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「はぁっ……っん」
殿下は私を組み敷くように跨がり、両胸を掌で包むと強弱をつけるように揉みしだく。
それから片方に顔を寄せて舌を伸ばし、膨らみ始めた胸の先端の輪郭をなぞるように舐め始めた。
鋭い青い瞳は私をじっと捉えて、まるで見せつけているかのように。
きっと、私の羞恥を煽っているのだろう。
本当にどこまでも意地悪な人だ。
「そうやって必死に耐えてる姿も堪らないくらいに愛らしい」
「うるっ、さいっ……ぁっ……」
言葉で煽られて私が睨みつけると、彼は不敵に微笑む。
「……ぁあっ!」
先端を甘噛みされて、痺れるような刺激が全身に流れると同時に、私の唇からは嬌声が漏れた。
「思ったとおり、ここも敏感だ。こちらだけの刺激ではもう片方が可哀想だから、こっちは指で可愛がってあげるよ」
彼は意地悪そうに答えると、もう片方の先端を爪で弾いた。
新たな刺激を与えられ、私の体はびくんと大きく飛び跳ねる。
「ひぁっ……! やっ、まって……両方同時にしないでっ!」
「気持ちいいくせに」
今度は甘噛みしていたほうを口の中に含み、舌先で転がされる。
じんじんと痺れるような感覚が強まり、体をじっとしていることができない。
「ちがっ、……ぁっ、……だ、だめっ……っんぅ」
「そんなに腰を捩じらせても逃がしてあげないよ」
「ぁっ……っ、やだっ、そんなにきつく吸わないで……」
「嫌々言うわりに、こんなに硬くして……。舐めやすくしてくれているの? だったら、もっと気持ち良くしてあげないと、ね」
「ち、ちがっ……っ、ぁっ……ぁああ!」
「本当に君は可愛いな。もっとたくさん啼かせたい」
今の彼の瞳は、欲望の色に染まっているように見えた。
一瞬ぞくりとしてしまったけど、情欲にまみれたその姿も美しく見えて、ドキドキしてしまう。
胸を激しく愛撫される中、私の内股を彼の掌が這い上がっていく。
足の付け根にまで到達すると、熱くなった花弁を指が優しく往復する。
「少し触れただけなのに、君の厭らしい蜜が溢れ出ているね」
「やっ……!」
指の動きを感じるだけで、中心の疼きが強くなり、体が小刻みに震えてしまう。
「次はここを可愛がってあげる」
「ぁっ、まって! その前に、これ……外して。おねがいっ……」
殿下の前で肌を晒すだけで恥ずかしいというのに、手まで拘束されて、されるがままの状況を見せられるなんて、そんなの耐えられない。
しかもこういう行為をするのは初めてなのでなおさらだ。
「そうだったね。それじゃあ、私からも一つ条件を」
「……?」
私が警戒するように顔を顰めると、彼は困ったように笑った。
そして濡れている目元を優しく指で拭ってくれる。
泣いていたというよりは、生理的に溢れた涙だ。
「私の名前を呼んで。そうしたら外してあげる。簡単なことだろう?」
「……っ、それはっ……」
「呼んでくれないのなら、このまま続けるよ」
まさかとは思うけど、私に名前を呼ばせるために手を拘束したのだろうか。
名前を呼ぶなんて簡単なことなのに、こんな状態なせいかとてつもなく緊張する。
というよりは、ドキドキしている。
「言って」
「……っ、あ……」
そんなふうに急かされると、ますます言うのが恥ずかしくなる。
私がもたもたしていると、彼は私の耳元に唇を寄せた。
「……言えよ」
「……っ! アン、ドレアス、さま……」
低い声で命令されて、どくんと胸の奥がざわめく。
私は小さな声で呟いたが、恐らく彼には届いたのだろう。
普段と違う雰囲気ではあるけど、恐怖心なく、ただ私は興奮していた。
「やっと言ってくれたね。ありがとう」
私が答えると、彼は顔を私の前に戻し、本当に嬉しそうに微笑んでいた。
その笑顔を見て、また胸の奥が激しく揺さぶられる。
(なんなのよっ……、こんなの反則すぎるわ……!)
私が一人で興奮していると彼はすぐに両手の拘束を解放してくれて、私の手を取り、手首を確認する。
「痕は残っていないようだね。良かった」
こんなことをしておいてとは思うけど、私のことを心配してくれている姿を見ていると責めるに責められなくなる。
(本当に、調子が狂うわ……)
いつだってそうだ。
この人の傍にいると、いつもペースを乱されてつい文句を言いたくなるけど、私はこの場所が嫌いではない。
ずっと嫌いだと思っていたけど、気づかない間に心は惹かれていたのだと思う。
私が悪役令嬢であるから、そういう設定で彼に惹かれたとは思いたくない。
たしかに、ゲームと同じ世界ではあるけど、私にはちゃんと心があって、これは私のものだ。
「殿下、……いいえ、アンドレアス様。私をこんな気持ちにさせたのだから、責任……、ちゃんと取ってくださいね」
おかしくなったのは、全てこの人のせい。
そんなふうに思ったら、感情が昂ぶり口にせずにはいられなかった。
私の言葉を聞いて、彼は一瞬驚いた表情を見せるも、すぐに穏やかな顔に戻る。
「ああ、当然そのつもりでいる。リゼを世界一幸せにするよ。……絶対に、ね。だから、ずっと私の傍にいてほしい。私は、リゼさえいてくれればそれで幸せだから。誰よりも愛してる」
「……っ」
彼の表情を見ていれば、それが本心であることはすぐに分かった。
とても優しい顔で、その瞳の中には私が映っている。
心が繋がったのだと思った途端、自然と目元からは涙が溢れ出す。
「泣かせてしまったか」
「いえ、これは嬉し涙なのでお気になさらず……」
私が涙を拭おうと指で目元を擦っていると、彼に止められた。
「そんなに擦ったら腫れてしまうよ。私に拭わせて」
「……っ」
穏やかな声でそう言うと、彼は私の目元にキスをして、舌先で優しく舐め取ってくれた。
「殿下、擽ったいです」
「また殿下って言ってる。これからは『殿下』って呼び方は禁止にしようか」
「うっ……、思わず言ってしまっただけです。慣れたら、普通に呼べます」
「そう? じゃあ、今からそうして。リゼには名前で呼んでほしいから」
そんな話をしていると、いつの間にか私の涙は止まっていた。
「……はいっ」
今は恥ずかしさよりも、幸福感のほうが勝っていた。
殿下は私を組み敷くように跨がり、両胸を掌で包むと強弱をつけるように揉みしだく。
それから片方に顔を寄せて舌を伸ばし、膨らみ始めた胸の先端の輪郭をなぞるように舐め始めた。
鋭い青い瞳は私をじっと捉えて、まるで見せつけているかのように。
きっと、私の羞恥を煽っているのだろう。
本当にどこまでも意地悪な人だ。
「そうやって必死に耐えてる姿も堪らないくらいに愛らしい」
「うるっ、さいっ……ぁっ……」
言葉で煽られて私が睨みつけると、彼は不敵に微笑む。
「……ぁあっ!」
先端を甘噛みされて、痺れるような刺激が全身に流れると同時に、私の唇からは嬌声が漏れた。
「思ったとおり、ここも敏感だ。こちらだけの刺激ではもう片方が可哀想だから、こっちは指で可愛がってあげるよ」
彼は意地悪そうに答えると、もう片方の先端を爪で弾いた。
新たな刺激を与えられ、私の体はびくんと大きく飛び跳ねる。
「ひぁっ……! やっ、まって……両方同時にしないでっ!」
「気持ちいいくせに」
今度は甘噛みしていたほうを口の中に含み、舌先で転がされる。
じんじんと痺れるような感覚が強まり、体をじっとしていることができない。
「ちがっ、……ぁっ、……だ、だめっ……っんぅ」
「そんなに腰を捩じらせても逃がしてあげないよ」
「ぁっ……っ、やだっ、そんなにきつく吸わないで……」
「嫌々言うわりに、こんなに硬くして……。舐めやすくしてくれているの? だったら、もっと気持ち良くしてあげないと、ね」
「ち、ちがっ……っ、ぁっ……ぁああ!」
「本当に君は可愛いな。もっとたくさん啼かせたい」
今の彼の瞳は、欲望の色に染まっているように見えた。
一瞬ぞくりとしてしまったけど、情欲にまみれたその姿も美しく見えて、ドキドキしてしまう。
胸を激しく愛撫される中、私の内股を彼の掌が這い上がっていく。
足の付け根にまで到達すると、熱くなった花弁を指が優しく往復する。
「少し触れただけなのに、君の厭らしい蜜が溢れ出ているね」
「やっ……!」
指の動きを感じるだけで、中心の疼きが強くなり、体が小刻みに震えてしまう。
「次はここを可愛がってあげる」
「ぁっ、まって! その前に、これ……外して。おねがいっ……」
殿下の前で肌を晒すだけで恥ずかしいというのに、手まで拘束されて、されるがままの状況を見せられるなんて、そんなの耐えられない。
しかもこういう行為をするのは初めてなのでなおさらだ。
「そうだったね。それじゃあ、私からも一つ条件を」
「……?」
私が警戒するように顔を顰めると、彼は困ったように笑った。
そして濡れている目元を優しく指で拭ってくれる。
泣いていたというよりは、生理的に溢れた涙だ。
「私の名前を呼んで。そうしたら外してあげる。簡単なことだろう?」
「……っ、それはっ……」
「呼んでくれないのなら、このまま続けるよ」
まさかとは思うけど、私に名前を呼ばせるために手を拘束したのだろうか。
名前を呼ぶなんて簡単なことなのに、こんな状態なせいかとてつもなく緊張する。
というよりは、ドキドキしている。
「言って」
「……っ、あ……」
そんなふうに急かされると、ますます言うのが恥ずかしくなる。
私がもたもたしていると、彼は私の耳元に唇を寄せた。
「……言えよ」
「……っ! アン、ドレアス、さま……」
低い声で命令されて、どくんと胸の奥がざわめく。
私は小さな声で呟いたが、恐らく彼には届いたのだろう。
普段と違う雰囲気ではあるけど、恐怖心なく、ただ私は興奮していた。
「やっと言ってくれたね。ありがとう」
私が答えると、彼は顔を私の前に戻し、本当に嬉しそうに微笑んでいた。
その笑顔を見て、また胸の奥が激しく揺さぶられる。
(なんなのよっ……、こんなの反則すぎるわ……!)
私が一人で興奮していると彼はすぐに両手の拘束を解放してくれて、私の手を取り、手首を確認する。
「痕は残っていないようだね。良かった」
こんなことをしておいてとは思うけど、私のことを心配してくれている姿を見ていると責めるに責められなくなる。
(本当に、調子が狂うわ……)
いつだってそうだ。
この人の傍にいると、いつもペースを乱されてつい文句を言いたくなるけど、私はこの場所が嫌いではない。
ずっと嫌いだと思っていたけど、気づかない間に心は惹かれていたのだと思う。
私が悪役令嬢であるから、そういう設定で彼に惹かれたとは思いたくない。
たしかに、ゲームと同じ世界ではあるけど、私にはちゃんと心があって、これは私のものだ。
「殿下、……いいえ、アンドレアス様。私をこんな気持ちにさせたのだから、責任……、ちゃんと取ってくださいね」
おかしくなったのは、全てこの人のせい。
そんなふうに思ったら、感情が昂ぶり口にせずにはいられなかった。
私の言葉を聞いて、彼は一瞬驚いた表情を見せるも、すぐに穏やかな顔に戻る。
「ああ、当然そのつもりでいる。リゼを世界一幸せにするよ。……絶対に、ね。だから、ずっと私の傍にいてほしい。私は、リゼさえいてくれればそれで幸せだから。誰よりも愛してる」
「……っ」
彼の表情を見ていれば、それが本心であることはすぐに分かった。
とても優しい顔で、その瞳の中には私が映っている。
心が繋がったのだと思った途端、自然と目元からは涙が溢れ出す。
「泣かせてしまったか」
「いえ、これは嬉し涙なのでお気になさらず……」
私が涙を拭おうと指で目元を擦っていると、彼に止められた。
「そんなに擦ったら腫れてしまうよ。私に拭わせて」
「……っ」
穏やかな声でそう言うと、彼は私の目元にキスをして、舌先で優しく舐め取ってくれた。
「殿下、擽ったいです」
「また殿下って言ってる。これからは『殿下』って呼び方は禁止にしようか」
「うっ……、思わず言ってしまっただけです。慣れたら、普通に呼べます」
「そう? じゃあ、今からそうして。リゼには名前で呼んでほしいから」
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今は恥ずかしさよりも、幸福感のほうが勝っていた。
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