【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

文字の大きさ
4 / 247
白波ホールディングス編

てか俺忘れてた

しおりを挟む
 「伊崎くんの家は⋯⋯そ、その」

 「オブラートに包む必要はないさ。俺の家は貧乏だ」

 今朝両親と話しながら、少しずつ思い出してきた。

 今は中学最後の夏休みの時期だ。
 過去の俺は、こっから勉強して近くの公立校に進学する予定だった。

 ⋯⋯生憎と色々あって進路は変わったが。

 「そうなんだね」

 「そっちはエラい高級そうな服を着てるじゃないか」

 ヘルメスだかどっかのやつだったか?
 無地ながら質感が違う。

 「い、いる?」

 「いらん」

 返事を返したらオドオドしたままそう返してきやがったので、即答で拒否る。

 「でも、伊崎くんのお母さん達を何回か見たことがあってさ」

 「えぇ。そうなのか」

 「その時、みんな仲良さそうで──羨ましかったんだよね」

 「そっちのご両親はお金があるだろう」

 「まぁ⋯⋯その辺りはなんとなく分かってるけど、僕としては、ウチよりも伊崎くんの家が羨ましい⋯⋯って、言うのは烏滸がましいかな。あはは」

 「まぁ価値観なんてのは人それぞれだから、それも間違いではないし、烏滸がましいなんてもんはない。ただ、隣は青く見えるってやつだろう」

 「そうかも」

 ニコッと笑って、コイツはビニール袋にある棒状の野菜が入った物を食べだした。

 「いらんぞ」

 「まだ何も言ってないのに」

 ふふと上品に笑う。
 コイツ、目があった瞬間に俺が食べたそうだろうなみたいな顔したからな。拒否だ、拒否。

 「お風呂も入れてないの?」

 「ん?まぁな」

 「んー⋯⋯」

 「どうした?」

 「もし良かったらだけど、ウチに来る? あくまで応急処置程度にしかならないし、その場しのぎって感じだけど」

 「こんな浮浪者以下みたいなやつがそっちの家なんていってみろ。多分、ご近所さんから総ツッコミだろうさ」

 「で、でも⋯⋯」

 「というか、どうしてここまで気にしてくれるんだ? 俺そっちになんかした事あったっけ?」

 親切すぎて逆に怖いくらいだ。
 それに、なんでこんなに見覚えがあるんだろう?

 「む、昔に⋯⋯」

 「昔? 俺がなんかやったのか」

 言いたくなさ気だが、何処か恥ずかしそうにゆっくりと頷いた。

 「そっか。なら、お言葉に甘えようかなぁ」

 「ほ、ほんと!?」

 「こんな汚いやつが家に行くだけでなんでそんな嬉しそうなんだよ」

 ガタッと勢い良く立ち上がるほど嬉しいらしい。
 んー⋯⋯ていうか、何処だったかな⋯⋯。





 「え! お父さん!?」

 「おー"紗季"。ん?」

 「⋯⋯どうも」

 おい。アイツ、家に今居なかったんじゃないのかよ。
 めっちゃ気まずいんだけど。

 「君は⋯⋯んー⋯⋯彼氏⋯⋯ではなさそうだな」

 うん。上から下まで品定めしてからそう言われるとさすがの俺もムカつくところだが、まぁ仕方ない。

 これが今の俺の評価だ。

 こっちに来る前なら、まぁ⋯⋯何処かの令嬢だの、高級娼館の一番手の女が俺の相手をしてくれていたもんだが。

 「伊崎くんに失礼でしょ!パパ!」

 「いや、そんなつもりは──」

 「すみません。自分でも立場は分かっているつもりなので。⋯⋯ではこれで。パン、ありがとな」
 
 親父さんの方に軽く頭をさげ、くるっと背を向けて玄関の方へと向かおうとすると、凄い力で掴まれた。力強っ。

 「パパ!!謝って!! 伊崎くんは悪くないの!」

 「おい、そんな擁護する必要はないって。お前のお父さんは正しい判断をしているだろう」

 と俺がそう言ったところで、コイツのお父さんが先程とは違って結構な威圧感高めでじっと真っ直ぐ視線が向かっていることに気付く。

 「どうか⋯⋯しましたか?」

 「いや。おーい久美子ー」

 片手を上げて誰かの名前を呼ぶと、すぐに「はーい」とお淑やかそうな女性がやってくる。

 「メイドでも呼んで、彼を綺麗にしてやってほしいんだ。それと、今日は夕食が一つ増えるとも付け加えといてくれ」

 「あら⋯⋯そう言っとくわね」

 チラッと俺の方にウインクして去っていく。
 俺も空かさず会釈を返した。
 
 「紗季ちゃん? ちょっと向こうで待っててくれないか?パパはね?」

 「嫌だ! 伊崎くんに何言うかわからないもん!」

 「いや、言うとおりにした方が良さそうだ」

 「え、」

 いやそんな悲しい顔すんなよ。
 子犬か。ちょっと心臓が動きかけたわ。

 「紗季ちゃんにはー⋯⋯パパと旅行行こう!!」

 「えー、ママは?」

 「パパじゃ嫌なのか!?そうなのか!?これじゃ親離れが──」

 「わ、わかった!!あっち行って来ればいいんでしょ!!」

 俺の前で恥ずかしそうなのか、慌ててこの場から二階の階段へと走り去っていった。

 と、居なくなった途端。アイツの視線が更に集中している。

 ハァ。
 こりゃ面倒事が一つ増えそうだな。

 誰も居なくなったこの場は、突然凍ったように冷え込み、重く沈む。

 「名前は?」

 机の上で両肘を付き、俺に言ってくる。

 「伊崎湊翔いざきそう

 「伊崎くん。君はウチの娘にどう接触しているんだね?さっきは流したが」

 「ただ、道端で死んでいたら娘さんが手を差し伸べてくれただけです。 あっ、一応身の潔白の為に申し上げますが、狙ってやった訳ではありませんし、娘さんとどうこうする訳でもない事は伝えておきます」

 「当たり前だ。ウチの娘はそう簡単にやらん」

 だろうな。その馬鹿冷たい顔でも見てりゃ嫌でもわかるっつーの。

 「俺、帰った方がいいのでは? こっちとしても、こんな豪華な知り合いの家では窮屈ですが」

 「娘がそうではないからな」

 「そうですか」

 返事を返すと、更に警戒度が上がったように思える。
 ガン飛ばしがガチ過ぎる。一体俺が何をしたっていうんだよ。

 「あのー、俺一応中学生なんで、そんな強い視線は困るんですけど」

 「伊崎くん、本当に中学生かな?」

 「⋯⋯どういう意味ですか?」

 「逆に気になってきたんだよ。今の反応、ウチが何なのか本当に知らないみたいだし、かと言って娘とどうこうなろうとしていないのは言動、いや顔を見ればすぐに分かる。その反応、思春期特有の逆張りをしたがる子供でもなさそうだ⋯⋯まぁね、落ち着きようが中学生のソレではないって事だ」

 まぁ、豪華なんて言ったが、こんな場所死ぬほど見てきたしなぁ。メイドも居たし。
 ──まぁホムンクルスだけど。

 「お世話になっといてなんですが」

 「ん? 出来る限りは聞いてあげるよ。お金かい?」

 「いいえ? そんなわけないじゃないですか」

 「おっと。検討違いだったようだ」

 「苗字を教えてもらえませんか?」

 「⋯⋯うちかい?」

 アイツ、どっかで見た事あんだよなー。
 何処でだ? 紗季って名前も変だ。
 アイツどう考えても見た目男じゃねぇか。

 「ええ」

 「──白波だ」

 「ありがとうございます」

 小刻みに頷き、頭を下げる。

 「手遅れだがまぁなんだ、あくまで今はお客さんだ。うちのもてなしを受けていってくれ。紗季が騒ぐからな」

 「はい、ありがとうございます」






 そうして。
 すぐにメイドさん(糞どタイプ)に案内された。

 こっちの見た目を見て呆れと同情が含まれた感じで案内された俺は、この人と今後関われないと悲しげにシャワーを浴びていた。


 ーーシャアアアア


 「──なっさけね」

 バカみたいに汚い全身が、水で流れていく。
 俺は最強の存在だったのにな。
 今じゃあんなドタイプの女一人も引っ掛けられないなんてな。
 
 「⋯⋯?」

 キュッと。水を止めた俺は、ハッとする。

 いや。俺は何やってるんだ?

 雫が排水口に流れていくのを眺める俺は、"気付く"。

 「いや、馬鹿か俺は」

 錬金術師だぞ?
 そう、大陸全土が求め、畏怖し、敬愛された存在。

 そんな俺がなんで普通の生活をしようとしているんだ?

 そう。過去に戻った。そこまではいい。
 ただ違うのは、俺は錬金術師だって事だ。

 「─────あるな」

 ゆっくりと両目を閉じ、そして開く。
 あの頃にはなかったーー魔力コレが内観しハッキリとあることが分かる。

 「ん? そうだ」

 ーー『戻った時に使えるように亜空間にでもしまっとくか』

 「あぁ⋯⋯あったな」

 俺の魔力に呼応し、いつでも取り出せる亜空間。
 
 「ん? ⋯⋯あ、あれ?」

 いくら頑張っても全く亜空間は開かない。

 「んん? 何故だ?」

 ガサゴソ何もないところをイジイジする俺。
 数分の末、亜空間は開かず。

 「ふざけんな!!!!」

 「ど、どうかされましたでしょうか?」

 壁をぶっ叩くと、外にいたであろうメイドが深刻そうな声で聞いてくる。

 「あ、あっ、すいません⋯⋯あはは⋯⋯」

 ハッとした俺は一生懸命下手に謝る。
 くそっ──あん?


 ーー『ケルビン様?亜空間の技術を天秤に乗せてはいただけませんか?』

 ーー『ハッ! この国の令嬢全部と天秤に合うのか?無理に決まってるだろ』

 ーー『いやはや。ケルビン様の境地ほどではなく、小さな物でも──』

 ーー『まぁ⋯⋯保険はあるしな。俺の亜空間で、ちっぽけな魔力量で開くわけねぇ──』


 脳によぎる。
 最悪で傲慢な記憶。
 今の俺にはそう感じてしまう。

 「てーめぇ⋯⋯⋯⋯!!」

 おい数十年前の俺よ。
 なんて恥ずかしい。
 自分の魔力量が足らんから開かないなんて。

 糞すぎるにも程があるだろ!!

 「あ、いや待てよ?」

 今の俺の全魔力は正味全盛期を10としたら、0.000001とかそんなものだ。

 少なく聞こえるだろう?
 だが、全盛期の俺が異常なだけだ。
 盗られない為にそんだけ膨大な量を必要としただけだ。

 「確か──」

 するとガコン、と眼前に現れる見覚えのある空間。

 「アタリだな」

 数百年前、初めて出来たエリクサーを数本とっといたミニ空間があったはず。

 「ふっふふふふ⋯⋯」

 良し、なんとかなったぞ。
 これで──ん?

 「こんなところで飲んだらまずいな」

 あくまで全魔力を預けないと開かないミニ亜空間ってだけだ。
 すぐにしまってさっさと体を洗って風呂から出た。
 ちなみに──5回は洗わないと汚れの下にある皮膚すら見えんかったのはココだけの話だ。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~

虎柄トラ
ファンタジー
 下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。  意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。  女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。  敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。  剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。  一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。  快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

処理中です...