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第三章:作戦会議
京_3-3
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「ファイティングプロレス内で事前に聞き回るのは関係のない人には不要な不安を与えてしまうし、関係のある人からすれば怪しまれる可能性があるから前回来訪時にそのようなことをしなかったのは良かったと思うわ」
予め決めていたことではあったが、それでも現場の判断や流れ、というのもある。報告を聞いた限りでは和やかな雰囲気であったとはいえ、先走らなかったのは現時点では得策だったと京は考える。
「当日に話を聞き、慎重に所有者を探して、現行犯で捕まえることになりますね」
反保の発言に、京は頷く。
「当日の動き方はもう少し考えるとして、高良組から教えてもらった毒について、こちらでも調査してみたわ」
京が資料を捲り、ページ数を告げると他の者も同じ動作をした。
「毒は遅効性。とはいえ、効果が出るのは三十分前後。症状としては身体機能の一時的麻痺」
「そうなると高良組の言っていたことは正しく、狙いは事故死ですか?」
有栖が資料を読みながら、聞いた。
「その可能性は高い。即効性の毒なら既に事件が起きているでしょうし、今回の注目度の高い興行ではなく地方の小さな興行でもいいはず。まぁ、それは素人では手がかりが残りやすいし、明らかに他殺と解るからしないでしょうけど」
「それは遅効性の毒でも同じでは? 大きな興行で実行しなくても、小さな興行でも同じ結果が得られるはずです」
反保が小さく手を上げて、許可を得た後に発言する。
「そうね。そこに違和感があるわ。毒を渡した組からの指定か、それとも大勢の客にそれを見せつけたい、その姿を晒したいなどの強い怨恨があるのかも……」
「どちらにせよ、高良組が話していた事故死から警察が調査し、犯人は置いといて毒の出どころから高良組を潰そうとしているシナリオは本当そうですね」
「そうね……とりあえず、今は信じましょう」
有栖の言葉に、京は何か考える素振りを見せながらも頷いた。
予め決めていたことではあったが、それでも現場の判断や流れ、というのもある。報告を聞いた限りでは和やかな雰囲気であったとはいえ、先走らなかったのは現時点では得策だったと京は考える。
「当日に話を聞き、慎重に所有者を探して、現行犯で捕まえることになりますね」
反保の発言に、京は頷く。
「当日の動き方はもう少し考えるとして、高良組から教えてもらった毒について、こちらでも調査してみたわ」
京が資料を捲り、ページ数を告げると他の者も同じ動作をした。
「毒は遅効性。とはいえ、効果が出るのは三十分前後。症状としては身体機能の一時的麻痺」
「そうなると高良組の言っていたことは正しく、狙いは事故死ですか?」
有栖が資料を読みながら、聞いた。
「その可能性は高い。即効性の毒なら既に事件が起きているでしょうし、今回の注目度の高い興行ではなく地方の小さな興行でもいいはず。まぁ、それは素人では手がかりが残りやすいし、明らかに他殺と解るからしないでしょうけど」
「それは遅効性の毒でも同じでは? 大きな興行で実行しなくても、小さな興行でも同じ結果が得られるはずです」
反保が小さく手を上げて、許可を得た後に発言する。
「そうね。そこに違和感があるわ。毒を渡した組からの指定か、それとも大勢の客にそれを見せつけたい、その姿を晒したいなどの強い怨恨があるのかも……」
「どちらにせよ、高良組が話していた事故死から警察が調査し、犯人は置いといて毒の出どころから高良組を潰そうとしているシナリオは本当そうですね」
「そうね……とりあえず、今は信じましょう」
有栖の言葉に、京は何か考える素振りを見せながらも頷いた。
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