【完結】悪役令嬢はヒロインの逆ハールートを阻止します!

桃月とと

文字の大きさ
8 / 11

8 監禁

しおりを挟む
 先程の出来事をリーシャに話すと、がっつり叱られる羽目になった。

「何をしているのです何を! ここでガツンと行かずにいつ行くのですか!」
「心の準備が足りなかったのよ!!!」

 何が起こっているのか認識するまでに時間がかかってしまった。今までライバル止まりだったのに、急に異性としてアピールしてきた。いったいジルに何があったんだろう。

「言い訳無用! おめおめとあの子にとられて!」
「面目ない……」

 それにしてもこんなにカッカするなんて、リーシャらしくない。

「……何かあった?」
「私もとられたのよ!!!」
「ええっ!? とられたってどういう……!? え!? いつ!?」

 どうやら少し前にルークも連れていかれてしまったらしい。

「人のこと言えないじゃない!」

 思わずツッコんでしまう。けどルークもリーシャもアリスには気を付けていた。狙われているのは分かっていたが、平民の女の子に強く出ても可哀想という気持ちがあったらしい。

「1時間ほど前よ……エドワード様が急ぎで呼んでるとか言って……絶対に嘘でしょうに!」
「ん? じゃあルーク様は今どこに?」
「……そうね。ターゲットがジル様に移っているはずなのに、戻っていらっしゃらないわ」
「今3人は一緒にいるのかしら」

 2人で顔を見合わせる。もうすぐ次の授業が始まるが、講堂に3人が戻ってくる気配もない。そういえば、エドワードと宰相の息子、ライルも見当たらない。攻略キャラクター全員がこの場にいなかった。

「……探しに行く?」
「行きましょう」

 私もリーシャも授業をサボるタイプではないのだが、2人とも嫌な予感が消えなかったのだ。とりあえず校内をぐるぐると探し回るが、当たり前だが目立つところにはいない。ただ授業に出ていない全員が目立つキャラクターのため、目撃者は多かった。

「まったくどこまで行っているのかしら……」

 リーシャの眉間にしわがよる。私達は目撃情報を頼りに、あまり人気のない所へと移動していっていた。
 私にはアテがある。ゲーム内でたまに出てきた、あまり使われていない物置部屋だ。貴族が通う学園のお高いソファやテーブルが置かれてあって、アリスがコッソリ秘密基地のようにして使っていたのだ。ただ、具体的な場所が明記されていたわけではないので、今までは見つけられずにいた。

「この学園も広いわね」
「あっちの方に行ってみましょう」

 そんな会話をしていると、少し遠くの方から大きな叫び声が聞こえた。

「うわああああ! やめろおおお!」

 廊下の突き当りにある扉の中からのようだ。私もリーシャもこの学園内で初めて走る。ドレスにヒールだとやはり動きにくい。だけど全力で走った。

(エドワードの声だわ!)

 一国の王子になにかあったら大変だ。というか、あの王子があんな声を上げるなんてとんでもないことが起こっているに違いない。ジルやルークのことは気になるが、一家臣として私もリーシャも向かわないわけにはいかない。

「うわぁ! なにしてるんだ!」
「やめなさい!!!」
「おい! 自分が何してんのかわかってんのか!?」

 次々と攻略キャラクターの声が聞こえてくる。

 扉の前、私達は敵に備えて身構えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります

黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる! 前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。 「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。 一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……? これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

悪役令嬢、魔法使いになる

Na20
恋愛
前世で病弱だった私は死んだ。 私は死ぬ間際に願った。 もしも生まれ変われるのなら、健康で丈夫な身体がほしいと。それに魔法が使えたらいいのにと。 そしてその願いは叶えられた。 小説に登場する悪役令嬢として。 本来婚約者になる王子などこれっぽっちも興味はない。せっかく手に入れた二度目の人生。私は好きなように生きるのだ。 私、魔法使いになります! ※ご都合主義、設定ゆるいです ※小説家になろう様にも掲載しています

絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間

夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。 卒業パーティーまで、残り時間は24時間!! 果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?

処理中です...