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第十一章
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先達として話の口火は切ったものの、
(さぁてとじゃ……何から話せばヨイのかのぉ……)
悩める元八部衆アブダ。
悲哀を胸に、語る言葉を探していると、
『あっ、あのぉ……アブちゃん……いや、アブさぁん……?』
ラディッシュが「正しき呼称」を求め顔色から手探りで窺い、彼女はそんな勇者の弱腰を小さく「くすっ」と笑い、苦笑交じりに、
「呼称など気にせずともヨイのじゃ、中世の勇者よぉ。好きに「アブダ」とでも呼ぶがヨイのじゃ」
「そぉ、それならアブダ、一つ訊いても良い?」
「ナンじゃ?」
「その……八部衆の人たちとの共闘は、出来ないのかな?」
「「「「「!?」」」」」
これには問われた彼女のみならず、リンドウ達も流石に驚いた。
相手は今し方、刃を交える寸前までいった敵である。
仲間たちの驚きように、
「い、いや、だって八部衆の人たちだって、天世の人たちを守る為に戦ってるんでしょ?! 僕たちと立ち位置は違っても共通する部分が、」
提案者ラディッシュは慌てて真意を補足したが、
『無理じゃなぁ』
あっさり否定したのは、八部衆が一人であったアブダ。
あまりにあっさりと、取り付く島もない物言いに、ラディッシュが困惑する中、
「そもそも八部衆に「天世を守っているつもり」など無いのじゃ」
「「「「「え?!」」」」」
「何故ならワシらは全員が全員「地世の因子」を持って生まれた者らの集まりなのじゃ。生き残りなのじゃよ」
「「「「「!」」」」」
何かを察した五つの顔に彼女は静かに頷くと、
「その想像通りなのじゃ。ワシ等は先人の英知に、処分されていた筈の身なのじゃ」
「「「「「…………」」」」」
「処分するつもりでいた世界を救う義理など、ワシ等にはありはせぬのじゃ」
(それならどうしてぇ?!)
当然の疑問がラディッシュの中に湧くと、顔色から感じたアブダは、
「ナゼに天世を守るような活動をしておるのか、と?」
「!」
「ソレはのぉ、見ている角度の違いじゃ」
「見ている角度ぉ?」
「ワシらは天世に出現した汚染獣や合成獣の駆除を、単にしている訳ではナイのじゃ」
「「「「「?」」」」」
「それぞれがそれぞれに御館さまから与えられた狩場(担当地区)を持ち、実戦経験を積み重ねておるのじゃ」
「「「「「…………」」」」」
「生温い湯の中のような天世において「戦場で戦える機会」など、そうはナイからのぉ」
「戦士としての技量を上げて……それで、どうするの?」
「知れた事じゃ」
ラディッシュの恐る恐るの問いに、アブダは闇を感じさせる不敵な笑みを微かに浮かべ、
「八部衆の真なる目的とは「天世の破壊」じゃ♪」
「「「「「ッ!」」」」」
「驚くこともなかろう~ワシらが受ける筈であった仕打ちを、落とされて逝った同胞たちが受けた仕打ちを考えればのぉ」
「「「「「…………」」」」」
ラディッシュ達に、返せる言葉は見付けられなかった。
同じ天世人の身でありながら、過去や現在を生きる天世人を同胞として見ていない彼女の物言いから亀裂の深さを感じ取り。
そして彼女の陰を持った笑みは雄弁に問う。
《自分たちを亡き者にしようとした相手を「命を賭して守る義理」が何処にあるのか?》
地世のチカラが発現するかも知れないのを理由に「生まれたばかりの子供」が現在進行形において、いったいどれほど地世送りになり、どれほど無慈悲に命を落として逝ったか。
それを考えるとラディッシュ達は、安易で、無責任な、薄い言葉など口に出来なかったのである。
(さぁてとじゃ……何から話せばヨイのかのぉ……)
悩める元八部衆アブダ。
悲哀を胸に、語る言葉を探していると、
『あっ、あのぉ……アブちゃん……いや、アブさぁん……?』
ラディッシュが「正しき呼称」を求め顔色から手探りで窺い、彼女はそんな勇者の弱腰を小さく「くすっ」と笑い、苦笑交じりに、
「呼称など気にせずともヨイのじゃ、中世の勇者よぉ。好きに「アブダ」とでも呼ぶがヨイのじゃ」
「そぉ、それならアブダ、一つ訊いても良い?」
「ナンじゃ?」
「その……八部衆の人たちとの共闘は、出来ないのかな?」
「「「「「!?」」」」」
これには問われた彼女のみならず、リンドウ達も流石に驚いた。
相手は今し方、刃を交える寸前までいった敵である。
仲間たちの驚きように、
「い、いや、だって八部衆の人たちだって、天世の人たちを守る為に戦ってるんでしょ?! 僕たちと立ち位置は違っても共通する部分が、」
提案者ラディッシュは慌てて真意を補足したが、
『無理じゃなぁ』
あっさり否定したのは、八部衆が一人であったアブダ。
あまりにあっさりと、取り付く島もない物言いに、ラディッシュが困惑する中、
「そもそも八部衆に「天世を守っているつもり」など無いのじゃ」
「「「「「え?!」」」」」
「何故ならワシらは全員が全員「地世の因子」を持って生まれた者らの集まりなのじゃ。生き残りなのじゃよ」
「「「「「!」」」」」
何かを察した五つの顔に彼女は静かに頷くと、
「その想像通りなのじゃ。ワシ等は先人の英知に、処分されていた筈の身なのじゃ」
「「「「「…………」」」」」
「処分するつもりでいた世界を救う義理など、ワシ等にはありはせぬのじゃ」
(それならどうしてぇ?!)
当然の疑問がラディッシュの中に湧くと、顔色から感じたアブダは、
「ナゼに天世を守るような活動をしておるのか、と?」
「!」
「ソレはのぉ、見ている角度の違いじゃ」
「見ている角度ぉ?」
「ワシらは天世に出現した汚染獣や合成獣の駆除を、単にしている訳ではナイのじゃ」
「「「「「?」」」」」
「それぞれがそれぞれに御館さまから与えられた狩場(担当地区)を持ち、実戦経験を積み重ねておるのじゃ」
「「「「「…………」」」」」
「生温い湯の中のような天世において「戦場で戦える機会」など、そうはナイからのぉ」
「戦士としての技量を上げて……それで、どうするの?」
「知れた事じゃ」
ラディッシュの恐る恐るの問いに、アブダは闇を感じさせる不敵な笑みを微かに浮かべ、
「八部衆の真なる目的とは「天世の破壊」じゃ♪」
「「「「「ッ!」」」」」
「驚くこともなかろう~ワシらが受ける筈であった仕打ちを、落とされて逝った同胞たちが受けた仕打ちを考えればのぉ」
「「「「「…………」」」」」
ラディッシュ達に、返せる言葉は見付けられなかった。
同じ天世人の身でありながら、過去や現在を生きる天世人を同胞として見ていない彼女の物言いから亀裂の深さを感じ取り。
そして彼女の陰を持った笑みは雄弁に問う。
《自分たちを亡き者にしようとした相手を「命を賭して守る義理」が何処にあるのか?》
地世のチカラが発現するかも知れないのを理由に「生まれたばかりの子供」が現在進行形において、いったいどれほど地世送りになり、どれほど無慈悲に命を落として逝ったか。
それを考えるとラディッシュ達は、安易で、無責任な、薄い言葉など口に出来なかったのである。
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