幼馴染が知らない間にヤンデレになっていた

広野ともき

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第6話「軌道する大学生活」

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「それでどれにする?」

「本当にリーズナブルだね。どれもおいしそうだけど、今日はこのトマトのパスタとサラダハーフにジンジャエールにしようかな」

「俺はだな……このカルボラーナ中盛りに、海鮮サラダ小、同じくジンジャエールだな。マジで楽しみ」

「そうだね~。どんな味なんだろ」

 俺たちは注文を取ると、すぐにドリンクが運ばれてきた。

「今日の新歓、たくさん見れて良かったよ。ホントにありがとね、和彦。おかげで邪魔が入らずにたくさん見れたよ」

「それは良かったぜ。入りたいなって思うサークルは見つかったか?」

「今良い感じって思ってるのは、歴史研とボランティアサークル、あとは文芸部かな」

「おお、3つも」

「いい感じって思ってるのだからね。これでも大分絞り込んだんだよ」

「せっかくなら全部入ればいいのに」

「全部入ったら体が足りないよ」

「まぁ冗談はおいておいて。やっぱ歴史研は気に入ったんだ」

「なんで気に入ったってわかったの?」

「めちゃくちゃ真剣に説明聞いてたからな。こりゃ入るわって俺でもわかったぞ」

「そんなに真剣な顔してた?」

「昔と変わらないなーって思って、なんか安心したわ」

 これは先の昔と変わらないことに対する、ちょっとした仕返しだ。由美佳の顔が紅潮しているのが分かる。

「昔もこんな顔してたの!?」

「小学校の時、自由研究一緒にしたろ? そん時に一生懸命に観察する横顔が同じだったぜ」

「む、昔のことは忘れて―!」

 両手で頬を抑えて悶えている。なんか可愛い。いつぞやの好きな子にちょっと意地悪したくなる気持ちを久しぶりに思い出した気がする。

「俺はサブカルサークルと天文サークルに入ろうって思ってる。楽しそうだったし、友達増えそうだから」

 麗奈はサークル、どこにするか決めたんだろうか。あとで聞いてみることにしよう。

「ふ、ふーん。なんだかんだ和彦も二つもサークル入るじゃん」

「友達増やしたいからな。田舎から出てきた身、ネットワークは広げときたいんだよ。下宿だと時間も余ること多いからさ」

「誘ってくれたら私が行くよ」

「おお、マジか。それはありがとな。また誘うよ。でもサークル入るのは同じ学部の人と繋がっときたいからなんだ。テストの情報とか授業飛んだときのセーフティーネット、あと楽単情報だな」

「なんか和彦もザ・大学生って感じだよ」

 少し目にハイライトがなくなっていた。ひかれたのかもしれない。これは良くない。

「俺らの学部、年に42しか単位取れないから死活問題なんだよ、マジ」

「文学部は48取れるよ」

「マジで羨ましい。商もそれだけ取らせてくれたら、もっと取りたいの取れるし、勉強したいの取れるのに」

「学部によって取れる単位違うってのも驚きだね」

「統一48で良いのに」

 なんとか言い訳は成功したみたい。由美佳の目にはハイライトが戻っていた。

 あ、楽単を取りたいってのは本当だが、勉強したい科目を取りたいってのも本心だからな。それは取り違えないでほしい。

「お待たせしました」

「わっ!美味しそう!ありがとうございます!」

「あざます」

 話が少し落ち着いたいいタイミングで料理がやってきた。見計らってくれたのかもしれない。ありがたい。

 由美佳はスマートフォンを取り出して、料理の写真を撮っていた。俺も同じく写真を撮っている。

「和彦ってインスタってしてる?やってるなら交換しよ」

「いいぞ。これ俺のアカ」

「申請送っとくね」

「こっちでもよろしく」

 互いにアカウントを交換し、スマートフォンを閉じる。

「冷めないうちにいただこう。いただきます」

「だな。いただきます」

「トマトの酸味がマイルドで美味しいよ」

「こっちもクリームがクリーミーでおいしい」

 舌鼓を打ちながら、料理を楽しむ。

 食べながらお互いに高校の話をしたり、どこ受けたーとかの話で盛り上がった。高校時代の由美佳の話は聞いていて、一緒に高校時代を過ごせれば!と思ったけど、さっき交換したインスタのハイライトに高校時代っていうがあったから、あとで見てみよう。さっきの話と合わせたらもっと楽しめるかも。

 空白の6年間を知れる、良いごはんの会だった。
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