつく。
「確認できぬなら仕方がない。
すぐに始めるぞ。
総員──信者をアメーロの準備に掛からせろ」
「「「「アレイン」」」」
コツ。
だが。
──コツ。
硬い足音が5つ。
その直後。
パチン、と。
光が中央にスポットライトのごとく光り輝く。
照らされた円卓。
一つ一つが玉座のように縦に長く、異質なモヤが蠢く椅子が六脚分。
そこに座る5人は肩がけの白いローブを羽織る者達。
「ロイド・ウェルナンデス。
報告をあげよ」
オールバックに整えられている中年程の見た目である男の一言。
「ハッ。
先程、騎士であるオルガン・ダグマディオス隊長の神聖力の消滅を確認。
部下が現場に急行した所、既に戦闘は終わっていた模様です」
「魔力の残滓は?」
「そちらも調査済みです。
明らかに魔導師と思われる人物の残滓を確認しました」
「他に特記事項は」
「二つ」
「申せ」
「一つ。
相手の魔力残滓から、凄腕の魔導師である可能性が必至との事。
2つめは、残滓から確認した結果、我々の知らない技術体系から派生した魔法を使用した可能性がほぼ確実であるという事。
一つ目に関しては濃度調査により、我々の世界である魔力換算にすると約100倍程の濃度を確認した事によることが決め手に。
2つめの方は魔力残滓から該当する八属性魔法の外を確認したことによるものです」
「ご苦労ロイド・ウェルナンデス」
「とんでもありません」
一礼するロイド。
「質問がある」
手を上げたのはロイドの二つ隣に座る白い肌と肩に付くくらいの銀髪が特徴の男。
「オーウェンス隊長。
なんでございましょう」
「八属性に該当しない、か?
調査隊の見解は?」
「はい。
我々としては、様々な検証を行いましたが、我々では感知が出来ないモノとして判別しております。
ただし、この魔力残滓から確認するに、破壊属性と再生属性の両方が同居しているよう、と」
「カッ!
なんだって?
破壊と再生が同居してるだァ?
妄想も大概にしてほしいがな」
机に足を乗っけるオーウェンスが苛立ちを隠せずに一度踵で机を叩く。
「舐めてんじゃねぇぞ?
騎士の中でもアイツはまだ新人だが、天才の部類だったはずだぜ?アイツは」
「あらやめてよオーズ。
それはアンタが可愛がってただけの事でしょう?」
艷が乗った色気たっぷりの声の主に、オーウェンスは横目で睨む。
「オイ。舐めてんじゃねぇぞ?」
「仲間同士で何を言ってるのかしらねぇ?
あの子は」
「あの子だァ?
この年増──」
その時、落雷の如き速さで桜の雷撃が一直線に向かう。
到達直前。
うねりを効かせて辿り着くが、オーウェンスの顔面手前⋯⋯漆黒の手袋を付けた拳で防ぐ。
「今のは──序列戦をやるっつー事でイイなァ?」
防ぐ手を退けると、そこには黄金に輝く歪んだオーウェンスの眼光。
「4番が何言ってるの?ガキ」
「そこまでだ、双方気を沈めろ」
腕を組む中年男の覇気。
両者睨むとすぐに前傾体勢を解かれ、背を預ける。
「チッ、ガイルキム様に言われちゃどうしようもねぇ」
オーウェンスは息をついて落ち着かせ、その場で目を閉じた。
「メリダ、お前もだぞ。
我々は栄誉ある騎士。
軽々しくその力を使うものではない」
「失礼しました。
ガイルキム隊長」
「我々は同胞なのだ。
争いなどもってのほか。
それより、新人とはいえ、騎士の一人を殺られるなどとは予想だにしていなかった」
「それはそうですが、相手は凄腕の魔導師⋯⋯そもそも、何故魔導師が存在しているのかということですが」
「ロイド・ウェルナンデス。
何か情報はあるのか?」
「今の所は」
「ならば仕方がない。
どうにかして情報を集めるとしよう。
だがひとまず、予定を変更するべきか多数決をとろう」
「それはプロヴァンハイドの決行を早めるということですか?」
「メリダ・ローズガー。
我々としては、陛下をエデンの園から顕現してもらうべく動いているのだぞ。
陛下からは被害は最小限にと伝達があったであろう?
しかし話は急を要するかもしれんということだ」
「つまり⋯⋯」
メリダは俯きながら、歯痒い面持ちで呟く。
「信者を使うという事ですか?」
「そういう事だ」
「だとしたらよォ、人口の6割は死滅するぜ?
俺達が管理してきた功績が一瞬でお陀仏だ。
⋯⋯そこはどうするよ?ガイルキム隊長殿」
肩をすくめながら訊ねるオーウェンス。
「だから今こうして多数決をとろうとしているのではないか」
溜息混じりに言い放つガイルキムにオーウェンスの顔はポカンとしている。
「おぉ、確かに」
「アンタ黙ってなさいよ」
「うるせぇよ年増」
「多数決をとる」
一喝。空気は一瞬で変わる。
⋯⋯静寂。
全員の目線は、ガイルキムに向かう。
「プロヴァンハイド決行に賛成の者は」
ロイド、オーウェンス、ガイルキム。
「えぇ?私だけ反対?」
左右をキョロキョロしながらメリダは縮こまって足を組み直している。
「オルガンがこの場にいたら、多分反対してただろうよ」
「信者の被害は最小限って話じゃない?」
「だがよ、その魔導師⋯⋯多分ヤバイんだろう?
ロイド、テメェの判断はどうだよ?」
「はい。
個人的には最重要の警戒が必要になること思われます。
私も検査の結果を確認いたしましたが、事実であることはハッキリしております。
威力もとてつもなく、我々の神聖力での六律法程だと推測されています」
「六律法!?
そんなの、化物中の化物じゃない」
「えぇ。
なので、自分としてはプロヴァンハイドを決行し、陛下の顕現を急ぐ他ないかと」
「まぁどの道?
その為の信者だろ?
あのアジアのゴミ虫の⋯⋯なんだっけ?」
メリダへ目配せするオーウェンス。
「日本よ」
「そうそう。日本。
あそこの国だけは信者が全く出来やしなかった。
おかげでしこたまキレられたしなァ?」
「オーウェンス。
今はそんな事どうでもいい。
とにかく、その魔導師がどれほどなのかも確認したいのだが、難しそうか?」
「はい。
残滓も、かなり高度なセキュリティレベルを保持していて、残滓から確認できるものでやっとの事抽出できたのがこの二つなモノですから」
ふむ、と。
ガイルキムは深い溜息をつく。
「確認できぬなら仕方がない。
すぐに始めるぞ。
総員──信者をアメーロの準備に掛からせろ」
「「「「アレイン」」」」
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