5 / 23
第一章 千年後の世界へ
第5話 アンティーク店兼下宿
しおりを挟む
通りに面した大きなショーウィンドウが、午後の陽射しをやわらかく反射していた。窓ガラスの向こうには大聖堂のステンドガラスに似た配色のランタンや、ガラス製のカラフルな指輪に銀製ペンダント、それに古びた地図や地球儀がディスプレイされている。
【フォリア・アンティークス】という看板と、【閉店中】という看板の文字が読めたことに、メルディは内心ホッとしていた。文字は千年後も変わらぬままだ。
「オレはこっちに住んでて、下宿はこっちの建物ね。三年前に改修してるから外観のわりに中は綺麗だよ」
ユーリ・フォリアの実家は母屋と下宿、民泊用の建物が分かれており、渡り廊下で繋がっている。中庭には草木が思い思いに生い茂っていた。現在家主であるユーリの祖父母は旅行中で、手入れが行き届いていないのだとバツが悪そうに説明する。
「観光のハイシーズン前に毎年ね。もうすぐ帰ってくるよ」
綺麗にしとかなきゃ……と、ユーリは留守を任されたことを今更思い出したようだった。
「メルディはここを使って」
案内された部屋は建物の二階部分にあり、窓からよく日が入って明るい。壁際にベッド、衣装棚に勉強机に本棚、何もは入っていない戸棚、それからラジエーターと壁掛けテレビまで設置されてあった。
「Wi-Fiのパスワード……って今はまだいいか……」
ドキドキと部屋を見て回るメルディをにこやかにユーリは目で追っていた。どうやら気に入ってくれているようだと。
(ものすごく清潔な部屋! なんだか可愛いし……)
ほんの数時間前まで住んでいた屋敷は大きかったが雑然としており、日々の研究と鍛錬で精一杯なメルディの部屋はほどんど寝るためだけに存在した空間だった。……なにより散らかってもいた。
部屋の中には扉が別に二つあった。ここはなんだと入り口近くの別の扉を開けたメルディが声を上げる。
「部屋の中にラトリナ!?」
「ラトリナ? ってトイレのことだっけか?」
エリオは聞き慣れない単語の答え合わせをユーリにしていた。彼は得意気に頷いている。古いもの全般、彼の得意分野であるのだ。
「……このガラスの空間は?」
「あーシャワー室だ。そこの金色の部分ひねったらお湯がでる」
「そんなのが部屋の中にあるの!? これが千年後の普通!?」
エリオに具体的に教わりながら、恐る恐る蛇口を捻り、シャーッと音を流しながら大量の水を降らすシャワーを見てメルディは目を丸くしていた。
「バスタブはないんだ。湯船に浸かりたかったら隣街がいいよ。昔っから湯治場だったろう?」
「うん。私もたまに行ってた。千年後も湧いてたんだ温泉」
変わっていないものを聞くと安心するメルディだが、実際のところ鄙びた湯治場から人気高級リゾート地へ様変わりしているとはこの時まだ想像もしていなかったのだった。
「ありがとう……とっても素敵な部屋ね」
窓の外を眺めなら、メルディは表情筋が休まるのを感じた。気付けば体もガチガチになっていたように感じている。千年の時を越えたのだから当たり前ではあるが。
「そうでしょう~!? 部屋に空きがあるなんてもったいないよね~」
「大学やビジネス街からは遠いからな」
「観光客には立地がいいって喜ばれるんだけど……じーちゃんもばーちゃんもあんまり積極的に入居者募集かけないからな~」
商売っ気のない彼の祖父母は今では自分達が楽しむために店を開けていた。
ホッとしたのも束の間、メルディの頭の中は今度は別の不安で充満し始める。これだけ設備の整った部屋となると、家賃はどれほど必要になるか想像もつかなかったのだ。現在、無職で無一文のメルディには支払う術もない。
(気にしないでとは言ってくれてるけど……)
ここまで親切だと裏があるんじゃないかと思ってしまう自分にメルディは自己嫌悪だ。
(いやいや。こういう時こそ直感とフィーリング!)
それがあの師匠の教えでもある。わからないこと、すぐに判断がつかないこと。そんな時は直感で生きるのだ。
(この二人の側は心地いいし、この感覚は大事な気がする)
これほど他人に対してかまえずにいられたことはなかなかない。メルディの毎日はハードだったので、この雰囲気が貴重であることも理解している。
「下宿の人には簡単な食事がついてるんだ! じーちゃん達戻るまで俺が作ってるんだけど、まあまあ美味しいよ。作らない日はあらかじめ教えるからね」
「今の下宿人が俺だけだからこの家主適当にやってんだ」
揶揄うようなエリオの批判をユーリは笑って誤魔化していた。
「まあまあ。コーヒーだけは毎日用意してるだろ~」
「コーヒー……?」
「飲み物。苦味があるんだが慣れるとハマるんだ」
この建物のこの部屋にたどり着くまでに散々驚いたというのに、さらに食事関係までいちいちそれが何か確認する必要がありそうだと、メルディは思わず身を仰け反らす。が、胸の中にはワクワクとした好奇心が広がっていっていた。
「まだ驚くことが出てくるの……?」
「千年先の世界を旅してるみたいなもんだろ……まあ楽しめよ」
「うんうん。悪くないと思うよ!」
そんなメルディを馬鹿にせず、二人丁寧に教えてくれる。
「中庭の向こう側……母屋の一階が食堂だよ。朝は十時くらいまで。出ているもの、好きに食べてね」
「料金はかからねぇから」
エリオが先回りしてメルディの心配を取り除く。何もかも彼女にはサッパリだ。
「一息入れよう。メルディはお茶の方がいい?」
「……さっき言ってたコーヒー、飲んでみたいな」
「お! いいね!」
何事もチャレンジだ。食堂へ移動するとすぐにユーリがコーヒーを運んでくる。漂ってきた香りにメルディはなんともいえない表情になっていた。いい匂いなのか、そうでないのか判断しかねている顔だ。
「……にっっっが! え? すっぱ……??」
「だろうな」
そっと口をつけ、一瞬魔を置いてのこれだ。
「なにこれ!? これにハマるってどういうこと!?」
コーヒーを一口飲んで急にこの時代の生活に不安がよぎる。今日はメルディの心はアップダウンが激しい。大丈夫と思ったり、やっぱりヤバイと感じたり。
(千年経ってるんだもんなぁ……人類の味覚が大きく変わっちゃうには十分な時間なのかな……食べられるものがあるといいんだけど……)
カップの中の泥のような水を一点に見つめていた。
「まあまあチョコでも食べて……」
そう言ってツルツルした可愛らしい包みの中に入ったチョコレートをユーリが勧めるが、メルディは、正直食べたくない……と思っているのがありありとわかる表情になっていた。
「それはたぶん大丈夫だ。お菓子だよお菓子」
躊躇っているメルディのために毒見のようにユーリとエリオがそれぞれそれを口の中に放り込む。もちろん顔を歪めることはない。満足気だ。
「ご、郷に行っては郷に従え……ね……」
ゴクリ、と緊張しながらそれを口に含める。そんな覚悟しなくても……とユーリは心配そうだ。
「あっっっま!!!」
「あれ!? 甘すぎた!?」
喉がやけるような感覚を味わったメルディは、どうしていいかわからずオタオタとしていた。甘みを中和しようと先ほどのコーヒーカップをつかむが、それを飲むのはやめることにしたようだ。すぐに手を離した。
「貴族のお菓子!?」
以前貴族の屋敷で食べたデザートより甘い。しかもまだまだたっぷりとそのチョコレートは箱の中に入っている。
この屋敷の快適さといい、ユーリは貴族なのだろうかとメルディは思い始めていた。本人はそんな振る舞い少しもしないし、使用人もいないところを見ると、そうでないのはもちろんわかるのだが、千年後の常識が彼女にはまだ理解できず混乱に陥っていた。
「それならこっちならどう? 甘さ控えめのクッキーなんだけど」
ユーリはどうしても美味しいという言葉を引き出したいようだ。あれこれと一生懸命にメルディをもてなそうとしている。
「無理はすんな」
エリオはそのユーリの気持ちを感じ取ったようだ。出された新たなお菓子を前に怯んだメルディにすぐに声をかけていた。
二人はそれぞれメルディを気遣っている。
「二人ともありがとう。これからお世話になります」
座ったまま改めてメルディは頭を下げる。この二人に合わなかったら、自分はいったいどうなっていたかと、なかった未来を想像しながら。
【フォリア・アンティークス】という看板と、【閉店中】という看板の文字が読めたことに、メルディは内心ホッとしていた。文字は千年後も変わらぬままだ。
「オレはこっちに住んでて、下宿はこっちの建物ね。三年前に改修してるから外観のわりに中は綺麗だよ」
ユーリ・フォリアの実家は母屋と下宿、民泊用の建物が分かれており、渡り廊下で繋がっている。中庭には草木が思い思いに生い茂っていた。現在家主であるユーリの祖父母は旅行中で、手入れが行き届いていないのだとバツが悪そうに説明する。
「観光のハイシーズン前に毎年ね。もうすぐ帰ってくるよ」
綺麗にしとかなきゃ……と、ユーリは留守を任されたことを今更思い出したようだった。
「メルディはここを使って」
案内された部屋は建物の二階部分にあり、窓からよく日が入って明るい。壁際にベッド、衣装棚に勉強机に本棚、何もは入っていない戸棚、それからラジエーターと壁掛けテレビまで設置されてあった。
「Wi-Fiのパスワード……って今はまだいいか……」
ドキドキと部屋を見て回るメルディをにこやかにユーリは目で追っていた。どうやら気に入ってくれているようだと。
(ものすごく清潔な部屋! なんだか可愛いし……)
ほんの数時間前まで住んでいた屋敷は大きかったが雑然としており、日々の研究と鍛錬で精一杯なメルディの部屋はほどんど寝るためだけに存在した空間だった。……なにより散らかってもいた。
部屋の中には扉が別に二つあった。ここはなんだと入り口近くの別の扉を開けたメルディが声を上げる。
「部屋の中にラトリナ!?」
「ラトリナ? ってトイレのことだっけか?」
エリオは聞き慣れない単語の答え合わせをユーリにしていた。彼は得意気に頷いている。古いもの全般、彼の得意分野であるのだ。
「……このガラスの空間は?」
「あーシャワー室だ。そこの金色の部分ひねったらお湯がでる」
「そんなのが部屋の中にあるの!? これが千年後の普通!?」
エリオに具体的に教わりながら、恐る恐る蛇口を捻り、シャーッと音を流しながら大量の水を降らすシャワーを見てメルディは目を丸くしていた。
「バスタブはないんだ。湯船に浸かりたかったら隣街がいいよ。昔っから湯治場だったろう?」
「うん。私もたまに行ってた。千年後も湧いてたんだ温泉」
変わっていないものを聞くと安心するメルディだが、実際のところ鄙びた湯治場から人気高級リゾート地へ様変わりしているとはこの時まだ想像もしていなかったのだった。
「ありがとう……とっても素敵な部屋ね」
窓の外を眺めなら、メルディは表情筋が休まるのを感じた。気付けば体もガチガチになっていたように感じている。千年の時を越えたのだから当たり前ではあるが。
「そうでしょう~!? 部屋に空きがあるなんてもったいないよね~」
「大学やビジネス街からは遠いからな」
「観光客には立地がいいって喜ばれるんだけど……じーちゃんもばーちゃんもあんまり積極的に入居者募集かけないからな~」
商売っ気のない彼の祖父母は今では自分達が楽しむために店を開けていた。
ホッとしたのも束の間、メルディの頭の中は今度は別の不安で充満し始める。これだけ設備の整った部屋となると、家賃はどれほど必要になるか想像もつかなかったのだ。現在、無職で無一文のメルディには支払う術もない。
(気にしないでとは言ってくれてるけど……)
ここまで親切だと裏があるんじゃないかと思ってしまう自分にメルディは自己嫌悪だ。
(いやいや。こういう時こそ直感とフィーリング!)
それがあの師匠の教えでもある。わからないこと、すぐに判断がつかないこと。そんな時は直感で生きるのだ。
(この二人の側は心地いいし、この感覚は大事な気がする)
これほど他人に対してかまえずにいられたことはなかなかない。メルディの毎日はハードだったので、この雰囲気が貴重であることも理解している。
「下宿の人には簡単な食事がついてるんだ! じーちゃん達戻るまで俺が作ってるんだけど、まあまあ美味しいよ。作らない日はあらかじめ教えるからね」
「今の下宿人が俺だけだからこの家主適当にやってんだ」
揶揄うようなエリオの批判をユーリは笑って誤魔化していた。
「まあまあ。コーヒーだけは毎日用意してるだろ~」
「コーヒー……?」
「飲み物。苦味があるんだが慣れるとハマるんだ」
この建物のこの部屋にたどり着くまでに散々驚いたというのに、さらに食事関係までいちいちそれが何か確認する必要がありそうだと、メルディは思わず身を仰け反らす。が、胸の中にはワクワクとした好奇心が広がっていっていた。
「まだ驚くことが出てくるの……?」
「千年先の世界を旅してるみたいなもんだろ……まあ楽しめよ」
「うんうん。悪くないと思うよ!」
そんなメルディを馬鹿にせず、二人丁寧に教えてくれる。
「中庭の向こう側……母屋の一階が食堂だよ。朝は十時くらいまで。出ているもの、好きに食べてね」
「料金はかからねぇから」
エリオが先回りしてメルディの心配を取り除く。何もかも彼女にはサッパリだ。
「一息入れよう。メルディはお茶の方がいい?」
「……さっき言ってたコーヒー、飲んでみたいな」
「お! いいね!」
何事もチャレンジだ。食堂へ移動するとすぐにユーリがコーヒーを運んでくる。漂ってきた香りにメルディはなんともいえない表情になっていた。いい匂いなのか、そうでないのか判断しかねている顔だ。
「……にっっっが! え? すっぱ……??」
「だろうな」
そっと口をつけ、一瞬魔を置いてのこれだ。
「なにこれ!? これにハマるってどういうこと!?」
コーヒーを一口飲んで急にこの時代の生活に不安がよぎる。今日はメルディの心はアップダウンが激しい。大丈夫と思ったり、やっぱりヤバイと感じたり。
(千年経ってるんだもんなぁ……人類の味覚が大きく変わっちゃうには十分な時間なのかな……食べられるものがあるといいんだけど……)
カップの中の泥のような水を一点に見つめていた。
「まあまあチョコでも食べて……」
そう言ってツルツルした可愛らしい包みの中に入ったチョコレートをユーリが勧めるが、メルディは、正直食べたくない……と思っているのがありありとわかる表情になっていた。
「それはたぶん大丈夫だ。お菓子だよお菓子」
躊躇っているメルディのために毒見のようにユーリとエリオがそれぞれそれを口の中に放り込む。もちろん顔を歪めることはない。満足気だ。
「ご、郷に行っては郷に従え……ね……」
ゴクリ、と緊張しながらそれを口に含める。そんな覚悟しなくても……とユーリは心配そうだ。
「あっっっま!!!」
「あれ!? 甘すぎた!?」
喉がやけるような感覚を味わったメルディは、どうしていいかわからずオタオタとしていた。甘みを中和しようと先ほどのコーヒーカップをつかむが、それを飲むのはやめることにしたようだ。すぐに手を離した。
「貴族のお菓子!?」
以前貴族の屋敷で食べたデザートより甘い。しかもまだまだたっぷりとそのチョコレートは箱の中に入っている。
この屋敷の快適さといい、ユーリは貴族なのだろうかとメルディは思い始めていた。本人はそんな振る舞い少しもしないし、使用人もいないところを見ると、そうでないのはもちろんわかるのだが、千年後の常識が彼女にはまだ理解できず混乱に陥っていた。
「それならこっちならどう? 甘さ控えめのクッキーなんだけど」
ユーリはどうしても美味しいという言葉を引き出したいようだ。あれこれと一生懸命にメルディをもてなそうとしている。
「無理はすんな」
エリオはそのユーリの気持ちを感じ取ったようだ。出された新たなお菓子を前に怯んだメルディにすぐに声をかけていた。
二人はそれぞれメルディを気遣っている。
「二人ともありがとう。これからお世話になります」
座ったまま改めてメルディは頭を下げる。この二人に合わなかったら、自分はいったいどうなっていたかと、なかった未来を想像しながら。
42
あなたにおすすめの小説
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る
堀 和三盆
ファンタジー
前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。
それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。
死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~
白い彗星
ファンタジー
世界を救った勇者、彼はその力を危険視され、仲間に殺されてしまう。無念のうちに命を散らした男ロア、彼が目を覚ますと、なんと過去に戻っていた!
もうあんなヘマはしない、そう誓ったロアは、二度目の人生を穏やかに過ごすことを決意する!
とはいえ世界を救う使命からは逃れられないので、世界を救った後にひっそりと暮らすことにします。勇者としてとんでもない力を手に入れた男が、死の原因を回避するために苦心する!
ロアが死に戻りしたのは、いったいなぜなのか……一度目の人生との分岐点、その先でロアは果たして、穏やかに過ごすことが出来るのだろうか?
過去へ戻った勇者の、ひっそり冒険談
小説家になろうでも連載しています!
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる