幼馴染が知らない間にヤンデレになっていた

広野ともき

文字の大きさ
5 / 10

第5話「起動し始めた大学生活」

しおりを挟む
「そうだな。今から晩飯作る気起こらないから、食べに行こう」

「そっか。和彦は一人暮らしなんだね。終電逃しても和彦の家があるって考えたら安心かも」

 一人納得したようにポンと手をたたく。

「な、ななななに冗談言ってるんだよ」

 流石に幼馴染だと言っても、というか普通にどれだけ仲の良い男女だとしても、お泊りはまずい。男女のお泊りって、、、、付き合ってするものじゃないのか?

「真面目に受けとちゃって可愛い。昔から変わらないね」

「う……」

 流石に冗談かと一安心。これはさっき真面目に受け取ってしまった事に対する強がりだ。

「さて。大学前にはいろんなごはん屋さんがあるがどうする?こってりからあっさり、ラーメンからイタリアン、居酒屋からショット、そして全てが安い」

 強引に話を変えることにした。昔から変わっていないことや変わったことを話すのはご飯の場でやりたい。というかごはんの肴にしたい。そうじゃないと顔から火を噴くことがたくさんありすぎる。

「もしかして和彦、もう飲んでるの?」

「いやいや違うぞ。ここに家を借りるとき、学生ボランティアの人にも手伝ってもらいながら家探ししてて、大学前のことも教えてもらったんだ。噂によると、ここの道、酔いつぶれた学生が側溝に入って寝ていることがあるらしい……」

「それはとても怖いね」

「酒は飲んでも、呑まれるなってやつだな。本当に怖い」

「でも今日は飲まないでしょ?」

「そりゃ飲まないよ。お酒って高いし」

「やっぱり飲んだことあるんじゃ……」

「だからそれも学生から聞いたんだって。飲み会で調子に乗って飲みまくっていたら二人で五桁に突入して、その月は極貧生活になったっていう」

「極貧生活ってのは毎日もやしだけ?」

「その人は一日一食、もやし炒めを一週間だったらしい」

「本当に酒は飲んでも、吞まれるなだね」

「いや。違う。俺たちは普通に晩御飯を食べに来たんだ。それで由美佳は行きたい店とかあるか?」

 つい話が脱線してそっちの方に前進してしまった。この話、聞いたとき衝撃かつ面白すぎたからつい話してしまうのだ。致し方無い。

「そうだね。今日は麺類が食べたい気分だからスパゲッティがいいかな。おしゃれだし」

「ならあそこが良いらしいぞ。行ってみよう」

 由美佳を連れて、大学通りを真っ直ぐ歩いてすぐ。学生街に似つかわない、とてもおしゃれな外装をしたお店が見える。

「あ、ここ今日来るときもたくさん人がいたとろこだ。とってもオシャレだから高いお店なのかなって思ってたけど」

「そう。お店の外観は高そうだけど、実はめちゃくちゃ学生のお財布にやさしい店なんだ」

「じゃあ結構リーズナブルってこと?」

「リーズナブルなのもそうなんだが、とにかく量がすごいんだ。ほらここを見てくれ」

「乾麺つかみ取り千円?」

「そうそれ。これがものすごくおすすめらしくてな。大人数で行ったらかなり浮くらしい」

「そうなんだ。それもその学生さんから聞いた話?」

「まだ来て一週間も経ってない俺がここを熟知してるわけないだろ」

「まぁ、そうだよね。確かにメニュー見てる感じだと量に対して安いね。私もおなか減ってるから丁度だよ」

「よしとりあえず入るか」

 扉をくぐると、幸い二人用のテーブルが開いていたらしくすぐに奥の方の席に通された。明日からも新歓がんばろー!とどこからか聞こえてきて、お店は学生で盛り上がっていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた

夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。 数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。 トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。 俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。

処理中です...