ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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第七章

7-44

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 まかりサロワートが強く反発していたら、元より気の短い三人は考える余地などなく、スグさま強く反発し返していたであろうが、
「「「…………」」」
 思惑通り黙り込んだ三人に、

(…………)

 彼女は内心でホッとしつつも顔には出さず、
「この世界にある物は全て初代魔王が創った物よ。意図的で無い限り、地世で生まれたモノが「地世のチカラ」で汚染獣化したり、狂暴化したりはしないわ」
「「「「「「「…………」」」」」」」
 彼女の言葉には「真実味」があった。

 そう感じた理由も同様で、ラディッシュ達が地世に来てから現在まで、実際に目にして、耳にして、体験した物と相違が無かったから。
 口先だけと感じた天世との違いに、

(((((((…………)))))))

 勇者組の心中は、複雑。
 その様なタイミングで、

『何だいアンタ達はぁ若いのにしょぼ暮れてぇ! ウチの店のご飯を食べたら元気がでるわよぉ!』
((((((((!))))))))

 店の女主人が、ニコやかな笑顔で料理を運んで来た。
 注文に悩むであろう勇者組を見越したサロワートが、先んじて頼んでいた「サロワートセレクト」の品々である。

 中世の一般的な食堂より、やはり見た目は見劣りするものの、こだわりが感じられ、味も良く、何より「食したから」と言って違和感も無く、体に異変など皆無であり、
((((((((…………))))))))
 それぞれが、それぞれの想いを抱きつつ食事を進め、

「「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」」

 食材を作った人々と、調理してくれた人々に感謝。
 店から出るとサロワートは勝ち誇った笑みを浮かべ、

「アンタ達がゴネたせいでぇ随分と時間を食っちゃったわねぇ♪」
「「「…………」」」

 バツが悪そうに黙るターナップとニプルウォート、そしてカドウィードをチラ見。
 そんな三人に苦笑するラディッシュやドロプウォート達を横目に、

『さぁ、行くわよぉん♪』

 上機嫌で、再び先陣切って歩き始めた。
 しかし、
(((((((?!)))))))
 村の外にまで出てしまう、サロワート。
 遅くなったと言う割には宿泊先も探さずに。

 太陽代わりの雲が明るさを落とし始め、時間が夜へと移り始める中、

「「「「「「「…………」」」」」」」

 黙って彼女に付き従う勇者組。
 彼女の「次なる目的が読めぬ故」であったが、しばし歩くと、

『これくらい離れれば大丈夫でしょ』

 急に足を止め、
「「「「「「「?」」」」」」」
 不思議に思う七人に、

「野営するわよぉ♪」

 笑顔で振り返り、

『『『『『『『やっ、やえい?!』』』』』』』

 驚きを隠せない勇者組。
 狂暴な汚染獣は「出ない」とのお墨付きを貰っているとは言え、何が起きるか分からない世界の森で野宿など、心中穏やかで居られる筈が無かった。
 しかし彼女は「何を驚いているんだ」と言わんばかり、

「当然でしょ?」

 首を傾げ、

「だって「村に迷惑」は掛けられないもの」

 それを言われてしまっては返す言葉も無く、

「「「「「「「…………」」」」」」」
「野営できる装備は持って来てるんでしょ?」
「「「「「「「…………」」」」」」」

 なし崩し的に、何が起きるか分からない「未知なる地世の森」での一泊を余儀なくされ、

(((((((フリンジめぇえ!)))))))

 怒りを新たに抱く中、

『ほらぁ、何してるのぉ! 置いて行くわよぉ!』

 急かすサロワートは森の奥へと分け入り、
「「「「「「「………」」」」」」」
 渋々後に続くラディッシュ達であった。
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