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勇者御一行の大奮闘編
どの魔王を倒すのかわからない
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俺は現在、非常に困っている。
俺の名前はディルヴェルディ。周りにはディルと呼ばれていた。まあそんなことはどうでもいいのだが、つい数時間前のこと。俺は突然、王に呼び出された。
「勇者ディルヴェルディよ!この世界に脅威をもたらす魔王を倒して来い!!」
俺は困惑した。いや、俺が勇者とか言われたことではなく。よく大人達から言われてたからなあ……。勇者、勇者って。問題はそこではない。
(どの魔王だよ!?)
そう、この世界には魔王がふざけんなって位たくさんいる。最強の魔王と呼ばれている魔王だけカウントしても数百万体はいるらしい。話に聞いただけだが信憑性は高い。最強の意味わかってんのか?最も強いって意味だぞ?最も強い魔王が数百万ってそれ“最も”じゃねえだろ!責めて十体位には絞れよッ!!それも最強とは言えないけど!!
「……どの魔王ですか?」
感情のほとんど……いや、全てを飲み込み尋ねる俺。凄い。俺が勇者になった理由は間違いなくこれが出来るからだと思う。
「んなもん知らね」
うおおおおおおおおおい!王様!!ふっざけんなよ!?手掛かり0で魔王を倒しに行けと!?こんな王でよくこの国今まで滅びなかったな!テキトー過ぎだろ!!
「あ、勘違いするでないぞ?名前は分からないがどの辺りにいるかはわかっておる」
ああ、なんだよかった……。場所が判ればある程度絞れる。
「どの地域ですか?」
「あっちらへん」
俺からみて右手側を指さす王様。………………は?
「えっと……何処の地域にいるのか教えて頂けると…………」
「それは分からん。とにかくあっち」
アバウト過ぎだろぉぉぉ!!テキトーだよ!テキトーにも程があるよ!!あっちって言われてもわかんないよ!!魔王倒しに行くこっちの身にもなってよ!!!
「まあ、とにかく頑張れ」
貴方が王位を退いて下さったら頑張ります!って言わなかった俺を誰か褒めてくれ。
「……この命に代えても」
お前を王位から引きずり下ろしてぶっ飛ばす!!
おっと、危ない危ない。つい危険思考に走ってしまった。謁見の間から出ると見張りの兵が俺の肩に手を置いて憐れみ目で見つめてきた。逆に悲しくなってくるから止めてくれ…………。
その後で俺は、幼馴染み達に頭を下げて冒険に付いてきて貰うことに成功した。ちなみにその幼馴染み達は俺よりも酷く王を罵倒していた。ばっちり声に出して。不敬罪で処刑されなければいいが。まあ、大丈夫だろう。だって王様がアレだし。そんなわけで勇者御一行はあっちという手掛かりだけで行き当たりばったりの旅を続け、やがて目的の魔王城にたどり着く____訳あるか!あっちだけで魔王倒しに行けとか無理ゲー!!
勇者ディルヴェルディとその仲間達の旅は、始まる前に頓挫した。
俺の名前はディルヴェルディ。周りにはディルと呼ばれていた。まあそんなことはどうでもいいのだが、つい数時間前のこと。俺は突然、王に呼び出された。
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俺は困惑した。いや、俺が勇者とか言われたことではなく。よく大人達から言われてたからなあ……。勇者、勇者って。問題はそこではない。
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うおおおおおおおおおい!王様!!ふっざけんなよ!?手掛かり0で魔王を倒しに行けと!?こんな王でよくこの国今まで滅びなかったな!テキトー過ぎだろ!!
「あ、勘違いするでないぞ?名前は分からないがどの辺りにいるかはわかっておる」
ああ、なんだよかった……。場所が判ればある程度絞れる。
「どの地域ですか?」
「あっちらへん」
俺からみて右手側を指さす王様。………………は?
「えっと……何処の地域にいるのか教えて頂けると…………」
「それは分からん。とにかくあっち」
アバウト過ぎだろぉぉぉ!!テキトーだよ!テキトーにも程があるよ!!あっちって言われてもわかんないよ!!魔王倒しに行くこっちの身にもなってよ!!!
「まあ、とにかく頑張れ」
貴方が王位を退いて下さったら頑張ります!って言わなかった俺を誰か褒めてくれ。
「……この命に代えても」
お前を王位から引きずり下ろしてぶっ飛ばす!!
おっと、危ない危ない。つい危険思考に走ってしまった。謁見の間から出ると見張りの兵が俺の肩に手を置いて憐れみ目で見つめてきた。逆に悲しくなってくるから止めてくれ…………。
その後で俺は、幼馴染み達に頭を下げて冒険に付いてきて貰うことに成功した。ちなみにその幼馴染み達は俺よりも酷く王を罵倒していた。ばっちり声に出して。不敬罪で処刑されなければいいが。まあ、大丈夫だろう。だって王様がアレだし。そんなわけで勇者御一行はあっちという手掛かりだけで行き当たりばったりの旅を続け、やがて目的の魔王城にたどり着く____訳あるか!あっちだけで魔王倒しに行けとか無理ゲー!!
勇者ディルヴェルディとその仲間達の旅は、始まる前に頓挫した。
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