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10 やぶれかぶれ
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暑さも弱まり、そろそろ本格的な秋が始まる。あの事件からもう1ヶ月以上が経った。あれだけ騒ぎになった事件だが、内容が内容だけに真実が公表されることはなかった。
「あんた! 転生者でしょ!!!」
私になら理由を話すと言ったアリスに呼び出される形で、彼女と2人きりの部屋にいる。一応、彼女の腕は魔法避けのロープで結ばれたままだ。
「こんなことしていいと思ってんの!?」
「……こんなこと?」
『こんなこと』をやらかしてるのはコイツ自身だと思うが。
「原作ゲームへの冒涜よ!!? わかってるの!?」
「は?」
「大人しくしょっぱい悪役令嬢演じてなさいよ!」
(マジで何言ってんの?)
さっきから薄ら笑いを浮かべているアリスの顔から狂気を感じ、今の台詞が本気なのだとわかった。
「それで何故あのようなことをされたのですか?」
「はぁ?」
「それを聞くために呼ばれたのですが」
あの後、攻略キャラクターはメンタルがボロボロになってしまって大変だった。あまりにもショックが大きかったのだ。
彼らだってその手の教育を受けてこなかったわけではない。来たるべき日のためにある程度知識は持っている。
だがそれは、ある日呼び出されたと思ったら睡眠薬を嗅がされ、縛られた上でよく知らない女が裸で迫ってくることを想定したものではない。
(原作の冒涜? コイツがやったことの方が冒涜だっつーの)
健全乙女ゲームだぞ。それを全裸で迫るなんて……大事な世界観を壊しておいてどの口が言ってるんだ。
「あんただってわかるでしょ!? 逆ハールートは難しいのよ!……それでちょっと焦っただけよ」
「焦った?」
「だってゲームの4分の1終わったっていうのに誰もプレゼントくれないんだもん!」
『ラブコレ』ゲーム内では、各キャラクターの好感度が上がるとプレゼントをもらえるのだ。ほとんどがパーティで身に着けるようなアイテムで、誰からもらった物を付けていくかによってキャラクターの好感度が変わっていくというものだった。
(逆ハールートはそのバランスが難しいのよね)
全員の好感度を上げないといけないが、なんせ人数が多い。基本的には初期にエドワードのような攻略しやすいキャラクターの好感度を上げておき、あとから一気に難易度の高いキャラクターを攻めるのだ。
焦って全裸なんて、やぶれかぶれにしても酷すぎる。
「プレゼントが欲しくって全裸で殿方に迫ったのですか?」
「私とヤッて落ちない男なんていないわよ。手っ取り早く全員の好感度上げようと思っただけ」
好感度って何か知ってる? どういう思考回路でこの結論にいたったのか。
「だいたいエドワードレベルで全然私に落ちないなんて変なのよ!」
「それは貴女に魅力がないからではないですか?」
「はあ? そんなわけないでしょ!? この顔にこの能力! 私はこの世界のヒロインなのよ!?」
どうやらその設定に全幅の信頼をおいているようだ。
(私が悪役令嬢やってない時点でその設定は変えられるものだって気が付くべきよね~)
私が全く理解できないという表情をしているからか、アリスはどんどんイラついてきたようだ。
「だいたいあんたがまともに悪役令嬢やらないからでしょ!?」
「私に悪役令嬢になって欲しいのですか?」
「当たり前でしょ! 全然可哀想なヒロインになれなかったじゃない! どれだけ自分がイベント潰したかわかってるわけ!?」
これを本気で言っているから恐ろしい。椅子から立ち上がって顔を歪ませ怒鳴り散らし始めた。
「エドワード達が私を愛するチャンスをあんたが奪ったのよ!!! 今からでもどうにかしろ!!!」
「どうにかしろと言われましても。皆様、貴女に怯えていらっしゃいますし」
「そんなわけない! 皆私に会いたいのにあんたが邪魔してるんでしょ!!?」
「あら、それは貴女の望む悪役令嬢がしそうなことではないですか」
いい加減、こいつと話すのは無駄なようだ。
「あんた! 転生者でしょ!!!」
私になら理由を話すと言ったアリスに呼び出される形で、彼女と2人きりの部屋にいる。一応、彼女の腕は魔法避けのロープで結ばれたままだ。
「こんなことしていいと思ってんの!?」
「……こんなこと?」
『こんなこと』をやらかしてるのはコイツ自身だと思うが。
「原作ゲームへの冒涜よ!!? わかってるの!?」
「は?」
「大人しくしょっぱい悪役令嬢演じてなさいよ!」
(マジで何言ってんの?)
さっきから薄ら笑いを浮かべているアリスの顔から狂気を感じ、今の台詞が本気なのだとわかった。
「それで何故あのようなことをされたのですか?」
「はぁ?」
「それを聞くために呼ばれたのですが」
あの後、攻略キャラクターはメンタルがボロボロになってしまって大変だった。あまりにもショックが大きかったのだ。
彼らだってその手の教育を受けてこなかったわけではない。来たるべき日のためにある程度知識は持っている。
だがそれは、ある日呼び出されたと思ったら睡眠薬を嗅がされ、縛られた上でよく知らない女が裸で迫ってくることを想定したものではない。
(原作の冒涜? コイツがやったことの方が冒涜だっつーの)
健全乙女ゲームだぞ。それを全裸で迫るなんて……大事な世界観を壊しておいてどの口が言ってるんだ。
「あんただってわかるでしょ!? 逆ハールートは難しいのよ!……それでちょっと焦っただけよ」
「焦った?」
「だってゲームの4分の1終わったっていうのに誰もプレゼントくれないんだもん!」
『ラブコレ』ゲーム内では、各キャラクターの好感度が上がるとプレゼントをもらえるのだ。ほとんどがパーティで身に着けるようなアイテムで、誰からもらった物を付けていくかによってキャラクターの好感度が変わっていくというものだった。
(逆ハールートはそのバランスが難しいのよね)
全員の好感度を上げないといけないが、なんせ人数が多い。基本的には初期にエドワードのような攻略しやすいキャラクターの好感度を上げておき、あとから一気に難易度の高いキャラクターを攻めるのだ。
焦って全裸なんて、やぶれかぶれにしても酷すぎる。
「プレゼントが欲しくって全裸で殿方に迫ったのですか?」
「私とヤッて落ちない男なんていないわよ。手っ取り早く全員の好感度上げようと思っただけ」
好感度って何か知ってる? どういう思考回路でこの結論にいたったのか。
「だいたいエドワードレベルで全然私に落ちないなんて変なのよ!」
「それは貴女に魅力がないからではないですか?」
「はあ? そんなわけないでしょ!? この顔にこの能力! 私はこの世界のヒロインなのよ!?」
どうやらその設定に全幅の信頼をおいているようだ。
(私が悪役令嬢やってない時点でその設定は変えられるものだって気が付くべきよね~)
私が全く理解できないという表情をしているからか、アリスはどんどんイラついてきたようだ。
「だいたいあんたがまともに悪役令嬢やらないからでしょ!?」
「私に悪役令嬢になって欲しいのですか?」
「当たり前でしょ! 全然可哀想なヒロインになれなかったじゃない! どれだけ自分がイベント潰したかわかってるわけ!?」
これを本気で言っているから恐ろしい。椅子から立ち上がって顔を歪ませ怒鳴り散らし始めた。
「エドワード達が私を愛するチャンスをあんたが奪ったのよ!!! 今からでもどうにかしろ!!!」
「どうにかしろと言われましても。皆様、貴女に怯えていらっしゃいますし」
「そんなわけない! 皆私に会いたいのにあんたが邪魔してるんでしょ!!?」
「あら、それは貴女の望む悪役令嬢がしそうなことではないですか」
いい加減、こいつと話すのは無駄なようだ。
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