王子が何かにつけて絡んできますが、目立ちたく無いので私には構わないでください

Rila

文字の大きさ
53 / 53

53.余裕が無い※

しおりを挟む
「はぁっ…、ルカ様っ…そこばっかやだっ…」
「どうして?こんなにも嬉しそうに興奮してくれているのに…?ああ、そう言えばシンリーは恥ずかしがりだったな。俺の前ではそんな事は気にしなくて大丈夫だし、…この先はもっと恥ずかしい事をされるんだ。少し慣れる為に、もう少しするな…」
ルカルドは私の耳元で呟くと、先端を指で引っ張ったり、弾いたりして強い刺激を与えて来る。
私はその刺激を感じる度に体を大きく跳ねさせてしまう。

「ぁあっ…、だめっ……ルカ様っ…お願いっ…」
私は目に涙を溜めた顔で後ろを振り返った。
するとルカルドと視線が合い、私は懇願する様な瞳でルカルドを見つめた。

「シンリー…、今そんな顔されると…すごく困るんだけど…」
「え…?」

(困る…って邪魔しないでくれって…こと…?ルカ様とこういう事するの…私だって望んだことだけど…、こんなにも恥ずかしいだなんて…思ってもみなかったよ。でも…ルカ様に嫌われたくないっ…)

私はへらっと緩めた顔で「少し緊張しちゃっただけかもっ…」と誤魔化す様に笑って見せた。

「ごめん、シンリー…。俺、急ぎ過ぎてたよな…。あまりにシンリーが可愛すぎて…止まらなくなった。しかもその涙目…やばい…相当くる…」
「え…?…相当くる?」

「その顔を今されると、煽られてる様にしか見えないって事だな…。シンリーは無自覚だろうけど、俺にはそんな風に見えてしまうんだ…。こんなに余裕ない所…シンリーに見られて…俺、格好悪いな…」
ルカルドは自嘲する様に、何処か恥ずかしそうに話していた。
普段見せないルカルドの姿を見て、私は胸の奥が何だか熱くなっていくのを感じた。

(ルカ様でも…恥ずかしがることってあるんだ…。私だけじゃなかったんだ…)

そう思えてくると、ルカルドが可愛らしく見えてしまい、私はルカルドにぎゅっと抱き着いた。

「シンリー?……どうした?」
「ルカ様でも可愛い部分ってあるんですねっ…!ふふっ、私…照れてるルカ様って結構好きかもっ…」

「……俺としてはこんな姿、シンリーには見られたくは無いけどな…」
「どうしてですか?私はどんなルカ様だって見たいですっ…、ルカ様の色んな表情…見てみたい」
私は抱きしめる力を緩めて、ルカルドの顔をじっと見つめた。

(大好きなルカ様の全てを知りたいって思うのは、当然のことだよね…?)

「それなら俺も同じだ。シンリーの普段見せない…俺だけしか知らない顔が見たい…」
「あ……」
ルカルドにその言葉を言われると、さっきまでは恥ずかしいばかりで考えられなかったが、私もルカルドと同じ気持ちを持っていることに気付き、納得した。

「ルカ様…、私もう大丈夫ですっ…。恥ずかしいの…我慢するから、続きしよう?」
私は仄かに顔を染めながら、ルカルドの顔を恥ずかしそうに見つめた。

「……シンリー、ありがとう。だけど、きっと止まれなくなりそうな気がするから…夜、一緒にベッドに入るときに続きをしようか。その方がシンリーも心の準備が出来て、少しは落ち着けるだろ?」
「……そ、そうですねっ…!そうしましょうっ…!」
ルカルドは柔らかく笑んで、私の頭を優しく撫でてくれた。

「とりあえず…俺が変な気を起さない様に、服だけは着せておくな…。さすがに、その格好は…なんていうか、目のやり場に困る…」
「え…?…っ!?」
ルカルドは僅かに頬を染め、目を逸らしていた。
私は上半身が裸な事に気付いて、慌ててブラウスを取り胸を隠した。

(うそっ!?胸…見られたっ…!!恥ずかしいっ……)

「脱がせたのも俺だし、着せてやるから…手をどけて…?」
「じっ…自分でやりますっ…!」

「少しシンリーは見られる事に慣れた方が良くないか?だから…俺に任せてくれ…」
「……っ……は…い」
私は真っ赤な顔で、消えそうな位小さな声で呟くと、胸を隠している手を下ろした。

(やっぱり無理っ…、恥ずかし過ぎるよ…こんなのっ…)

着替えさせてもらっている間は、恥ずかしくてルカルドの顔が見れなかった。


「本当にシンリーは…どうしようもない位可愛くて…困るな」

ルカルドも私も僅かに頬を染めて、お互いで照れ合っていた。
なんだかその光景が可笑しく見えて、その後二人で笑った。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて

木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。 前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

(完結)婚約者の勇者に忘れられた王女様――行方不明になった勇者は妻と子供を伴い戻って来た

青空一夏
恋愛
私はジョージア王国の王女でレイラ・ジョージア。護衛騎士のアルフィーは私の憧れの男性だった。彼はローガンナ男爵家の三男で到底私とは結婚できる身分ではない。 それでも私は彼にお嫁さんにしてほしいと告白し勇者になってくれるようにお願いした。勇者は望めば王女とも婚姻できるからだ。 彼は私の為に勇者になり私と婚約。その後、魔物討伐に向かった。 ところが彼は行方不明となりおよそ2年後やっと戻って来た。しかし、彼の横には子供を抱いた見知らぬ女性が立っており・・・・・・ ハッピーエンドではない悲恋になるかもしれません。もやもやエンドの追記あり。ちょっとしたざまぁになっています。

処理中です...