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世界征服編
マッチアップ
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「ねぇ湊翔兄ぃ?」
「ん?」
「久しぶりに帰ってきたけど、日本で何するの?」
「あーそれはだな⋯⋯あ、セキュリティ」
順番が回ってきた。
鈴に潜らせ、俺も警備員の指示を聞いて潜る。
「やっと着いたな、日本」
顔パスにして欲しいところだが、まぁ仕方ない。
日本は融通が何も効かないダルい国だ。
「ん~!」
伸びをして後ろ二人を待つ。
「「長かったー」」
振り返ると寝ぼけてほわほわした二人。
「なんか石田、止められてなかった?」
「ネックレスのコレが凶器だろ!って言われて」
指に付けるような謎のガントレットみたいなやつの小さいバージョンみたいなのを見せつけてくる。
「こんなんで言われたのか?クソみたいな所だな」
「本当ですよ。
アニキすみませんー!
後でラーメン奢りますから!」
「そういう事もあるだろう。
俺も危うかったからなこの指輪で」
と、俺達はそうこうしている内に駐車場に行き、待機させているリムジンを見つける。
「おー、若い衆は久しぶりだな」
「お勤めお疲れ様です!!」
「ご苦労さん、久しぶりの旅行気分だからな」
鞄を持たせて俺達はそのまま車内に乗り込む。
「あっ!!」
入った鈴が笑顔で飛び込む。
遅れて俺も、飛び込もうと思ったが、鈴と大地の前では流石に自粛する。
「「久しぶり」」
「⋯⋯衣里、理沙」
まぁあの日以来、安全だということを知れたから良いと思っていたが。
「平和になったから元通り⋯⋯でしょ?」
「ま、そういう事になるな」
そのまま乗り込み、俺達はある場所に向かった。
*
「人混みが凄いな」
パンフレットを持ちながらVIP席に脚を組んで座る。
「伊崎さん、どうぞ」
「おっ、ありがと」
石田から炭酸ジュースを貰い、ストローで吸いながらパンフレット眺める。
「前座はなんかプロっぽい奴らの戦いか」
「元日本ランカーと高校の時に柔道で全国に行った人間の戦いみたいですよ」
へぇ。面白い。
「どうした?」
隣で座ってる鈴が小さく俺の肩を叩く。
「あそこに座ってる人って芸能人じゃないの?」
「なんだ。
鈴もそういうのが好きな年頃か?」
「ちっ、違うよ!
だって私達場違いかなー⋯⋯まぁ、湊翔兄ぃは⋯⋯まぁ違うんだけど」
「暗に褒めてくれるのは嬉しいじゃねぇの」
「ちっ、違うっ!」
頬をつねってやると可愛らしく反抗してくる。
⋯⋯本当──成長したな。
「ちょちょ!こっち来るじゃん!」
目で呼んだんだよ⋯⋯とは言えない。
「伊崎さん、お久しぶりです」
「へっ?」
「久しぶりだな、光」
コイツは現在色んな映画でよく出るようになったキャリア8年目の俳優、七星光。
国内ではかなり人気の男だ。
「この子が写真撮りたいって」
「湊翔兄ぃ!!」
よくも!と恥ずかしがる鈴。
そんな光景に光は笑いかけて内カメにしてピースしている。
「鈴ちゃん、どういうのが好き?」
「こ、こういうのが」
「はい⋯⋯チーズ。
うい、撮れた」
「悪いな、また高い所連れて行くよ」
「全然。
また伊崎さんの映画呼んでくださいね」
「気に入ってくれて何よりだよ」
光が去って行くと、鈴があからさまにプンスカしている。
「なんだ、好きなんだろ?
部屋に光のポスターあったろ?」
「ばっ、バレてる⋯⋯!」
「素直さは子供の武器だ。
今の内に存分に出しておけ」
「う、うん」
「石田、ポップコーンは?」
「ここは映画かっ!」
⋯⋯まぁいいか。
それからすぐの事。
前座が始まる。
「おぉ⋯⋯おぉ!!」
これが意外に面白く、手に持っているフライドポテトは既に大盛りが4個、胃袋というブラックホールに消えてなくなった。
「あぁ⋯⋯そうじゃない」
立ち上がりかける気持ちを抑え、隣を見ると、俺以上にヒートアップして掛け声をあげているのは二人。
「そうだ!ガブ!!そこで膝だ!」
「そこは顔面ワンツーだろー!!
お前ボクシングやってたろよ!!」
ちゃんと楽しんでて何より。
鈴と大地の方は⋯⋯
「頑張れー!ガブ!」
「湊翔兄ぃ、大地が声でか過ぎるんだけど⋯⋯!」
まぁ女は楽しみ辛いか。
なんか別の所にでも今度連れていくか。
その隣の衣里&理沙はちゃんと盛り上がってて良かった。
スイパラとか連れて行くのが早いのか?
『あーッと!?
ガブリエルが全国常連だった郷田にラッシュ!ラッシュ!!』
「おぉっ!?」
俺は柔道の郷田が一気に掻っ攫うと思ってたが⋯⋯ここでどんでん返しか!?
「そうだガブ!いけ!いけッ!!」
「膝だ!膝!!」
「「⋯⋯おぉぉ!!勝ったァァ!!」」
二人がガキみたいに大興奮で手を合わせて笑ってる。
「ほら!!スカしてないで!」
石田に手を取られ。
「「「ういっ!ういっ!ういっ!!」」」
立ち上がって手を繋いで回りだす。
俺達まぁまぁ良い歳だろうよ。
「あ~!ガブやるやん!!」
「あそこで膝入ったの最高だな」
興奮は少し収まり、俺達3人は感想を言い合いながら座る。
そしていよいよ本座。
照明は暗くなる。
そこから異質な重低音が流れる。
徐々にその高まりはピークに達し。
『現在、3年目に差し迫ろうとしている伝説を歩み出しているファイター!
あまりにも試合がつまらないと言われながらも最高だとも言われる史上最強の化物ゥ!!!』
隠れた顔に掛かるローブを取る。
『生きる伝説ゥウゥ!!!
1RKO10勝ォォォ!!!
雛形ァァ星ィィィ!!!!』
歩くカーペットを歩く星。
「星くぅぅん!!!」
「きゃぁぁぁ!!」
声の方を見て笑いかける星。
すると女ファンたちが更に加速している。
「ヤバイ!生はもっとイケメン!!
今私の方見て笑ったよね!?」
「いや私の方見たから!」
⋯⋯アイツも大出世だな。
なんて思っていると。
「⋯⋯⋯⋯」
俺と星は目が合う。
だいぶ久しぶりだが、肘掛けにおいてる手を軽く上げてやる。
一瞬立ち止まる。
すると、その場で心臓にトントン叩いて俺の方へ拳を向けて爽やかに笑ってきた。
「──ファンサの神みたいになってんな」
「アイツイケメンになったよなぁ⋯⋯そう思いません?伊崎さん?」
「まぁそうだな。
世間から見たらかなり良い具合だろうな」
「それに強いと来ているしな」
「本当だよ。
銀、未だに星の指導はしているのか?」
「たまにな。
今じゃそこまでいらんからな」
さすが。
この世界での、化物一号。
『さぁ、大晦日前の勝利納めとなるか⋯⋯相手は現在無敗の空手世界チャンピオンです!
無敗同士どうなるか⋯⋯決戦のラウンド1!!』
魅せてくれ。
カァァァァンとゴングが鳴る。
だが、恐ろしい程静かだ。
向こうの空手世界チャンピオンも何もしていないのにもかかわらず、冷や汗たっぷり。
「⋯⋯⋯⋯」
さっきとは別次元。
会場がひんやりしている。
「ありゃやりづれぇわな」
小声で石田に喋る。
「俺結局一勝も出来なかったですからね」
「ふっ」
ノーガード戦法は健在。
ちょっと前傾姿勢で自身の顔を狙いやすいように突き出してる。
「おっ」
行った。
一気詰め──
瞬間、空中の風を抉り、空手世界チャンピオンの顔面を星のカウンターが入り、一瞬で逝った。
オクタゴンに地面に伏したのは空手世界チャンピオン。
虚しくカウントの声が響く。
「ありゃ磨き掛かってるな」
相手が反応出来ないってよっぽどだぞ?ありゃ。
カンカンカン!と試合終了のゴング。
レフリーはカウントを止めていた。
試合終了まで27秒って。
終わっとるな。
「極まってるな」
「ありゃヤバイっすね。
興行として死んでますね」
「でも周りは嬉しいそうだからいいんじゃね?」
背後辺りにいるファンの声が聞こえる。
「星くん!!かっこよかった!!」
「次も圧勝!!」
俺と石田はその声量に押されて苦笑いしながらフライドポテトを食べる。
「⋯⋯⋯⋯」
帰り際、俺達を見て一礼。
「頑張れよ」
「⋯⋯うん」
小さく呟いて、アイツはそのまま帰って行った。
「化物になってしまったようで何よりだ」
その後も一応試合はあったんで、最後まで見てからスイパラに行った。
鈴は微妙そうだったんだが、衣里たちは嬉しそうだった。
まぁ楽しめたからいいのか?
そのまま俺達は久しぶりの秘密基地に帰ってリビングで夜を楽しく過ごした。
全員感覚が久しぶりで、時間なんて一瞬で過ぎ去ったのは今年の良い思い出になるな。
「ん?」
「久しぶりに帰ってきたけど、日本で何するの?」
「あーそれはだな⋯⋯あ、セキュリティ」
順番が回ってきた。
鈴に潜らせ、俺も警備員の指示を聞いて潜る。
「やっと着いたな、日本」
顔パスにして欲しいところだが、まぁ仕方ない。
日本は融通が何も効かないダルい国だ。
「ん~!」
伸びをして後ろ二人を待つ。
「「長かったー」」
振り返ると寝ぼけてほわほわした二人。
「なんか石田、止められてなかった?」
「ネックレスのコレが凶器だろ!って言われて」
指に付けるような謎のガントレットみたいなやつの小さいバージョンみたいなのを見せつけてくる。
「こんなんで言われたのか?クソみたいな所だな」
「本当ですよ。
アニキすみませんー!
後でラーメン奢りますから!」
「そういう事もあるだろう。
俺も危うかったからなこの指輪で」
と、俺達はそうこうしている内に駐車場に行き、待機させているリムジンを見つける。
「おー、若い衆は久しぶりだな」
「お勤めお疲れ様です!!」
「ご苦労さん、久しぶりの旅行気分だからな」
鞄を持たせて俺達はそのまま車内に乗り込む。
「あっ!!」
入った鈴が笑顔で飛び込む。
遅れて俺も、飛び込もうと思ったが、鈴と大地の前では流石に自粛する。
「「久しぶり」」
「⋯⋯衣里、理沙」
まぁあの日以来、安全だということを知れたから良いと思っていたが。
「平和になったから元通り⋯⋯でしょ?」
「ま、そういう事になるな」
そのまま乗り込み、俺達はある場所に向かった。
*
「人混みが凄いな」
パンフレットを持ちながらVIP席に脚を組んで座る。
「伊崎さん、どうぞ」
「おっ、ありがと」
石田から炭酸ジュースを貰い、ストローで吸いながらパンフレット眺める。
「前座はなんかプロっぽい奴らの戦いか」
「元日本ランカーと高校の時に柔道で全国に行った人間の戦いみたいですよ」
へぇ。面白い。
「どうした?」
隣で座ってる鈴が小さく俺の肩を叩く。
「あそこに座ってる人って芸能人じゃないの?」
「なんだ。
鈴もそういうのが好きな年頃か?」
「ちっ、違うよ!
だって私達場違いかなー⋯⋯まぁ、湊翔兄ぃは⋯⋯まぁ違うんだけど」
「暗に褒めてくれるのは嬉しいじゃねぇの」
「ちっ、違うっ!」
頬をつねってやると可愛らしく反抗してくる。
⋯⋯本当──成長したな。
「ちょちょ!こっち来るじゃん!」
目で呼んだんだよ⋯⋯とは言えない。
「伊崎さん、お久しぶりです」
「へっ?」
「久しぶりだな、光」
コイツは現在色んな映画でよく出るようになったキャリア8年目の俳優、七星光。
国内ではかなり人気の男だ。
「この子が写真撮りたいって」
「湊翔兄ぃ!!」
よくも!と恥ずかしがる鈴。
そんな光景に光は笑いかけて内カメにしてピースしている。
「鈴ちゃん、どういうのが好き?」
「こ、こういうのが」
「はい⋯⋯チーズ。
うい、撮れた」
「悪いな、また高い所連れて行くよ」
「全然。
また伊崎さんの映画呼んでくださいね」
「気に入ってくれて何よりだよ」
光が去って行くと、鈴があからさまにプンスカしている。
「なんだ、好きなんだろ?
部屋に光のポスターあったろ?」
「ばっ、バレてる⋯⋯!」
「素直さは子供の武器だ。
今の内に存分に出しておけ」
「う、うん」
「石田、ポップコーンは?」
「ここは映画かっ!」
⋯⋯まぁいいか。
それからすぐの事。
前座が始まる。
「おぉ⋯⋯おぉ!!」
これが意外に面白く、手に持っているフライドポテトは既に大盛りが4個、胃袋というブラックホールに消えてなくなった。
「あぁ⋯⋯そうじゃない」
立ち上がりかける気持ちを抑え、隣を見ると、俺以上にヒートアップして掛け声をあげているのは二人。
「そうだ!ガブ!!そこで膝だ!」
「そこは顔面ワンツーだろー!!
お前ボクシングやってたろよ!!」
ちゃんと楽しんでて何より。
鈴と大地の方は⋯⋯
「頑張れー!ガブ!」
「湊翔兄ぃ、大地が声でか過ぎるんだけど⋯⋯!」
まぁ女は楽しみ辛いか。
なんか別の所にでも今度連れていくか。
その隣の衣里&理沙はちゃんと盛り上がってて良かった。
スイパラとか連れて行くのが早いのか?
『あーッと!?
ガブリエルが全国常連だった郷田にラッシュ!ラッシュ!!』
「おぉっ!?」
俺は柔道の郷田が一気に掻っ攫うと思ってたが⋯⋯ここでどんでん返しか!?
「そうだガブ!いけ!いけッ!!」
「膝だ!膝!!」
「「⋯⋯おぉぉ!!勝ったァァ!!」」
二人がガキみたいに大興奮で手を合わせて笑ってる。
「ほら!!スカしてないで!」
石田に手を取られ。
「「「ういっ!ういっ!ういっ!!」」」
立ち上がって手を繋いで回りだす。
俺達まぁまぁ良い歳だろうよ。
「あ~!ガブやるやん!!」
「あそこで膝入ったの最高だな」
興奮は少し収まり、俺達3人は感想を言い合いながら座る。
そしていよいよ本座。
照明は暗くなる。
そこから異質な重低音が流れる。
徐々にその高まりはピークに達し。
『現在、3年目に差し迫ろうとしている伝説を歩み出しているファイター!
あまりにも試合がつまらないと言われながらも最高だとも言われる史上最強の化物ゥ!!!』
隠れた顔に掛かるローブを取る。
『生きる伝説ゥウゥ!!!
1RKO10勝ォォォ!!!
雛形ァァ星ィィィ!!!!』
歩くカーペットを歩く星。
「星くぅぅん!!!」
「きゃぁぁぁ!!」
声の方を見て笑いかける星。
すると女ファンたちが更に加速している。
「ヤバイ!生はもっとイケメン!!
今私の方見て笑ったよね!?」
「いや私の方見たから!」
⋯⋯アイツも大出世だな。
なんて思っていると。
「⋯⋯⋯⋯」
俺と星は目が合う。
だいぶ久しぶりだが、肘掛けにおいてる手を軽く上げてやる。
一瞬立ち止まる。
すると、その場で心臓にトントン叩いて俺の方へ拳を向けて爽やかに笑ってきた。
「──ファンサの神みたいになってんな」
「アイツイケメンになったよなぁ⋯⋯そう思いません?伊崎さん?」
「まぁそうだな。
世間から見たらかなり良い具合だろうな」
「それに強いと来ているしな」
「本当だよ。
銀、未だに星の指導はしているのか?」
「たまにな。
今じゃそこまでいらんからな」
さすが。
この世界での、化物一号。
『さぁ、大晦日前の勝利納めとなるか⋯⋯相手は現在無敗の空手世界チャンピオンです!
無敗同士どうなるか⋯⋯決戦のラウンド1!!』
魅せてくれ。
カァァァァンとゴングが鳴る。
だが、恐ろしい程静かだ。
向こうの空手世界チャンピオンも何もしていないのにもかかわらず、冷や汗たっぷり。
「⋯⋯⋯⋯」
さっきとは別次元。
会場がひんやりしている。
「ありゃやりづれぇわな」
小声で石田に喋る。
「俺結局一勝も出来なかったですからね」
「ふっ」
ノーガード戦法は健在。
ちょっと前傾姿勢で自身の顔を狙いやすいように突き出してる。
「おっ」
行った。
一気詰め──
瞬間、空中の風を抉り、空手世界チャンピオンの顔面を星のカウンターが入り、一瞬で逝った。
オクタゴンに地面に伏したのは空手世界チャンピオン。
虚しくカウントの声が響く。
「ありゃ磨き掛かってるな」
相手が反応出来ないってよっぽどだぞ?ありゃ。
カンカンカン!と試合終了のゴング。
レフリーはカウントを止めていた。
試合終了まで27秒って。
終わっとるな。
「極まってるな」
「ありゃヤバイっすね。
興行として死んでますね」
「でも周りは嬉しいそうだからいいんじゃね?」
背後辺りにいるファンの声が聞こえる。
「星くん!!かっこよかった!!」
「次も圧勝!!」
俺と石田はその声量に押されて苦笑いしながらフライドポテトを食べる。
「⋯⋯⋯⋯」
帰り際、俺達を見て一礼。
「頑張れよ」
「⋯⋯うん」
小さく呟いて、アイツはそのまま帰って行った。
「化物になってしまったようで何よりだ」
その後も一応試合はあったんで、最後まで見てからスイパラに行った。
鈴は微妙そうだったんだが、衣里たちは嬉しそうだった。
まぁ楽しめたからいいのか?
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※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
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