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悪夢
青い薬
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ーーー夜・飛鳥の部屋ーーー
飛鳥「えっと、これが1錠で、これが2錠」
薬をPTP包装から取り出す。
薬を水で流し込む。
そのまま眠りにつく。
ーーー古い屋敷・とある部屋ーーー
長い廊下の奥にある部屋
そこには白い服を着た若い女性が何人も横たわっている
老紳士「あと一人、あと一人手に入れられば・・・」
その女性の両腕には管がつけられていた。
ーーー数日後ーーー
快眠が続いていた飛鳥。
スッキリとした目覚めに飛鳥自身も喜んでいた
飛鳥「今日でこれが最後」
× × ×
ーーーメンタルクリニック・受付ーーー
薬をもらう飛鳥。
説明する薬剤師。
薬剤師「この薬が全部飲み終わったら、最後に2日分これを飲んでください」
青い色の錠剤が渡される。
飛鳥「これなんですか?」
薬剤師「体内に残った成分を出すための薬です」
飛鳥「薬の成分を薬で出すんですね」
薬剤師「変わってますよね。 よく言われるんです」
ーーー京葉大学・食堂(昼)ーーー
忍「飛鳥、最近調子よさそうじゃん」
飛鳥「すっかり! めっちゃ寝れるし、変な夢も見ないし!」
忍「大丈夫そうなら、USJ行けそうだな」
飛鳥「忘れてた! いつだっけ?」
忍「えっ?飛鳥の都合で延期したのに?」
飛鳥「ごめんて! で、いつだっけ?」
忍「来月の12日」
飛鳥「OK! 来月の12日ね」
強烈な視線を感じる飛鳥。
辺りをキョロキョロと見回す。
忍「何?キョロキョロして。 まさかドッキリって思ったとか?」
飛鳥「違う・・・ 誰かに見られてる気が・・・」
忍「気のせいだろ?」
飛鳥「だと良いけど」
ーーー帰り道(夕方)ーーー
いつも帰る道を歩いている飛鳥と忍。
ふと立ち止まり1本の道を見る。
忍「飛鳥?」
飛鳥「こんな道あったっけ?」
忍「あったよ。 だけどこの道行くなよ!」
飛鳥「なんで?」
忍「この道の真ん中に古い屋敷があるんだよ」
1本の道を見る飛鳥。
飛鳥「あの、凹んだところ?」
忍「そう! あの前を通ると、爺さんが声掛けて来るんだとよ」
飛鳥「で?」
忍「お前マジで知らないの?」
飛鳥「お前って言わないでよ! 知るわけないじゃん」
忍「その爺さんが、花を育てて、それを見ないかって行ってくるんだと」
飛鳥「別に良くない?」
忍「バカ! ここからだよ。 一旦屋敷に入るともう戻って来れなくなる」
飛鳥「何その都市伝説みたいなの」
忍「マジな話なんだって!」
飛鳥「どういうこと?」
忍「ウチの大学の何人かはそれで行方不明になってる」
飛鳥「ホントかなー」
忍「マジだって!」
飛鳥「忍はいつからオカルト好きになったの?」
忍「嘘だと思ってるだろ!」
飛鳥「嘘とは思ってないけど怪しいなって」
忍「疑ってるじゃんかよ!」
飛鳥「別に・・・」
忍「もういいや。 帰ろうぜ」
ーーー飛鳥の家・リビング(夜)ーーー
晩御飯を家族で食べている。
慎二「飛鳥、大学どうだ?」
飛鳥「楽しいよ! まぁ勉強は難しいけど」
久美「青春してるなら良いじゃない」
忍の話を思い出す飛鳥。
飛鳥「ねぇ?」
久美「何?」
飛鳥「学校の近くに古い屋敷があるんだけど」
慎二「あーあの屋敷か」
飛鳥「知ってるの?」
慎二「知ってるも何も、人さらいの屋敷だろ?」
飛鳥「そう! えっ? 有名なの?」
久美「知らないの?」
飛鳥「2人とも知ってるの?」
久美「知ってるも何もね。 まぁ都市伝説みたいなものよ」
慎二「そうそう! 知らなくていい」
飛鳥「心霊スポット的な?」
久美「まぁそんな感じじゃない?」
お茶を濁したように喋る2人に違和感を覚える
久美「早く食べちゃいなさい」
飛鳥「はい・・・」
首を傾げながらご飯を食べる飛鳥。
ーーー飛鳥の部屋ーーー
薬剤師から言われた青い色の薬を手に取り水と一緒に飲む。
飲んだ直後から強烈な睡魔に襲われる。
飛鳥「何・・・コレ・・・」
そのまま眠りに落ちる。
ーーー夢の中ーーー
薄暗い部屋に佇む飛鳥。
飛鳥「ここどこ?」
どこからか謎の声がする。
声「いらっしゃい」
ビクッとした飛鳥は、辺りを見回す。
飛鳥「誰?」
声「まぁそんなことは気にせずに・・・」
飛鳥「ここはどこなの?」
徐々に明るくなる部屋。
目の前には豪華ディナーが用意されている。
飛鳥「フォアグラ? ステーキ? それにデザートまで」
声「好きなだけ食べなさい」
飛鳥「何コレ! 夢なの?」
声「それはどうかな?」
目の前に用意された料理を触る。
飛鳥「本物?」
声「ホッホホホ。 偽物なんか用意しない」
飛鳥「お言葉に甘えさせていただきます」
ーーー古い屋敷のとある部屋ーーー
声「さぁ、食べなさい」
話している男の姿があった。
続
飛鳥「えっと、これが1錠で、これが2錠」
薬をPTP包装から取り出す。
薬を水で流し込む。
そのまま眠りにつく。
ーーー古い屋敷・とある部屋ーーー
長い廊下の奥にある部屋
そこには白い服を着た若い女性が何人も横たわっている
老紳士「あと一人、あと一人手に入れられば・・・」
その女性の両腕には管がつけられていた。
ーーー数日後ーーー
快眠が続いていた飛鳥。
スッキリとした目覚めに飛鳥自身も喜んでいた
飛鳥「今日でこれが最後」
× × ×
ーーーメンタルクリニック・受付ーーー
薬をもらう飛鳥。
説明する薬剤師。
薬剤師「この薬が全部飲み終わったら、最後に2日分これを飲んでください」
青い色の錠剤が渡される。
飛鳥「これなんですか?」
薬剤師「体内に残った成分を出すための薬です」
飛鳥「薬の成分を薬で出すんですね」
薬剤師「変わってますよね。 よく言われるんです」
ーーー京葉大学・食堂(昼)ーーー
忍「飛鳥、最近調子よさそうじゃん」
飛鳥「すっかり! めっちゃ寝れるし、変な夢も見ないし!」
忍「大丈夫そうなら、USJ行けそうだな」
飛鳥「忘れてた! いつだっけ?」
忍「えっ?飛鳥の都合で延期したのに?」
飛鳥「ごめんて! で、いつだっけ?」
忍「来月の12日」
飛鳥「OK! 来月の12日ね」
強烈な視線を感じる飛鳥。
辺りをキョロキョロと見回す。
忍「何?キョロキョロして。 まさかドッキリって思ったとか?」
飛鳥「違う・・・ 誰かに見られてる気が・・・」
忍「気のせいだろ?」
飛鳥「だと良いけど」
ーーー帰り道(夕方)ーーー
いつも帰る道を歩いている飛鳥と忍。
ふと立ち止まり1本の道を見る。
忍「飛鳥?」
飛鳥「こんな道あったっけ?」
忍「あったよ。 だけどこの道行くなよ!」
飛鳥「なんで?」
忍「この道の真ん中に古い屋敷があるんだよ」
1本の道を見る飛鳥。
飛鳥「あの、凹んだところ?」
忍「そう! あの前を通ると、爺さんが声掛けて来るんだとよ」
飛鳥「で?」
忍「お前マジで知らないの?」
飛鳥「お前って言わないでよ! 知るわけないじゃん」
忍「その爺さんが、花を育てて、それを見ないかって行ってくるんだと」
飛鳥「別に良くない?」
忍「バカ! ここからだよ。 一旦屋敷に入るともう戻って来れなくなる」
飛鳥「何その都市伝説みたいなの」
忍「マジな話なんだって!」
飛鳥「どういうこと?」
忍「ウチの大学の何人かはそれで行方不明になってる」
飛鳥「ホントかなー」
忍「マジだって!」
飛鳥「忍はいつからオカルト好きになったの?」
忍「嘘だと思ってるだろ!」
飛鳥「嘘とは思ってないけど怪しいなって」
忍「疑ってるじゃんかよ!」
飛鳥「別に・・・」
忍「もういいや。 帰ろうぜ」
ーーー飛鳥の家・リビング(夜)ーーー
晩御飯を家族で食べている。
慎二「飛鳥、大学どうだ?」
飛鳥「楽しいよ! まぁ勉強は難しいけど」
久美「青春してるなら良いじゃない」
忍の話を思い出す飛鳥。
飛鳥「ねぇ?」
久美「何?」
飛鳥「学校の近くに古い屋敷があるんだけど」
慎二「あーあの屋敷か」
飛鳥「知ってるの?」
慎二「知ってるも何も、人さらいの屋敷だろ?」
飛鳥「そう! えっ? 有名なの?」
久美「知らないの?」
飛鳥「2人とも知ってるの?」
久美「知ってるも何もね。 まぁ都市伝説みたいなものよ」
慎二「そうそう! 知らなくていい」
飛鳥「心霊スポット的な?」
久美「まぁそんな感じじゃない?」
お茶を濁したように喋る2人に違和感を覚える
久美「早く食べちゃいなさい」
飛鳥「はい・・・」
首を傾げながらご飯を食べる飛鳥。
ーーー飛鳥の部屋ーーー
薬剤師から言われた青い色の薬を手に取り水と一緒に飲む。
飲んだ直後から強烈な睡魔に襲われる。
飛鳥「何・・・コレ・・・」
そのまま眠りに落ちる。
ーーー夢の中ーーー
薄暗い部屋に佇む飛鳥。
飛鳥「ここどこ?」
どこからか謎の声がする。
声「いらっしゃい」
ビクッとした飛鳥は、辺りを見回す。
飛鳥「誰?」
声「まぁそんなことは気にせずに・・・」
飛鳥「ここはどこなの?」
徐々に明るくなる部屋。
目の前には豪華ディナーが用意されている。
飛鳥「フォアグラ? ステーキ? それにデザートまで」
声「好きなだけ食べなさい」
飛鳥「何コレ! 夢なの?」
声「それはどうかな?」
目の前に用意された料理を触る。
飛鳥「本物?」
声「ホッホホホ。 偽物なんか用意しない」
飛鳥「お言葉に甘えさせていただきます」
ーーー古い屋敷のとある部屋ーーー
声「さぁ、食べなさい」
話している男の姿があった。
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