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47 王都
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王都は地方から逃げてくる民で溢れかえっていた。騎士団が上手く機能していないせいで、王都内の治安も日に日に悪くなっていた。
「王都の治安を帝国の兵に任せるの言うのか!?」
「仕方ありません……毎日のように貴族の屋敷が襲われ始めたのですから」
暴徒とかした市民が、食糧や寝る場所を求めて華やかな貴族の屋敷を狙い始めたのだ。
「クソ! 騎士団長があんなことにならなければ……」
「犯人はカイル殿と言う話が出ていますが」
「いや、あいつはその前から行方不明だ。……騎士団長が俺の所まで探しに来ていたからな」
数日前、騎士団長と思われる遺体が彼の屋敷の庭で発見された。体の腐敗が進んでおり、身につけていたものから騎士団長だと判断されたのだ。
「ではやはり……夫人でしょうか」
「……俺にはわからん」
使用人達からの報告で、親子喧嘩や夫婦で言い争う声を聞いた者が相次いでいた。
一国の騎士団長が何者かに殺害されたのだ。すぐにでも犯人を捜し罰を与える必要があった。だが、その犯人として候補に挙がるのが夫人と息子では悪いニュースで溢れる今の王国にさらなる打撃を与えかねない。
「急ぎ代理を立てろ」
「はい。今騎士団長代理を務めている者がそのまま引き継ぐということでよろしいですか?」
「……このていたらくだが、仕方ないな」
その騎士は以前騎士団長の座を争っていた人物で、あまり評判が良くないのだ。実際彼がトップに立ってからも混乱は続いたままだ。
「それから……まだ未確認情報なのですが」
「なんだ」
アルベルトは疲れたようにため息をつく。今国内にはいくらでも問題が溢れている。
「大賢者とレミリア様が辺境領へやってこられたそうです。魔物達を一掃したとか」
「……そうか」
(またあの2人か!)
面白くないことが続く。
「この件、ユリアは……!?」
「既にご存知で、自分が辺境領へ行くと朝から騒いでおられました」
「いったいどうしたら俺より早く情報が手に入ると言うんだ!」
牢で殺された宰相の補佐官以外にもユリアに心酔している人間が他にもいるとアルベルト達は確信した。そしてそれを隠す気もない。いったい城の中にどれほど信用できる家臣がいるかわからなくなった。
「どうして辺境領へ行ったらだめなの!? 私が直接行って結界を直せばいいじゃない!」
「やり方はご存知で?」
「はあ? そんなの行ったらなんとかなるでしょ」
聖女への態度とは思えないくらい、冷たく言い放ったその神官の目は憎しみに満ちていた。
「なにあんた? 私を怒らせる気? もう祈らないわよ」
顔を歪めて相手を馬鹿にするように嘲笑っていた。
「かまいません。どの道この国は終わりです」
そう言うと、隠し持っていた短剣をユリアに向けて振り上げた。
「ぎゃあああああ!」
だがそれが聖女に届くことはない。ユリアは咄嗟に近くにいた侍女を盾にした。侍女の顔に短剣が綺麗に突き刺さった。
「早くこいつを殺しなさいよ!」
言われるがまま、聖騎士達の剣が神官の胸を貫いた。
「…………呪われ……ろ」
最期の言葉はユリアの心に少しも響かなかった。
「ダッサ! 惨め~」
聖騎士達はどうしていいかわからなかった。もはやこの聖女が聖女とは到底思えなかった。だが、彼女の祈りなしにはこの状況は良くならない。彼女に祈ってもらうしかこの国が生き残る術はないのだ。
「血が着いちゃったじゃん。このドレス気にってたのに」
そう言うと、ヒールをコツコツとならしながら教会に移した自室へと戻っていった。
(やっと彼に会える! 早く私を迎えに来て!)
クローゼットにある沢山のドレスの中から、彼が好きそうなドレスを選ぶ時間は何より楽しかった。
(可愛い! って言ってくれるかなぁ)
不安なのはそれだけだった。
魔物は道中の人間を食い散らかしながら、確実に王都へ近づいていた。
「王都の治安を帝国の兵に任せるの言うのか!?」
「仕方ありません……毎日のように貴族の屋敷が襲われ始めたのですから」
暴徒とかした市民が、食糧や寝る場所を求めて華やかな貴族の屋敷を狙い始めたのだ。
「クソ! 騎士団長があんなことにならなければ……」
「犯人はカイル殿と言う話が出ていますが」
「いや、あいつはその前から行方不明だ。……騎士団長が俺の所まで探しに来ていたからな」
数日前、騎士団長と思われる遺体が彼の屋敷の庭で発見された。体の腐敗が進んでおり、身につけていたものから騎士団長だと判断されたのだ。
「ではやはり……夫人でしょうか」
「……俺にはわからん」
使用人達からの報告で、親子喧嘩や夫婦で言い争う声を聞いた者が相次いでいた。
一国の騎士団長が何者かに殺害されたのだ。すぐにでも犯人を捜し罰を与える必要があった。だが、その犯人として候補に挙がるのが夫人と息子では悪いニュースで溢れる今の王国にさらなる打撃を与えかねない。
「急ぎ代理を立てろ」
「はい。今騎士団長代理を務めている者がそのまま引き継ぐということでよろしいですか?」
「……このていたらくだが、仕方ないな」
その騎士は以前騎士団長の座を争っていた人物で、あまり評判が良くないのだ。実際彼がトップに立ってからも混乱は続いたままだ。
「それから……まだ未確認情報なのですが」
「なんだ」
アルベルトは疲れたようにため息をつく。今国内にはいくらでも問題が溢れている。
「大賢者とレミリア様が辺境領へやってこられたそうです。魔物達を一掃したとか」
「……そうか」
(またあの2人か!)
面白くないことが続く。
「この件、ユリアは……!?」
「既にご存知で、自分が辺境領へ行くと朝から騒いでおられました」
「いったいどうしたら俺より早く情報が手に入ると言うんだ!」
牢で殺された宰相の補佐官以外にもユリアに心酔している人間が他にもいるとアルベルト達は確信した。そしてそれを隠す気もない。いったい城の中にどれほど信用できる家臣がいるかわからなくなった。
「どうして辺境領へ行ったらだめなの!? 私が直接行って結界を直せばいいじゃない!」
「やり方はご存知で?」
「はあ? そんなの行ったらなんとかなるでしょ」
聖女への態度とは思えないくらい、冷たく言い放ったその神官の目は憎しみに満ちていた。
「なにあんた? 私を怒らせる気? もう祈らないわよ」
顔を歪めて相手を馬鹿にするように嘲笑っていた。
「かまいません。どの道この国は終わりです」
そう言うと、隠し持っていた短剣をユリアに向けて振り上げた。
「ぎゃあああああ!」
だがそれが聖女に届くことはない。ユリアは咄嗟に近くにいた侍女を盾にした。侍女の顔に短剣が綺麗に突き刺さった。
「早くこいつを殺しなさいよ!」
言われるがまま、聖騎士達の剣が神官の胸を貫いた。
「…………呪われ……ろ」
最期の言葉はユリアの心に少しも響かなかった。
「ダッサ! 惨め~」
聖騎士達はどうしていいかわからなかった。もはやこの聖女が聖女とは到底思えなかった。だが、彼女の祈りなしにはこの状況は良くならない。彼女に祈ってもらうしかこの国が生き残る術はないのだ。
「血が着いちゃったじゃん。このドレス気にってたのに」
そう言うと、ヒールをコツコツとならしながら教会に移した自室へと戻っていった。
(やっと彼に会える! 早く私を迎えに来て!)
クローゼットにある沢山のドレスの中から、彼が好きそうなドレスを選ぶ時間は何より楽しかった。
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魔物は道中の人間を食い散らかしながら、確実に王都へ近づいていた。
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