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続章_53
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するとツバサが待ちきれないと言わんばかり、
「ハヤテ君! 私のも見て下さぁい!」
「お、おぅ」
ノートパソコンを覗き込むと、全体的に暗い写真の中央に、鳥と思われる物がブレブレで写っていた。
「私の写真、なんか全部暗いし、この写真なんて鳩を撮ったんですけど、ブレて、ちゃんと写ってすらいないんですよぉ。私の性格のせいでありますかぁ?」
嘆くツバサに、
「あはははは。んな事ねぇよ。ちょっとカメラ良いか?」
「ハイでぇす」
ハヤテはツバサからカメラを受け取り、ボタンなどを何ヶ所か確認すると、
「あぁ~やっぱりなぁ~。設定とか少し触っただろぉ?」
からかう様なハヤテの笑みに、
「い、いやぁ~~~本物のカメラに、ついテンションが上がってぇ~~~」
ツバサは笑って誤魔化し、
「あっ、でも、少ししか触ってないでありますよ?」
「まぁ確かに少しだけどな。モードが「絞り優先モード」になってる」
「絞り優先モード?」
「難しい話は後に回すとして、要は鳩を撮るにはシャッタースピードが足りなかったんだよ」
「ではどうしたら……」
「動きが速い物を撮りたい時は、「シャッタースピード優先モード」に切り替えて、被写体がブレない速度を選べば良いのさ。どれ位の速さが良いかは、経験値を積まないとだけどな」
ツバサに見える様にカメラ本体上部のダイヤルを回し、
「これで「シャッタースピード優先モード」になる。で、コッチのダイヤルを押せば、スピードが速くなったり遅くなったりする。普通に撮ってる分にはカメラ任せのモードで大丈夫だけどな」
「なるほどぉ~。では画面が暗くなったのは?」
「それは「絞り」が、」
続けて説明しようとすると、ヒカリがムクレ顔して、
「ちょっとハーくん! 妻のボクを、いつまで放っておく気だぁい! ツバサちゃんばかりに二つも三つもズルイじゃないかぁ!」
「ヒカリは、俺と一緒に写真を撮ってた経験者だろう?」
「いつの話をしてるんだよぉ~」
ごねるヒカリにハヤテは困った笑みを浮かべ、
「分かった分かった。で、ヒカリはどんな写真が撮りたかったんだ?」
するとヒカリはコロリと笑顔に変わり、
「ハーくんみたいな! 背景がぼやけたり! クッキリしたりした写真が撮りたいんだ!」
ヒカリのノートパソコンを見ると、流石ハヤテと写真を撮っていた経験者。サクラとツバサが撮った写真とは違い、意図を以て構図を変えた事が窺える写真であった。が、どことなく、平坦な印象を受ける写真でもあった。
「ハヤテ君! 私のも見て下さぁい!」
「お、おぅ」
ノートパソコンを覗き込むと、全体的に暗い写真の中央に、鳥と思われる物がブレブレで写っていた。
「私の写真、なんか全部暗いし、この写真なんて鳩を撮ったんですけど、ブレて、ちゃんと写ってすらいないんですよぉ。私の性格のせいでありますかぁ?」
嘆くツバサに、
「あはははは。んな事ねぇよ。ちょっとカメラ良いか?」
「ハイでぇす」
ハヤテはツバサからカメラを受け取り、ボタンなどを何ヶ所か確認すると、
「あぁ~やっぱりなぁ~。設定とか少し触っただろぉ?」
からかう様なハヤテの笑みに、
「い、いやぁ~~~本物のカメラに、ついテンションが上がってぇ~~~」
ツバサは笑って誤魔化し、
「あっ、でも、少ししか触ってないでありますよ?」
「まぁ確かに少しだけどな。モードが「絞り優先モード」になってる」
「絞り優先モード?」
「難しい話は後に回すとして、要は鳩を撮るにはシャッタースピードが足りなかったんだよ」
「ではどうしたら……」
「動きが速い物を撮りたい時は、「シャッタースピード優先モード」に切り替えて、被写体がブレない速度を選べば良いのさ。どれ位の速さが良いかは、経験値を積まないとだけどな」
ツバサに見える様にカメラ本体上部のダイヤルを回し、
「これで「シャッタースピード優先モード」になる。で、コッチのダイヤルを押せば、スピードが速くなったり遅くなったりする。普通に撮ってる分にはカメラ任せのモードで大丈夫だけどな」
「なるほどぉ~。では画面が暗くなったのは?」
「それは「絞り」が、」
続けて説明しようとすると、ヒカリがムクレ顔して、
「ちょっとハーくん! 妻のボクを、いつまで放っておく気だぁい! ツバサちゃんばかりに二つも三つもズルイじゃないかぁ!」
「ヒカリは、俺と一緒に写真を撮ってた経験者だろう?」
「いつの話をしてるんだよぉ~」
ごねるヒカリにハヤテは困った笑みを浮かべ、
「分かった分かった。で、ヒカリはどんな写真が撮りたかったんだ?」
するとヒカリはコロリと笑顔に変わり、
「ハーくんみたいな! 背景がぼやけたり! クッキリしたりした写真が撮りたいんだ!」
ヒカリのノートパソコンを見ると、流石ハヤテと写真を撮っていた経験者。サクラとツバサが撮った写真とは違い、意図を以て構図を変えた事が窺える写真であった。が、どことなく、平坦な印象を受ける写真でもあった。
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