25 / 45
25.嫉妬
しおりを挟む
私はマティアスと話をすることを決めたのは良いけど、その手段に悩んでいた。
学園で話してサラに見つかり大事になるのは正直避けたい。
だから少し手間はかかるけど、手紙を書くことにした。
私が手紙を書いてから数日後マティアスから返事が来て会って話をすることに同意してもらえた。
そして今日がその日だった。
私はマティアスの屋敷に来ていた。
住居している方ではなく別邸の方だった。
私達は一度婚約解消になった中であり、今はまだマティアスの婚約者はサラの為目立った所で会うのは控えた方が良いと言う事になりここに決まった。
私がマティアスの屋敷に到着すると、すぐにマティアスが出迎えてくれた。
「リリー、良く来てくれたね。さぁ入って…」
「お邪魔します…」
マティアスは快く私の事を歓迎してくれた。
この前会った時に酷い事を言ってしまったから、どんな顔をして会えば良いのか迷っていたけどいつも通りのマティアスでほっとしていた。
私が屋敷に入ると、マティアスに案内され応接間へと移動した。
私達は大きなソファーに向かい合うように座った。
メイドがお茶の準備をしてくれて、終わると部屋から出て行った。
「今日はリリーが来てくれたこと、俺に話す機会を与えてくれたことに感謝するよ」
「あの…この前は酷い事言ってしまってごめんなさい…」
私は申し訳なさそうに謝った。
「リリーは久しぶりに俺と会って混乱したんだよな。だからその事は気にしないで大丈夫だよ」
「本当に…?」
私が聞くとマティアスは小さく笑いながら「ああ」と答えた。
「今日はリリーが来ると思って、リリーの好きだったお菓子を用意させたんだ。だから遠慮なく食べて」
「……あ、ありがとう」
実はさっきから気になっていたのをマティアスに気づかれていたらしい。
私が少し恥ずかしそうに顔を染めると、マティアスは楽しそうに笑っていた。
私はお菓子とお茶を頂きながら話を始めた。
「私達の婚約解消は仕組まれたものだったんだよね…?」
「ああ…。俺はすぐにどうにか出来ると思って動いてた。全部片付いたら全てリリーに説明するつもりでいた。だけど予想以上に時間がかかり過ぎて…説明する機会もタイミングも失われて、あんな形での再開になってしまった。リリーは怒って当然だよ。俺は何もリリーには伝えなかったんだから…」
マティアスは思い出しながら苦しそうな表情で言った。
「私の事は…責めないの?」
「どうしてリリーの事を責める必要があるの?リリーは何も悪くないだろ。説明しなかった俺が完全に悪い。だからリリーは余計な事は何も考えなくていいんだよ」
私が聞くとマティアスは優しい表情でそう言った。
私の事を責める素振りは一切なかった。
「サラ様との婚約は…白紙に戻るの?」
「おそらくもう少ししたら白紙に戻るかな」
私はその言葉に俯いてしまった。
「リリーにはもう好きな人がいるんだろ…?」
「え…?」
「噂になってるから知ってるよ。ハーラルト殿下との婚約がまじかだとか…」
「……うん」
マティアスは余り表情を変えないまま話していた。
私はそんなに気にしてないのかな?と思い少し安心した。
「リリーは殿下に愛されてるんだね。首筋に痕を残される位…」
「え…?」
「噂になってたよ。リリーの首筋に痕を残したのは殿下じゃないかって…ね」
「………っ…」
急にそんな話をされて恥ずかしくなり顔が赤く染まってしまう。
「だけど…ね。俺はリリーの事を手放すつもりなんてないよ。たった数か月一緒だった男に奪わせるなんて事はさせない」
「……マティ…アス…?」
なんか頭の奥がボーっとしてきてマティアスの話が頭の中に入って来ない。
「俺と離れていてリリーは寂しかったからきっと勘違いしていただけなんだ。すぐに俺に気持ちは戻ってくるはずだよ…というよりは戻すから心配しないでね」
「……あ……れ………」
私は目を開けているのが耐えられない程睡魔に襲われ、ゆっくりと目を閉じると共に意識も手放した。
「随分と薬の効きが早かったな…まぁ、いいか。」
私が眠ってしまったのを確認するとマティアスは私の顔を覗きながら小さく呟いた。
「相変わらずリリーの寝顔はいつ見ても可愛いな。……もう絶対手放さないから…」
マティアスは眠っている私を愛おしそうに見つめると唇にそっと口付けた。
「リリー、…愛してる」
学園で話してサラに見つかり大事になるのは正直避けたい。
だから少し手間はかかるけど、手紙を書くことにした。
私が手紙を書いてから数日後マティアスから返事が来て会って話をすることに同意してもらえた。
そして今日がその日だった。
私はマティアスの屋敷に来ていた。
住居している方ではなく別邸の方だった。
私達は一度婚約解消になった中であり、今はまだマティアスの婚約者はサラの為目立った所で会うのは控えた方が良いと言う事になりここに決まった。
私がマティアスの屋敷に到着すると、すぐにマティアスが出迎えてくれた。
「リリー、良く来てくれたね。さぁ入って…」
「お邪魔します…」
マティアスは快く私の事を歓迎してくれた。
この前会った時に酷い事を言ってしまったから、どんな顔をして会えば良いのか迷っていたけどいつも通りのマティアスでほっとしていた。
私が屋敷に入ると、マティアスに案内され応接間へと移動した。
私達は大きなソファーに向かい合うように座った。
メイドがお茶の準備をしてくれて、終わると部屋から出て行った。
「今日はリリーが来てくれたこと、俺に話す機会を与えてくれたことに感謝するよ」
「あの…この前は酷い事言ってしまってごめんなさい…」
私は申し訳なさそうに謝った。
「リリーは久しぶりに俺と会って混乱したんだよな。だからその事は気にしないで大丈夫だよ」
「本当に…?」
私が聞くとマティアスは小さく笑いながら「ああ」と答えた。
「今日はリリーが来ると思って、リリーの好きだったお菓子を用意させたんだ。だから遠慮なく食べて」
「……あ、ありがとう」
実はさっきから気になっていたのをマティアスに気づかれていたらしい。
私が少し恥ずかしそうに顔を染めると、マティアスは楽しそうに笑っていた。
私はお菓子とお茶を頂きながら話を始めた。
「私達の婚約解消は仕組まれたものだったんだよね…?」
「ああ…。俺はすぐにどうにか出来ると思って動いてた。全部片付いたら全てリリーに説明するつもりでいた。だけど予想以上に時間がかかり過ぎて…説明する機会もタイミングも失われて、あんな形での再開になってしまった。リリーは怒って当然だよ。俺は何もリリーには伝えなかったんだから…」
マティアスは思い出しながら苦しそうな表情で言った。
「私の事は…責めないの?」
「どうしてリリーの事を責める必要があるの?リリーは何も悪くないだろ。説明しなかった俺が完全に悪い。だからリリーは余計な事は何も考えなくていいんだよ」
私が聞くとマティアスは優しい表情でそう言った。
私の事を責める素振りは一切なかった。
「サラ様との婚約は…白紙に戻るの?」
「おそらくもう少ししたら白紙に戻るかな」
私はその言葉に俯いてしまった。
「リリーにはもう好きな人がいるんだろ…?」
「え…?」
「噂になってるから知ってるよ。ハーラルト殿下との婚約がまじかだとか…」
「……うん」
マティアスは余り表情を変えないまま話していた。
私はそんなに気にしてないのかな?と思い少し安心した。
「リリーは殿下に愛されてるんだね。首筋に痕を残される位…」
「え…?」
「噂になってたよ。リリーの首筋に痕を残したのは殿下じゃないかって…ね」
「………っ…」
急にそんな話をされて恥ずかしくなり顔が赤く染まってしまう。
「だけど…ね。俺はリリーの事を手放すつもりなんてないよ。たった数か月一緒だった男に奪わせるなんて事はさせない」
「……マティ…アス…?」
なんか頭の奥がボーっとしてきてマティアスの話が頭の中に入って来ない。
「俺と離れていてリリーは寂しかったからきっと勘違いしていただけなんだ。すぐに俺に気持ちは戻ってくるはずだよ…というよりは戻すから心配しないでね」
「……あ……れ………」
私は目を開けているのが耐えられない程睡魔に襲われ、ゆっくりと目を閉じると共に意識も手放した。
「随分と薬の効きが早かったな…まぁ、いいか。」
私が眠ってしまったのを確認するとマティアスは私の顔を覗きながら小さく呟いた。
「相変わらずリリーの寝顔はいつ見ても可愛いな。……もう絶対手放さないから…」
マティアスは眠っている私を愛おしそうに見つめると唇にそっと口付けた。
「リリー、…愛してる」
3
あなたにおすすめの小説
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる