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第一部 悪役令嬢の幼少期
32 飛龍
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ライアス領は王都からかなり離れている。と言うことは、移動も一苦労だ。馬車移動、フローレス領は王都からそんなに遠くないから今までそれほど気にならなかったが……一刻も早く車がいる。飛行機でもいい……誕生日プレゼントにねだるべきだったか。腰とお尻がそろそろ限界である。推しには万全の体調で会いたいのだ。
(道路の舗装も必要かしら……)
なんにせよ、必要な事柄はいくらでもある。
「パーッと飛んでいきたいわ」
「天馬がいたらねぇ」
「百年前まではいたらしいですよ」
馬車の中にはいつものメンバーである私、ルカ、レオハルト、ジェフリーに、エリザとレオハルトの護衛騎士であるマークスがいる。大きな馬車ではあるが、正直狭い。
(天馬か……アイリスの愛馬だな)
アイリスはライアス領内の村に住んでいるが、そこは通常の人では入り込めない、特殊な結界が張られている村だった。レオハルトはこの時期は毎年ライアス領へ遊びに行って都度彼女を探していたが、学園入学までアイリスに会えないのはそのせいだった。その村には絶滅されたとされる天馬がまだ何体もいて、アイリスはとても可愛がっていた。
「飛龍がいるだろう」
「ですが飛龍は自身が決めた主人以外は乗せないと聞きました」
「フィンリーによると、今は飛龍を馬車の馬に見立てて空中移動が出来ないか考えているらしいぞ」
ほとんど飛行機じゃないか! 流石フィンリー様だ。すごい! わかってる! 天才~!
「そうそう! 客車の部分を浮かばせられたら、なんとかいけないかなって話してるんだ」
ルカがウキウキして話しているということは、魔道具絡みか。男子それぞれがフィンリー様と手紙でやり取りをしていたようだ。羨ましすぎる。
ライアス領には人を乗せる飛龍がいる。馬より一回りほどの大きさだが、野生の飛龍は凶暴で知能も高いため、かなり厄介な魔獣に分類される。
しかし歴代のライアス領主達が長い時間をかけて品種改良をおこなったのだ。ただやはりまだ安全な生き物とは言い難いので、王都への乗り入れは禁止されている。
原作ではさも当たり前のように出てききたが、裏にはこんな苦労があったのかとファンの一人としては感慨深い。
(フィンリー様の寵龍は、真っ白で穏やかな美しく神々しい姿だったわ)
そう。そのはずだったのに……。
「紹介するよ! 僕の寵龍のフィルマーだ」
「もう寵龍がいるのか!」
「カッコいい~!」
「黒龍なんてものすごく珍しいですね!」
男子三人が飛龍を前にはしゃいでいる。私はというと出迎えてくれたフィンリー様との再会に我を忘れ舞い上がり気味だった心が、一気に急降下した。
フィンリー様の隣には、他の飛龍よりずいぶんと小ぶりな、まだ若い黒龍が凛と佇んでいた。
「すまない! やっぱりちょっと怖いよな」
「いえ! 決してそんなことはありません!」
しまった! フィンリー様に気を使わせてしまった。私の顔色を気にしてくれたようだ。
あの黒龍は原作で出た個体と同じだろう。黒龍は滅多に生まれないと聞く。それにあの額の傷、リディアナが使役していた龍の一体で間違いない。凶暴で凶悪な龍のはずだ……。
「よかった! こいつにかまってたらなかなか王都へ戻れなくって。僕が側にいなくても絶対に人間を襲わないようキッチリ訓練をしておきたくてさ」
「すごい! そこまで指示が通るのですね!」
「ああ。主人以外は背中に乗れないけれどね。命令はきっちり守るんだ。意外と忠実なんだよ?」
責任感のあるフィンリー様素敵!!!
「この年で飛龍の主人に選ばれる者なんて、そうそうおりません!」
弟が可愛いのかそれはもう嬉しそうに教えてくれる。フィンリー様の兄、フレッドだ。もしかして青年期フィンリー様に似ているかも! と緊張していたのだが、どうやらフレッドは父親似、フィンリー様は母親似だということがわかった。
「黒龍は気性が荒く扱いが難しいことが多いので、殺処分になってしまうことが多いのですが、どうやらコイツはフィンリーに心を開いたようで」
「なんだかリディを思い浮かべる姿だったから、ついついかまいたくなってね」
ふふっと笑うフィンリー様を前に私は取り乱しそうになる。久しぶりの推しの過剰摂取は効く。だが推しの家族の前でそんな姿を見せてドン引きさせるわけにはいかない。フィンリー様に恥をかかせるわけにはいかないのだ。
いやでも……でも……!
(いやああああ何それ何それ何で照れれるの!)
心の中はパニックに近い叫びでいっぱいになる。
「強烈そうだもんな」
ヤキモチを妬くでもなく、レオハルトが心底納得するように大きく頷いていた。
やかましい! といつもなら言っているが、もう今はなんと言ってもらってもかまわない。この地で私を思い浮かべてくれたことが嬉しすぎて他の全てがどうでもいい。
兄のフレッドはちょっぴり弟の発言に焦っている。花や星ではなく凶暴な飛龍で王子の婚約者を思い浮かべたと、屈託のない笑顔で本人に伝えていたからだ。
「主人を持たない飛龍は殺処分なんですか……」
ルカが少し悲しそうに呟いた。
「ええ。我々もそうならないように全力を尽くしますが、どうしてもいまだに人に靡かない個体はいます。安全の為にやむをえず」
ライアス領がなぜこれほど飛龍に力を入れているかと言うと、防衛のためである。魔物の森が領内にあり、人間だけでは戦力不足なのだ。高い壁はあれど、羽のある魔獣もそれなりにいる。飛龍がいれば制空権を掌握することもでき、あらゆる戦闘で優位に立てるため、人的被害も減らせているらしい。
ライアス家の人々は必死に領地を守っている。だからこそ人間を襲うかもしれない飛龍を人里近くには置いておけないのだ。
「最近は小さなうちから飛龍に荷運びの訓練をさせているんだ。そうしたら人は乗せたがらない個体でもキッチリ指示を聞くことがわかってね!」
「別に背に乗せることだけが、主人としての証ではないことがわかりました。弟は天才です!」
二人とも興奮気味に話す。空飛ぶ馬車……空飛ぶ龍車もここから派生していったのだろう。
結局、到着してから夕方まで飛龍を見て過ごした。飛龍自体にも興味はあったが、飛龍について語り続けるフィンリー様をいつまでも見ていたかったのだ。他のメンバーも様々な視点で飛龍の観察を楽しんでいた。
「初めて生きた飛龍に触ったが、この鱗、鎧として加工した時と手触りが少し違うな」
飛龍の鱗は軽くて丈夫な為、しばしば鎧や盾に加工して使われる。
レオハルトは毎年ライアス領へと遊びに来ていたが、今日初めて飛龍に触れることが許された。悲しいかな、やはり我がフローレス家という後ろ盾が出来たことによりライアス家の対応が変わったのだ。もちろん、フィンリー様個人の態度はこれまでずっと変わっていないけど!
レオハルトはそんなことには慣れっこなのか、なにも気にしていない風だったのがちょっぴり切なくて、いつもの調子で声をかけてみる。
「ちょっとレオハルト様! そんな話を飛龍好きの方にしないでくださいませ!」
わざとらしいその口調にレオハルトもニヤリと笑った。気遣ったことがばれてしまっている。
「大丈夫だよリディ。領の主力産業だからさ! 野生の飛龍も飼育している飛龍も、死んでしまったらできる限り無駄にならないようしてるんだ」
フィンリー様も気付いたのか、いつものように優しく笑顔で説明してくれる。
生きていく為の現実だけでなく、ちゃんと命の重みという感覚があるのだ。
「大変失礼いたしました……そこまで頭も回らず……恥いるばかりです」
「そんな! 気にかけてくれて嬉しかったよ」
(ひゃー!)
枯れていたフィンリー様メーターがぐんぐんと上がっていく。そしてまたいつものように呆れるような視線をレオハルトの方から感じた。
「どのくらいの重さまで運べるのでしょうか?」
ジェフリーは飛龍の能力に興味があるようだ。本で知った知識と照らし合わせたいのかもしれない。
「小麦十袋までは何の問題もなかったよ。二頭繋げてやってみたら三十袋はいけたんだ!」
「素晴らしい! 物資輸送業が大きくかわるに違いありません!」
空なら一直線ですすめる。道路の状況も関係ない。荷馬車にはできないスピードで荷物を届けられるだろう。
「ねえ、飛龍にカメラを取り付けて撮影したらあっという間に地図が出来そうじゃない?」
まるでドローンのようだ。以前ルカに話したのをしっかり覚えてたのだろう。
「絵が得意なものでも空中で描くのは大変だ。それは使えるな」
話も夢も大いに広がった。これでまだ初日。なかなか濃いぞ。
「リディアナ様、そろそろ晩餐のお支度を」
エリザの声かけて、皆いそいそと解散した。
どうやらとてつもなく楽しい夏が始まったようだ。
(道路の舗装も必要かしら……)
なんにせよ、必要な事柄はいくらでもある。
「パーッと飛んでいきたいわ」
「天馬がいたらねぇ」
「百年前まではいたらしいですよ」
馬車の中にはいつものメンバーである私、ルカ、レオハルト、ジェフリーに、エリザとレオハルトの護衛騎士であるマークスがいる。大きな馬車ではあるが、正直狭い。
(天馬か……アイリスの愛馬だな)
アイリスはライアス領内の村に住んでいるが、そこは通常の人では入り込めない、特殊な結界が張られている村だった。レオハルトはこの時期は毎年ライアス領へ遊びに行って都度彼女を探していたが、学園入学までアイリスに会えないのはそのせいだった。その村には絶滅されたとされる天馬がまだ何体もいて、アイリスはとても可愛がっていた。
「飛龍がいるだろう」
「ですが飛龍は自身が決めた主人以外は乗せないと聞きました」
「フィンリーによると、今は飛龍を馬車の馬に見立てて空中移動が出来ないか考えているらしいぞ」
ほとんど飛行機じゃないか! 流石フィンリー様だ。すごい! わかってる! 天才~!
「そうそう! 客車の部分を浮かばせられたら、なんとかいけないかなって話してるんだ」
ルカがウキウキして話しているということは、魔道具絡みか。男子それぞれがフィンリー様と手紙でやり取りをしていたようだ。羨ましすぎる。
ライアス領には人を乗せる飛龍がいる。馬より一回りほどの大きさだが、野生の飛龍は凶暴で知能も高いため、かなり厄介な魔獣に分類される。
しかし歴代のライアス領主達が長い時間をかけて品種改良をおこなったのだ。ただやはりまだ安全な生き物とは言い難いので、王都への乗り入れは禁止されている。
原作ではさも当たり前のように出てききたが、裏にはこんな苦労があったのかとファンの一人としては感慨深い。
(フィンリー様の寵龍は、真っ白で穏やかな美しく神々しい姿だったわ)
そう。そのはずだったのに……。
「紹介するよ! 僕の寵龍のフィルマーだ」
「もう寵龍がいるのか!」
「カッコいい~!」
「黒龍なんてものすごく珍しいですね!」
男子三人が飛龍を前にはしゃいでいる。私はというと出迎えてくれたフィンリー様との再会に我を忘れ舞い上がり気味だった心が、一気に急降下した。
フィンリー様の隣には、他の飛龍よりずいぶんと小ぶりな、まだ若い黒龍が凛と佇んでいた。
「すまない! やっぱりちょっと怖いよな」
「いえ! 決してそんなことはありません!」
しまった! フィンリー様に気を使わせてしまった。私の顔色を気にしてくれたようだ。
あの黒龍は原作で出た個体と同じだろう。黒龍は滅多に生まれないと聞く。それにあの額の傷、リディアナが使役していた龍の一体で間違いない。凶暴で凶悪な龍のはずだ……。
「よかった! こいつにかまってたらなかなか王都へ戻れなくって。僕が側にいなくても絶対に人間を襲わないようキッチリ訓練をしておきたくてさ」
「すごい! そこまで指示が通るのですね!」
「ああ。主人以外は背中に乗れないけれどね。命令はきっちり守るんだ。意外と忠実なんだよ?」
責任感のあるフィンリー様素敵!!!
「この年で飛龍の主人に選ばれる者なんて、そうそうおりません!」
弟が可愛いのかそれはもう嬉しそうに教えてくれる。フィンリー様の兄、フレッドだ。もしかして青年期フィンリー様に似ているかも! と緊張していたのだが、どうやらフレッドは父親似、フィンリー様は母親似だということがわかった。
「黒龍は気性が荒く扱いが難しいことが多いので、殺処分になってしまうことが多いのですが、どうやらコイツはフィンリーに心を開いたようで」
「なんだかリディを思い浮かべる姿だったから、ついついかまいたくなってね」
ふふっと笑うフィンリー様を前に私は取り乱しそうになる。久しぶりの推しの過剰摂取は効く。だが推しの家族の前でそんな姿を見せてドン引きさせるわけにはいかない。フィンリー様に恥をかかせるわけにはいかないのだ。
いやでも……でも……!
(いやああああ何それ何それ何で照れれるの!)
心の中はパニックに近い叫びでいっぱいになる。
「強烈そうだもんな」
ヤキモチを妬くでもなく、レオハルトが心底納得するように大きく頷いていた。
やかましい! といつもなら言っているが、もう今はなんと言ってもらってもかまわない。この地で私を思い浮かべてくれたことが嬉しすぎて他の全てがどうでもいい。
兄のフレッドはちょっぴり弟の発言に焦っている。花や星ではなく凶暴な飛龍で王子の婚約者を思い浮かべたと、屈託のない笑顔で本人に伝えていたからだ。
「主人を持たない飛龍は殺処分なんですか……」
ルカが少し悲しそうに呟いた。
「ええ。我々もそうならないように全力を尽くしますが、どうしてもいまだに人に靡かない個体はいます。安全の為にやむをえず」
ライアス領がなぜこれほど飛龍に力を入れているかと言うと、防衛のためである。魔物の森が領内にあり、人間だけでは戦力不足なのだ。高い壁はあれど、羽のある魔獣もそれなりにいる。飛龍がいれば制空権を掌握することもでき、あらゆる戦闘で優位に立てるため、人的被害も減らせているらしい。
ライアス家の人々は必死に領地を守っている。だからこそ人間を襲うかもしれない飛龍を人里近くには置いておけないのだ。
「最近は小さなうちから飛龍に荷運びの訓練をさせているんだ。そうしたら人は乗せたがらない個体でもキッチリ指示を聞くことがわかってね!」
「別に背に乗せることだけが、主人としての証ではないことがわかりました。弟は天才です!」
二人とも興奮気味に話す。空飛ぶ馬車……空飛ぶ龍車もここから派生していったのだろう。
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「初めて生きた飛龍に触ったが、この鱗、鎧として加工した時と手触りが少し違うな」
飛龍の鱗は軽くて丈夫な為、しばしば鎧や盾に加工して使われる。
レオハルトは毎年ライアス領へと遊びに来ていたが、今日初めて飛龍に触れることが許された。悲しいかな、やはり我がフローレス家という後ろ盾が出来たことによりライアス家の対応が変わったのだ。もちろん、フィンリー様個人の態度はこれまでずっと変わっていないけど!
レオハルトはそんなことには慣れっこなのか、なにも気にしていない風だったのがちょっぴり切なくて、いつもの調子で声をかけてみる。
「ちょっとレオハルト様! そんな話を飛龍好きの方にしないでくださいませ!」
わざとらしいその口調にレオハルトもニヤリと笑った。気遣ったことがばれてしまっている。
「大丈夫だよリディ。領の主力産業だからさ! 野生の飛龍も飼育している飛龍も、死んでしまったらできる限り無駄にならないようしてるんだ」
フィンリー様も気付いたのか、いつものように優しく笑顔で説明してくれる。
生きていく為の現実だけでなく、ちゃんと命の重みという感覚があるのだ。
「大変失礼いたしました……そこまで頭も回らず……恥いるばかりです」
「そんな! 気にかけてくれて嬉しかったよ」
(ひゃー!)
枯れていたフィンリー様メーターがぐんぐんと上がっていく。そしてまたいつものように呆れるような視線をレオハルトの方から感じた。
「どのくらいの重さまで運べるのでしょうか?」
ジェフリーは飛龍の能力に興味があるようだ。本で知った知識と照らし合わせたいのかもしれない。
「小麦十袋までは何の問題もなかったよ。二頭繋げてやってみたら三十袋はいけたんだ!」
「素晴らしい! 物資輸送業が大きくかわるに違いありません!」
空なら一直線ですすめる。道路の状況も関係ない。荷馬車にはできないスピードで荷物を届けられるだろう。
「ねえ、飛龍にカメラを取り付けて撮影したらあっという間に地図が出来そうじゃない?」
まるでドローンのようだ。以前ルカに話したのをしっかり覚えてたのだろう。
「絵が得意なものでも空中で描くのは大変だ。それは使えるな」
話も夢も大いに広がった。これでまだ初日。なかなか濃いぞ。
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