夢に向かって翔け

結城時朗

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第二章

ありがとう

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ーー夢の中ーー
英二は、夢の中で再び例の居酒屋にいた。
目の前には枝豆とビールがあった。
勢いよく飲む英二。
すると前のように親父さんが入ってきた。
引き戸の音の方向を見ると、手をあげ「やぁ」と挨拶する親父さんがいた。

この後時代では、3ヶ月以上の時間が経っていた。
「君を久しぶりに見たが、変わってないな。  どうだい?脚本ホンは出来たか?」
「はい!  無事に脱稿しました!  しかも1次審査も通ったんです!」
「ほう!それは良かった!  ぜひ読ましてくれないか?」
「その前に、お話があるんです」
「なんだね」
「前にもお話しましたが、僕は50年先の未来から来たんです。だから今から見せる脚本ホンは、50年後の未来を知ることになります」
「50年でも、100年でもいい。  君が言う未来にはもう私はいない。 知ったところでどうもできないだろう」
しばらくの沈黙が続き

「では、こちらになります」
「どれ。  50周年記念作品。  そうか、未来ではこんなに愛されてるのか・・・」
脚本ホンを読んでいく円谷。
しばらく読み込み続ける。  

読み終え、開口一番に
「中々面白かったよ!  ただ、一つだけ!」
「・・・」
「作品を愛してくれて、ありがとう」

そう言われた途端、意識が遠のいていく英二。


ーー現在・リビングーー
目を開ける英二。
自分が元の部屋にいることを認識する。
「夢か・・・」
胸元に抱いていた脚本ホンを抱え起き上がる。
すると1枚の紙が落ちる。
「うん?」
自分の字ではない、達筆な字で
<夢に向かって翔け>
そう書かれていた。

それを見るやいなや、頬に一筋の涙が流れる。
「なんで泣いてんだろ・・・」

ーーそれから数時間後ーー
美波が帰ってきた。

「ただいまー」
駆け足でリビングに入ってくる美波。
「やったね!  頑張ってきた甲斐があったね!」
英二に抱きつく。

「なんだよ急に・・・」
「ありがとう!  2次も頑張ろうね!」
「こちらこそ!」

2人は、祝勝会として、夜中も語り明かした。


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