【完結】婚約者に振られた私に付け込むのはやめてください【R18】

Rila

文字の大きさ
37 / 45

37.心配しないで

しおりを挟む
私はハーラルトに全て打ち明けた。
マティアスの事、サラの事…そしてあの日あった出来事全てを。

「リリー…思い出すのも辛かったよな…。全部…話してくれてありがとう」
ハーラルトは優しい声でそう言うと私の手をそっと握った。

「二人の事は全て僕に任せて欲しい。こうなった原因は僕にもあるし、一度しっかり話し合ってみるよ。これ以上リリーにだけ辛い思いはさせられないからな」
「それなら私も一緒に…」
私がそう言うとハーラルトに「それは許さない」と即答されてしまった。

「今回はリリーが間に入らない方が良いと思う。リリーは二度も彼に襲われている事、忘れないでもらいたいな。彼とは二度と会わせない…と言いたいけど、とりあえず暫くは会わせるつもりはないから。ここで大人しくしていて」
「はい…」
ハーラルトは少し威圧的な口調で話し、私は小さく答えた。


「サラの事も今回の件の責任はきっちり取らせるから、リリーは何も心配しなくていい」
「……だけど、サラ様がしたことは許せないけど…そうさせたのは私だから…」

「リリーは優しすぎるな。だけど今回の件はリリーは全く悪くない…。だから自分の所為だと思うのはやめろ。サラは王子である僕の婚約者だと知りながらリリーの事を襲わせた。このまま放置すればまた何か仕掛けてくる可能性もあるから、これ以上される前にこちらも手を打つよ。二度とリリーに手出し出来ない様にな。……もちろん、彼にもね」
ハーラルトの口調は何処か冷たく、表情も少し怒っている様に見えた。
私はあまり見ないハーラルトの表情を眺めていると視線が合いドキッとするも、私と視線が合うとハーラルトの表情は直ぐに緩んだ。

「リリーは何も心配しなくていい。後は全部僕に任せて」
ハーラルトは優しい表情で言うと私の事をそっと抱きしめた。

「ありがとう…ハル…」
私は胸の奥が熱くなりぎゅっと抱きしめ返した。

「これからは小さな事でも気になることがあったら何でも僕に言って。リリーの話なら何だって聞きたいからな」
ハーラルトはそう言うと抱きしめる力を緩めて、私の顔を真直ぐに見つめた。
そして唇にそっと口付けた。
触れるだけの優しいキスだった。


「これから毎日リリーと一緒に過ごせると思うと嬉しくて仕方が無いよ。リリーの寝顔も見放題だしな…」
「……っ…!!!」
ハーラルトは少し意地悪そうな顔で私を見ると私の頬は赤く染まっていった。

「照れてるのか…?可愛いな…」
「………っ!!」
そう言われると私の頬は更に赤みを増していく。
そんな私を見てハーラルトは楽しそうに笑っていた。

「リリーの顔は嘘を付けないな。そんな所も…すごく可愛くて、大好きだ」
ハーラルトは私の耳元で囁いた。
私の心臓はバクバクと大きく鼓動を打っていた。

ハーラルトに『大好き』と言われた事が嬉しくて仕方が無かった。

「もうっ…いい加減からかうのはやめてくださいっ!」
私が真っ赤になりながらむっとした表情で言うと「ごめんごめん」と謝って来たけど、反省している様子は一切無かった。


私も途中から可笑しくなり、気付けば一緒に笑っていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】妻の日記を読んでしまった結果

たちばな立花
恋愛
政略結婚で美しい妻を貰って一年。二人の距離は縮まらない。 そんなとき、アレクトは妻の日記を読んでしまう。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

処理中です...