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第一章
7.可愛い婚約者-sideジェラルド-
僕の名前はジェラルド・ロン・ヴァイス 18歳。
ヴァイス大国の現国王と側室の間に出来た子で、第二王子として育てられた。
側室の子という理由で僕は幼い頃から王宮ではなく、そこから少し離れた離宮で生活をしていた。
兄である3歳年上の第一王子は王妃が生んだ子であり、僕は昔からこの第一王子が鬱陶しくて嫌いだった。
王妃の子だからと言う理由だけで、自分の方が偉いと自負し、僕の事を何かにつけて見下し邪魔者扱いしてくる。
大した能力もない癖に、口だけは達者のただの傲慢な男だ。
それに比べて僕は幼い頃から色々な本を読み漁ったり、興味がある事はとりあえず調べてみる癖があったので、それが知識として蓄積されていった。
そのため学園では入学してから常にトップを取り続けている。
魔法についても側室だった母が有名魔術師の家系だった為、僕もその力を受け継いでいた様だ。
それに加えて幼い頃からの知識を持つことで、この年にして特級魔法まで使える様になったのだが、この事は周囲には伏せている。
知っているのは国王と一部の者のみだ。
幼い頃の僕は淡白な人間だった。
誰かと無駄な話をするくらいなら、一人で大人しく本を読んでた方が良いと思っていた。
だけどある時、僕がいつも一人でいる事を心配した母が、同い年の子供を連れて来た。
しかしその子は僕の嫌いなタイプだった。
やかましくて、好奇心が旺盛で…それでいて泣き虫で…。
当時僕達は5歳だったから普通の子供として考えれば、何もおかしい事は無かったんだとは思う。
ただ僕は変わり者だったので、最初はそれが耐えがたかったのだろう。
最初は無視していれば勝手に大人しくなるだろうと思っていたが、その子は僕の隣に座り読めない字を必死に読もうとしていた。
そして何でも出来てしまう僕に嫉妬したのか、絶対に勝てる筈もないのに無謀にも勝負を挑んで来る。
馬鹿なのか…と最初は思った。
しかし、それが不思議と面白く見えてきて、この子はどうしてそんな考えを持つのか次第に興味を持つようになっていった。
結局その子はただの負けず嫌いなだけだったのだが、それでも必死に努力しようとする姿に僕は惹かれていった。
それが僕の婚約者であるシャルロッテ・ヴィーツェルだ。
当時5歳の彼女には既に婚約の話が持ち上がっていたのだが、どうしても彼女と婚約したいと父に頼み込んだ。
まだ正式には決まっていなかった為、僕が婚約者になれたと言うわけだ。
シャルは成長しても、中身は余り昔と変わっていかなかった。
僕に敵わない事は分かっているのに、何かと僕に挑んで来るし、強がる態度を見せてくる。
そのくせ、表情は素直なので顔を見れば大体何を考えているのか分かってしまう。
そんな所が本当に可愛くて、愛おしくてたまらない。
そしてあの時出会ったのはシャルの他にもう一人いた。
それがロラン・ドレッセルだ。
元々母が僕の為に呼んでくれた子供と言うのがロランだった。
シャルはロランに着いて来ただけだった。
ロランはあの時、シャルを連れて来た事を後悔しているのかもしれない。
もしシャルを連れて来なければ、きっとロランの婚約者になっていただろう。
僕は知っている。
ロランがずっとシャルの事を思っていることを…。
友人ではあるが、シャルをロランに渡すつもりは無い。
学園を卒業したら、すぐにでもシャルを妻に迎え入れようと思っていた。
そして生涯シャルと共に生きて行こうと…。
そう思っていた。
あんなことが起こってしまったのは、僕の考えが甘かったからだ。
その所為で、一番大切なものを手放さなければならない事になってしまうなんて…今の僕には想像も付かなかった。
ヴァイス大国の現国王と側室の間に出来た子で、第二王子として育てられた。
側室の子という理由で僕は幼い頃から王宮ではなく、そこから少し離れた離宮で生活をしていた。
兄である3歳年上の第一王子は王妃が生んだ子であり、僕は昔からこの第一王子が鬱陶しくて嫌いだった。
王妃の子だからと言う理由だけで、自分の方が偉いと自負し、僕の事を何かにつけて見下し邪魔者扱いしてくる。
大した能力もない癖に、口だけは達者のただの傲慢な男だ。
それに比べて僕は幼い頃から色々な本を読み漁ったり、興味がある事はとりあえず調べてみる癖があったので、それが知識として蓄積されていった。
そのため学園では入学してから常にトップを取り続けている。
魔法についても側室だった母が有名魔術師の家系だった為、僕もその力を受け継いでいた様だ。
それに加えて幼い頃からの知識を持つことで、この年にして特級魔法まで使える様になったのだが、この事は周囲には伏せている。
知っているのは国王と一部の者のみだ。
幼い頃の僕は淡白な人間だった。
誰かと無駄な話をするくらいなら、一人で大人しく本を読んでた方が良いと思っていた。
だけどある時、僕がいつも一人でいる事を心配した母が、同い年の子供を連れて来た。
しかしその子は僕の嫌いなタイプだった。
やかましくて、好奇心が旺盛で…それでいて泣き虫で…。
当時僕達は5歳だったから普通の子供として考えれば、何もおかしい事は無かったんだとは思う。
ただ僕は変わり者だったので、最初はそれが耐えがたかったのだろう。
最初は無視していれば勝手に大人しくなるだろうと思っていたが、その子は僕の隣に座り読めない字を必死に読もうとしていた。
そして何でも出来てしまう僕に嫉妬したのか、絶対に勝てる筈もないのに無謀にも勝負を挑んで来る。
馬鹿なのか…と最初は思った。
しかし、それが不思議と面白く見えてきて、この子はどうしてそんな考えを持つのか次第に興味を持つようになっていった。
結局その子はただの負けず嫌いなだけだったのだが、それでも必死に努力しようとする姿に僕は惹かれていった。
それが僕の婚約者であるシャルロッテ・ヴィーツェルだ。
当時5歳の彼女には既に婚約の話が持ち上がっていたのだが、どうしても彼女と婚約したいと父に頼み込んだ。
まだ正式には決まっていなかった為、僕が婚約者になれたと言うわけだ。
シャルは成長しても、中身は余り昔と変わっていかなかった。
僕に敵わない事は分かっているのに、何かと僕に挑んで来るし、強がる態度を見せてくる。
そのくせ、表情は素直なので顔を見れば大体何を考えているのか分かってしまう。
そんな所が本当に可愛くて、愛おしくてたまらない。
そしてあの時出会ったのはシャルの他にもう一人いた。
それがロラン・ドレッセルだ。
元々母が僕の為に呼んでくれた子供と言うのがロランだった。
シャルはロランに着いて来ただけだった。
ロランはあの時、シャルを連れて来た事を後悔しているのかもしれない。
もしシャルを連れて来なければ、きっとロランの婚約者になっていただろう。
僕は知っている。
ロランがずっとシャルの事を思っていることを…。
友人ではあるが、シャルをロランに渡すつもりは無い。
学園を卒業したら、すぐにでもシャルを妻に迎え入れようと思っていた。
そして生涯シャルと共に生きて行こうと…。
そう思っていた。
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