40 / 163
第一部 悪役令嬢の幼少期
34 破裂
しおりを挟む
フレッドの主な症状は、単純に疲れやすいというものだった。
原因は魔力の枯渇によるもの。私も何度か経験があるのでわかるが、ああなるともうどうしようもない。体が鉛のように重くなる。どうやら魔法を使わなくても少しずつ体から魔力が漏れ出してしまって、夕方から夜になると毎日のように極端な疲労症状が出るそうだ。
(午前中は平気ってことは寝ている間に回復した魔力量で問題はないってことかな?)
とはいえ次期ライアス領当主としてこのままでは不安が残るのは当たり前だ。
「セカンドオピニオンです」
なんだって? と眉を顰める殿方に追加で説明する。
「別の治癒師に相談してみましょう。というか、伯父に聞いてみましょう」
「いいのだろうか。ルーク様と言えば今は治療部隊の部隊長をされているんだろう?」
「かまいません。伯父はこういったことに首を突っ込みたがるタチなので」
伯父のルークはちょうど騎士団の仕事で、ライアス領からあまり遠くない所にいるのだ。手っ取り早く伯父に診察してもらう。私ももちろん触れさせてもらったが、ライアス家専属の治癒師が言っていたこと以上のことはわからなかった。
フレッドもフィンリー様も気にしてくれたが伯父はこちらに来たがっていたくらいだから、飛龍の登場に喜ぶだろう。
「リディアナ嬢、命を救ってくれただけでなくここまで気にしてくださるなんて……本当に感謝するよ」
「いえ、まだどうなるかわかりませんから。もちろん全力を尽くしますが!」
「本当に気持ちだけで嬉しいんだ」
あまり似てないって思ってたけど、フレッド……優しく笑った顔がフィンリー様にそっくりだ。
私が書いた手紙を渡してまだ朝焼けの中、護衛達と共に飛龍に乗って飛び立っていった。
「氷石病の後遺症で、このように極端な魔力枯渇現象は聞いたことがありません。もちろん私の母も今は問題なく暮らしています」
ジェフリーがまだ情報を持っていないということは本当に他の報告がないのだろう。ということはフレッド一人だけの症状か。
「そうしたら氷石病は関係ないのかなぁ」
「また違う病気だろうか」
また呪いなんてオチじゃないわよね。
「ただ、魔力が漏れ出してしまうという症状は聞いたことがあります」
「でもそれってかなり高齢の人だけよね」
その症状は私も伯父から聞かされたことがある。高齢の上級魔導士にたまに出る症状らしく、若い頃無茶な魔法を使いすぎたせいではないかと言われているらしい。特に治療法も教えてもらってないということは、おそらくないのだろう。
(そもそも老化現象に治癒魔法は効かないからね)
「僕もアリバラ先生から聞いたことあるよ! 魔力コントロール無視して大盤振る舞いしてると将来締まりがなくなるって」
なにそれお肌の話? 私もまずいかしら……。
「ならそれなりに有名な病なのか?」
「いえ、魔術師として有名な方がかかることが多いので記録が残っていますが、数は多くないかと」
「では治療法は……」
「具体的にはなにも……死んでしまうことはないので……」
そう、魔力が漏れ出てしまうがゼロになることはない。どうやら一定量魔力が放出されてしまうとそれ以上減ることはなく、その後自然回復するのだ。毎日それの繰り返し。そのためこの病気とはうまく付き合っていくしかないと言われている。
だけどそれでは辺境伯は務まらない。いつ何時魔物の森から凶悪なソレらが出てくるかわからないのだ。だいたい領主が毎晩体調がすぐれず臥せっているなど知られたらどんな輩が現れるか……。
「きっかけはやはり気になりますね。氷石病の人間は他にもたくさんいますし」
後遺症の一つであるなら私も元患者として気になるところではある。ジェフリーも母親がかかっていたから心配だろう。
「氷石病の元患者のことを調べて、フレッド様との違いを出してみたいのですがよろしいでしょうか」
「それなら僕も一緒に行こう。城内にも何人かいるからな」
「……リディはどうだったんだ?」
レオハルトはやっぱりこの頃のことは少し気まずそうに聞いてくる。
「うちは皆で一緒に風邪をひいちゃって、一番最初に酷くなったのが……」
「リディだったね。その後がソフィア、それからロディとシェリーが同じくらいに」
最初はただの風邪症状だと思ってたら、じわじわと悪くなっていった。母が治しても治しても元の悪い状態に戻り、気がつくとベッドから起き上がることすらできなくなった。そしてそのまま転げ落ちるように悪化していった。
「うちは母が常に少しずつ治癒魔法をかけてくれてたんだけど、ある日私が急激に悪くなってしまって母が倒れるくらいの治癒魔法をかけてくれたのよね。それで体内にいた例の虫が魔力オーバーでパンクしちゃって助かったの」
「パンク?」
「破裂したってことです」
こっちにはない表現だったか。でも破裂って……魔力が漏れ出てるのは蛇口が閉まらないみたいなものだと思っていたけど、どこかが破れちゃってるのかな。
(どこかに穴が……?)
なんだかもう少しで思いつきそうな予感が体に満ちてくる。
「そんな経緯があったんだね」
「すごい! ご自身の体験で治療法がわかったのですか!」
フィンリー様とジェフリーが私を褒める声で現実に引き戻される。
(そうだった。治療法発見の経緯は公開されてなかったんだ)
まさか前世の記憶で知ってましたとは言えず、ただ私が治療法を考え付いたということだけが知れ渡っていた。
「やっぱり治癒師の方が治癒魔法をうけると、効果がある位置や詳細までわかりますか?」
さらにジェフリーが興味津々に聞いてくる。
「うん……私はなんとなく……だけど人それぞれみたいよ……」
そんな感覚はない。嘘ついてごめんねジェフリー……。
「フレッドはどんな感じで魔法が漏れ出てるんだろう」
レオハルトが指先に小さな明かりを灯しながら考えている。
(確かにそうだ。ただ体内の魔力がほんの少しずつ減っていることだけは感じたんだけど……)
前任者も同じように言っていたらしい。
「魔力って、血液みたいに体中に充満してるんでしょう?」
「そうそう」
これは体内のことなので治癒師しかわからない感覚だ。
「私……どこから漏れてるか確かめていないわ……」
破裂という単語から思い浮かんだ。そもそも確かめられるかもわからないけれど。
「フィンリー! 今からまだ追いつけるだろうか?」
レオハルトが察してすぐに声を上げてくれた。だがすでに出発して三時間、どのくらい進んでいるんだろう。
「今なら早い龍が出れば到着までに間に合うと思う!」
行ってくる! と部屋を飛び出していった。私は急いで伯父宛に手紙を書く。治療法がないのなら、漏れ出ているところの確認だけでもお願いするのだ。わかればまた何が手立てがあるかもしれない。
「なにかわかるといいね」
今はただ期待して待つしかない。
原因は魔力の枯渇によるもの。私も何度か経験があるのでわかるが、ああなるともうどうしようもない。体が鉛のように重くなる。どうやら魔法を使わなくても少しずつ体から魔力が漏れ出してしまって、夕方から夜になると毎日のように極端な疲労症状が出るそうだ。
(午前中は平気ってことは寝ている間に回復した魔力量で問題はないってことかな?)
とはいえ次期ライアス領当主としてこのままでは不安が残るのは当たり前だ。
「セカンドオピニオンです」
なんだって? と眉を顰める殿方に追加で説明する。
「別の治癒師に相談してみましょう。というか、伯父に聞いてみましょう」
「いいのだろうか。ルーク様と言えば今は治療部隊の部隊長をされているんだろう?」
「かまいません。伯父はこういったことに首を突っ込みたがるタチなので」
伯父のルークはちょうど騎士団の仕事で、ライアス領からあまり遠くない所にいるのだ。手っ取り早く伯父に診察してもらう。私ももちろん触れさせてもらったが、ライアス家専属の治癒師が言っていたこと以上のことはわからなかった。
フレッドもフィンリー様も気にしてくれたが伯父はこちらに来たがっていたくらいだから、飛龍の登場に喜ぶだろう。
「リディアナ嬢、命を救ってくれただけでなくここまで気にしてくださるなんて……本当に感謝するよ」
「いえ、まだどうなるかわかりませんから。もちろん全力を尽くしますが!」
「本当に気持ちだけで嬉しいんだ」
あまり似てないって思ってたけど、フレッド……優しく笑った顔がフィンリー様にそっくりだ。
私が書いた手紙を渡してまだ朝焼けの中、護衛達と共に飛龍に乗って飛び立っていった。
「氷石病の後遺症で、このように極端な魔力枯渇現象は聞いたことがありません。もちろん私の母も今は問題なく暮らしています」
ジェフリーがまだ情報を持っていないということは本当に他の報告がないのだろう。ということはフレッド一人だけの症状か。
「そうしたら氷石病は関係ないのかなぁ」
「また違う病気だろうか」
また呪いなんてオチじゃないわよね。
「ただ、魔力が漏れ出してしまうという症状は聞いたことがあります」
「でもそれってかなり高齢の人だけよね」
その症状は私も伯父から聞かされたことがある。高齢の上級魔導士にたまに出る症状らしく、若い頃無茶な魔法を使いすぎたせいではないかと言われているらしい。特に治療法も教えてもらってないということは、おそらくないのだろう。
(そもそも老化現象に治癒魔法は効かないからね)
「僕もアリバラ先生から聞いたことあるよ! 魔力コントロール無視して大盤振る舞いしてると将来締まりがなくなるって」
なにそれお肌の話? 私もまずいかしら……。
「ならそれなりに有名な病なのか?」
「いえ、魔術師として有名な方がかかることが多いので記録が残っていますが、数は多くないかと」
「では治療法は……」
「具体的にはなにも……死んでしまうことはないので……」
そう、魔力が漏れ出てしまうがゼロになることはない。どうやら一定量魔力が放出されてしまうとそれ以上減ることはなく、その後自然回復するのだ。毎日それの繰り返し。そのためこの病気とはうまく付き合っていくしかないと言われている。
だけどそれでは辺境伯は務まらない。いつ何時魔物の森から凶悪なソレらが出てくるかわからないのだ。だいたい領主が毎晩体調がすぐれず臥せっているなど知られたらどんな輩が現れるか……。
「きっかけはやはり気になりますね。氷石病の人間は他にもたくさんいますし」
後遺症の一つであるなら私も元患者として気になるところではある。ジェフリーも母親がかかっていたから心配だろう。
「氷石病の元患者のことを調べて、フレッド様との違いを出してみたいのですがよろしいでしょうか」
「それなら僕も一緒に行こう。城内にも何人かいるからな」
「……リディはどうだったんだ?」
レオハルトはやっぱりこの頃のことは少し気まずそうに聞いてくる。
「うちは皆で一緒に風邪をひいちゃって、一番最初に酷くなったのが……」
「リディだったね。その後がソフィア、それからロディとシェリーが同じくらいに」
最初はただの風邪症状だと思ってたら、じわじわと悪くなっていった。母が治しても治しても元の悪い状態に戻り、気がつくとベッドから起き上がることすらできなくなった。そしてそのまま転げ落ちるように悪化していった。
「うちは母が常に少しずつ治癒魔法をかけてくれてたんだけど、ある日私が急激に悪くなってしまって母が倒れるくらいの治癒魔法をかけてくれたのよね。それで体内にいた例の虫が魔力オーバーでパンクしちゃって助かったの」
「パンク?」
「破裂したってことです」
こっちにはない表現だったか。でも破裂って……魔力が漏れ出てるのは蛇口が閉まらないみたいなものだと思っていたけど、どこかが破れちゃってるのかな。
(どこかに穴が……?)
なんだかもう少しで思いつきそうな予感が体に満ちてくる。
「そんな経緯があったんだね」
「すごい! ご自身の体験で治療法がわかったのですか!」
フィンリー様とジェフリーが私を褒める声で現実に引き戻される。
(そうだった。治療法発見の経緯は公開されてなかったんだ)
まさか前世の記憶で知ってましたとは言えず、ただ私が治療法を考え付いたということだけが知れ渡っていた。
「やっぱり治癒師の方が治癒魔法をうけると、効果がある位置や詳細までわかりますか?」
さらにジェフリーが興味津々に聞いてくる。
「うん……私はなんとなく……だけど人それぞれみたいよ……」
そんな感覚はない。嘘ついてごめんねジェフリー……。
「フレッドはどんな感じで魔法が漏れ出てるんだろう」
レオハルトが指先に小さな明かりを灯しながら考えている。
(確かにそうだ。ただ体内の魔力がほんの少しずつ減っていることだけは感じたんだけど……)
前任者も同じように言っていたらしい。
「魔力って、血液みたいに体中に充満してるんでしょう?」
「そうそう」
これは体内のことなので治癒師しかわからない感覚だ。
「私……どこから漏れてるか確かめていないわ……」
破裂という単語から思い浮かんだ。そもそも確かめられるかもわからないけれど。
「フィンリー! 今からまだ追いつけるだろうか?」
レオハルトが察してすぐに声を上げてくれた。だがすでに出発して三時間、どのくらい進んでいるんだろう。
「今なら早い龍が出れば到着までに間に合うと思う!」
行ってくる! と部屋を飛び出していった。私は急いで伯父宛に手紙を書く。治療法がないのなら、漏れ出ているところの確認だけでもお願いするのだ。わかればまた何が手立てがあるかもしれない。
「なにかわかるといいね」
今はただ期待して待つしかない。
588
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる