38 / 45
38.寂しい①
しおりを挟む
私が離宮で生活する様になり1週間が過ぎた。
学園には休学中なので行けないけど、毎日ここでハーラルトと顔を合わせている所為か不安を感じることは無かった。
マティアスの件も、今回は全てハーラルトにお願いすることにした。
きっとハーラルトなら上手くやってくれるって信じている。
ハーラルトが部屋に戻ってくるのは最近少し遅い。
最近やらなければいけない執務が溜っているせいで忙しいらしい。
その理由はハーラルトの兄である第一王子ディアスの結婚の日取りが正式に決まったからだった。
来週開催される王家主催のパーティーで公に公表されるらしい。
私が以前ハーラルトにパートナーの件をお願いされていたパーティーがそれだった。
そしてそこでハーラルトの婚約者として私も公に公表される事となる。
まだ数日後だと言うのに、今から緊張してしまう。
私の家には婚約者発表までの間は口外されるのを避ける為と安全の為、そして準備の為に王宮の方で暫くの間預かるという話になっているらしい。
そして婚約発表の時に着る為のドレスを新調する為に、昼間入れ替わりで色んな人がこの部屋に訪れる。
ドレスのデザインや色、生地などを決める為だった。
色んなサンプルや画像を見せられて、正直多すぎて迷ってしまう。
だけどそんな非日常的な慌ただしい時間が、余計な事をを考える暇を失くしてくれる為良かったと思っている。
そんな忙しい一日が終わり、夜遅い時間にハーラルトは部屋に戻って来た。
「今日もお疲れ様です」
「リリー、ありがとう。こんな時間まで、また待っていてくれたんだな。だけど先に休んでてくれて構わないって伝えてあるだろう?」
ハーラルトは少し疲れた顔をしながらも優しい口調で答えるとベッドの端に座った。
「ハルの…顔が見たかったから…」
私が少し恥ずかしそうに答えるとハーラルトは小さく笑った。
「リリーは嬉しい事を言ってくれるな。だけどリリーだって最近は色々準備で忙しいと聞いてるからな、無理はしなくていいよ」
「大丈夫ですっ…」
優しく答えてくれるハーラルトの顔を私はドキドキしながら見つめていた。
「どうした…?そんな顔で僕を見て…」
「………っ……」
ハーラルトは手を伸ばして仄かに赤く染まった私の頬に優しく触れると、私の顔を真直ぐに見つめた。
私は急に恥ずかしくなった。
この離宮に来てから私は一度もハーラルトに抱かれていない。
いつもハーラルトは優しくて、私の事を大切に思ってくれてる事は分かってる。
だけどあんな事があってから一度も触れられていなくて、少し不安になるし…寂しかった。
ハーラルトはこんなに夜遅くまで執務をして、きっと疲れているんだろう。
なのに私はこんな邪な気持ちを持ってしまったことが急に恥ずかしくなった。
「なんでもないですっ…もう遅いし…ゆっくり寝てください」
私はそっと視線を外すと「リリー」と名前を呼ばれて再びハーラルトの顔を見た。
「抱いて欲しいか?」
「………っ…!」
私の心を見透かす様にハーラルトにそう言われて、私の頬は更に熱を持ち始めていく。
動揺した私は視線を泳がせていた。
「その反応、分かりやすいな」
ハーラルトは私の真っ赤になった顔を見て小さく笑った。
「だって…ここに来てから一度も…」
「毎晩リリーと一緒のベッドで寝ていて、僕が何も考えていないとでも思っていたか?あんな事があった後だったから、僕が感情のままにリリーを激しく抱いたらリリーを傷付けてしまうんじゃないかって怖かった。もうあんな辛そうなリリーの顔を見たくなかったからな。これでも…相当、我慢しているんだぞ?」
私はその言葉を聞いて胸の奥が熱くなった。
こんなにもハーラルトが私の事を大切に思っていてくれていたなんて…。
「リリー…、僕に抱いて欲しいなら『抱いて』と言って。だけど…優しくは多分…してやれないと思う。それでもいいか?」
ハーラルトは私を見ながら優しい口調で話した。
私はその言葉に小さく頷いた。
「頷いてるだけでは分からないぞ?ちゃんと言って。リリーの口から聞きたい…」
「……抱いて…くださいっ…」
私は顔を真っ赤にさせながら消えそうな位小さな声で答えると、突然抱きしめられた。
「リリー…、本当に君は可愛いな。今夜は眠れるなんて思うなよ…。今までの分、たっぷり愛してやる」
ハーラルトは不意に私の耳元で低く囁いた。
熱いハーラルトの吐息が耳にかかると私はビクッと体を震わせた。
その言葉に私の胸はどんどん高鳴っていく。
「……っ……んんっ!!」
そして抱きしめられる腕が解かれ再び視線が合った瞬間、唇を激しく奪われた。
唇の隙間からハーラルトの熱くなった舌が滑り込んできた。
私の舌に何度も擦り合うように擦り付けられ舌が絡んでいく。
一気に体の奥に熱が溜まっていくのを感じる。
激しいキスをしながらハーラルトはゆっくりと私の体をベッドに倒した。
学園には休学中なので行けないけど、毎日ここでハーラルトと顔を合わせている所為か不安を感じることは無かった。
マティアスの件も、今回は全てハーラルトにお願いすることにした。
きっとハーラルトなら上手くやってくれるって信じている。
ハーラルトが部屋に戻ってくるのは最近少し遅い。
最近やらなければいけない執務が溜っているせいで忙しいらしい。
その理由はハーラルトの兄である第一王子ディアスの結婚の日取りが正式に決まったからだった。
来週開催される王家主催のパーティーで公に公表されるらしい。
私が以前ハーラルトにパートナーの件をお願いされていたパーティーがそれだった。
そしてそこでハーラルトの婚約者として私も公に公表される事となる。
まだ数日後だと言うのに、今から緊張してしまう。
私の家には婚約者発表までの間は口外されるのを避ける為と安全の為、そして準備の為に王宮の方で暫くの間預かるという話になっているらしい。
そして婚約発表の時に着る為のドレスを新調する為に、昼間入れ替わりで色んな人がこの部屋に訪れる。
ドレスのデザインや色、生地などを決める為だった。
色んなサンプルや画像を見せられて、正直多すぎて迷ってしまう。
だけどそんな非日常的な慌ただしい時間が、余計な事をを考える暇を失くしてくれる為良かったと思っている。
そんな忙しい一日が終わり、夜遅い時間にハーラルトは部屋に戻って来た。
「今日もお疲れ様です」
「リリー、ありがとう。こんな時間まで、また待っていてくれたんだな。だけど先に休んでてくれて構わないって伝えてあるだろう?」
ハーラルトは少し疲れた顔をしながらも優しい口調で答えるとベッドの端に座った。
「ハルの…顔が見たかったから…」
私が少し恥ずかしそうに答えるとハーラルトは小さく笑った。
「リリーは嬉しい事を言ってくれるな。だけどリリーだって最近は色々準備で忙しいと聞いてるからな、無理はしなくていいよ」
「大丈夫ですっ…」
優しく答えてくれるハーラルトの顔を私はドキドキしながら見つめていた。
「どうした…?そんな顔で僕を見て…」
「………っ……」
ハーラルトは手を伸ばして仄かに赤く染まった私の頬に優しく触れると、私の顔を真直ぐに見つめた。
私は急に恥ずかしくなった。
この離宮に来てから私は一度もハーラルトに抱かれていない。
いつもハーラルトは優しくて、私の事を大切に思ってくれてる事は分かってる。
だけどあんな事があってから一度も触れられていなくて、少し不安になるし…寂しかった。
ハーラルトはこんなに夜遅くまで執務をして、きっと疲れているんだろう。
なのに私はこんな邪な気持ちを持ってしまったことが急に恥ずかしくなった。
「なんでもないですっ…もう遅いし…ゆっくり寝てください」
私はそっと視線を外すと「リリー」と名前を呼ばれて再びハーラルトの顔を見た。
「抱いて欲しいか?」
「………っ…!」
私の心を見透かす様にハーラルトにそう言われて、私の頬は更に熱を持ち始めていく。
動揺した私は視線を泳がせていた。
「その反応、分かりやすいな」
ハーラルトは私の真っ赤になった顔を見て小さく笑った。
「だって…ここに来てから一度も…」
「毎晩リリーと一緒のベッドで寝ていて、僕が何も考えていないとでも思っていたか?あんな事があった後だったから、僕が感情のままにリリーを激しく抱いたらリリーを傷付けてしまうんじゃないかって怖かった。もうあんな辛そうなリリーの顔を見たくなかったからな。これでも…相当、我慢しているんだぞ?」
私はその言葉を聞いて胸の奥が熱くなった。
こんなにもハーラルトが私の事を大切に思っていてくれていたなんて…。
「リリー…、僕に抱いて欲しいなら『抱いて』と言って。だけど…優しくは多分…してやれないと思う。それでもいいか?」
ハーラルトは私を見ながら優しい口調で話した。
私はその言葉に小さく頷いた。
「頷いてるだけでは分からないぞ?ちゃんと言って。リリーの口から聞きたい…」
「……抱いて…くださいっ…」
私は顔を真っ赤にさせながら消えそうな位小さな声で答えると、突然抱きしめられた。
「リリー…、本当に君は可愛いな。今夜は眠れるなんて思うなよ…。今までの分、たっぷり愛してやる」
ハーラルトは不意に私の耳元で低く囁いた。
熱いハーラルトの吐息が耳にかかると私はビクッと体を震わせた。
その言葉に私の胸はどんどん高鳴っていく。
「……っ……んんっ!!」
そして抱きしめられる腕が解かれ再び視線が合った瞬間、唇を激しく奪われた。
唇の隙間からハーラルトの熱くなった舌が滑り込んできた。
私の舌に何度も擦り合うように擦り付けられ舌が絡んでいく。
一気に体の奥に熱が溜まっていくのを感じる。
激しいキスをしながらハーラルトはゆっくりと私の体をベッドに倒した。
2
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる