魔王が多すぎるこの世界では

蒼月 梨奈

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勇者御一行の大奮闘編

魔王達の情報ネットワークは凄まじい発達を遂げている

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「ちょっと待ってて頂戴。調べてみるわ」
と言って立ち上がったルー。頼りになります!
「リリィ!を持って来て!!」
「はい、ルーナシア魔王陛下!」
ルーが呼ぶと、奥の扉から1体の魔族の少女が出て来た。飛んでないのに何故か、背中の黒いコウモリみたいな羽がピコピコ動いている。
「ありがとう、リリィ。下がっていいわ」
「はい!」
リリィと呼ばれた魔族は、ルーに何かを渡してまた奥に引っ込んで行った。ルーは直ぐに俺達に向き直り、
「じゃーいっくわよー!!それっ!」
とかけ声をあげて何かを上に放り投げた。すると、途端に光が溢れ出す。

パアアアアァァァ────────!!
「うわ、眩しっ!」
「ジルー、目ぇ潰れてないかー?」
「まあ、潰れても私が治しますけど」
「そして、潰れて治して潰れての無限ループ?」
「おいレナ、それ鬼畜過ぎだろ!?」
いやー、このパーティーはいつも騒がしいなあ……。それが面白いんだけど。…………本当にエンドレス潰れて治してになってくれないかな。凄い面白そう!
「ディルてめぇ!心の声が丸聞こえなんだよ!!」
ジルに怒られた。ジルのくせに。

バヒュンッッ!!
と、エンドレス潰れて治してが出来そうな光が弾けて、四方八方に飛んで行った。かと思ったらまた帰ってきて、そして今度はゆっくりと消えていった。
「うん、分かったわよ」
「ええっ!?あれだけでですか!!?」
ミーちゃんに同意。でもあれで出来てしまうのがルーである。

「ああ、今のはね、世界中の色んな所にいる魔王と情報交換が出来る魔道具なのよ。どれだけ離れていても、あっという間に情報交換終了!というスグレモノよ!」
…………魔王達の情報ネットワークほんとスゲー。魔道具ってほんとスゲー。
「でもあれ、使ったら消えちゃう消耗品だから、使うとまた調達しないといけなくて……効率が悪いのよ」
「なるほど……ちなみに調達ってどうすんの?」
「色んな所で材料集めてぱぱっと作る」
まさかのお手製……。てか材料って何!?どうやって作んの!!?そんなサラッということじゃないよね!?
……って調達って魔道具の調達じゃなくてそれを作る為の材料のこと指してたの!?

「んでもって、貴方達の探している魔王の居場所だけど…………………………」
はっ!!そうだった……。魔王の事聞きに来たんだった。すっかり忘れてた。
「ねえ、ディル?あんた今絶対に魔王のこと忘れてたよね?此処に来た目的忘れてたよね??レナお姉さんに言ってごらん?怒らないから」
「ちょ、待ってレナ!『怒らないから』って手に火球構えながら言う台詞じゃないよ!!そして俺とレナは同い年だよ!!」
レナが読心術を使えるとは知らなかった…………怖い。めっちゃ怖い。縄でぐるぐる巻きにされて獅子の前に放り出されているぐらい怖い。

「……話続けてもいいかしら」
「あ、どうぞ」
すっ、といつも通りのオーラに戻ったレナ。ありがとう、ルー。

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