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9.止まらない鼓動
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一度見ただけでは理解出来ず、再度説明を読み返していた。
しかしそれ以上の詳細は書かれておらず、禁断症状とはどういった内容を指しているのかは一切不明だった。
分からないからこそ、不安に感じてしまうものだ。
ここに書かれていることが本当ならば、既にレベル3に達している私の体には何かしらの変化が起こっていると言うことになるが……。
私は自分の手を前に出し眺めたり、体に触ってみたりした。
しかし、これといって変わった部分は見当たらない。
(変なところはなさそうな気がするけど。もしかして、これから変化が出るってことなのかな。ここに書かれている特定の相手って、多分ユーリのことだよね)
「セラ、何をしているんだ?」
「……っ! べつに、何もしてないよ」
突然ユーリに声をかけられて、私はビクッと体を震わせ慌てるように画面を閉じた。
そして笑って誤魔化すように答える。
(また変なことにならなければいいけど。このことはとりあえず黙っておこう!)
「やっぱり、どこか体に不調があるのか? 今確認していたよな?」
「してない、してない! 本当に大丈夫だから。もう、ユーリは心配し過ぎだよ。出会って間もない人間なのに……」
「そうだな。確かに私達は出会って間もない。だからこそ気になるし、もっと知りたい。お前のこと」
「……っ」
彼はふっと小さく笑うと、私の前で立ち止まった。
そして自然な素振りで私のことを腕の中に包み込んだ。
「いきなり、何をっ……」
私がそう声を出そうとすると耳元に吐息が触れて、生暖かい感覚に体がゾクッと震える。
思わず声が漏れそうになってしまうが、そこは息を呑み込んで耐えた。
「こうすると、簡単に私の腕の中に埋まってしまうな」
「やっ……、耳元で、喋らないでっ」
彼の唇が動く度に、耳元がぞわぞわしてどこか擽ったい。
そして意地悪そうに話すその声は妙に艶っぽく聞こえて、鼓動の高まりと共に体中に熱が巡っていく。
「耳が弱いのか? 可愛いな」
「ひぁっ、息を吹きかけて遊ばないでっ」
耳が弱いことが分かると彼はわざと息を吹きかけて来たり、耳の縁にキスを落としてくる。
刺激を与えられていると体の奥がじわじわと熱くなり、足下の力が抜けていってしまいそうだ。
私は倒れないように、彼の腰辺りの布をぎゅっと掴んでいた。
こうでもしていないと、そのままずるずるとしゃがみ込んでしまいそうだったから。
「掴むならそこでは無く私の首に手を回して」
「なんで?」
「いいから」
「……っ」
絶対嫌な予感がする。
だけどこのまま拒んでいたら、もっと意地悪なことをされそうな気がして、仕方なく彼の首に手を回した。
顔を上げると満足げに見つめる瞳とぶつかり、なんだか少し悔しい気持ちになった。
「いい子だ。抱き上げるから、絶対に離すなよ」
「抱き上げるって……っわぁ!?」
突然ふわっと体が浮き上がり、掴まる手に思わず力が入ってしまう。
どうやら私は横向きに抱きかかえられている状態のようだ。
そして視線を足下に向けると、彼を中心として地面から砂煙が舞い始めている。
(な、なに!?)
「セラが無理していそうだから、このまま移動する」
「え? い、移動って、私歩けますっ」
「いや、一瞬だ」
彼は口角を上げて小さく呟くと、次の瞬間には路地裏の様な場所に移動していた。
耳を澄ませてみると、奥からはざわざわと人々の賑やかそうな話声が聞こえて来る。
「……え?」
「ここはラーズの街の路地裏だ。随分驚いた顔をしているな。移動魔法を見るのは初めてか?」
(移動魔法って……。そんな便利なものがあるの!?)
「悪い。このままの姿だと人目に付くから、一度下ろすぞ」
「は、はい……」
彼は傍にある樽の上に私を座らせた。
そしてアイテムボックスから、黒いローブを取り出しさっと身に付ける。
確かに真っ白な服では人々の注意を引きそうだ。
問題はそれだけではない気もするが……。
そんなことを思っていると、フードを被った彼と目が合った。
ここが薄暗い場所であるせいなのか、フードを被り顔に影が出来てしまっているからなのだろうか。
ユーリの雰囲気がどことなく変わったような気がした。
「少し細工をした。お前と同じ漆黒の髪に、瞳は薄い茶眼だ」
「やっぱり、色が変わってたんだ。そんなことも出来るんですか?」
「私は隠蔽魔法を使ったが、髪の色を変えるアイテムは売られているからな。そこまで珍しいものでも無いとは思うが」
「でも、一瞬で変えられるなんてすごいですっ! 私も今度探してみようかな」
(それって気分によって髪色を自由に、それも簡単に変えられるってことだよね。なんだかすごく楽しそうっ)
私が楽しい気分になっていると、すっと手が伸びて来て、彼の長い指が私の髪に触れた。
「こんなに綺麗な髪なのに、変えるなんて勿体ない」
「……っ」
ユーリは私の髪を一房指に掬い上げると、そこに優しくキスを落とした。
目の前でそんな光景を見せられて、私の鼓動は更に早まっていく。
「どうした? 髪に触れただけだぞ。もしかして照れているのか?」
「ち、違いますっ……」
「そうか。一応お前の色に合わせたのには理由がある。暫くの間、兄妹という設定にして行動したい」
「それは周囲に怪しまれないために?」
「ああ、そうだ。だけどお前の反応を見ていると、初々しい恋人同士という設定の方が良いかもしれないな」
「……っ、いいえ、ここは兄妹設定でいきましょうっ!」
私はユーリの提案を速攻で拒否した。
今まで恋人なんて出来たことはないし、正直何をしたら良いのか分からないというのが本音だ。
それに受け入れてしまったら、人前で今みたいなことを平気でしてきそうな気がする。
そうなると困るのは私になる。
(フリでも絶対に無理……!)
「随分やる気だな」
「兄妹だったら、人前で変なことはさすがに出来ないですよね」
「変なこと? それなら、私は妹を溺愛する兄という設定にしようか」
「は……?」
「それじゃあ行こうか」
彼はさらりと流すと再び私の体を抱き上げた。
再び彼の体温に包まれ、落ち着いたはずの私の鼓動は再び鳴り始める。
「ど、どこに!? っていうか、自分で歩けますっ」
「今晩宿泊する場所だ。怪我をしているかもしれない妹に無理はさせられないからな」
「私、無理なんてしてませんっ!」
「そろそろ路地を出る。あまり騒ぐと人目に付く」
「……っ」
彼は私の耳元で「いい子だから、大人しくしていて」と囁いてきた。
事情を知ってしまった以上、今は黙るしか無かった。
だけど人混みに出ると、私を抱き上げている姿は確実に目立っている気がする。
先程からすれ違う人々が、チラチラとこちらに視線を送っているのを感じる。
(確かにフードで顔は見えないかもしれないけど……。これ、絶対に目立ってるからっ……)
私は周囲の視線と羞恥心に耐えるしかなかった。
***
人混みを抜けると、今日の宿泊場となる建物の中に入って行った。
そこは貴族の屋敷のような豪華な作りになっていて、恐らくそういった者達の為の宿泊施設なのだろう。
私はこんな建物には近づいたことも無かったので、興味津々といった様子で周囲を眺めていた。
(うわ……、すごい。置かれている家具、どれも高そう。天井もすごく高い!)
落ち着いたブラウンを基調とした絨毯と壁紙に、家具もそれにあった同系色のものが並べられている。
天井からは大きなシャンデリアがぶら下がっており、それがあることで一気に優雅さを感じることが出来る。
壁際には絵画や、彫刻なども並べられており、それらを眺めていると『貴族のための』という言葉が相応しい場所だと改めて感じる。
そんな事を考えていると少し場違い感を察し、私はそわそわとしてしまう。
そんな中、彼は受付で話を進めていく。
「部屋を用意して欲しい」
「はい、どちらのお部屋をご要望ですか?」
「特別室は空いているか? 出来れば二部屋借りたいんだが……」
(と、特別室!?)
その言葉が耳に飛び込んで来ると、驚いて思わず叫びそうになってしまった。
きっと私には想像出来ない程の、恐ろし金額なのだろう。
(私、お金無いって話したよね。支払いはユーリがしてくれるのかな……。そうじゃないと困るんだけど、どうしようっ)
「申し訳ありません。本日特別室のお部屋は埋まっておりまして、一部屋でしたらご用意出来ますが……」
「セラ、構わないか?」
「え? は、はいっ」
突然返答を求められて、二人から視線を向けられ戸惑ってしまう。
私は金額のことばかり考えていたので話を聞いておらず、分からないまま頷いてしまった。
「かしこまりました。それでは最上階の一番奥のお部屋をお使いください。お代は先払いになります」
「ああ、これで」
ユーリは慣れた口調で答えると、ポケットから見慣れない金貨を取り出しテーブルの上に置いた。
後から聞いたのだが、これは白金貨と言われるもので、大金貨の更に上の通貨のようだ。
使っているのは言うまでも無く貴族のみ。
「本当に良かったのか? セラのことだから断ると思った」
「え?」
私はきょとんとした声で『何を?』と言いたげに顔を上げた。
「私と同室で過ごすという話だ」
「……っ!?」
「だけどこちらとしては都合が良かった。セラには話しておきたいこともあったからな」
(それって……、一晩一緒に過ごすってこと!?)
ユーリは私を抱えながらスタスタと歩いているし、こんな高そうな部屋をもう一室借りるお金も持ち合わせてはいない。
それに彼と二人で一夜を過ごすということに変な想像を膨らませてしまい、私の頭の中はパニック状態になっていた。
しかしそれ以上の詳細は書かれておらず、禁断症状とはどういった内容を指しているのかは一切不明だった。
分からないからこそ、不安に感じてしまうものだ。
ここに書かれていることが本当ならば、既にレベル3に達している私の体には何かしらの変化が起こっていると言うことになるが……。
私は自分の手を前に出し眺めたり、体に触ってみたりした。
しかし、これといって変わった部分は見当たらない。
(変なところはなさそうな気がするけど。もしかして、これから変化が出るってことなのかな。ここに書かれている特定の相手って、多分ユーリのことだよね)
「セラ、何をしているんだ?」
「……っ! べつに、何もしてないよ」
突然ユーリに声をかけられて、私はビクッと体を震わせ慌てるように画面を閉じた。
そして笑って誤魔化すように答える。
(また変なことにならなければいいけど。このことはとりあえず黙っておこう!)
「やっぱり、どこか体に不調があるのか? 今確認していたよな?」
「してない、してない! 本当に大丈夫だから。もう、ユーリは心配し過ぎだよ。出会って間もない人間なのに……」
「そうだな。確かに私達は出会って間もない。だからこそ気になるし、もっと知りたい。お前のこと」
「……っ」
彼はふっと小さく笑うと、私の前で立ち止まった。
そして自然な素振りで私のことを腕の中に包み込んだ。
「いきなり、何をっ……」
私がそう声を出そうとすると耳元に吐息が触れて、生暖かい感覚に体がゾクッと震える。
思わず声が漏れそうになってしまうが、そこは息を呑み込んで耐えた。
「こうすると、簡単に私の腕の中に埋まってしまうな」
「やっ……、耳元で、喋らないでっ」
彼の唇が動く度に、耳元がぞわぞわしてどこか擽ったい。
そして意地悪そうに話すその声は妙に艶っぽく聞こえて、鼓動の高まりと共に体中に熱が巡っていく。
「耳が弱いのか? 可愛いな」
「ひぁっ、息を吹きかけて遊ばないでっ」
耳が弱いことが分かると彼はわざと息を吹きかけて来たり、耳の縁にキスを落としてくる。
刺激を与えられていると体の奥がじわじわと熱くなり、足下の力が抜けていってしまいそうだ。
私は倒れないように、彼の腰辺りの布をぎゅっと掴んでいた。
こうでもしていないと、そのままずるずるとしゃがみ込んでしまいそうだったから。
「掴むならそこでは無く私の首に手を回して」
「なんで?」
「いいから」
「……っ」
絶対嫌な予感がする。
だけどこのまま拒んでいたら、もっと意地悪なことをされそうな気がして、仕方なく彼の首に手を回した。
顔を上げると満足げに見つめる瞳とぶつかり、なんだか少し悔しい気持ちになった。
「いい子だ。抱き上げるから、絶対に離すなよ」
「抱き上げるって……っわぁ!?」
突然ふわっと体が浮き上がり、掴まる手に思わず力が入ってしまう。
どうやら私は横向きに抱きかかえられている状態のようだ。
そして視線を足下に向けると、彼を中心として地面から砂煙が舞い始めている。
(な、なに!?)
「セラが無理していそうだから、このまま移動する」
「え? い、移動って、私歩けますっ」
「いや、一瞬だ」
彼は口角を上げて小さく呟くと、次の瞬間には路地裏の様な場所に移動していた。
耳を澄ませてみると、奥からはざわざわと人々の賑やかそうな話声が聞こえて来る。
「……え?」
「ここはラーズの街の路地裏だ。随分驚いた顔をしているな。移動魔法を見るのは初めてか?」
(移動魔法って……。そんな便利なものがあるの!?)
「悪い。このままの姿だと人目に付くから、一度下ろすぞ」
「は、はい……」
彼は傍にある樽の上に私を座らせた。
そしてアイテムボックスから、黒いローブを取り出しさっと身に付ける。
確かに真っ白な服では人々の注意を引きそうだ。
問題はそれだけではない気もするが……。
そんなことを思っていると、フードを被った彼と目が合った。
ここが薄暗い場所であるせいなのか、フードを被り顔に影が出来てしまっているからなのだろうか。
ユーリの雰囲気がどことなく変わったような気がした。
「少し細工をした。お前と同じ漆黒の髪に、瞳は薄い茶眼だ」
「やっぱり、色が変わってたんだ。そんなことも出来るんですか?」
「私は隠蔽魔法を使ったが、髪の色を変えるアイテムは売られているからな。そこまで珍しいものでも無いとは思うが」
「でも、一瞬で変えられるなんてすごいですっ! 私も今度探してみようかな」
(それって気分によって髪色を自由に、それも簡単に変えられるってことだよね。なんだかすごく楽しそうっ)
私が楽しい気分になっていると、すっと手が伸びて来て、彼の長い指が私の髪に触れた。
「こんなに綺麗な髪なのに、変えるなんて勿体ない」
「……っ」
ユーリは私の髪を一房指に掬い上げると、そこに優しくキスを落とした。
目の前でそんな光景を見せられて、私の鼓動は更に早まっていく。
「どうした? 髪に触れただけだぞ。もしかして照れているのか?」
「ち、違いますっ……」
「そうか。一応お前の色に合わせたのには理由がある。暫くの間、兄妹という設定にして行動したい」
「それは周囲に怪しまれないために?」
「ああ、そうだ。だけどお前の反応を見ていると、初々しい恋人同士という設定の方が良いかもしれないな」
「……っ、いいえ、ここは兄妹設定でいきましょうっ!」
私はユーリの提案を速攻で拒否した。
今まで恋人なんて出来たことはないし、正直何をしたら良いのか分からないというのが本音だ。
それに受け入れてしまったら、人前で今みたいなことを平気でしてきそうな気がする。
そうなると困るのは私になる。
(フリでも絶対に無理……!)
「随分やる気だな」
「兄妹だったら、人前で変なことはさすがに出来ないですよね」
「変なこと? それなら、私は妹を溺愛する兄という設定にしようか」
「は……?」
「それじゃあ行こうか」
彼はさらりと流すと再び私の体を抱き上げた。
再び彼の体温に包まれ、落ち着いたはずの私の鼓動は再び鳴り始める。
「ど、どこに!? っていうか、自分で歩けますっ」
「今晩宿泊する場所だ。怪我をしているかもしれない妹に無理はさせられないからな」
「私、無理なんてしてませんっ!」
「そろそろ路地を出る。あまり騒ぐと人目に付く」
「……っ」
彼は私の耳元で「いい子だから、大人しくしていて」と囁いてきた。
事情を知ってしまった以上、今は黙るしか無かった。
だけど人混みに出ると、私を抱き上げている姿は確実に目立っている気がする。
先程からすれ違う人々が、チラチラとこちらに視線を送っているのを感じる。
(確かにフードで顔は見えないかもしれないけど……。これ、絶対に目立ってるからっ……)
私は周囲の視線と羞恥心に耐えるしかなかった。
***
人混みを抜けると、今日の宿泊場となる建物の中に入って行った。
そこは貴族の屋敷のような豪華な作りになっていて、恐らくそういった者達の為の宿泊施設なのだろう。
私はこんな建物には近づいたことも無かったので、興味津々といった様子で周囲を眺めていた。
(うわ……、すごい。置かれている家具、どれも高そう。天井もすごく高い!)
落ち着いたブラウンを基調とした絨毯と壁紙に、家具もそれにあった同系色のものが並べられている。
天井からは大きなシャンデリアがぶら下がっており、それがあることで一気に優雅さを感じることが出来る。
壁際には絵画や、彫刻なども並べられており、それらを眺めていると『貴族のための』という言葉が相応しい場所だと改めて感じる。
そんな事を考えていると少し場違い感を察し、私はそわそわとしてしまう。
そんな中、彼は受付で話を進めていく。
「部屋を用意して欲しい」
「はい、どちらのお部屋をご要望ですか?」
「特別室は空いているか? 出来れば二部屋借りたいんだが……」
(と、特別室!?)
その言葉が耳に飛び込んで来ると、驚いて思わず叫びそうになってしまった。
きっと私には想像出来ない程の、恐ろし金額なのだろう。
(私、お金無いって話したよね。支払いはユーリがしてくれるのかな……。そうじゃないと困るんだけど、どうしようっ)
「申し訳ありません。本日特別室のお部屋は埋まっておりまして、一部屋でしたらご用意出来ますが……」
「セラ、構わないか?」
「え? は、はいっ」
突然返答を求められて、二人から視線を向けられ戸惑ってしまう。
私は金額のことばかり考えていたので話を聞いておらず、分からないまま頷いてしまった。
「かしこまりました。それでは最上階の一番奥のお部屋をお使いください。お代は先払いになります」
「ああ、これで」
ユーリは慣れた口調で答えると、ポケットから見慣れない金貨を取り出しテーブルの上に置いた。
後から聞いたのだが、これは白金貨と言われるもので、大金貨の更に上の通貨のようだ。
使っているのは言うまでも無く貴族のみ。
「本当に良かったのか? セラのことだから断ると思った」
「え?」
私はきょとんとした声で『何を?』と言いたげに顔を上げた。
「私と同室で過ごすという話だ」
「……っ!?」
「だけどこちらとしては都合が良かった。セラには話しておきたいこともあったからな」
(それって……、一晩一緒に過ごすってこと!?)
ユーリは私を抱えながらスタスタと歩いているし、こんな高そうな部屋をもう一室借りるお金も持ち合わせてはいない。
それに彼と二人で一夜を過ごすということに変な想像を膨らませてしまい、私の頭の中はパニック状態になっていた。
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