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12 ハニートラップ
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レミリアが心配する暇もないくらい早く、アレンはバルコニーから戻ってきた。大爆笑をして。
「ぶわぁっ!!! ぶあっはっはっは! 無理! もう無理っ! ゲホッ! ゲホゲボッ! ヒー! ハハッ! ゲホッ! やべぇ咽た」
アレンは目に涙が溜まるほど笑っていた。腹を抱え、息も絶え絶えだ。あれでジークボルトの影武者が務まるのだろうか。
「早すぎじゃないですか?」
「いやあれは無理だわ! お前、よく耐えたよ!」
そう言って笑い続けた。耐えたというのは面白さにという意味だとレミリアは理解した。
「どうされました!?」
この間屋敷にやってきた高官が急いで駆け寄ってくる。どうやら彼が大賢者と帝国の窓口のようだった。
「いや、なんでもない。愛弟子が可愛くってね」
「仲がよろしいんですね」
「そう見えるかい?」
「ええとても」
「それは良かった」
そう言ってレミリアの肩を抱き、バルコニーで寒さと怒りに震えているユリアに見せつけた。
バルコニーからはアレンとレミリアがかけた魔術によって庭園の花たちがイルミネーションのように美しく光っていた。
「私ぃ~心配なんです。ジークボルト様が騙されてないか……」
「誰にだい?」
「レミリア様ですよ~! 知ってますか彼女のこと。私ずっといじめられてて……」
「知ってるとも。彼女は私の一番弟子だ」
だから何? とでも言いたげに淡々と返事をするアレンに、ユリアは少しムッとした。これまではそう言うだけで攻略キャラ達は彼女を慰め、レミリアに対して怒りをあらわにしていたのだ。
「……じゃあこれ知ってますか? レミリア様、アルベルト様と婚約してたのにたくさんの男の人と関係してたんですよ!?」
「へぇそれは知らなかったな」
「あんな人、ジークボルト様には相応しくないです」
「じゃあ誰が相応しいんだい?」
「そ、そんなこと……言えないですよぅ」
彼女お得意の、頬をポッと赤らめる技を使っていた。アレンは笑って震えてしまわないよう体に力を込めていた。
「ジークボルト様……私、寒いです……」
そう言ってアレンの体にそっとしがみつく。
「君は……アルベルト王太子の婚約者なのだろう?」
「でもアル、私のこと全然わかってくれなくって。ねぇジークボルト様、私の悩み、聞いてくれませんか……?」
そこでアレンが噴き出した。一度笑い始めるともう止められないようだった。
「たくさんの男と……って、じ……自己紹介かよ……!!! ブハハッ!」
「そんなこと言ったのあのクソ女!」
部屋に戻った後も思い出し笑いをすると程、彼にとっては強烈な出来事だったらしい。レミリアはキーッと毛が逆立たんばかりに怒り始めた。
「くそ! くそ! 一発殴りたい!!!」
「またそのうち機会はあるだろ」
「あってたまるか!」
出来ればこのような場所で2度と会いたくない人物だ。
「あれで落ちるってあの王太子大丈夫か?」
「さあ? ヒロインは特別なんじゃない?」
「ハニートラップで一発そうだな~」
そう言うとまた大笑いを始めた。
「レミリア様、そろそろよろしいでしょうか」
「ああ、今行くわ」
レミリアはマリロイド国王に呼ばれていたのだ。最初は断っていたのだが、王の従者が泣きついてきたので渋々承諾した。その従者は以前、レミリアにキツくあたるアルベルトに苦言を呈してくれたことがあったからだ。
「嫌なことはサッサと終わらせよ」
「ついてってやろうか?」
「また爆笑されたらたまらないわよ」
「それはありえるな!」
アレンはニヤついた顔で手を振って見送ってくれた。
「ぶわぁっ!!! ぶあっはっはっは! 無理! もう無理っ! ゲホッ! ゲホゲボッ! ヒー! ハハッ! ゲホッ! やべぇ咽た」
アレンは目に涙が溜まるほど笑っていた。腹を抱え、息も絶え絶えだ。あれでジークボルトの影武者が務まるのだろうか。
「早すぎじゃないですか?」
「いやあれは無理だわ! お前、よく耐えたよ!」
そう言って笑い続けた。耐えたというのは面白さにという意味だとレミリアは理解した。
「どうされました!?」
この間屋敷にやってきた高官が急いで駆け寄ってくる。どうやら彼が大賢者と帝国の窓口のようだった。
「いや、なんでもない。愛弟子が可愛くってね」
「仲がよろしいんですね」
「そう見えるかい?」
「ええとても」
「それは良かった」
そう言ってレミリアの肩を抱き、バルコニーで寒さと怒りに震えているユリアに見せつけた。
バルコニーからはアレンとレミリアがかけた魔術によって庭園の花たちがイルミネーションのように美しく光っていた。
「私ぃ~心配なんです。ジークボルト様が騙されてないか……」
「誰にだい?」
「レミリア様ですよ~! 知ってますか彼女のこと。私ずっといじめられてて……」
「知ってるとも。彼女は私の一番弟子だ」
だから何? とでも言いたげに淡々と返事をするアレンに、ユリアは少しムッとした。これまではそう言うだけで攻略キャラ達は彼女を慰め、レミリアに対して怒りをあらわにしていたのだ。
「……じゃあこれ知ってますか? レミリア様、アルベルト様と婚約してたのにたくさんの男の人と関係してたんですよ!?」
「へぇそれは知らなかったな」
「あんな人、ジークボルト様には相応しくないです」
「じゃあ誰が相応しいんだい?」
「そ、そんなこと……言えないですよぅ」
彼女お得意の、頬をポッと赤らめる技を使っていた。アレンは笑って震えてしまわないよう体に力を込めていた。
「ジークボルト様……私、寒いです……」
そう言ってアレンの体にそっとしがみつく。
「君は……アルベルト王太子の婚約者なのだろう?」
「でもアル、私のこと全然わかってくれなくって。ねぇジークボルト様、私の悩み、聞いてくれませんか……?」
そこでアレンが噴き出した。一度笑い始めるともう止められないようだった。
「たくさんの男と……って、じ……自己紹介かよ……!!! ブハハッ!」
「そんなこと言ったのあのクソ女!」
部屋に戻った後も思い出し笑いをすると程、彼にとっては強烈な出来事だったらしい。レミリアはキーッと毛が逆立たんばかりに怒り始めた。
「くそ! くそ! 一発殴りたい!!!」
「またそのうち機会はあるだろ」
「あってたまるか!」
出来ればこのような場所で2度と会いたくない人物だ。
「あれで落ちるってあの王太子大丈夫か?」
「さあ? ヒロインは特別なんじゃない?」
「ハニートラップで一発そうだな~」
そう言うとまた大笑いを始めた。
「レミリア様、そろそろよろしいでしょうか」
「ああ、今行くわ」
レミリアはマリロイド国王に呼ばれていたのだ。最初は断っていたのだが、王の従者が泣きついてきたので渋々承諾した。その従者は以前、レミリアにキツくあたるアルベルトに苦言を呈してくれたことがあったからだ。
「嫌なことはサッサと終わらせよ」
「ついてってやろうか?」
「また爆笑されたらたまらないわよ」
「それはありえるな!」
アレンはニヤついた顔で手を振って見送ってくれた。
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