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2.魔法学園に入学しました
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私は最小限の物を詰め込んだバックを持ちながら、今日から自分の部屋となる室内に入った。学園に入学すると1人1部屋与えられる。部屋の作りは全てが一緒な訳では無い。この学園は貴族の寄付金によって成り立っている為、やはり高貴族には特別な部屋が用意されているみたいだ。
部屋に入るとこじんまりとしているものの、私にとっては十分過ぎる程だった。室内にはベッドに机、クローゼットなどがあり室内には洗面所やトイレ、浴場まで完備していた。
「すごい…こんなに良い部屋を貰えるなんて…本当にいいのかな…」
私ははしゃぐ様に室内を歩き回った。
荷物は少なかったので片付けるのには時間はかからなかった。
クローゼットを開けると中には制服が掛けられていた。
白いブラウスに、黒いプリーツスカート、赤いリボン、そして黒いローブ。それから黒いニーソックスに黒い革靴。
これが一般的な女子生徒の制服になる。生徒会メンバーなら全身白色の制服になるらしい。男子生徒はネクタイで、女子生徒はリボン。その色はクラスによって異なる。
クラスは完全に能力順で分けられている。
上からAクラス(赤)、Bクラス(緑)、Cクラス(黄)とある。
「赤…って…Aクラスってこと…?」
私はリボンを見た瞬間驚いて、その場に暫く立ち尽くしてしまった。
まさか自分がAクラスになるなんて思ってもいなかった。
私はCクラスになるとずっと思っていた。だけどこのリボンを見る限りAクラスに間違いはない。恐らくAクラスはほぼ貴族しかいないクラスだ。どうしよう…と不安に襲われていると、学園に鐘の音が鳴り響いた。
「あ…早く着替えて行かないと…入学式が始まっちゃう…!」
私は慌ててクローゼットから制服を取り出すと、着替え始めた。
着替え終えると部屋の隅にある姿見で変な所はないかなと軽く確認した。
「うん…大丈夫」と自分自身に言うと部屋を後にした。
*****
入学式は講堂で行われる。
すでに多くの生徒が集まっていて、私もその人混みの中に入って行った。どこに行けばいいのか分からなくてフラフラとしていると誰かにぶつかってしまった。
「ごめんなさいっ…」
「いや、俺の方こそ前を見ていなかった…すまない」
私は謝って顔を上げると、思わず目を奪われてしまった。
漆黒の髪に宝石の様な翡翠の瞳。顔立ちはとてつもなく端麗で見惚れてしまう程だった。
「……ラヴィ…?」
「え…?」
彼は驚いたような表情で私を見ていた。だけどそれは一瞬ですぐに表情は戻った。
「いや…。すまない、今のは忘れてくれ…。君の名前を聞いても構わないか?」
「はい、私はシンリーと言います」
私が名乗ると彼は「どこの家の者か聞いても…?」と聞かれ私は苦笑した。
「あ…私は貴族ではないので…」
「………」
私が困った顔で答えると彼は再び驚いた顔を見せた。ハッと我に返るとばつが悪そうに「すまない」と謝って来た。
「謝らないでください」
「度々申し訳ない…。俺は名はルカルド・エーリ・ドラグレス。君と同じAクラスだ」
私はその名前を聞いた時、どことなく不思議な感覚がした。
「ルカ…ルド…?」
「一応、ドラグレス国の王子だ。だけど気を遣う必要はない、この学園では身分は平等とされているからな。これからクラスメイトとしてよろしくな、シンリー」
私はその話を聞いた瞬間驚いて、固まってしまった。
(うそ…王子!?…どうしよう…私、普通に喋っちゃったけど不敬罪にはならないよね…)
「そんな固まらないでくれ。俺の方が困ってしまう。ああ、そうだ…折角同じAクラスなんだし一緒に行かないか?」
「いやいや!!無理ですっ…そんなの…恐れ多くて…私には…っ…」
私はどうしていいのか分からず慌てていると、そんな姿を眺めていたルカルドは突然笑い始めた。
「くくっ…シンリーは面白いな。俺の誘いを断る気か?」
「…えっ……そういう訳では…」
愉しそうに話すルカルドとは違い、私は更に動揺してしまう。
私は今まで貴族と関わりを持ったことなど殆どない。それなのにいきなり王子とか…どうしていいのかわからなくなって当然だ。
(いきなり笑った!?…怒ってないの?どうしよう…断りたい!…でもさすがに断れないよね…)
「嘘だよ、ごめん…冗談だ。これ以上困らせたら可哀そうだから今日は諦めるよ。ではまた後で」
「……はい」
ルカルドはそう言うと講堂の中に入っていた。
視界から見えなくなるのを確認するとやっと安心出来た。
(いきなり王子に話しかけられるとか…驚いた。だけど怖そうな人じゃなくて良かったな…)
「新入生の皆さん、そろそろ式が始まります。中にお入りください」
係員の者が講堂の前にいる生徒に向かって呼びかけていた。
「私も行こう…」
促されるように私も行動の中へと入って行った。
こうして私の学園生活は幕を開けた。
部屋に入るとこじんまりとしているものの、私にとっては十分過ぎる程だった。室内にはベッドに机、クローゼットなどがあり室内には洗面所やトイレ、浴場まで完備していた。
「すごい…こんなに良い部屋を貰えるなんて…本当にいいのかな…」
私ははしゃぐ様に室内を歩き回った。
荷物は少なかったので片付けるのには時間はかからなかった。
クローゼットを開けると中には制服が掛けられていた。
白いブラウスに、黒いプリーツスカート、赤いリボン、そして黒いローブ。それから黒いニーソックスに黒い革靴。
これが一般的な女子生徒の制服になる。生徒会メンバーなら全身白色の制服になるらしい。男子生徒はネクタイで、女子生徒はリボン。その色はクラスによって異なる。
クラスは完全に能力順で分けられている。
上からAクラス(赤)、Bクラス(緑)、Cクラス(黄)とある。
「赤…って…Aクラスってこと…?」
私はリボンを見た瞬間驚いて、その場に暫く立ち尽くしてしまった。
まさか自分がAクラスになるなんて思ってもいなかった。
私はCクラスになるとずっと思っていた。だけどこのリボンを見る限りAクラスに間違いはない。恐らくAクラスはほぼ貴族しかいないクラスだ。どうしよう…と不安に襲われていると、学園に鐘の音が鳴り響いた。
「あ…早く着替えて行かないと…入学式が始まっちゃう…!」
私は慌ててクローゼットから制服を取り出すと、着替え始めた。
着替え終えると部屋の隅にある姿見で変な所はないかなと軽く確認した。
「うん…大丈夫」と自分自身に言うと部屋を後にした。
*****
入学式は講堂で行われる。
すでに多くの生徒が集まっていて、私もその人混みの中に入って行った。どこに行けばいいのか分からなくてフラフラとしていると誰かにぶつかってしまった。
「ごめんなさいっ…」
「いや、俺の方こそ前を見ていなかった…すまない」
私は謝って顔を上げると、思わず目を奪われてしまった。
漆黒の髪に宝石の様な翡翠の瞳。顔立ちはとてつもなく端麗で見惚れてしまう程だった。
「……ラヴィ…?」
「え…?」
彼は驚いたような表情で私を見ていた。だけどそれは一瞬ですぐに表情は戻った。
「いや…。すまない、今のは忘れてくれ…。君の名前を聞いても構わないか?」
「はい、私はシンリーと言います」
私が名乗ると彼は「どこの家の者か聞いても…?」と聞かれ私は苦笑した。
「あ…私は貴族ではないので…」
「………」
私が困った顔で答えると彼は再び驚いた顔を見せた。ハッと我に返るとばつが悪そうに「すまない」と謝って来た。
「謝らないでください」
「度々申し訳ない…。俺は名はルカルド・エーリ・ドラグレス。君と同じAクラスだ」
私はその名前を聞いた時、どことなく不思議な感覚がした。
「ルカ…ルド…?」
「一応、ドラグレス国の王子だ。だけど気を遣う必要はない、この学園では身分は平等とされているからな。これからクラスメイトとしてよろしくな、シンリー」
私はその話を聞いた瞬間驚いて、固まってしまった。
(うそ…王子!?…どうしよう…私、普通に喋っちゃったけど不敬罪にはならないよね…)
「そんな固まらないでくれ。俺の方が困ってしまう。ああ、そうだ…折角同じAクラスなんだし一緒に行かないか?」
「いやいや!!無理ですっ…そんなの…恐れ多くて…私には…っ…」
私はどうしていいのか分からず慌てていると、そんな姿を眺めていたルカルドは突然笑い始めた。
「くくっ…シンリーは面白いな。俺の誘いを断る気か?」
「…えっ……そういう訳では…」
愉しそうに話すルカルドとは違い、私は更に動揺してしまう。
私は今まで貴族と関わりを持ったことなど殆どない。それなのにいきなり王子とか…どうしていいのかわからなくなって当然だ。
(いきなり笑った!?…怒ってないの?どうしよう…断りたい!…でもさすがに断れないよね…)
「嘘だよ、ごめん…冗談だ。これ以上困らせたら可哀そうだから今日は諦めるよ。ではまた後で」
「……はい」
ルカルドはそう言うと講堂の中に入っていた。
視界から見えなくなるのを確認するとやっと安心出来た。
(いきなり王子に話しかけられるとか…驚いた。だけど怖そうな人じゃなくて良かったな…)
「新入生の皆さん、そろそろ式が始まります。中にお入りください」
係員の者が講堂の前にいる生徒に向かって呼びかけていた。
「私も行こう…」
促されるように私も行動の中へと入って行った。
こうして私の学園生活は幕を開けた。
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