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2 なんとなくもやもやする、のはなぜなのかと。
空気は読むものですか? いいえ、吸って吐くものです。
しおりを挟む佐藤君の地図を見て居酒屋に辿り着き、言われた通りスマホにリダイヤルしてワン切りしてから入り口をくぐる。
女性一人だけの客に、お店の人が元気よくいらっしゃいませと叫んだ後、待ち合わせですかと聞いてくれる。
それに応える前に、奥の見えづらい座敷席から、入り口まで分かるように佐藤君が身を乗り出して手を振ってくれた。
「あちらのお客様のお席でいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
おしぼりやお冷を手にした店員さんが座敷まで誘導してくれた。
「コート、掛けておきましょうか」
テーブルに一人分のそれらを置いて聞いてくれたので、お礼を言ってコートを預ける。なんか、今日の店員さんは優しい人だなぁ。
遅れてやってきて、コートを脱いだ私に、みんなの視線が集まったのが肌でわかる。内藤さんがどうしてここに辿り着いたのかわからないって顔をしていた。
なるべくそっちを見ずに、いつも運動しないのに、バタバタ急ぎ足で来たせいか顔がちょっと赤いような気がするけど、なるべく表情を動かさないようにしながら、遅れたことを謝って掘りごたつになったテーブルの、空いたところ……と言うか、佐藤君が開けてくれた場所に滑り込んだ。
「街宮さんはなに飲む?」
「お酒飲めないので、ウーロン茶で」
佐藤君がさりげなく、メニューを渡してくれて、店員に飲み物をオーダーしてくれる。
「食べたいものがあったら摘まんで。他に頼んで──」
「佐藤君ッ! さっきの続きなんだけど」
私の方を向いていた佐藤君の腕を、むこう隣に無理やり割り込んだ内藤さんがぐいっと結構容赦なく引っ張った。
こっちをみてちょっとごめんねって感じで佐藤君が笑って、内藤さんの相手を始める。
テーブルの上には、所狭しと料理が並んでいて、どれもコレも食べかけ。
ちょっと冷めてはいたけど勿体ないのと、お腹もすいていたのでまずはもぐもぐ食べることに専念していると、自分のジョッキを持った、ウチの会社に来てるSEの一人、実はまだ三十五歳だった既婚者、大峰さんがもう一人のひょろりとした担当SE、小畑さんを引きずるようにしながらこっちにやってきた。
「ここいい?」
「ハイ、どうぞ」
からあげをもぐもぐしながら、やってきた二人に会釈する。引っ張られてきた方はすごく逃げたそうだけど、大峰さんが彼を離さない。
「飲み物、追加する?」
「いえ、まだいいです」
「じゃあ何か頼む?」
「んー まだたくさんあるし、食べちゃわないと勿体ないので、いいです」
断り続ける私に、大峰さんがちょっと苦笑する。しまった。ここは物があっても何かお願いするのが良かったのか。
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