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ばれんたいん きす
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しおりを挟む「やめてよぅ勝手に服、脱がすのっ」
だから私も先生の命令に従わない。誰が選ぶか。コートはともかくかけてたマフラーも取られて、制服の上着のボタン外してリボンタイまで手がかかってるの。器用に解いてさらにシャツのボタンにかかる手を止めるために掴む。
「だって脱がなきゃ着替えられんだろうが」
「だからっ! まだ着替えるって言ってないじゃない!!」
「早くしないと俺が選ぶぞ」
左手がスカートのホック外して、ファスナー下ろしてる…
「やー」
スカートが落ちないように押さえたら、先生の手は持てないわけで。あっという間にボタン全部外されてるよ……もうやだこの人。シャツも上着もコートも全部一緒に脱がされる。腕に全部服の重みがかかるけど、抜いたら最後だ。
「オーソドックスに行くか」
ちょっと待ってってば! こういうのにオーソドックスとかイレギュラーとかあるの!? 全部変じゃないっ!!
いいながら先生が選んだのは、ナース服。私に被さるようにしながら腕を伸ばしてそれを取って、次の行動。
「なっ別に外さなくていいじゃないそんなものまでっ!!」
ブラ外された。
「いいだろ別に。着て外出するわけでもないし。あ、出かけるか? コレ着て」
「いっやーっ!!」
往生際悪く腕に服絡めてても、上半身もう全部、なんも着てないのよ? 信じられる? 家に帰って来てまだ五分経ってないのよ?
「こっちも脱ぐか」
疑問形じゃなくてなんだか自己完結したようなセリフはいて、先生の手が下のほうに伸びる。
「やだぁやめて。わかったから、それ着るからっ」
カラダを捩って先生から離れる。自分で脱がなくても腕だけ普通に横にたらしたら服なんかぜーんぶ、勝手に落ちちゃう。渡されたパステルブルーのナース服を抱いて、体を隠す。
「着、着替えるから、部屋……」
「ここで」
「えー」
「言うこと聞くって言ったのは? 俺は約束果たしただろう?」
……その約束、させられたこと自体がおかしいんじゃないかって思うんだけど、私が間違ってる?
向かい合って、見られながらってすごい恥ずかしい。だからもうナニ言われてもいいやって思って背中向けてそれを羽織る。
……ナース服だよね? なんでノースリーブなんでしょう? 他の服が奇抜で気付かなかったけどコレもすごい胸元が開いてるし…丈、短ー…すかすかするー
服の中に入った髪を出して、首だけ回して振りかえる。なんだかも、ホントに嬉しそうね。
「ほんとにこれ、ドコで手に入れたのよ?」
修学旅行の時のアレも、コレも誰に聞くの? 売ってる所……
「気になるなら連れてってやろうか?」
「エンリョシマス…んっやん」
後ろから脇に手を回されて、腕で胸、寄せるみたいに。
「いい眺めだな」
開いた襟元からのぞく胸の谷間。最近なんとなく胸元にお肉が付きすぎて来てる気がしないでもないんだ。相応あるのはいいけど、別にもう育たなくていいんだけど。
「触ってないのに勃ってるぞ」
「ちがっ! ぁあんっ」
確かに触られてないけど、服脱いだことや、生地で擦れたからで、コレ着て興奮してるとか、気持ちいいとかじゃなくて生理現象だもん。こうやって変なコトするために作られた服だからだと思うんだけど生地がすごく薄いの。そのせいで、そんな変化もすぐわかっちゃう。
薄い布ごしの愛撫。剥き出しの太腿に先生の手が這う。
「んもー……いっつもいつも、なんで私ばっかり塗られたり着せられたり……こんな変なことされなきゃならないの?」
素直に疑問。ホントにね、今だって先生は服着てて、私は外も歩けないような格好なのよ? 不公平だわ。でもそれ言うとあっさり裸になるよコノ人……
動かしてた手を止めて一瞬考えるような間。
「夏清」
くり、って向かい合わせにされる。見下ろされるとすごい恥ずかしいんですけどこの格好。もう見ないでってば。
目を逸らす。無意味に床の目地を追ってみたり。
「きゃっちょっと!!」
軽がると。どうしてそんな簡単にあっさりと。人を肩に担ぐんでしょう? この人。重くないんだろうかホントに。その体力、どうやって維持してるのかもナゾ。
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