女王ドラゴンの恋模様

月詠こころ

文字の大きさ
2 / 10

女王陛下の願い

しおりを挟む
あの宣告から一ヶ月ぐらい経ったあと、ラルクは少しずつ、皆の信頼を得ていた。
女性陣、男性陣共に。ラルクは細かいことに気がついて、すぐにそれを助けたり、はたまた、兵士たちの休憩所では自らお菓子を作って、配ったり、ラルクの変態キャラもウケていた。その様子をみてシエルもご満悦。100居れば少なからず嫉妬してくる奴もいる。だが、最低でも城にいるドラゴンたちは、噂で無下にしたりなどしない。しっかり自分で確かめる。シエルもそれが分かっていたので、最近はラルクが自由に一人で城の中を回っている。
「さて、仕事じゃ」
シエルが仕事のために椅子に座ると測ったように、ラルクがコーヒーを持ってきた。
「シエル、コーヒー。」
「ああ。礼をいう。」
シエルにコーヒーを渡したら、ラルクはこの部屋にとどまる。これも習慣になっていた。
「ラルク、城は慣れたか?」
「うん、みんな優しくしてくれるし、お菓子美味しいって言ってくれる」
「確かにラルクの作る菓子は美味だの。何か入れておるのか?」
「愛情?」
「くはははは、そうじゃな、愛は最高の調味料だ」
「シエル、仕事終わったらお話したいんだけど。」
「なら仕事はやめじゃ。ラルクの話を聞くとしよう。なに、話を聞くことも大事なこと。」
「えっと、そろそろ、外出てみたい」
「よし!分かった。食われないよう、制服のままにしておけ、外出るぞ正門から行くとじいがうるさい、ここから行く。ラルク乗れ」
シエルがべたっとお腹と頭を床に付けて、翼から乗るように、指示をして、ラルクが角に捕まったのを確認すると、シエルが飛び立った。
上にあるはずの天井はぽっかり穴を開けて、シエルが抜けると塞がった。
「どうじゃ?」
「すごい...あ、あの街の奥にある森って世界樹がある森?」
「そうじゃよ、世界樹みるか?」
「え、いいの?」
「いいも何もわらわの管轄領域。誰の許可もいらぬ」
シエルは大きく翼を広げ、滑空するように、世界樹へと向けてとんだ。
「うわあ」
世界樹は何本もの木が絡まったように葉の1枚1枚がほんのり光っていた。
「夜にはこの光が消える。世界樹よ、調子はどうだ?」
「ああ、シエル...そちらは人間のラルクだな」
「世界樹って本当に喋るんだ...本の通りだ...」
「うむ、なかなか面白いな、人間は。お前の言っていた通りだ。ラルク、世界樹は元々喋らない。だが歴代の帝王たちがこの世界樹に眠っておる。それゆえ、世界樹が喋るようになったんじゃよ」
「へー...歴代のすごい。」
「ラルク、わしのこともよろしくの、何か困ったらここに来れば良い。現役程ではないが力にはなれるだろう。」
「ありがとうございます」
「ふふ、素直な人間は好きだ。して、ラルクおぬしちょっと変わり者だな。悪い意味ではない、面白いという意味でな。人は周りの目を気にして己を出さぬ。シエルの事だ、お前の心は読めている。シエルは読心術が得意だからな。もっとワガママを言うくらいの方が、いい」
「はい...でも私は...」
「なーに、ラルクよ自分を封印することは無い。おぬしの趣味が女の子の様だとしても、お前の作ったもので美味いと喜ぶものがいる。これは間違いない事実じゃの。少なからずわらわがそうじゃな」

一ヶ月前、ラルクが自分は欠陥品だと言ったのは趣味が女性、そして感情の欠陥ということなのだ。恋愛対象は女の子だが。

「ラルクよ、今日わしと話したのも何かの縁。これをもっておゆき。シエル、そろそろ帰れじいが探しておる」
ラルクが貰ったのは立派な魔法の杖。装飾は三日月をベースに夜空をイメージしていた。

「ありがとうございます!」
「行くか...。」

帰るとじいがみっちり何をしていたのか、など、こってりしぼられた。
「だいたい女王陛下!お仕事はどうしたのですか!」
「頑張っておるものに褒美を与えて何が悪い!それに仕事なら片付いておる!」
「はあ、ラルク殿、お昼ですから食べてきなさい。」
「はい、失礼します」
ラルクが出ていくのを確認して、シエルはため息をついた
「じいよ、どう思う?」
「心の闇が深いですね、自分の育った国なのに潰そうとしている。何がそうさせるのかこのじいにはわかりませんが。」
「あやつにとって地位やお金などはどうでも良いもの。この一ヶ月、あの闇は消えぬ。」

「女王陛下、一つこちらにサインをください」
じいがペラっと出した紙はラルクの休暇とシエルの休暇を申請する紙。そしてシエルの仕事を重鎮たちが帰ってくるまで、肩代わりするというものだった。
「...あの者を変えられるのは女王様だけです。お2人で旅行でも行ってきたらいかがですか?」
「ああ、悪いが頼む。」

従者たちの食堂からラルクが戻ってくるのを狙って、ラルクを捕まえて、シエルの自室へと移動した。
「すまんの、雑で。ラルク、お前に休暇がでた。わらわにも、の。支度でき次第旅行行くぞ。」
「え、シエルも...?」
「じいが気を利かせてくれたわい。」
ぺらっ、とシエルの手には2枚遊園地のチケットがあった。
「さて、しばらく窮屈だが、人の姿になるとしよう。」
シエルがしゅるるる、と縮んで、人の姿になると、ラルクの手を引っ張り、空飛ぶ馬車に乗り、ホテルで一つずつ部屋があり、各々部屋に荷物を置いて、くつろいだ。

ちなみに遊園地は明日にすることにした。
ここは人間の国。それゆえ変化は解けない。まだ夕食まで時間もあるため、シエルはお隣のラルクの部屋へ向かった。
「ラルク」
「うわああああ!!」
「...何をしておる、着替えるのには早いぞ」
「の、ノックぐらいして...シエル...」

浴衣にお着替え中だったラルクにシエルは何も思わず、ひょいっとあがって、座った。
「おお、ラルク似合うな。」
「そ、そう?」

シエルが四つん這いで近づき、ラルクの鎖骨をなぞった。
「うわあ!」
「ほう、綺麗なラインをしておる。」
興味本位なシエルに翻弄され、ラルクが真っ赤になった。
シエルがラルクの浴衣をはだけさせ、鎖骨の真ん中からみぞおちまでを人差し指でなぞった。
「し、シエル...」
「ふむ、筋肉も程よいな。腹筋割れておるな。」
シエルはラルクのお腹をつついている。

「っ、シエル!」
「ははは、そんなに怒るな。」

シエルはラルクの頬に手を添えて、唇にキスをする。
「言ったはずだ。おぬしはわらわの夫にすると。」
艶っぽい声で、目を細め、ラルクの目を下から見上げる。
「っと、ラルク。忘れていたな?ああそうだ、せっかくじゃ、夕餉はこちらで共に食べよう。城では出来ぬからの。しかしじいめ、いくら言っても聞かぬのじゃ。ラルクの良さを」
「...シエル、本当に...俺でいいの...?」
「じゃなかったらあんなことせぬわ。何よりラルクは気配りも思いやりも出来る。じゃからの」
シエルの言葉を遮ってラルクがキスを返した。
「...ふっ、ようやく認めたか。ラルク。お前はお前のままでいいのだ。おぬしを傷つけようものならわらわが蹴散らしてやる。」
「うん」
ラルクのはだけた浴衣を直して、シエルはごろん、と寝転がった。
「人の羨ましいところはこうして上を見ながら寝転がれること。我らも寝転がれないことはないが背中の甲殻が邪魔するのだ。...む?ラルク、あれはなんだ?」
「え、なんだろう...!!シエル!伏せて!!!」

直後ホテルが揺れた。そして緊急火災ベルが鳴り響く。
「ちっ、わらわを狙うか?」
「違う、狙いは俺だ。」

魔法使いがホテルに向かって魔法を使う。ホテル側も有事に備えていたのか一時的な結界が展開されていた。
「なぜラルクが狙われる!?とりあえずここを抜けるぞ!!手を貸せ!」
シエルの手に触れると、ラルクの衣装がドラゴンに乗りやすいような格好になった。
「貴様ら!!何が目的だ!!」
「おい、マジかよ、ドラゴンの王がいるなんて聞いてねえぜ...」
「答えろ!! 」
「そこの王の従兄弟さん狙い。ドラゴンが口出さないでくださいますか?我々の問題ですので」
「ならばわらわの問題でもある。同盟国の問題はこちらの問題でもあるからな」
「...そいつ渡して頂けませんでしょうか」
「無理な願いだな。王から正式に預かっているのでな。さしずめあの賢者の差し金さしがねだろう?ならば余計に渡せぬな。やるなら正当防衛ということでそちら側に報告させてもらうが?」
「ちっ、おい、行くぞ!!」
退散する魔法使いをみて、手で掴んでいたラルクを首に乗せた。
「して、なにゆえ狙われる?ラルクよ」
「俺は王家にとってあっちゃいけない存在だから。王もたぶん殺す機会を伺ってる。俺の母親は、犯罪者なんだ。」
「犯罪?」
「うん、夜泣きがすごかったんだって。その夜泣きで寝れなくて俺を殺そうとしたらしい。母親俺を守って、父親を殺した。もちろん母親は処刑された。俺は孤児院に入れられて、生きるために魔法を覚えた。都合がいい時ばかり利用して、用無しになれば捨てられる。そんなのがずっと続いてた。」
「それは辛いことを思い出させたな...すまない。」
「ううん、シエルが悪い訳じゃないし。俺こっちに来てからすっごい楽しくてさ、みんなが認めてくれてるのがわかって、種族違うけどこんなに仲良くなれるんだって」
「そうか、ならよい。わらわの願いを聞いてくれぬか?」
「何?」
「ラルクがこの先もずっと幸せで生きられるよう、決して道を間違えぬよう。ラルク、もう一度言う」
「ううん、それは聞けない。だからシエル、俺の奥さんになって。」
「ふ、結局同じことじゃの」
「こういうのは女の子に言わせるものじゃない」
「ははは、そうか、そうか。うむ、引き受けた。さて、明日遊園地を楽しむ予定だったが、チケットが飛んでいってしまった。どうするかのぅ」
「あはは、わざと飛ばしたなー!」
「そうじゃ、そうじゃ、笑え笑え!ははははは。行くところは山ほどある。とりあえず夕餉を食べるとしよう。」

御膳に出された舟盛りから何からすべて二人で綺麗に平らげた。
「刺身初めて食べたの、美味じゃった。メニューに追加させるか」
「シエル、お風呂行こう」
「うむ、ラルクの遠慮が無くなってわらわは嬉しいぞ」
「ふふっ、ありがとう。」
「さて、準備してくるからここで待っておれ」
5分ぐらいすると、シエルが部屋に戻ってきて、シエルの胸の大きさに驚きを隠せなかった。普段潰しているために、わかりずらいが、とても大きく、綺麗な形をしていた。
「ははは、そんなに見るものでもないぞ。触るか?」
「え、いや、いいです...」
「さて風呂じゃ。何処だ?」
「うーん3階って言ってた気がする」

エレベーターで、降りて、それぞれが風呂に入り、シエルより先にラルクが出ていた。
「待たせたか?」
「大丈夫、さっき出たところだから」
「そうか、風呂から出たらミルクだろう?ほれ」
「ありがとう」

ミルクを飲みながら、シエルがぽつらと話し始めた。
「泣くことなど赤ん坊の仕事じゃ。それを...のラルク、わらわ少し考えたのだが、正式にこちらの民となる気はないか?城のものは皆おぬしを認めておる。そして今後我が国のためにその力を貸して欲しい。ま、個人的な感情入りだがの」
「できるの?なれるならなりたい」
「ちーと部屋に戻るぞ」

ラルクに割り当てられた部屋に着くとシエルが鍵を閉めて、コップに水を張った。
「じい、聞こえるか?」
「陛下、ご無事で...」
「ラルクの住民登録証を作れ。正式に婚約した。あと国の子供たちをなるべく外に出さないように指示せよ。戦争だ。」
「いったい...なにが... 」
「人が攻めてくる。自らで作った傷をわらわに傷つけられたと言ってな。同盟も今すぐ破棄せよ。ラルクについては明日話す。」
「ラルク殿、いえ、ラルク様、女王陛下をお願いします。」
「はい」

通信が切れた。
「ラルク、なるべく」
「ううん、こうなったのも俺のせいだから、ちゃんと自分も見届ける。」
「...おぬしの覚悟しかと受け取った。」

寝て起きて、朝食バイキングに向かい、戦争前とは思えないぐらいに楽しく過ごした。
「ラルクたこさんうぃんなーとやらよこせ!」
「取ってきなよ」
「補充はもう終わりなのじゃ!!すっからかん!」
城では気を張り詰めているシエルもここでは自然体だった。

「さてさて、チェックアウトもしたし、海にでも行くか?」
「国の事はいいの...?」
「今行ってもわらわがすることはなんもない。ドラゴンが暴れるということは地図を変えるのだ。今のうちに見ておけ。」

荷物を郵送して、近くの海に向かった。

「お?ラルク、運がいいぞ、巨大たこと巨大イカがいる」
「すごいもめてる...」
「バーベキューもよいな、よし、狩ってくる」
「え!?シエル、ちょっ」

シエルは大きく羽ばたいて巨大たことイカをものの数秒で狩り、ドラゴンよりも大きいタコとイカを魔法で、捕らえた。

「大漁、大漁。流石に二人だとデカイからの、足1本取って...城に送る。」

鋭い爪で、切り裂き、ブラックホールのようなところにデカイ胴体などを放り込んだ。

「このくらいで良かろう。」
どこからかたこ焼きセットと材料が出てきて、上手くくるくると回し始めた。
「シエルたこ焼き作るの上手」
「好きでの、だがあまりにも好きすぎてたこを絶滅に追いやった事があるからなかなか城では食べさせてくれない。そこにピックがあるだろう?ラルクもやってみるといい」

見様見真似でラルクもくるくるとたこ焼きを丸めていく。
「よし、もういいぞ。あとは美味しくいただくだけだ」
またどこから出したのかわからない紙皿にひょいっと乗せ、ラルクに渡して、自分の分もとって、爪楊枝つまようじで砂浜に座り込み、食べ始めた。
「たこ焼きは美味じゃ、カリッとろっが美味。」
「ふー、ふー、はむ」

ラルクも食べ始めたのを確認して、シエルが微笑み、海に願い事をした。

どうか今までの辛いことを波でさらい、幸せを。と。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

とある伯爵の憂鬱

如月圭
恋愛
マリアはスチュワート伯爵家の一人娘で、今年、十八才の王立高等学校三年生である。マリアの婚約者は、近衛騎士団の副団長のジル=コーナー伯爵で金髪碧眼の美丈夫で二十五才の大人だった。そんなジルは、国王の第二王女のアイリーン王女殿下に気に入られて、王女の護衛騎士の任務をしてた。そのせいで、婚約者のマリアにそのしわ寄せが来て……。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

上手に騙してくださらなかった伯爵様へ

しきど
恋愛
 アイルザート・ルテシオ伯爵は十七歳で家督を継いだ方だ。  文武両道、容姿端麗、人柄も良く領民の誰からも愛される方だった。そんな若き英雄の婚約者に選ばれたメリッサ・オードバーン子爵令嬢は、自身を果報者と信じて疑っていなかった。  彼が屋敷のメイドと関係を持っていると知る事になる、その時までは。  貴族に愛人がいる事など珍しくもない。そんな事は分かっているつもりだった。分かっていてそれでも、許せなかった。  メリッサにとってアイルザートは、本心から愛した人だったから。

二年間の花嫁

柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。 公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。 二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。 それでも構わなかった。 たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。 けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。 この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。 彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。 やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。 期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。 ――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~

黒塔真実
恋愛
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。

処理中です...