夢に向かって翔け

結城時朗

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最終章

本放送

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ーー半年後・帝国スタジオーー
英二たちのシナリオを基に進められたヒーローシリーズの記念すべき100作目がクランクインする。

助監督が叫ぶ。
「では、記念すべき100作目、クランクインします。  では第1話シーン15カット5、9、17、19」
ドラマ監督の声が響く
「ヨーイ、アクション!」
カメラが回る。
防衛隊のセットの扉が開き、隊長役と主役の俳優が入ってくる。
隊長役は、バイプレイヤーとして人気の俳優竹村哲司
主役は英二が好きだと話した、黒川栞だった。
「みんな、このチームに新しく加わることになったハヤミリンだ」
「ハヤミです。  この度UNG極東支部に配属になりました。  これから宜しくお願いします!」
「カット!  はい、チェックするぞ!」
撮った映像をその場で確認する監督たち。
それを見る英二と美波。
「夢、叶ったね」
「美波、ついてきてきてくれてありがとう!」
「まだまだこれからよ!」
「だな」
ふと、何かを感じ振り向く英二。
そこには現場を見守る微笑む円谷英二の姿があった。
「えっ?」
円谷の前を人が通り過ぎると同時に姿は消えていた。
「どうかした?」
「いや、なんでもない」
助監督が叫ぶ。
「1発OKです!  次のシーン行きます!」


ーー5ヶ月後・都内ホテルーー
新作発表会見が開かれている。
司会者が、次々と出演者を発表していく。
「防衛隊、隊長ニイナヨシヒデ役、竹村哲司さん。  副隊長ナカムラミオ役  川上晶子さん。  チーム随一の射撃名手ツチヤジュンジ役、菱川正恭さん、科学者兼隊員のカスガマサナリ役、木谷豊樹さん」
拍手で迎えられている。
「通信オペレーター、カワタマオ役西川聖来さん」
全員が立ち位置に立つと、少し間を置いて進行する。
「そして、今回の主役を務めるハヤミリン役  黒川栞さんです」
舞台袖で様子を見る英二と美波。
「何か怖いな」
「なんで?」
「この後喋るとなると、心臓が口から出そう」
「大丈夫だって!   ていうかアンタが緊張するとこっちも緊張するからやめて」
「無理だって!」
その頃舞台では、黒川が喋っている。
「この歴史あるシリーズに参加出来ることはとても光栄に思っています。  初めて殺陣に挑戦したりしてて、」
進行役のスタッフが案内する。

「これから、小さなお子様をはじめ、歴代シリーズを観てきた方にも楽しんでいただける作品を届けたいと思います。  ぜひ土曜朝にお会いしましょう!  ありがとうございました!」
深々と頭を下げると、他の出演者も頭を下げる。
「続いて、この作品の脚本を担当した方をお呼びしたいと思います。  メインライターを務めるのはお2人です。  この作品の原案は、昨年行われましたシリーズ新作品、公募シナリオコンテストで大賞に選ばれた作品を基に製作しています」
深呼吸している英二。
「では、登場していただきましょう。  盛大な拍手でお出迎えください」
登壇する英二と美波。
「ご紹介します。  メインライターの宮澤英二さん、竹中美波さんです」
「はじめまして。  ご紹介に預かりました宮澤と申します。  初めての舞台挨拶?  なので緊張していますが宜しくお願いします」
続けて、美波が挨拶する。
一礼した際に、ベタにマイクに頭をぶつける美波。
場内に笑いが起こる。
「すみません。  緊張してまして・・・   同じく、宮澤とメインライターを担当します竹中と申します」

司会者に、応募した経緯や、作品のポイントなどの質問に答える2人。

ーー翌日・リビングーー
「買ってきたよ、スポーツ紙全部」
芸能面に大きく大々と載る会見の写真。
反応を調べるためTwitterなどを見る英二。
「美波のことで盛り上がってるよ」
「なんで?」
「お茶目な脚本家」「美人すぎる脚本家」「竹中さんめちゃタイプ」だってさ
「やめてよ!  恥ずかしい」
「良いですね注目されて」
「嫉妬?」
「んなわけあるか!」


ーー7ヶ月後・7月8日ーー
時計は朝8時59分を指している。
「始めまるよ!」
「録画してる?」
「大丈夫!」
9時を指す時計。
オープニングが流れる。
テンポの良い格好いい主題歌が流れる。
第1話タイトルが出る。
【巨人降臨】
登場怪獣が併記されている。
テレビに集中する2人。
あっという間にエンディングが流れる。
次週予告が流れ終わる。
「終わった・・・」
「終わった・・・ね・・・」
徐々に興奮が高まる。
「やった!  放送されたよ!」
「長かったね!」
「長かったけど、これからだよ!」
「そうね、最終回三部作書くよ!」
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