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5.伯爵令嬢の決意①
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「到着したね」
「本当に、一緒に来てくださるのですか?」
私が不安そうな顔で問いかけるとアレクシスは柔らかく微笑み「当然だよ」と答えた。
「私はいつだってリリアの味方だ。だから安心して臨めばいいよ」
「わかりました。最後までご迷惑をおかけすることになってしまって、ごめんなさい」
「最後?」
「あ、いえ。なんでもありませんっ!」
アレクシスは先に馬車から降りると、私の前に手を差し出してくれた。
こんな風に気遣ってくれるのも、アレクシスだけだ。
いつもどこかで思っていたのかも知れない。
アレクシスが婚約者なら良かったのに……、と。
差し出された手に触れると、指からアレクシスの体温が伝わってきてドキドキしてしまう。
今、私の頬は僅かに赤く染まっているのかも知れない。
だけど夜の闇に包まれている為、アレクシスには気付かれていないはずだ。
「緊張してる?」
「え?」
私が馬車から降りると、アレクシスとの距離が縮まる。
まるで私の心の中を見透かしたように言われ、ドキッと心臓が飛び跳ねる。
そして煩いほどにバクバクと鼓動が鳴り響いている。
これがアレクシスに伝わってしまったらどうしようと思うと、更に追い打ちをかけるかのように胸の音は激しくなる。
(お願いだから、収まって……)
「まあ、当然か。これからリリアは大胆な行動に出るんだ。伯爵の驚いた顔が見ものだな」
私の思いとは裏腹にアレクシスはこの状況を楽しんでいる様子だ。
胸の内が気付かれていないのだと分かると、私は内心ほっとしていた。
「リリアの手、少し冷たいね」
「……っ!?」
動揺していたせいで、いつまでもアレクシスの手を握ったままでいた。
私は慌てるようにぱっと手を離した。
(何してるの、私。手を握ったままでいるなんて。すごく恥ずかしい……)
アレクシスを意識したことなど今までは無かった。
きっと、数年ぶりに会ったから緊張しているだけなのだろう。
それに以前よりも随分と大人の雰囲気に変わっていて驚いているだけだ。
そう自分に言い聞かせ平静を装おうとするが、私の鼓動はちっとも大人しくはなってくれない。
「馬車の中でも少し肌寒かったからね。リリアの体が冷え切る前に、屋敷の中に入ろうか」
「はい……、っ!?」
私が小さく頷くと、再び指先に心地よい温かさを感じて驚いて顔を上げた。
辺りは夜の闇に包まれているが、月明かりに照らされて傍にいるアレクシスの表情をはっきりと判別することは可能だ。
碧い瞳はいつものように優しく私のことを見つめている。
「ひどく緊張しているようだから、手は繋いでおこうか」
「……っ」
なんて言葉にしたら良いのか分からなくて、私の口からは暫くの間何も出てこなかった。
だけどアレクシスは気にする様子も無く歩き出した。
「本当にリリアは素直で可愛らしい。漸く私の願いも叶いそうだ」
「……?」
僅かだったが、アレクシスの声が耳に響いた。
可愛いと言われて恥ずかしくなり、私は俯いていたのでその時のアレクシスの表情を見逃していた。
「本当に、一緒に来てくださるのですか?」
私が不安そうな顔で問いかけるとアレクシスは柔らかく微笑み「当然だよ」と答えた。
「私はいつだってリリアの味方だ。だから安心して臨めばいいよ」
「わかりました。最後までご迷惑をおかけすることになってしまって、ごめんなさい」
「最後?」
「あ、いえ。なんでもありませんっ!」
アレクシスは先に馬車から降りると、私の前に手を差し出してくれた。
こんな風に気遣ってくれるのも、アレクシスだけだ。
いつもどこかで思っていたのかも知れない。
アレクシスが婚約者なら良かったのに……、と。
差し出された手に触れると、指からアレクシスの体温が伝わってきてドキドキしてしまう。
今、私の頬は僅かに赤く染まっているのかも知れない。
だけど夜の闇に包まれている為、アレクシスには気付かれていないはずだ。
「緊張してる?」
「え?」
私が馬車から降りると、アレクシスとの距離が縮まる。
まるで私の心の中を見透かしたように言われ、ドキッと心臓が飛び跳ねる。
そして煩いほどにバクバクと鼓動が鳴り響いている。
これがアレクシスに伝わってしまったらどうしようと思うと、更に追い打ちをかけるかのように胸の音は激しくなる。
(お願いだから、収まって……)
「まあ、当然か。これからリリアは大胆な行動に出るんだ。伯爵の驚いた顔が見ものだな」
私の思いとは裏腹にアレクシスはこの状況を楽しんでいる様子だ。
胸の内が気付かれていないのだと分かると、私は内心ほっとしていた。
「リリアの手、少し冷たいね」
「……っ!?」
動揺していたせいで、いつまでもアレクシスの手を握ったままでいた。
私は慌てるようにぱっと手を離した。
(何してるの、私。手を握ったままでいるなんて。すごく恥ずかしい……)
アレクシスを意識したことなど今までは無かった。
きっと、数年ぶりに会ったから緊張しているだけなのだろう。
それに以前よりも随分と大人の雰囲気に変わっていて驚いているだけだ。
そう自分に言い聞かせ平静を装おうとするが、私の鼓動はちっとも大人しくはなってくれない。
「馬車の中でも少し肌寒かったからね。リリアの体が冷え切る前に、屋敷の中に入ろうか」
「はい……、っ!?」
私が小さく頷くと、再び指先に心地よい温かさを感じて驚いて顔を上げた。
辺りは夜の闇に包まれているが、月明かりに照らされて傍にいるアレクシスの表情をはっきりと判別することは可能だ。
碧い瞳はいつものように優しく私のことを見つめている。
「ひどく緊張しているようだから、手は繋いでおこうか」
「……っ」
なんて言葉にしたら良いのか分からなくて、私の口からは暫くの間何も出てこなかった。
だけどアレクシスは気にする様子も無く歩き出した。
「本当にリリアは素直で可愛らしい。漸く私の願いも叶いそうだ」
「……?」
僅かだったが、アレクシスの声が耳に響いた。
可愛いと言われて恥ずかしくなり、私は俯いていたのでその時のアレクシスの表情を見逃していた。
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