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マリロイド王国で流行り始めた疫病は間もなく収まったと、フロイド経由でレミリアは知った。
(お礼の手紙くらい寄越さんかい!!!)
約束通り、王太子アルベルトの謝罪文が王国中に広まった。その文書もフロイドが届けてくれたのだが……。
「はぁぁぁ!? 何これ!? これが謝罪!?」
「勘違いしてごめんって……何をどう勘違いしたかはわかんねぇな」
今回の薬が大賢者とその一番弟子レミリアのおかげでマリロイド王国が救われた旨はちゃんと記載されていた。
しかしレミリアにとっては本命である謝罪文が、何に対しての謝っているのか曖昧で、しかも王太子が勘違いしてしまった原因はレミリアにもある……と言ったものだったので、彼女は非常に怒っているのだった。
「もう! 二度と! 助けてやるもんか!!!」
「まあ勉強になったと思えよ」
「そうですよ。これで救われた命はたくさんあるのですから」
アレンもフロイドも慰めてくれた。
「それでいいじゃないか。どうせ滅ぼすんだろ?」
「……それは……そうなんですが」
ジークボルトは悔しがる弟子が面白いようで、少し意地悪く問いかけた。
「先生がくれた仕返しのチャンスを1つ無駄にした気がして」
レミリアはそれが申し訳なくて仕方なかったのだ。
「仕返しになったかなってないは、これからわかるんじゃないかな」
「そうですかねぇ~~~」
珍しく人前でソファに倒れこみ、クッションに顔を押し付けた。
(悔しい悔しい悔しい~~~!!!)
だが、マリロイド王国内ではその謝罪文が大きな波紋を広げていた。
王太子に近いものほど、彼の……彼の取り巻きと聖女の現状がよくわかっていたからだ。レミリアが去ってからというものの、王太子の評価は急下降していたのだから。
「お前は一体何をしているんだ!」
「ですが父上! 書類仕事も客人の下調べもレミリアがやっていたのです。いなくなったのだから滞るのは当たり前ではないですか」
不貞腐れるように答える王太子。さらに彼は不満を言い続ける。
「だいたい引き継ぎもせず居なくなるとは無責任だ!」
家臣達は開いた口が塞がらなかった。自分が難癖をつけて追い出しておいて……彼らが国の将来を不安に思うの当然の結果だった。
学園の同級生達も大半が貴族の子弟だ。今回の謝罪文が真実でないことを彼らは知っている。よって未来の当主達のほとんどが、王太子への嫌悪感を露わにしだした。
「流石レミリア様、大賢者の一番弟子にまでなるとは……あの方の魔術は一級だった。そんな方が我が国からいなくなるとは……」
「あの謝罪文はなんだ? 王太子と同級生だった親戚から聞いたが、実際はいつも一方的にレミリア様を悪者に仕立てていたらしいぞ」
「ああ、それは私も聞いたことがある。レミリア様は他の生徒に火の粉が飛ばないよう、いつもその暴言を受け入れていたとか」
「だいたい婚約破棄の前に別の女性と恋仲になるとは……」
誰も彼もが王太子を批判し始めた。もちろん批判は王太子だけにとどまらない。
「従者が主人の婚約者に横恋慕とは……今後子が生まれたとして王家の血を継いでいるか怪しいものですな」
「ディーヴァ家の次の当主、優秀なレミリア様と全然似ていないようですよ」
「騎士団長の息子というのも、武力だけではなぁ。人望が全くないようだ」
この機に国の中枢に居座っている高位貴族を引きずり降ろそうと画策する者も多くいた。
「またあの聖女は王太子に豪華なドレスをねだっているのか? ついこの間ベルーガ帝国で高価なものを買ったばかりではないか」
「あの聖女、たいした力がないらしいぞ。現聖女様がかなり心配なさっているとか」
「ええ! どうなるんだこの国は!?」
聖女ユリアは事あるごとに、前の婚約者レミリアと比べられることに苛立ちを隠せないでいた。
「レミリア様はこのようなこと、5歳の頃には完璧にこなされていましたよ!」
「まったく次の婚約者がこの体たらくでは……あの子も何を考えているのだか」
未来の王妃としての教育は厳しいものだった。勉強だけではない、礼儀作法やマナー、他国の歴史や習慣、言語などありとあらゆる知識をつける必要があった。
アルベルトの乳母が1からユリアに教え込んだが、言い訳ばかりで少しも身につかなかった。
「ねぇアル……あの人いっつも私をいじめるの。それにあなたのお母さん、私を嫌っているみたい」
「まあ2人とも君のことを考えて言ってくれてるんだから」
これに関してはアルベルトは少しもユリアの味方にはなってくれなかった。
(なんで!? なんでこんなことになってるのよ!!!)
学園の卒業式までは完璧だった。なのに今は何もかも上手くいかない。
(あの大賢者、超イケメンだったな~あっちの方がいいな~)
妃教育も楽しくないし、大賢者の嫁の方がずっと楽しく生きれそうだ。実際ユリアが欲しがったあの馬鹿みたいに高価な石をレミリアが付けていたのをユリアは見逃さなかった。
(王子の婚約者になればなんでも買ってもらえると思ってたのに、民の税が~なんてつまらないこと言うんだもの)
アルベルトは今はまだユリアの心変わりに気が付いていなかった。それに家臣たちの心変わりにも。
「はぁぁぁ……」
レミリアは隣国で大きなため息をついていたが、確実に彼女の望む復讐は形作り始めているのだ。
(お礼の手紙くらい寄越さんかい!!!)
約束通り、王太子アルベルトの謝罪文が王国中に広まった。その文書もフロイドが届けてくれたのだが……。
「はぁぁぁ!? 何これ!? これが謝罪!?」
「勘違いしてごめんって……何をどう勘違いしたかはわかんねぇな」
今回の薬が大賢者とその一番弟子レミリアのおかげでマリロイド王国が救われた旨はちゃんと記載されていた。
しかしレミリアにとっては本命である謝罪文が、何に対しての謝っているのか曖昧で、しかも王太子が勘違いしてしまった原因はレミリアにもある……と言ったものだったので、彼女は非常に怒っているのだった。
「もう! 二度と! 助けてやるもんか!!!」
「まあ勉強になったと思えよ」
「そうですよ。これで救われた命はたくさんあるのですから」
アレンもフロイドも慰めてくれた。
「それでいいじゃないか。どうせ滅ぼすんだろ?」
「……それは……そうなんですが」
ジークボルトは悔しがる弟子が面白いようで、少し意地悪く問いかけた。
「先生がくれた仕返しのチャンスを1つ無駄にした気がして」
レミリアはそれが申し訳なくて仕方なかったのだ。
「仕返しになったかなってないは、これからわかるんじゃないかな」
「そうですかねぇ~~~」
珍しく人前でソファに倒れこみ、クッションに顔を押し付けた。
(悔しい悔しい悔しい~~~!!!)
だが、マリロイド王国内ではその謝罪文が大きな波紋を広げていた。
王太子に近いものほど、彼の……彼の取り巻きと聖女の現状がよくわかっていたからだ。レミリアが去ってからというものの、王太子の評価は急下降していたのだから。
「お前は一体何をしているんだ!」
「ですが父上! 書類仕事も客人の下調べもレミリアがやっていたのです。いなくなったのだから滞るのは当たり前ではないですか」
不貞腐れるように答える王太子。さらに彼は不満を言い続ける。
「だいたい引き継ぎもせず居なくなるとは無責任だ!」
家臣達は開いた口が塞がらなかった。自分が難癖をつけて追い出しておいて……彼らが国の将来を不安に思うの当然の結果だった。
学園の同級生達も大半が貴族の子弟だ。今回の謝罪文が真実でないことを彼らは知っている。よって未来の当主達のほとんどが、王太子への嫌悪感を露わにしだした。
「流石レミリア様、大賢者の一番弟子にまでなるとは……あの方の魔術は一級だった。そんな方が我が国からいなくなるとは……」
「あの謝罪文はなんだ? 王太子と同級生だった親戚から聞いたが、実際はいつも一方的にレミリア様を悪者に仕立てていたらしいぞ」
「ああ、それは私も聞いたことがある。レミリア様は他の生徒に火の粉が飛ばないよう、いつもその暴言を受け入れていたとか」
「だいたい婚約破棄の前に別の女性と恋仲になるとは……」
誰も彼もが王太子を批判し始めた。もちろん批判は王太子だけにとどまらない。
「従者が主人の婚約者に横恋慕とは……今後子が生まれたとして王家の血を継いでいるか怪しいものですな」
「ディーヴァ家の次の当主、優秀なレミリア様と全然似ていないようですよ」
「騎士団長の息子というのも、武力だけではなぁ。人望が全くないようだ」
この機に国の中枢に居座っている高位貴族を引きずり降ろそうと画策する者も多くいた。
「またあの聖女は王太子に豪華なドレスをねだっているのか? ついこの間ベルーガ帝国で高価なものを買ったばかりではないか」
「あの聖女、たいした力がないらしいぞ。現聖女様がかなり心配なさっているとか」
「ええ! どうなるんだこの国は!?」
聖女ユリアは事あるごとに、前の婚約者レミリアと比べられることに苛立ちを隠せないでいた。
「レミリア様はこのようなこと、5歳の頃には完璧にこなされていましたよ!」
「まったく次の婚約者がこの体たらくでは……あの子も何を考えているのだか」
未来の王妃としての教育は厳しいものだった。勉強だけではない、礼儀作法やマナー、他国の歴史や習慣、言語などありとあらゆる知識をつける必要があった。
アルベルトの乳母が1からユリアに教え込んだが、言い訳ばかりで少しも身につかなかった。
「ねぇアル……あの人いっつも私をいじめるの。それにあなたのお母さん、私を嫌っているみたい」
「まあ2人とも君のことを考えて言ってくれてるんだから」
これに関してはアルベルトは少しもユリアの味方にはなってくれなかった。
(なんで!? なんでこんなことになってるのよ!!!)
学園の卒業式までは完璧だった。なのに今は何もかも上手くいかない。
(あの大賢者、超イケメンだったな~あっちの方がいいな~)
妃教育も楽しくないし、大賢者の嫁の方がずっと楽しく生きれそうだ。実際ユリアが欲しがったあの馬鹿みたいに高価な石をレミリアが付けていたのをユリアは見逃さなかった。
(王子の婚約者になればなんでも買ってもらえると思ってたのに、民の税が~なんてつまらないこと言うんだもの)
アルベルトは今はまだユリアの心変わりに気が付いていなかった。それに家臣たちの心変わりにも。
「はぁぁぁ……」
レミリアは隣国で大きなため息をついていたが、確実に彼女の望む復讐は形作り始めているのだ。
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