22 / 183
出会い
第22話
しおりを挟む
「鹿島どうする?」
「んん~レモンサワーかな」
「山笠くんは?決まってる?」
「あ、僕は麦茶で。お願いします」
あぁ、そうか。未成年だから。
そう心の中で思う。
「お2人は決まってます?」
そう根津姉妹に尋ねる。
「私ビール飲みたい!」
「ダメです。良かった1人で来させないで」
「ちぇっ。じゃあお姉ちゃんのビール1口頂戴」
「あげないし、私ビール飲まないし。アスピスサワーとアスピスお願いします」
「つまんないの」
姉妹らしい会話でつい聞き入ってしまう。
「了解しました。あのっ!すいませ~ん!」
と僕は左手を高々挙げて店員さんを呼ぶ。
座敷席やテーブル席へ注文を聞きに2人の店員さんが立っていた。
キッチンの奥から3人目の女性の店員さんが
「はいぃー!今行きますね!」
とこちらに来てくれた。
「ご注文お伺いします」
「アスピスサワーとアスピス。あと麦茶とレモンサワーと紅茶ハイお願いします」
1つ1つ確認するように「はい」と相槌をうつ店員さん。注文が終わろうとしたとき
「あっ、枝豆とフライドポテトと唐揚げもお願いします」
と奥から鹿島が追加で注文する。
「食べ物のほうは後ほどお持ちする形になってますのでご了承ください」
と女性店員さんが言う。
「はい、お願いします」
と鹿島が言う。女性の店員さんは手元の注文用紙に書き込み
その紙から顔を上げこちらに笑顔を向けると
「了解しました。少々お待ちください」
と言い
「今伺いまーす!」
と他のテーブルに向かった。
「そっか。2人は18歳だもんね?」
と鹿島は山笠くんとヒメちゃんの顔を見て言う。
「そうなんですよ~しかもお姉ちゃんもお母さんも厳しくてお酒飲んだことなくて」
「当たり前だから。未成年なんだからね?」
「ほら、ね?お姉ちゃん堅いんですよ」
「まぁ法律もそうだしね?」
「えぇ~鹿島先輩もお堅い人ですかぁ~。
でも鹿島先輩は未成年のときから飲んでそうですよね」
「お酒まだかなぁ~」
「あっ!話逸らした」
と2人が笑った。その様子をみて山笠くんも笑っている。
妹の横では少し心配そうなお姉ちゃんが微笑んでいる。
厨房からは食器同士が触れ合う音が聞こえてくる。
それぞれのテーブルでなにかしらの会話がなされ
「居酒屋」という雰囲気が出来上がってきた。
やがて各テーブルに店員さんがジョッキやグラスを持ち向かう。
程なくして僕たちのテーブルにも先程の女性の店員さんがやってきて
「はい、こちらアスピスサワーと」
と言われキサキさんが手を挙げ
店員さんがキサキさんの前にアスピスサワーの入ったグラスをスライドさせる。
「アスピスと」
今度はヒメちゃんが手を挙げる。一度キサキさんの前に置かれたグラスを
キサキさんがヒメちゃんにスライドし渡す。
「麦茶と」
僕の前に置かれたグラスを左の鹿島にスライドさせ
その鹿島がさらに左の山笠くんへスライドさせて渡す。
「紅茶ハイと」
軽く手を挙げ、自分の前に置かれて軽く頭を下げる。
「レモンサワーになります」
僕は鹿島にパスをする。
「お、さんきゅ」
「あと枝豆とフライドポテトと唐揚げですね。後ほどお持ちしますね」
そう言い華麗に去って行った。
「とりあえず飲み物手元に来ました!?まだ飲み物ない人ー!?」
座敷の奥の4年の先輩が立ち、他の席を見渡している。僕も周りを見渡す。
2つのテーブルで7から9人くらいの人が手を挙げていた。
すると程なくして2人の店員さんがその2つのテーブルに飲み物を持って訪れた。
それを見た先程の4年の先輩が
「はいっ!どうやら今いる皆さんには飲み物が行き届いたようなので
とりあえず乾杯をしたいと思います。では僕が代表して。
えぇー1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
きっとこれから楽しい4年間が待っています。
まぁ4年じゃ済まない人もいるかもしれませんが」
各テーブルからクスクス笑い声が聞こえる。
「それに加え、我がテニスサークルに入ってくれてありがとうございます。
皆さんの楽しい4年間をより楽しくできるように
今回のこの新入生歓迎会で先輩たちや
同じサークルの新入生同士で交流し仲良くなってください!
皆さんのキャンパスライフに幸あれ!カンパーイ!」
「「カンパーイ!!」」
各テーブル、恐らく全員が乾杯の音頭に合わせてて言う。
もれなく僕も大きな声でではないが言った。
「意外と良いこと言ってたね」
鹿島がレモンサワーを1口飲み、グラスをテーブルに置いて僕に言う。
僕も鹿島のその言葉を聞きながら紅茶ハイを1口飲み、グラスをテーブルに置いて
「まぁ良いことではあったな」
と鹿島に返す。恐らく心の紅茶のストレートティーを使っているのだろう。
飲み覚えのある味、香りだった。
しかしその飲み覚えのある味、香りを手で包み、握り潰すように
アルコール独特の苦味と重さが口に広がる。
「山笠くんはテニスやるの?」
鹿島が山笠くんに尋ねる。
「あっ、そうですね。一応高校3年間はテニスやってました」
「じゃあテニスサー本家の方だ?」
「本家って」
「まぁあるじゃん?名ばかりのサークルで中身は飲みサーってやつ」
「あぁ、まぁ聞いたことはありますね?」
「オレと怜ちゃんはそっちなの」
と鹿島は左にいる僕を親指で指して言う。
「そうなの。でもこのテニサーはちゃんとテニスの活動もあるから安心して?
オレとか鹿島はいないし、ここに来てる人のほとんどいないと思うけど」
と微笑みながら山笠くんに説明する。説明を終えると同時にタイミング良く
「お待たせしましたぁー。こちらフライドポテトと
かっらっ揚っげっとっ、枝豆になります。こちら取り皿ですねぇ~。では失礼します」
と店員さんが颯爽と去って行く。
店員さんの「唐揚げ」の言い方が妙にリズム感があって耳に残った。
僕の対面に座っていたキサキさんが取り皿と箸を配ってくれようとしていた。
「あ、ありがとうございます。箸は僕がやるんでお皿お願いしても?」
と言うと
「あ、ありがとうございます。じゃあお願いします」
とキサキさんがお皿をみんなに配り始める。
僕も鹿島にプラスチックの黒い箸を4本渡す。そこから2本を鹿島が山笠くんに渡す。
「ありがとー」
「あ、ありがとうございます」
返事の代わりに軽く頭を下げる。
「ヒメちゃん」
と一声かけヒメちゃんにも箸を渡す。
「ありがとうございます!」
テンションの高いお礼だ。
「いーえー」
そう言いながらキサキさんの箸を手に取り対面のキサキさんに差し出すと
同時にキサキさんもお皿を僕に差し出した。
あまりのタイミングの良さに驚き、少し顔を見合わせる。
「あっ、ありがとうございます。ナイスタイミング」
と言い僕は左手でお皿を受け取る。
「めっちゃいいタイミングでしたね」
と言いながらキサキさんは僕から箸を受け取った。
「サラダでも頼んだほうが良かったですかね?」
「あぁ~そうですね?もうちょっとしてから頼みますか」
と微笑みながら答えてくれる。ふと右の3人を見るとこの短時間の間に
鹿島かヒメちゃんを中心に3人がなにかの話で盛り上がっていた。
「んん~レモンサワーかな」
「山笠くんは?決まってる?」
「あ、僕は麦茶で。お願いします」
あぁ、そうか。未成年だから。
そう心の中で思う。
「お2人は決まってます?」
そう根津姉妹に尋ねる。
「私ビール飲みたい!」
「ダメです。良かった1人で来させないで」
「ちぇっ。じゃあお姉ちゃんのビール1口頂戴」
「あげないし、私ビール飲まないし。アスピスサワーとアスピスお願いします」
「つまんないの」
姉妹らしい会話でつい聞き入ってしまう。
「了解しました。あのっ!すいませ~ん!」
と僕は左手を高々挙げて店員さんを呼ぶ。
座敷席やテーブル席へ注文を聞きに2人の店員さんが立っていた。
キッチンの奥から3人目の女性の店員さんが
「はいぃー!今行きますね!」
とこちらに来てくれた。
「ご注文お伺いします」
「アスピスサワーとアスピス。あと麦茶とレモンサワーと紅茶ハイお願いします」
1つ1つ確認するように「はい」と相槌をうつ店員さん。注文が終わろうとしたとき
「あっ、枝豆とフライドポテトと唐揚げもお願いします」
と奥から鹿島が追加で注文する。
「食べ物のほうは後ほどお持ちする形になってますのでご了承ください」
と女性店員さんが言う。
「はい、お願いします」
と鹿島が言う。女性の店員さんは手元の注文用紙に書き込み
その紙から顔を上げこちらに笑顔を向けると
「了解しました。少々お待ちください」
と言い
「今伺いまーす!」
と他のテーブルに向かった。
「そっか。2人は18歳だもんね?」
と鹿島は山笠くんとヒメちゃんの顔を見て言う。
「そうなんですよ~しかもお姉ちゃんもお母さんも厳しくてお酒飲んだことなくて」
「当たり前だから。未成年なんだからね?」
「ほら、ね?お姉ちゃん堅いんですよ」
「まぁ法律もそうだしね?」
「えぇ~鹿島先輩もお堅い人ですかぁ~。
でも鹿島先輩は未成年のときから飲んでそうですよね」
「お酒まだかなぁ~」
「あっ!話逸らした」
と2人が笑った。その様子をみて山笠くんも笑っている。
妹の横では少し心配そうなお姉ちゃんが微笑んでいる。
厨房からは食器同士が触れ合う音が聞こえてくる。
それぞれのテーブルでなにかしらの会話がなされ
「居酒屋」という雰囲気が出来上がってきた。
やがて各テーブルに店員さんがジョッキやグラスを持ち向かう。
程なくして僕たちのテーブルにも先程の女性の店員さんがやってきて
「はい、こちらアスピスサワーと」
と言われキサキさんが手を挙げ
店員さんがキサキさんの前にアスピスサワーの入ったグラスをスライドさせる。
「アスピスと」
今度はヒメちゃんが手を挙げる。一度キサキさんの前に置かれたグラスを
キサキさんがヒメちゃんにスライドし渡す。
「麦茶と」
僕の前に置かれたグラスを左の鹿島にスライドさせ
その鹿島がさらに左の山笠くんへスライドさせて渡す。
「紅茶ハイと」
軽く手を挙げ、自分の前に置かれて軽く頭を下げる。
「レモンサワーになります」
僕は鹿島にパスをする。
「お、さんきゅ」
「あと枝豆とフライドポテトと唐揚げですね。後ほどお持ちしますね」
そう言い華麗に去って行った。
「とりあえず飲み物手元に来ました!?まだ飲み物ない人ー!?」
座敷の奥の4年の先輩が立ち、他の席を見渡している。僕も周りを見渡す。
2つのテーブルで7から9人くらいの人が手を挙げていた。
すると程なくして2人の店員さんがその2つのテーブルに飲み物を持って訪れた。
それを見た先程の4年の先輩が
「はいっ!どうやら今いる皆さんには飲み物が行き届いたようなので
とりあえず乾杯をしたいと思います。では僕が代表して。
えぇー1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
きっとこれから楽しい4年間が待っています。
まぁ4年じゃ済まない人もいるかもしれませんが」
各テーブルからクスクス笑い声が聞こえる。
「それに加え、我がテニスサークルに入ってくれてありがとうございます。
皆さんの楽しい4年間をより楽しくできるように
今回のこの新入生歓迎会で先輩たちや
同じサークルの新入生同士で交流し仲良くなってください!
皆さんのキャンパスライフに幸あれ!カンパーイ!」
「「カンパーイ!!」」
各テーブル、恐らく全員が乾杯の音頭に合わせてて言う。
もれなく僕も大きな声でではないが言った。
「意外と良いこと言ってたね」
鹿島がレモンサワーを1口飲み、グラスをテーブルに置いて僕に言う。
僕も鹿島のその言葉を聞きながら紅茶ハイを1口飲み、グラスをテーブルに置いて
「まぁ良いことではあったな」
と鹿島に返す。恐らく心の紅茶のストレートティーを使っているのだろう。
飲み覚えのある味、香りだった。
しかしその飲み覚えのある味、香りを手で包み、握り潰すように
アルコール独特の苦味と重さが口に広がる。
「山笠くんはテニスやるの?」
鹿島が山笠くんに尋ねる。
「あっ、そうですね。一応高校3年間はテニスやってました」
「じゃあテニスサー本家の方だ?」
「本家って」
「まぁあるじゃん?名ばかりのサークルで中身は飲みサーってやつ」
「あぁ、まぁ聞いたことはありますね?」
「オレと怜ちゃんはそっちなの」
と鹿島は左にいる僕を親指で指して言う。
「そうなの。でもこのテニサーはちゃんとテニスの活動もあるから安心して?
オレとか鹿島はいないし、ここに来てる人のほとんどいないと思うけど」
と微笑みながら山笠くんに説明する。説明を終えると同時にタイミング良く
「お待たせしましたぁー。こちらフライドポテトと
かっらっ揚っげっとっ、枝豆になります。こちら取り皿ですねぇ~。では失礼します」
と店員さんが颯爽と去って行く。
店員さんの「唐揚げ」の言い方が妙にリズム感があって耳に残った。
僕の対面に座っていたキサキさんが取り皿と箸を配ってくれようとしていた。
「あ、ありがとうございます。箸は僕がやるんでお皿お願いしても?」
と言うと
「あ、ありがとうございます。じゃあお願いします」
とキサキさんがお皿をみんなに配り始める。
僕も鹿島にプラスチックの黒い箸を4本渡す。そこから2本を鹿島が山笠くんに渡す。
「ありがとー」
「あ、ありがとうございます」
返事の代わりに軽く頭を下げる。
「ヒメちゃん」
と一声かけヒメちゃんにも箸を渡す。
「ありがとうございます!」
テンションの高いお礼だ。
「いーえー」
そう言いながらキサキさんの箸を手に取り対面のキサキさんに差し出すと
同時にキサキさんもお皿を僕に差し出した。
あまりのタイミングの良さに驚き、少し顔を見合わせる。
「あっ、ありがとうございます。ナイスタイミング」
と言い僕は左手でお皿を受け取る。
「めっちゃいいタイミングでしたね」
と言いながらキサキさんは僕から箸を受け取った。
「サラダでも頼んだほうが良かったですかね?」
「あぁ~そうですね?もうちょっとしてから頼みますか」
と微笑みながら答えてくれる。ふと右の3人を見るとこの短時間の間に
鹿島かヒメちゃんを中心に3人がなにかの話で盛り上がっていた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる