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四月四日
しおりを挟む明け方までの大雨はどうやら収まったみたいね
傘を持たずに外に出ると、一陣の風と共に大きな雨粒
嘘でしょ~
嘘です
木の葉にしがみついていた雨粒が、風で一斉に落ちてきたのでした
ふぅ~、びっくりした
桜は七部咲き、花が若いから大雨に堪えられたみたい
いつも穏やかな線路沿いの小さな川は、増水して流れが早い
鴨の姿は見えません
空のペットボトルがたゆんたゆんて流れて来る
誰が捨てたのか、悪い奴め
でもさ、よく見て
中に桜の花が入ってる
果たしてあのペットボトルは海に流れ出て、どこかの島に辿り着くのかな
いや、あれはきっと一度海に出て、波に巻かれて戻って来ると思うよ
本当に?
うん、きっとね、確かめるさ
あたし、病院行って来るね
よし、それじゃ僕は病院のそばの砂浜で、ペットボトルと君の帰還を待つことにしよう
半日、砂浜の平らな石の上で過ごすのね
雨上がりの春の海だからね
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