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第九章
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自身が元老院の手先である事実に孫が激しい憤りを見せるも、大司祭は動ずる様子も無く淡々と、
「新たな魔王は甘くない。その様な時宜に回復役がこの有様では「勇者組の全滅」も時間の問題じゃ」
「なっ?! クッ……」
皮肉に返せる言葉は無かった。
地面に伏す、自身の今の姿からでは。
何を言っても説得力に欠ける、負け犬の遠吠え。
恥を知らぬ身であったなら、倒された姿のまま異を唱えることも出来たであろうが。
誇りを胸に、非難を甘んじて受け入れ黙する孫を前にしてなお、祖父は変わらぬ語り口で以て、
「それに、近々元老院から命(めい)が下ろう」
「?」
「思惑に従ぬ現勇者一行への抹殺命令がのぉ」
『なっ?!』
地に伏したまま驚愕する孫を祖父は冷笑し、
「案ずるでない。お前の後に、お前がお気に入りの娘(パストリス)は先んじて送ってやろう」
『お嬢(じょう)をだとォオ!』
鮮血に染まる彼女の姿が、悲鳴が、ターナップの中の何かを打ち砕いた。
勝利を諦め、立ち上がれない程の精神的、肉体的ダメージを受けていた筈が、
「ジジィ……てんめぇえ……」
生き返った両眼でユラリと立ち上がり、
『!』
咄嗟に大きく飛び退く大司祭。
攻撃を警戒したと言うより、孫の気迫に気圧され。
叙事詩時代から生きる猛者の第六感が、危険を知らせる。
現在に生きる青年から向けられた気概に、感じた悪寒に、
(流石はワシの孫と言ったところか)
それは戦士としての、強がりか。
祖父として、孫の成長の嬉しさ半分、辛うじて立ち上がったように見えるターナップを見据え、
「立って居るのが精一杯の今のお前に何が出来、」
皮肉を言い終わるより先、
『のぉくっッ!?』
眼前に拳が迫る。
「クッ!」
瞬間的に両腕でガード、無詠唱の天技を用いた身体強化にて。
バァバアァシィイィイッ!
生身の拳を打ち込んだとは思えない音を、天技で強化された大司祭の両腕で立てるターナップ。
しかし止められながらも、
『ソレがぁどうしたァジジィイィィィイイィィッ!!!』
獣のような荒ぶる息遣いで強引に、
『ダァラァァアァァァアーーーッ!』
受け止められた剛腕を怒り任せに振り抜いた。
その「魂と誇り」を込めた一撃に、
「クゥクッ!」
弾き飛ばされる大司祭。
天技で身体強化をしていたにも拘らず。
否、正確には自ら飛び退き、押さえ切れなかった彼のチカラを打ち消したのであるが、
(死に体(たい)であった筈が、何処にこのようなチカラが?!)
打撃を受けた両腕に残る痺れに、彼の潜在能力に、驚きを隠せなかった。
(ワシは此奴(こやつ)の成長度合いを見誤っていたと言うのか?!)
想定と現実をすり合わせ、戦い方の修正を行いたいところではあったが、
『逃げんなやァジジィイ!』
ターナップは攻め手を強め、拳による休まぬ連打連打連打の嵐。
「クッ!」
大司祭は逃げと、防御の一辺倒になり、
(なっ、何故じゃ?! 何が起きていると言うんじゃ?!! 天法を纏うワシが「纏わぬ此奴(こやつ)」に何故に押されておるじゃと?!!!)
内心で混乱していた。
「新たな魔王は甘くない。その様な時宜に回復役がこの有様では「勇者組の全滅」も時間の問題じゃ」
「なっ?! クッ……」
皮肉に返せる言葉は無かった。
地面に伏す、自身の今の姿からでは。
何を言っても説得力に欠ける、負け犬の遠吠え。
恥を知らぬ身であったなら、倒された姿のまま異を唱えることも出来たであろうが。
誇りを胸に、非難を甘んじて受け入れ黙する孫を前にしてなお、祖父は変わらぬ語り口で以て、
「それに、近々元老院から命(めい)が下ろう」
「?」
「思惑に従ぬ現勇者一行への抹殺命令がのぉ」
『なっ?!』
地に伏したまま驚愕する孫を祖父は冷笑し、
「案ずるでない。お前の後に、お前がお気に入りの娘(パストリス)は先んじて送ってやろう」
『お嬢(じょう)をだとォオ!』
鮮血に染まる彼女の姿が、悲鳴が、ターナップの中の何かを打ち砕いた。
勝利を諦め、立ち上がれない程の精神的、肉体的ダメージを受けていた筈が、
「ジジィ……てんめぇえ……」
生き返った両眼でユラリと立ち上がり、
『!』
咄嗟に大きく飛び退く大司祭。
攻撃を警戒したと言うより、孫の気迫に気圧され。
叙事詩時代から生きる猛者の第六感が、危険を知らせる。
現在に生きる青年から向けられた気概に、感じた悪寒に、
(流石はワシの孫と言ったところか)
それは戦士としての、強がりか。
祖父として、孫の成長の嬉しさ半分、辛うじて立ち上がったように見えるターナップを見据え、
「立って居るのが精一杯の今のお前に何が出来、」
皮肉を言い終わるより先、
『のぉくっッ!?』
眼前に拳が迫る。
「クッ!」
瞬間的に両腕でガード、無詠唱の天技を用いた身体強化にて。
バァバアァシィイィイッ!
生身の拳を打ち込んだとは思えない音を、天技で強化された大司祭の両腕で立てるターナップ。
しかし止められながらも、
『ソレがぁどうしたァジジィイィィィイイィィッ!!!』
獣のような荒ぶる息遣いで強引に、
『ダァラァァアァァァアーーーッ!』
受け止められた剛腕を怒り任せに振り抜いた。
その「魂と誇り」を込めた一撃に、
「クゥクッ!」
弾き飛ばされる大司祭。
天技で身体強化をしていたにも拘らず。
否、正確には自ら飛び退き、押さえ切れなかった彼のチカラを打ち消したのであるが、
(死に体(たい)であった筈が、何処にこのようなチカラが?!)
打撃を受けた両腕に残る痺れに、彼の潜在能力に、驚きを隠せなかった。
(ワシは此奴(こやつ)の成長度合いを見誤っていたと言うのか?!)
想定と現実をすり合わせ、戦い方の修正を行いたいところではあったが、
『逃げんなやァジジィイ!』
ターナップは攻め手を強め、拳による休まぬ連打連打連打の嵐。
「クッ!」
大司祭は逃げと、防御の一辺倒になり、
(なっ、何故じゃ?! 何が起きていると言うんじゃ?!! 天法を纏うワシが「纏わぬ此奴(こやつ)」に何故に押されておるじゃと?!!!)
内心で混乱していた。
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