幼なじみの愛が重くて困ってます

広野ともき

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第5話

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 言うまでもないと思うが、武蔵はアニメなどの二次元が大好きな人間だ。

 毎日のように武蔵はオススメのアニメなどを布教してくる。俺はあまりアニメなどには興味はないのだが、武蔵のアニメトークは聞いていて疲れないし、俺も見てみようかなと思えるアニメを教えてくれる。見てみようと思うアニメがあるのは、たまにだが。

 率直に言うと、良い話相手だ。

「新見よ、思わないか」

「思わない」

「最近、流行るアニメ、アニメ化される作品って」

「おう」

「異世界ハーレム、または、ラブコメイチャイチャばかりだと、思うのだ」

 突然、一瞬背中が凍った感覚がした。

 なんだと思い、周囲を確認するとエリカが目の色を更に黒くして俺たちの方を見ていた。

 ……。これがさっきの怖気か。もしかして武蔵のことをつぶそうと……?
 当の武蔵はまだまだしゃべり足りないと、舌のペースを速めていた。

「たしかにそれらの作品も面白いのだが、正直に言って我らはそのような作品に飽きが出てきているのだよ」

 本当に速いペースで。

「主人公も似たりよったりで、鈍感難聴系主人公だったり、俺TUEEEばかりだったりでな」

「……」

「主人公に加えて、ストーリーも似たりよったり。特に異世界系はそれが顕著でな」

「(まぁ、エリカもそこまで極端じゃないし、大丈夫だろ。第一に武蔵は男だし。男に嫉妬することなんてないだろ)」

「これまで我は、新見に異世界系やラブコメの人気作品を布教してきたが……」

「(いやぁ、本当にすごいと思うよ。好きなことにのめりこめるのは)」

「そんな我は、思うのだ」

「……」

「世間で人気なものが、新見、我にとって面白いわけではないのだと」

「(話してることの七割は分かんないんだけど、不思議と聞いていて疲れないのは、こいつの好きなことにのめりこんでいる、っていうのが伝わるからなんだろうな)」

「だから、我が好きな作品を今日からは布教することにする」

「……」

「さて、今日という記念すべき第一弾のアニメは――――」

 アニメのタイトルを言う直前に朝のホームルーム開始を知らせるチャイムが鳴った。

 なんとタイミングの悪い、と武蔵は顔をしかめている。

「先生が来るぞ。座れよ、籠野」

「その様だな」

 武蔵の見ているドアには、先生と思われる人影があった。

 そして、武蔵は教室の片隅にある自席へと帰っていった。

 先生が教壇に立ち、朝のあいさつが終わると、「今日はお知らせがあります」と言った。

「それでは、入ってきてください」

「失礼します」

 姿勢よく入ってきたのは、ショートヘアーの女子生徒だ。姿勢が良くて、スタイルがよさそうに見える。なにしろ姿勢が良いと自信があるように感じられる。クラス中の視線に堂々としている。

 パッと見で分かる。クラス上位カーストに位置するような女子だと。今後、クラス上位カーストのグループに入ることになるのだろう。
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