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6.味方
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テオドールは私の手助けをしてくれると言った。
私はその言葉に乗ることにした。
ラウルの本当の気持ちが知りたい。
「やることは簡単だよ、ラウルと同じことをするだけ…」
「ラウルと同じこと…?」
私はその意味が分からず首を傾げた。
「ラウルは君を放って彼女の所に行っただろ?だから、ラウルなんて放っておいて今日は僕と一緒に帰ろうか」
「…でも、ラウルと一緒に帰る約束をしていて…待ってる様に言われているので…」
私が困った顔で答えると、テオドールは「君は優しいね」と少し呆れる様に言った。
「他の女に会いに行ってる奴の事なんて待つ必要はあるのかな?君はそんな彼に腹が立ったりはしないの?僕も君達のやり取りを見ていたけど、ラウルは二人に良い顔をしようとしてたよね。エリカを擁護するような発言もしてたし、君を教室に残して二人で出て行った後…君がどんな思いをしているのか、そこまで考えてないよな」
テオドールは少し苛立った様子で話していた。
私の気持ちはテオドールが言った通りだった。
ラウルの態度には腹が立った。
教室で私は悪者の様な気分を感じていた、だけどそれに対してラウルは何も言ってくれなかった。
それに…本当は私の傍に居て欲しかった。
エリカと二人で出て行った後、すごく不安を感じていた。
やっぱりラウルが好きなのは私じゃないのかなって思ってしまった。
「テオドール様には心を読む能力があるのですか…?」
「ふふっ…、そんな力は無いよ。ただ、僕は前世では女だったからね。女心が分かっているだけだよ」
私はその言葉に納得した。
「ラウルは君が傍に居るのは当たり前だと思っているのかもね、だからあんな態度が取れるんだろうな。だけど簡単に許していたら、ラウルはまたエリカと平気で会うよ」
「私がエリカさんの事で、不安を感じていたのはラウルも知っていたはずだと思います。それなのに…今回も…。あの時、不安にさせてごめんって言ってくれたのに…口だけだったのかな…」
以前の事を思い出すと、不安が込み上げて来る。
そう思うと悲しくなり溢れそうになる涙を耐える様に、掌をぎゅっと握りしめた。
あの時ラウルは謝ってくれたけど、結局何も変わっていない。
私はラウルにとってはやっぱり当て馬で、利用されているだけなのかもしれない。
「何も分かってないラウルを追い込んでみようか。余裕がなくなったラウルを見るのも、また面白そうだからね…ふふっ…」
テオドールは楽しそうな口調で話していた。
(絶対、テオドール様って腹黒だよね…)
「何も言わずに帰るのは…さすがに問題がありそうだから、手紙でも書いておいたら?」
「…そうですね。なんて書こう…」
私は鞄の中からメモ帳を取り出し、一枚破り取った。
「そうだね。ラウルがエリカと仲良くしているので、君も僕と帰ります。とかで良いんじゃないか?」
「わかりました、書いてみます…」
ーーーーーーーーー
ラウルへ
ラウルがエリカさんと仲良くしているのを邪魔したら悪いと思うので
私はテオドール様と一緒に帰ります。
アリシア
ーーーーーーーーー
「こんな感じで大丈夫でしょうか…」
「うんうん、良いと思うよ」
私は手紙を四つ折りにするとラウルの机の上に置いた。
「だけど…本当にいいんでしょうか…」
「気にする事無いよ。ラウルにもアリシア嬢と同じ気持ちを味わわせてあげないと分からないよ」
「でも、これでエリカさんともっと仲良くなったら…」
「大丈夫だよ。それは無いと思うけど…、もしそうなったとしたらそこまでの男だったと思うしかないかな。アリシア嬢だって平気で二股をかけるような男は嫌だろ…?」
テオドールの言葉に「嫌ですけど…」と小さく答えた。
「きっと上手く行くはずだよ。ラウルが戻ってくる前に僕達は帰ろう。君の屋敷まで送っていくよ」
不安を感じながらも、テオドールの言葉に流される様に行動してしまった。
ラウルとの約束…破っちゃったけど、ラウルだってエリカさんといるんだしお互い様だよね。
そう自分に言い聞かせ、私はラウルを置いてテオドールと帰ることにした。
*****
家までテオドールが送ってくれた。
私は家に着いてからも、ずっとそわそわしていた。
本当にこれで良かったのかな、と考えてしまう。
だけど、テオドールが言った通りだと思う。
ラウルが二股をかけるような酷い男だとは思ってないけど、どっちつかずのまま放置されるのも嫌だ。
これでラウルの態度がエリカさんに向いたのなら、その時は諦めよう。
私は利用されてまで一緒に居たいなんて思わない。
それから暫くすると、部屋の外が少し騒がしくなった。
なんだろうと思って部屋の扉を開けると、廊下にラウルの姿があった。
私はその言葉に乗ることにした。
ラウルの本当の気持ちが知りたい。
「やることは簡単だよ、ラウルと同じことをするだけ…」
「ラウルと同じこと…?」
私はその意味が分からず首を傾げた。
「ラウルは君を放って彼女の所に行っただろ?だから、ラウルなんて放っておいて今日は僕と一緒に帰ろうか」
「…でも、ラウルと一緒に帰る約束をしていて…待ってる様に言われているので…」
私が困った顔で答えると、テオドールは「君は優しいね」と少し呆れる様に言った。
「他の女に会いに行ってる奴の事なんて待つ必要はあるのかな?君はそんな彼に腹が立ったりはしないの?僕も君達のやり取りを見ていたけど、ラウルは二人に良い顔をしようとしてたよね。エリカを擁護するような発言もしてたし、君を教室に残して二人で出て行った後…君がどんな思いをしているのか、そこまで考えてないよな」
テオドールは少し苛立った様子で話していた。
私の気持ちはテオドールが言った通りだった。
ラウルの態度には腹が立った。
教室で私は悪者の様な気分を感じていた、だけどそれに対してラウルは何も言ってくれなかった。
それに…本当は私の傍に居て欲しかった。
エリカと二人で出て行った後、すごく不安を感じていた。
やっぱりラウルが好きなのは私じゃないのかなって思ってしまった。
「テオドール様には心を読む能力があるのですか…?」
「ふふっ…、そんな力は無いよ。ただ、僕は前世では女だったからね。女心が分かっているだけだよ」
私はその言葉に納得した。
「ラウルは君が傍に居るのは当たり前だと思っているのかもね、だからあんな態度が取れるんだろうな。だけど簡単に許していたら、ラウルはまたエリカと平気で会うよ」
「私がエリカさんの事で、不安を感じていたのはラウルも知っていたはずだと思います。それなのに…今回も…。あの時、不安にさせてごめんって言ってくれたのに…口だけだったのかな…」
以前の事を思い出すと、不安が込み上げて来る。
そう思うと悲しくなり溢れそうになる涙を耐える様に、掌をぎゅっと握りしめた。
あの時ラウルは謝ってくれたけど、結局何も変わっていない。
私はラウルにとってはやっぱり当て馬で、利用されているだけなのかもしれない。
「何も分かってないラウルを追い込んでみようか。余裕がなくなったラウルを見るのも、また面白そうだからね…ふふっ…」
テオドールは楽しそうな口調で話していた。
(絶対、テオドール様って腹黒だよね…)
「何も言わずに帰るのは…さすがに問題がありそうだから、手紙でも書いておいたら?」
「…そうですね。なんて書こう…」
私は鞄の中からメモ帳を取り出し、一枚破り取った。
「そうだね。ラウルがエリカと仲良くしているので、君も僕と帰ります。とかで良いんじゃないか?」
「わかりました、書いてみます…」
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ラウルへ
ラウルがエリカさんと仲良くしているのを邪魔したら悪いと思うので
私はテオドール様と一緒に帰ります。
アリシア
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「こんな感じで大丈夫でしょうか…」
「うんうん、良いと思うよ」
私は手紙を四つ折りにするとラウルの机の上に置いた。
「だけど…本当にいいんでしょうか…」
「気にする事無いよ。ラウルにもアリシア嬢と同じ気持ちを味わわせてあげないと分からないよ」
「でも、これでエリカさんともっと仲良くなったら…」
「大丈夫だよ。それは無いと思うけど…、もしそうなったとしたらそこまでの男だったと思うしかないかな。アリシア嬢だって平気で二股をかけるような男は嫌だろ…?」
テオドールの言葉に「嫌ですけど…」と小さく答えた。
「きっと上手く行くはずだよ。ラウルが戻ってくる前に僕達は帰ろう。君の屋敷まで送っていくよ」
不安を感じながらも、テオドールの言葉に流される様に行動してしまった。
ラウルとの約束…破っちゃったけど、ラウルだってエリカさんといるんだしお互い様だよね。
そう自分に言い聞かせ、私はラウルを置いてテオドールと帰ることにした。
*****
家までテオドールが送ってくれた。
私は家に着いてからも、ずっとそわそわしていた。
本当にこれで良かったのかな、と考えてしまう。
だけど、テオドールが言った通りだと思う。
ラウルが二股をかけるような酷い男だとは思ってないけど、どっちつかずのまま放置されるのも嫌だ。
これでラウルの態度がエリカさんに向いたのなら、その時は諦めよう。
私は利用されてまで一緒に居たいなんて思わない。
それから暫くすると、部屋の外が少し騒がしくなった。
なんだろうと思って部屋の扉を開けると、廊下にラウルの姿があった。
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