創作短編小説

結城時朗

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憑依

事件

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ーーとあるレストランー

藤村俊一は、安藤聖奈にプロポーズをしていた。

聖奈「嘘! 私に?」
俊一「俺と結婚してください!」
聖奈「宜しくお願いします!」
渡されたケースを開ける聖奈。
中にはシトリンの宝石が18Kゴールドで作られているネックレスが入っていた。
俊一「指輪じゃなくてごめん! 」
聖奈「指輪じゃなくてもいい! 嬉しい!」
ネックレスをつける聖奈。
聖奈「どう? 似合ってる?」
俊一「似合ってるよ! ありがとう!」
聖奈「改めて宜しくお願いします!」

ーー帰り道ーー
聖奈「このネックレスどこで買ったの? あまり聞かない宝石だし」
俊一「この前、仕事で出張した時にあった古美術店で、売ってたんだ。 聖奈って俺の中の
 イメージカラーが黄色だから、似合うの探してたら、たまたまあってさ」
聖奈「私、黄色なの?  ずっと緑とかそういう感じだっただけどなー自分の中ではね」

ーー聖奈の住むマンションーー
俊一「また、今度ね!」
聖奈「うん、大切な1日なったよ! 本当にありがとう!」


ーー異世界ーー
闇が支配する世界。
その世界には赤黒く光る宝石があった。
辺りに響き渡る地鳴り声
声「あーーー! まだ支配できないのか!」
そこへやってくるタイトな服を来た女がやってくる。

女「サンドッツ様、お許しください。 いかんせんあの手この手を使って仲間となる者を集めていますが、まだまだ足りない状況です」
サンドッツ「お前、本当にやる気があるのか?」
女「あります!  もう少しお待ちください!」
サンドッツ「もう少し様子をみようじゃないかレントよ」
レント「ありがとうございます」

ーー現世界ーー
宝石を見つめる聖奈。
聖奈「幸せだな~」
ネックレスを箱にしまう聖奈。
そのまま風呂へ向かう。
箱に入れた宝石が光る。

寝る前に枕元にネックレスの箱を起き、眠りに入る。
深夜3時。箱が突然開き、ネックレスが中に浮き始める。
聖奈の首に目掛けネックレスが絡みつく。
苦しむ聖奈。

ーーとあるテナントビルーー
残業をしている女性がいる。
そこに、近寄る人影。
視線を感じ振り返る女性。
女性「誰ですか?あなた」
そこには、髪の色が変わった聖奈がいた。
聖奈「あなた、自分がこんな目にあってることにバカバカしくない?」
女性「何言ってるんですか?」
女性の顔に近づき。
聖奈「私の目をみて」
聖奈の目を見る女性
聖奈「あなたの願い事叶えてあげる」
女性「私の願い・・・」
意識が遠のいて行く女性。
高笑いをあげる聖奈。
姿を消す聖奈と女性。

ーー翌朝ーー
聖奈「変な夢見た」
そのまま、出勤準備をして、鏡台の前に座り、俊一から貰ったネックレスをつけ、家を後にする。
首元で軽く反射する宝石。

ーー会社(昼過ぎ)ーー
同僚の早川と社員食堂に向かう聖奈
早川「聖奈?、そういえばそのネックレス買ったの?」
聖奈「えっ?気になっちゃう?」
早川「そりゃ、気になるでしょ!」
聖奈「実はさ、彼氏からプレゼントされたんだよねー。プロポーズと一緒に」
早川「羨ましいわー!  私も彼氏欲しいなー」
聖奈「2課の竹村さんとか良いんじゃない?」
早川「ないない! 超やり手の営業マンだよ!  一社員で、事務の私が見向きされるわけないじゃん!」
そこへ通りがかる竹村。
竹村「なに? 俺の事呼んだ?」
早川「えっ?  いや、そんな、」
聖奈「動揺しすぎ!   ここにいる早川が、竹村さんのことが気になってるらしくて」
竹村「へー! 早川さんね!  覚えとくよ!  今度お茶でもしに行こ!」
早川「えっ?  私ですか?」
竹村「他の人いる?」
聖奈「良かったじゃん!」
竹村「じゃ!」
その場を去る竹村。
早川「どうしよ!  こんなのありえない!」
聖奈「楽しみだね!」
早川「もー!」
聖奈を叩く早川。
聖奈「痛い痛い!」


ーー鉱宝会 本部ーー
代表の宝生斗貴子が演説している。
宝生「良いですか?皆さん。  宝石が輝き続けているのは、大切にされているからです。 
   その宝石のように、皆さんも心を大事にしてください。すると内面から輝いてきます。そうすると自然と若く保とうとするんです」
最もなことを言っているように語りかける宝生。

会場に集まった会員数十人は、各々に褒めたり、磨いたり、胸に当てたりしている。

ーー半月後ーー
家のテレビでニュースを見ている聖奈。
キャスター「続いてのニュースです。東京・品川区に住む女性が行方不明となっているようで警察が身元を公開して捜査しています」
女性が住んでいるマンションを調べている警察の映像が流れる。
キャスター「調べによりますと、品川区に住む松尾奈々美さんが今月上旬から行方不明になっていることがわかりました。(中略)品川警察署は、引き続き事件事故両面で松尾さんの捜索を続けています」
聖奈は、1つのニュースとして見ていた。

ーー異世界ーー
痺れをきらしたサンドッツが叫んでいた。
サンドッツ「レント! まだか!まだ揃わぬの!」
レント「お呼びでしょうか?サンドッツ様」
サンドッツ「何を悠長にしておる! 」
レント「申し訳ありません。まもなくです」
サンドッツ「お前のまもなくは聞き飽きた!」 
声「サンドッツ様、このキキョウにお任せ下さい」
レント「何者?」
サンドッツ「この声はキキョウか、久しぶりだな」
キキョウ「あなたがレントさんですか? お目にかかれて光栄です。 しかし、あなたの新興宗教作戦は、時代に合いません。これからの時代はネットを活用しないと」
サンドッツ「ネットというのは直ぐに集まるのか?」
キキョウ「えぇ、この一週間でこれだけ集めることが出来ました」
虫かごの中に入った複数の人達。
その中には、行方不明になっていた松尾の姿もあった。

松尾「ここから出して!」
キキョウ「威勢のいいやつもいます」
サンドッツ「もっとエネルギーを集めなければならぬ」
キキョウ「心得ております」
その場から消えるキキョウ。
サンドッツは、松尾を含めた複数の人達から生気を吸い取っていった。

ーー現世界ーー
早川「ねぇー、知ってる?  最近若い人が姿消して行方不明になってるって」
聖奈「あー、何かこの前もあったね」
早川「何か怖くない? 噂だと人さらいで、臓器売られて、跡形もなく消されてるみたいなことになってるけど」
聖奈「ホントに? でも怖いよね」
早川「ホントに!」
竹村「何が怖いの?」
振り返ると竹村がいた。
聖奈「竹村さん。お疲れ様です」
早川「お、お疲れ様です」
竹村「怖い話か何か?」
座席に座る3人。
聖奈「最近頻繁に起こってる行方不明の事です」
竹村「あー。  あれさ、実は俺の同級生が警察なんだけど、聞いた話、誰にも言っちゃダメだからね」
3人は、顔を近づける。
竹村「全く、証拠がないらしいんだよ!  誰かが入った形跡も、髪の毛の1本も」
早川「なんなんですかそれ?」
竹村「マジで、迷宮入り案件なんだって」
聖奈が頭のこめかみを抑え、撫でる。
早川「なに?頭痛いの?」
聖奈「いや、急にズキッて来ただけ」
早川「大丈夫?」
聖奈「大丈夫、大丈夫」
しばらくして3人は食事を終え、各々の部署へ戻っていく。

ーー早川の家・夜ーー
早川が、携帯で行方不明の事を調べている。
早川「やっぱり謎なんだ・・・」
すると、誰も居ないはずのベランダから物音が聞こえ、
恐る恐る音のした方向へ向かう。
早川「誰かいるの?」
閉じていたカーテンを勢いよく開ける。
しかし誰も居ない。
安堵した早川は、カーテンを閉じ、寝室へ向かうため、踵を返しす。
すると目の前に、キキョウがいた。
キキョウ「行方不明のことを調べているのか?」
早川は、驚き携帯を落とす。
キキョウ「そんなに興味があるなら、一緒に来ればいい!」
早川の手を掴もうとした時、
早川「聖奈?  何してるの?」
キキョウは、早川の手を掴み、
キキョウ「一緒に来てもらおう」

その場から姿を消す2人。

ーー異世界ーー
早川「離して!  ってここはどこ?  聖奈、何をする気?」
キキョウ「正体がわかってしまったなら、生かすことは出来んな。  さらばだ」
早川の額を人差し指で突くキキョウ。
意識を失った早川は、その場に倒れる。
サンドッツ「キキョウ、その女から、エネルギーが感じ取れないが、何をした?」
キキョウ「申し訳ありません。正体を知られてしまったので、魂を奪いました」
サンドッツ「なんてことを。大切なエネルギー源を」
キキョウ「安心ください。 魂はこちらにあります」 
手のひらに光る球体を出すキキョウ。
キキョウ「サンドッツ様、こちらは全てのエネルギー源です。お納めください」
早川の魂がサンドッツの方へ向かう。
魂は、赤黒く光る宝石へ、吸い込まれていった。

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