自ら踏みにじった恋

犬野花子

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奪いたいのは君の蜜

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 お互いの部活が午前中だったとある土曜日に、また駅からチャリの後ろに乗せて家に向かう。

 まさか、またノコノコついて来るとは思わなかった。さすがに解ってるよな? オレの家に行く意味……。
 単純に、ヤれると喜べばいいのになんだろこのガッカリ感は。
 ……誰でもいいのかよ、こいつ……。

 相変わらず小さい面積でギュッとオレのブレザーを掴む手をチラリと見やった。

「……一ノ瀬君、お昼ご飯は?」
「え?……あ、そうだな。親仕事だから土曜は買って帰るんだけど、コンビニ寄るか?」
「うん」

 通り道のコンビニでそれぞれ買って出て、またチャリに乗る。
 ヤる前の栄養補給だなこれ。何も考えずに焼き肉弁当買ってしまった。
「お前、何買ったの?」
「サンドイッチ買った」
 ……オレだけやる気満々の栄養補給だな。



 台所から麦茶とコップを二階へ持ってあがって、小さなローテーブルで向かい合って無言で食べる。
 食べ終わってしまうと手持ちぶさたになってひたすらお茶を飲む。
 向こうも特に何か言ってくるでもなく大人しく座っている。

 沈黙がキツいのはオレだけかよ。

「……なあ、なんで今日来たの?」
「え……うん……」
「オレ、一応何度か逃げるチャンス与えたつもりだったんだけど」
「……」
「……お前、ひょっとしてこーゆーことしょっちゅうやってるとか?」
「ち、ちがう! そんなことしないっ」
 さっきまで大人しかったのが嘘のように頭を振った。
「ふーん……」
「あの、一ノ瀬、君は……?」
「は?」
「誰かを、こうやって誘ってきた、の?」

 何故かどう答えようかと止まってしまった。
 もちろんこんなこと初めてだけど、何度もやってきたと言えばコイツはもっと傷付くだろうかと、考えてしまった。
 でも結局今からやっちゃえばバレることだよな。

「オレ、童貞」
「……え?」
「下手くそだったろ?」
 自虐を込めて言うと、何故か秋本のほうが顔真っ赤になっていた。
「そ、そうなんだ……あ、そうなんだ……」
 どんどん小さい声で俯いていく。なんだ?

「じゃ、やる?」
 そう意地悪く投げかけると、ピクッと揺れたが、小さく頷きやがった。
 ……調子狂う。

 立ち上がって制服を脱ぎはじめたオレに、挙動不審に所在なげにしていたが、やがてブレザーを脱ぎはじめた。

 ……まじかよ。

 オレは段々違う不安が出てきてしまった。
 今日ひょっとしたらオレの脱童貞の、手取り足取り教えてもらう側になるんじゃないだろか。

 パンツは履いたままでベッドに上がると、ブレザーと靴下は脱いだようだが、そっから手が止まってしまっていた。
 たぶんオレが手慣れた経験者なら、目の前で本人に脱がせるとかしたんだろうけど、そんな余裕もなく、また立ち上がって秋本の前に行くとスカートを脱がしにかかった……のだが。

「これどうやって外すの?」
 屈み込んで横にあるチャック付近を必死で見る羽目になった。
「あ、や、やります……」
 秋本の細い指がホックのようなものをパチリと開くとスカートがストンと落とされた。

 めげずに今度はシャツのボタンを上から外していく。すぐに白いレースが張り付いたようなブラが覗いて、背中に手を回してホックをグニグニと、2、3度くねらせて外す。肩紐を腕から抜くと、小ぶりだが丸く整った胸が現れた。

 下から掬うように揉むとふにゃふにゃと形を容易く変える。
 ほんとに、なんでこんな柔らかいんだ。ずっと触ってられるなこれ……。

「ふうっ」
 秋本から声が漏れて思い出したように顔を見ると、目を瞑って斜め下に俯いて耐えているようだった。
 顎をクイッと指先で持ち上げ唇に吸い付くと、抵抗もなく柔らかだった。

 ……どこもかしこも、柔らかい……。

 くちゅくちゅちゅううう。
「んふっう! んんっ」
 夢中になりすぎて手が止まってしまう。オレも秋本も唇の周りが唾液だらけだった。

「はぁ……秋本、パンツ脱いでベッド上がれ」
「……は、い」
 言われるまま自分で脱ぎ出して、なんだか目を反らしてしまった。
 そのオレの前を通って、言われた通りにベッドに上がる。
 オレもすぐ上がって座った状態だった彼女を押し倒して、胸にかぶりつく。
「あっ!」
 強く吸い続けたりペロペロとただ舐めたり。何がどうやればいいかなんてわからなくてただ自分のしたいようにやる。
 右手で固くなった先端を押し潰してみたり捏ねてみたり。

「はああっ!! あっ!」
 刺激が強すぎなのかオレの下でバタバタと手足を小さくベッドに打ち付けている。でも押し退けようとはしていなかった。
 だからオレも遠慮なくしたいことをする。

 右手を下に持っていき、撫でてみるとすでにそこらは濡れていて、溝を滑らせるように何度も撫でるとぐちゃぬちゃといやらしい音が鳴る。

 昔カズヤの兄貴の部屋で見た映像や雑誌を思い浮かべながら手を動かす。
 溝の上あたりに確か……。ダメだ、手に集中すると胸が触れない。

 オレは胸を諦め秋本の脚の間に位置を変えようと移動すると、
「え、は、恥ずかしい……」
 と今にも泣きそうな声を出された。
「でも、オレ初心者だから見ながらじゃないとわかんねえ」
「あ、で、でも……あ、カーテンは?」
 帰って来てそのままだったから薄い白カーテンしか窓を遮ってなくて比較的部屋は明るいままだった。

 オレは窓から目の前に横たわる秋本の身体に視線を戻し、ジーッと見下ろす。慌てて胸や下半身を手のひらで隠している。

 ……なんかすげえエロい現場だなこれ……。

 オレは立ち上がってモスグリーンのカーテンを引いた。遮光じゃないからぼんやりと部屋は明るい。
「どう? これならいいか?」
「う、うん。ありがと……」

 ……だからお礼言われる立場じゃないって……。

 また脚の間に座り込み、覆っている秋本の小さな手を掴んでどかす。膝も曲げて顔を近づける。
 溝の上に小さな粒を見つけて指の腹でクニクニと、揉んでみる。
「あああっ!」
「これ、合ってる?」
「え?……あ、うんっ! ああっ」
 もう片方の手で挿入口を探す。……全然わからん……。

 とにかく、溝に沿って強く指先を押し込め続けていく。とあるところで、指先が埋まる感覚があって、そこをさらに強く押すとぷにゅりと指が入り込んだ。
「ここかっ!」
 思わず声に出してしまったが、律儀に秋本もかすれ声で「う、うん」と返事していた。

 思いきって奥に指を進めていく、面白いほどぐにゅにゅと埋まっていく。
 だけど、こん中に自分のが入る気がしないこの指の締め付け……。どうすりゃいんだ? 指増やすんだっけ?

 何度か出し入れして指を2本にしてみるが、きつい。
 ぐちゅぐちゅと、凄い音がして、秋本はベッドのシーツをギュウッと掴んで耐えている。
「大丈夫か?」
「う、うん」
「……オレ、ちょっともう限界なんだけど、挿れていい?」
「……あっ……う、んっ」

 指を引き抜くとドロドロになっていた。……オレのなんかでこんな、なるのか……。

 パンツを脱ぎ捨てカバンに入れていた銀袋を取り出しスマホで事前に調べた通りに装着にかかる。
 秋本の上に位置を取り、脚を持ち上げて腰を近づける。
 最初から痛いほどギンギンになっていたソレを溝の中に添え、ぐぐっと押し付ける。

「んっ」
 少し位置が違ったようだが、濡れていたおかげで軌道修正されて滑るように入り口に誘われていく。
 にゅり。
「ああっ」
 ぐにゅり。
「くっ……き、きつくてはいんねえ」
「いっ……いた、い」
「え? 痛い?!」
「うっ……はあっ」
「ちょっと、もうちょっとだけ……」
 さらにグググと押し込めるが、こっちも狭いわ痛いわで、これ以上進める勇気がない、だが辛い!

 少し抜いて息を吐く。先っぽだけ挿れた状態で、途方に暮れて腕の間にいる秋本を見下ろすと、あっちも同じような表情をしていた。

「……どうしたらいいんだ?」
「え?……」
「入る気がしない」
「……」
「お前、経験してんだろ?」
 一瞬息を呑んだかと思うと、
「し、してないっ! 初めてだよっ!」と叫ばれて今度はオレの息が止まった。

 ……はい?……今なんて?

「わ、わたしだって初めてだしっ、い、痛いのでいっぱいいっぱいですっ」
「え……そうなの?」

 簡単に付いてきたりするから、てっきり……。それでこんなにキツいってこと?

 オレはなぜか勝手にモヤってたものが晴れた気がして首を傾げた。

「あのさ……やめよっか?」
「え……」
「なんか、ごめんオレ勘違いしてたかも……」

 名残惜しげに挿れていた自身を抜いて、後ろに身を引こうとしたその時、オレの腕を掴んだのは秋本の震える小さな手だった。

「?」
「……あの、痛くても、耐えるからその……続けてください……い、一ノ瀬君が、嫌じゃなければ……」
「…………」

 なんだ、これ。なんだこれ……なんだこれ?!

 自分でもわかる、オレ今絶対顔赤いぞ!
「ばっバカかお前! 男が嫌な訳ねーじゃん! ヤりたい盛りをなめんなっ!」
 秋本の脚を持ち上げ、なぜかさらに痛くカチカチになった自分のモノを入り口にあてて、ぐにゅりと先端を埋め込む。
「はっあっ!」
「もうやめねえぞ」
「う、うん……」
 グググと再び侵入させる、どうしても途中からキツく進まない。

 オレは無意識に秋本の胸に吸い付いてひたすらちゅうちゅうと音を立て、右手で粒の部分をグニグニとすりつぶして、なるべく痛みを無くそうと試みる。
「あっあああっ!」
 ぐちゅりとさらに下が蜜を増やしたような気がする。

 腰を少しずつ細かく動かしながら、ちょっとずつ奥に強めに押し込む。
 ぬちゅにゅちゅぬちゅにゅちゅ。
「あああ、いっ……」
「くっマジキツい……」
「い、たい……」
「ごめん、もうっ、無理っ」

 オレの意思とは勝手に腰が暴走しているように、ひたすら押し込んでいる。その勢いのまま奥に貫いた。
 ひときわ狭い隔たりを抜けていった感触があって、秋本がギュッとオレの腕を痛いほど掴んできた。
 歯を食い縛るように苦痛に耐えている秋本を見て、なんだか可哀想になってきた。

「ごめん、な……動くぞ」

 それでもオレはやめられない。
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