ワイルドなおじさまと

Hazuki

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出逢い〈直さんside〉

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いつものように訪れた店。
大将がちょっと困っていた。
ひとりで来ている女性客が、酔い潰れて寝てしまっているらしい。
食べ終わって俺が送るというと、食事代をただにしてくれた。
それは悪いと言うと、また来てくださいと言われた。
大将に礼を言って彼女を抱えて店を出る。
店の若い子がタクシーを拾ってくれた。

運転手に待ってもらって住所を訪ねるが、起きない。
仕方なく自宅の住所を伝えタクシーは走り出した。
マンションに着いて彼女を抱き上げ部屋へ、客間のベッドに寝かせる。
無防備な彼女に一目で恋に堕ちた。
俺の好みのど真ん中。
豊満な身体、ぷっくりとしたピンク色の唇。
すぐにでも食べたい気持ちを抑えて、風呂に入り寝室のベッドに横たわっても、なかなか眠れなかった。

気持ちをこちらに向かせたいなら胃袋を掴め、
男から女に使う言葉じゃないか。
パンがあるから、オムレツとサラダと、ハムかベーコン、豊満なボディキープにはベーコンだな。スープはインスタントで。

朝食が出来たところで彼女を見に行く。
ドアを開けるのにこんなに緊張したことがあったか?深呼吸してドアを開けた。
彼女は起きていた。
「起きたね、気分はどう?気持ち悪いとか無い?」
「大丈夫です。えっと、記憶がとんでて全く覚えてなくて、、、すみません」
「あーそっか、とりあえず朝食食べない?」

「洗面所はこっち。洗顔料はこれでいいかな?タオル置いとくね」
「ありがとうございます」
あっ、歯ブラシは、、、ストック切らしてた。

顔を洗いリビングにきた彼女のお腹から、可愛い音が聞こえた。
その可愛らしさに思わず微笑むと、俯かれてしまった。
「冷めないうちに食べようか」

「苦手なものはないかな?」
「はい、どれも美味しいです。お料理上手ですね」
「一人暮らしが長いからね」

「あの、昨日はご迷惑おかけしました」
「ああ、それほどでも。勝手に家に連れてきてしまい、こちらこそすまない」

昨日のことをポツポツ話す。
「よく行く店に行ったら君が寝てて、家まで送ろうとしたんだけど起きなかったから、僕の部屋に連れてきたよ」
彼女は申し訳なさそうにしている。

「どうしてあんなに飲んでいたの?」
告白してダメだったこと。その理由がぽっちゃり体型だったこと。ずっとコンプレックスだったこと。
彼女は話してくれた。
こんなに素敵なこの娘を振るなんて。
顔も知らない君、彼女に出逢わせてくれてありがとう。心から御礼を言います。


~~~~~~~~~~

この後「急展開」を読むとまた良いです。
無限ループです。
自分で書いて読んで、キュンキュンしてます。
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